世界トップクラスの自動車部品メーカー、株式会社デンソー。部品やシステムで自動車業界の先進技術を担う一方、生活・産業関連機器をはじめとする幅広い分野に進出しており、グループで約16万人、単体でも約4万人の社員を抱える日本有数の大企業です。同社が「カオナビ」を導入した目的と活用のイメージを伺いました。
株式会社デンソーについて
人々が安心・安全、そして快適に暮らせる社会の実現を目指す
自動車業界での役割では、基幹部品、制御システム、その製造技術に至るまで、幅広く自動車全体に携わっている。加えて近年は、自動車のセンシング技術やAI、ロボットの知見を活かし、農業や医療分野などへも挑戦するなど、利便性が高く快適な自動車の実現だけでなく、あらゆる分野で地球環境に優しく、人々が安心して暮らせる社会の実現を目指している。
「カオナビ」導入の背景
考える“ヒマ”をつくる
——「カオナビ」の導入に至った背景をお聞かせください。
吉岡恵太(以下、吉岡): 私と平山が所属する人材・組織開発室は、人材の育成や配置、エンゲージメント向上を通じた組織活性化をミッションとし、教育や組織開発、人事評価、昇進昇格、組織編成などを担当しています。その中で私たちは、部長・次長格の昇格業務を中心に担当しています。
平山 悠(以下、平山): 実は、私は転職で、吉岡は異動で、今年(2018年)はじめてこの部署に配属されました。詳しい業務内容についてはわからない中で、「付加価値のある時間の使い方をしよう」ということだけをまず決めました。新しい担当者同士だからこそ、従来のやり方にとらわれずに、やるべきことに重点を置いて考えられると思ったからです。
吉岡: しかし、いきなり挫折しました。異動したタイミングがちょうど昇格業務の繁忙期で、作業に追われる日々に突入してしまったのです。人材リストを各部門に送り、必要事項を入力して返信してもらう。さらに、上司の方にはメンバーに関する詳細な人材情報も別途送ってもらいます。これを、Eメールで300以上ある部門と実施するため、配布・収集にかなりの時間を要しました。
平山: ひと通り終わってから吉岡と、「これじゃダメだね」と。考える“ヒマ”がない。ルーティン業務を効率化し、捻出した時間をより創造的な業務にあてないといけない、と強く感じました。そこで、早速テクノロジーの力を借りることにしました。最近新しいHR Techがどんどん出てきていることを鑑みると、絶対に活用できるテクノロジーはすでに世の中にあると思ったのです。それが、「カオナビ」導入のきっかけです。
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「カオナビ」導入の決め手
説明いらずのユーザーインターフェイス(UI)
——「カオナビ」を知った経緯と、導入の決め手になったポイントをお聞かせください。
平山: 以前からHR Techに関心を持っていました。「HRテクノロジー大賞」も見ていたため、そこで取り上げられていた「カオナビ」にも興味を持っていました。「名称と機能が一致した使いやすそうなツール」という印象でしたが、実際に他のツールと比較してみて、「カオナビ」のUIは圧倒的にわかりやすいと感じました。
吉岡: 私も、UIにひと目惚れでした(笑)。「まさに、こういうものを求めていた!」と感じました。大所帯で様々な立場の社員がいるため、誰でも使いこなせる操作性が重要です。「わかりにくい」という印象を持たれてしまうと誰にも使ってもらえなくなりますし、使い方に関する問い合わせが多いと、削減しようと思っていたルーティン業務を逆に増やしてしまいます。だからこそ、「説明いらずのUI」が決め手になりました。
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平山: 他に重視したのは、安全性とカスタマイズ性です。言わずもがなですが、社員情報を掲載する以上、セキュリティは欠かせない項目です。この点は、社内の情報セキュリティチームに診断してもらい、無事安全性の確認が取れました。また、変化の激しい時代においては、人事も様々な変化が起こり得ることを常に意識しています。そのため、変更にすぐ対応できるカスタマイズの柔軟性も魅力でした。
小規模から試行できる。「コストパフォーマンス」の良さが追い風となった
——大企業でのシステム導入は容易ではないと思います。今回は試行導入ということですが、社内の合意形成における苦労はなかったのでしょうか?
吉岡: 全社的な導入となると影響範囲も大きく、確かに容易ではありません。想定外の問題が発生することも十分にあり得ます。また、ツールは使ってみないとわからないことも多いものです。だからこそ、実際に自分たちで手を動かして試行することが必須だと考えていました。幸い「カオナビ」はイニシャルコストが手頃で、価格も人数に応じて設定されています。そのため今回は小規模で試行から始め、あえて導入サポートに頼らず自分たちで触ってみることにしました。
平山: そういったリスク管理をしたうえで、上司を説得しました。ただ、説得と言っても、応援してくれるのではないかという感触は最初からありました。チャレンジに対して前向きな会社の風土もあり、私たちのチームも「まず、やってみよう!」という姿勢があります。また、上司やその上の上司との距離が近く、日ごろから課題の共有ができていたこともポイントだと思います。作業工数や労務費、作成しているファイルの数などのデータを見せるようにしていたことも奏功しました。
「カオナビ」活用のイメージ
PROFILE BOOK、PICKUP LIST、SHUFFLE FACEを組み合わせて活用
——導入から1か月ほどで色々な機能をご活用いただいていると伺っています。具体的にはどのような使い方をされているのでしょうか?
平山: まず今年度は、私たちの担当業務で「カオナビ」の試行を続け、その上で範囲の拡大や、使い方の調整を検討しています。昇格業務では、人事と推薦部門の間で候補者を絞り込むための合議を実施します。今回は一部の部門において、合議の場で「カオナビ」を活用してみました。使ってみた機能は、PROFILE BOOK、PICKUP LIST、SHUFFLE FACEの3つです。
PROFILE BOOKに基幹システムの社員情報をCSVで一括登録
吉岡: まず必要だったのは、対象者の社員情報を「カオナビ」の人材データベース機能であるPROFILE BOOKに登録することです。基幹システムから抽出した社員情報のCSVデータを、「カオナビ」に移行すればすぐに使えます。一括登録ができるので、作業は数分で終わります。登録後に情報を追加したこともありましたが、こちらも操作がわかりやすく、すぐに対応できました。
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SHUFFLE FACEで昇格の検討
吉岡: 合議の場で最も活用したのはSHUFFLE FACEです。事業部のリーダー同士が話し合って決定しますので、候補者を様々な角度から全員で見られることが重要になります。そのため、今までは膨大な資料を準備し、印刷して使用していました。今回、属性別の表示を瞬時に切り替えられるSHUFFLE FACEを活用したことで、ノーペーパーを実現することができました。
平山: さらに、顔写真をクリックすればPROFILE BOOKに登録された各社員の詳細情報が別タブで開きます。全体と個別の情報をスムーズに行き来できて、流れを止めることなく議論が続けられました。実際に、試行に参加していただいた部門長からも、「すごく良いツールだね」と好評でした。
PICKUP LISTで昇格対象者を絞り込んでリスト化
吉岡: SHUFFLE FACEを有効活用するためには、PICKUP LISTが欠かせません。登録されている社員の中から一部のメンバーだけを絞り込んでSHUFFLE FACEで見たい場合は、事前にPICKUP LISTの登録が必要になります。こちらもUIの良さが効果を発揮しており、10件以上のリスト作成が10分弱で完了してしまいました。
平山: 従来の紙の資料作成では数時間かかっていたため、ルーティン業務の効率化も一歩前進したと言えます。
今後の活用について
——今後、全社的な活用の可能性はありますか?
平山: まだ試行が始まったばかりなので、まずは色々と機能を体験してみます。カオナビ様とも相談しながら、可能性を探りたいと思います。
- 設立
- 1949年12月
- 資本金
- 1,874億円
- 社員数
- 単独39,315名(2018年3月31日現在)
- 事業内容
- 先進的な自動車技術、システム・製品をグローバルに開発・提供する自動車部品メーカー。また、生活・産業関連機器など、自動車技術を応用した様々な事業を展開。