カオナビを2年半活用した結果、
職員2,439人の従業員満足度が向上し、
離職率は全国平均以下になりました

 「子ども達の未来のために」という企業理念を掲げ、東京を中心に横浜、大阪にて116拠点の認可・認証保育所を展開、2016年には東証マザーズへ上場した株式会社グローバルキッズは、2014年5月にカオナビを導入しました。
 その結果、保育士の定着につながり、離職率が全国平均以下になったといいます。今回は、カオナビを導入した経緯やその効果を中心に、同社代表取締役 中正 雄一 様にお話を伺いました。

  • 商号

    株式会社グローバルキッズ

  • 本社

    東京都千代田区富士見二丁目14番36号

  • 業種

    福祉サービス業

  • 資本金

    3,000万円

  • 従業員数

    2,439名 ※2017年4月現在。

  • 事業内容

    保育所・学童保育施設の運営

概要: 考え方を伝えることで、従業員満足度を高める

大人が元気じゃないと、将来大人になる子どもが元気になるわけがない

――グローバルキッズについて、教えてください

代表取締役 中正 雄一 様
代表取締役 中正 雄一 様

 グローバルキッズは、2006年5月「子ども達の未来のために」という企業理念のもと、認証保育所の開所・運営を開始しました。東京エリアと横浜エリアを中心とした認可・認証保育所していましたが、2015年には大阪へ進出。2016年3月には持株会社グローバルグループが東証マザーズへ上場しました。2017年4月現在、116施設を運営し、6,000人の子どもと2,439人の職員がおり、平均年齢は29歳。最高齢は75歳のパートさん。69歳の園長先生が5人います。

――女性の社会進出増加や待機児童問題など、保育事業を取り巻く環境は大きな変化を迎えています。

 ご指摘の通り、少子化や共働き世帯の増加による女性の社会進出に伴い、働きながら子育てしていく社会になってきていますので、保育所の需要は非常に高い状況です。東京都だけでも年間150から200施設の保育所を作る計画があるようですが、私たち現場から言わせてもらえれば、それでも、まだまだ足りないと感じています。現在では、妊娠がわかった時点で「保活(認可保育所に入園させるための活動)」をしなければならない状況です。入園の枠だけでも確保したいというほど、本当に施設が足りてないというのが現状なのです。
そんな中、当社だけではなく多くの保育事業者が直面している経営課題が人材不足です。保育士の獲得や定着率など、どの保育事業者も頭を悩ませていますが、この問題を複雑にしているのが、待遇面での差別化が難しいという点です。

――「待遇面での差別化が難しい」とは、どういうことですか?

 私たち福祉サービス業というのは、国や自治体からの補助金で運営していることから、待遇面での差別化ができない仕組みになっています。収入はほぼ同水準ですから、待遇面もほぼ同じ。そのため、特色を出しづらいのです。

 その中にあって当社は、保育事業に対する姿勢や考え方を伝えることで、求職されている方に選んでもらえるよう努めています。その甲斐あって、これまで採用面では大きな苦労をせずに来ています。
もしかすると、それは私がパン屋だったことが影響しているのかもしれません。

――「パン屋だったことが影響している」というのは?

 保育士をされている方は、パン職人と似ている部分が多いと感じています。そのどちらも、職人気質でプロフェッショナルな意識が強く根づいているからです。パン職人がパンづくりにこだわるように、保育に対してこだわりを持つ方が多いのです。
 例えばパン職人の場合、「あんぱん」の「餡の入れ方」が違うというだけで、対立することがあります。「餡の入れ方」が違っていても、完成した「あんぱん」は、一見すると同じ「あんぱん」ですよね。しかし、一人ひとりのパンづくりに対する「こだわり」が、そうさせているのです。
 これと似たことが、保育士にもあると感じています。保育のあり方や子どもとの接し方に対して、「こだわり」を持っている方が多い。だから、「保育感が違う」という意見が出ることもあります。しかしこれは、会社としての考え方や子どもに対する思いなど、会社の「こだわり」をしっかり伝えて基準を作ることで回避ができると考えています。

――クレド(信条)の中にある「輝いた大人を魅せる」というのは具体的にどのようなことでしょうか?

 私は、保育所にとって働いている職員の満足度はとても重要だと考えています。職員の幸せは、その職員にみてもらっている子ども達の幸せにもつながるからです。ですから、「早く大人になりたいな」と思ってもらえるような「輝いた大人の姿を見せて行きましょう!」というのが、当社の考え方ですね。大人が元気じゃないと、将来大人になる子どもが元気になるわけがない。大人に夢がなければ、子どもが夢を持つわけがありません。このような考え方を現場の職員とコミュニケーションをとりながら積極的に伝えることで、従業員満足度を高めていくよう配慮しています。

課題: 職員1,000名を超えてから、顔と名前が一致せず…

カオナビを見ない日は、ないですね。毎日、見ています

――職員さんとのコミュニケーションで、具体的に気をつけていることはどんなことですか?

 「その人自身を受け入れる」というのは大事かな、と思っています。そのうえで、「あなたが必要なんだ」ということを、伝えるようにしています。これは当社の「チーム保育」の考え方が根底にあります。私には代表として決裁や職務の役割が、職員には保育所という現場での役割があります。組織上、決裁などの職務的な役割があるのは仕方がないと思っていますが、人間としては対等であり、同じチーム員だと考えているため、私はその中での上下関係をまったく意識していません。
 しかし、そのチーム員である職員が1,000人を超えたあたりから、徐々に顔と名前が一致しなくなってきたのです。それまで私の役割は「チーム員の顔と名前を覚えてコミュニケーションをとること」だと思っていましたが、さすがに記憶できなくなってきた。そんなとき、カオナビを紹介されたのです。

――カオナビに、どのような第一印象を持たれましたか?

 「カオナビ」という名前のとおり、顔が一覧で見られるというのは、本当にありがたいと思いました。素直に「これいい!」と思いましたね。職員の顔と名前が一致させるには、これ以上のシステムはないのでは、と感じました。

――職員さんが1,000名になるまで、どのように管理をしていましたか?

勤怠管理するシステムはもともと導入していましたが、人事情報を管理するシステムは導入していませんでした。私自身、それまでは面接でお会いしたときの記憶をたどり、履歴書を見て職員の情報を確認していましたね。それが、1,000人超えるころでしょうか。さすがに顔と名前が一致しなくなって、覚えきれなくなってきたのです。
今では、カオナビを確認して、「●●さん!最近どう?」と名前を呼んでスムーズにコミュニケーションがとれるようになりました。

――名前で呼んでもらえた職員さんは、どんな反応をしますか?

 誰でも、自分の名前を覚えてくれていると嬉しいものですし、喜んでくれます。職員は私のことを覚えてくれていても、私が覚えていなければ、それはチームではありません。「名前を呼ぶ」というコミュニケーションは非常に大事にしています。

――カオナビをどのくらいの頻度で利用されていますか?

 カオナビを見ない日は、ないですね。毎日、見ています。現場に行くときに限らず社内にいても、人の情報は飛び交いますから。会議をしていると、「あの人がこういう良いことをした」「あの園で、この人は力を発揮している」という個人に関する話題が出たら、まずカオナビで顔を確認して、採用面接時の印象や情報を記憶しています。

――現在、カオナビを閲覧できる立場の方は?

 現在は、本部のバックオフィスと保育事業部のマネージャーです。私がどんな職員でもすぐに名前で呼ぶことができているのは、実はスマホでカオナビを見ているからだ、とは知られていません。先日も10人で海外研修に行きましたが、そのうち8人の名前がすぐに出てこなかったので、その場でカオナビを開いて、名前やプロフィール、勤務している施設などの情報を調べて、会話の中に織り込みました。

グローバルキッズが、海外研修に積極的に取り組む理由

――なぜ、海外研修を取り入れたのですか?

 海外の保育現場を実際に見てもらい、現場に活かすためという目的があります。海外研修でヨーロッパの子どもたちを見ると、保育に対する考え方が良い意味で変わるのです。
 また、それ以上に重要なのは、職員に非日常の体験してもらい、その体験を園児たちに伝えてもらうことです。職員が子どもに与える影響は大きいものです。その職員が楽しみ成長していく姿は、確実に子どもたちにも良い影響を与えると考えています。

――保育に対する考え方が変わるとは?

 ヨーロッパでは、子どもは「誰かの子ども」ではなく、一人の人間として扱われます。たとえば、北欧のデンマークの保育所では子どもがケガをしても、「自分のせいだ」と言われます。だから気を付けようね、となるんです。それぐらい、子どもを一人の人間として見ている。日本の保育者がそんな状況を目の当たりにすれば、子どもへの見方も変わります。ですから、「人として成長してほしい」、「輝いて帰ってきてほしい」という思いで、海外研修に送り出しています。

効果: カオナビ導入における3つの効果

カオナビで離職率が下がった

――カオナビの導入効果を教えてください

 カオナビ導入による効果は、以下の3点です。

1. キャリアパスが形成できる
2. 行政監査に素早く対応できる
3. 職員の離職率が下がった

――「1. キャリアパスが形成できる」とは?

 カオナビは、キャリアパスにも活用しています。当社では、職員のキャリアを5段階にわけ、その段階に応じて、毎週1、2回の研修が開催されています。誰が今どの段階にいて、どんな研修が必要か、どう受講履歴を残し、通知するかということのすべてが、カオナビで把握できるようになりました。それまでは、一覧表の紙をめくりながら、「この人は受講しましたか?」と確認しながら対象者を選んでいるような状態でしたから、時間もかかっていましたし、確認もれなどもありました。

――「2. 行政監査に素早く対応できる」とは?

 当社に限らず認可保育園を運営している事業者は、国や自治体からの補助金で運営しているため、不定期に行政監査が実施されます。主に、履歴書や労働条件通知書、雇用条件通知書、資格者証などの書類確認が中心ですが、カオナビ導入以前は、個人情報の書類ということもあり、本社で一括管理をして必要に応じてコピーを各保育所で保管していました。しかし、コピーをとる作業の煩雑さや、保育所によって管理が統一できておらず時間も労力もかなりの負担になっていました。カオナビ導入後は、それらの書類をすべてデータ化してカオナビ上で一元管理できるようになったので、監査にも素早く確実に対応できるようになりましたね。どの保育所でも確実に取り扱うことができています。

――「3. 職員の離職率が下がった」とは?

 カオナビ導入直後は、離職率が16%程度ありました。しかし、今年度の離職率はパート社員を含めて10%以下で推移しています。これは厚生労働省が発表している全国の私立保育園の離職率12% を下回っています。

――離職率が下がった理由をどうお考えですか?

 2つあり、1つはコミュニケーションが深まったことによる定着率の上昇ですね。
 コミュニケーションの深さを数値化するのは難しいのですが、私やマネージャーが職員の顔と名前を一致させてコミュニケーションをとるようになったことで、信頼関係が深まったことは間違いありません。2,100人以上の職員と、出身地や出身大学などの共通の話題を探れるようになったのですから、良い影響を与えていると思います。

――もう1つは?

 もう1つは、離職者の情報を共有することで採用時のミスマッチが回避できていることです。
 退職希望者の経歴や面談情報をカオナビで必ず確認するようにしたところ、採用面接時に不安を感じていた人材が退職する傾向が多いことがわかりました。たとえば、前職の退職理由が「職場環境」だった場合、当社を退職する際の理由も「職場環境」となる傾向があるのです。あくまでデータ上のことですが、同じ理由で転職を繰り返す傾向があるということです。これらの情報を蓄積し、採用担当者にも情報共有することでミスマッチが防げるようになりました。その意味では、カオナビの情報は、本当に宝物です。

――カオナビとの相乗効果を感じる場面はありますか?

 現場の職員にとって園長先生の存在は大きく、グローバルキッズという会社に所属しているというより、その園に所属している感覚が強い。ですから、園長先生がグローバルキッズを理解したうえで、「お母さん役」を担ってくれ、職員の皆さんに愛情を持って接してくださると、おのずと定着率は向上します。とはいえ、それを園長先生1人に任せるのは負担が大きい。さらに園長先生のスキルもそれぞれですし、職員との相性もあります。そこで、当社ではエリアマネージャーやさらにその上のブロック長という3つの層による組織で、施設長をはじめ施設そのものをサポートしています。
 保育所は人材がとても重要なリソースですから、カオナビで人材の情報をサッと見ることができ、みんなで共有できるので人事考課の会議にも活用しています。「この人は今年こういう活躍をしました」とマネージャーがプレゼンをするのですが、その時にカオナビで顔写真や人材情報を見ながら進めています。いまの人事考課は、カオナビなしでは到底できません。

今後: ITツールの導入を根付かせるために

――保育の現場では、ITツールの導入を控えている印象があります

 当社ではカオナビに続き、今年度から園児管理や保護者との連絡ツールなど、保育現場の業務効率化を見据えたITツールの導入を計画しています。ご指摘のように、保育の現場はアナログな環境。まずは現場の職員の方々に理解していただくことから始めています。いわば、IT化元年にあたりますね、今年は。

――ITツールを定着させるためには、何が重要とお考えですか?

 明確なゴールを見せることだと思います。ITツールを導入して、何がどう変わるか?そのゴールを明確に伝えれば、協力してくれるものです。
どんなことでも新しいことに取り組むときには、少なからず抵抗があるものです。ただ、それほど難しいことだとは捉えていません。タイムカードに変わるシステムを導入したときも、当初は大きな抵抗にあいましたが、いつの間にか、「ピッ!」とするのがあたり前になりましたから。

――今後カオナビでこんなことやってみたいなんていうものはありますか?

 日本中の保育士情報をカオナビに一括管理、集約できると、人材の確保がしやすくなるのではないかと思いました。ですから、カオナビには、ぜひ保育業界のインフラになって欲しいですね。

――中正社長、本日はお忙しいところありがとうございました。

取材日:2017年1月
取材・構成:石岡幸/キョーカンシャ!
注:文中の数値等は、取材当時のものです
※厚生労働省:平成27年12月4日 保育士等に関する関係資料 「保育士の経験年数、採用・離職の状況」より抜粋

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