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アジア航測株式会社

1300名のスキル情報を「カオナビ」で可視化するアジア航測の取り組み

2023.05.25
シンプルな人材情報管理
ペーパーレス化
人事評価の効率化
人材情報の共有
優秀人材の配置機能
  1. 案件獲得の鍵となる保有資格・業務経験の一元管理に「カオナビ」を活用
  2. 社員の資格・業務実績を「プロファイルブック」で管理。既存システムとのAPI連携で最新をキープ
  3. 半月かかっていた人事評価集計が10分の1に短縮。操作性の高いUIで役員も積極的にアクセス
  4. 事業、組織、人材面で「将来の可能性に繋がる」情報を可視化し、アクセスできるようにしたい

1954年の設立以来、航空測量を軸とした建設コンサルタントとして約70年の歴史を持つアジア航測株式会社。国土交通省・環境省・防衛省など国の公的機関や都道府県・市町村などの自治体、電力系企業や道路会社などから依頼を受け、災害対策やインフラ整備に向けた河川、砂防、火山などの測量を全国各地で行っています。今回は、「カオナビ」を用いて社員の資格・スキル管理と評価運用を進めるアジア航測株式会社 経営本部 コーポレート統括部 人財開発室 室長 小宅香里様、北村康悟様にお話を伺いました。

*本記事の掲載内容は全て取材時(2022年11月14日)現在の情報に基づいています

案件獲得の鍵となる保有資格・業務経験の一元管理に「カオナビ」を活用

――「カオナビ」を導入するまでのあいだ、社内ではどのような課題を抱えていましたか。

小宅香里様(以下、小宅様):
当社の事業は公共事業が多くの割合を占めており、受注の要件として、管理技術者の保有資格や業務経歴等の提示が必須となります。どんな技術者をアサインできるかがダイレクトに受注に繋がり、勝敗のカギとなります。これまでは人事が使うシステムの中で社員のスキルを把握しており、管理技術者を選任するためには人事から都度情報を提供している状況でした。この方法だと現場の社員は、スキルをタイムリーに把握できず、それぞれの部で独自に記録を保有している状況でした。

近年、政府が打ち出している国土強靭化基本計画や、部を跨いだ大型のプロジェクトも増え、業績は順調に推移。それに伴い社員数も1.5倍になりました。このことで、管理技術者のスキルの把握だけでなく、社員同士の顔と名前が一致しないという問題も浮かび上がっていました。中途入社の社員が増え、社員の入退社の頻度が加速したこともあり、メンバーの顔写真とスキルを一元的に管理・確認できるツールの導入が喫緊の課題となっていました。更に、これまで紙ベースで行っていた評価運用をシステム化することで、人事部員の生産性だけでなく、全社員の生産性も各段にアップすると考え、タレントマネジメントシステムの導入に踏み切りました。

――数あるタレントマネジメントシステムのなかから、どのような点が「カオナビ」を選ぶ決め手となったのでしょうか。

小宅様:
実際にシステムを管理する人事部員は、非エンジニア職ということもあり、選定にあたってはプログラミングの知識やマニュアルがなくてもある程度すぐに動かせる点を重視しました。他社の製品とも比較しましたが、そのなかでも「カオナビ」は直感的に使いやすく、余計な機能がついていないシンプルな構造が決め手となりました。

経営本部 コーポレート統括部 人財開発室 室長 小宅香里様
経営本部 コーポレート統括部 人財開発室 室長 小宅香里様

社員の資格・業務実績を「プロファイルブック」で管理。既存システムとのAPI連携で最新をキープ

――社員のプロフィール情報を「プロファイルブック」で管理されているとのことですが、具体的にどのような情報を登録されているのでしょうか。

小宅様:
「カオナビ」を導入した2020年10月前から、社内に点在していた20項目以上の社員に関わるデータを収集してきました。現在、プロファイルブックでは元々人事システムで把握していた保有資格や経歴だけでなく、業務システムで把握していた過去に関わったプロジェクトとその作業工数、営業システムで把握していた表彰実績、社員本人から収集した研修受講履歴、学会発表実績、さらに使用できるアプリやプログラミング技能などITスキルに関する情報を登録し、結果、会社中の社員情報を検索で探し出せるシステムになりました。

収集した情報は単純に蓄積するだけでなく、シートごとに全社員へ公開するもの、組織の上長だけに公開するもの、役員へ公開するものと区分し、広く活用しています。公開するための同意書を社員全員から取得し、信頼の醸成を図っています。

また、情報更新についてはAPIを利用した連携の仕組みを作り、月に1回、社内の他システムと同期させています。導入当初はCSVによるデータ登録を行っていましたが、API連携により作業者として関わるメンバーを少数に抑えることができ安全性も担保できました。

――「プロファイルブック」での管理に移行して、社内の業務に変化はありましたか。

小宅様:
技術者をプロジェクトにアサインする際、これまでは支店長や部長などの社歴の長い人の頭の中にあるデータベースで「Aさんは過去にこのような表彰経験あるからアサインしよう」など、個人の記憶を頼りにアサインしていましたが、現在の仕組みを導入してからは入社したての若手社員でもある程度の目星が付けられるようになり、適切なアサインにとても役立っています。
定期異動の際も、事業部長、部門長が社員の所属滞留年数や、キャリア志向を「カオナビ」からチェックできるので、現場からもこれは便利だね!とお褒めの言葉をいただいています。

更に、これまで社内に点在していた社員情報だけでなく、「自己紹介シート」を作成しています。
ここには、出身地や、趣味・特技、休日の過ごし方、好きな店や好きな場所など、プライベートに関わることが書き込めるようにしています。記入は任意としていますが、すでに多くの社員が入力してくれており、「現在は部長だが、以前は技術者で自然環境調査を担当していたので現場が好き」「鉄道が趣味」
と社員同士で話が弾むきっかけになるよう工夫をしています。
強面の部長であっても、初めましての方への一言!に「この分野なら何でも知っていますので、気軽に話しかけてください」と書いてあれば「カオナビを見たんですが」と話しかけやすくなると思っています。

「プロファイルブック 自己紹介シート」活用イメージ
「プロファイルブック 自己紹介シート」活用イメージ

北村康悟様(以下、北村様):
当社は全国に40以上の支店や事業所を設けており、普段の業務では直接会うことのない社員同士も多く存在します。私自身、新入社員で配属されたのは広島支店の営業職でしたが、多くの技術者が所属している西日本支社や本社と離れていたこともあり、顔と名前を覚えるのに苦労しました。最近は、WEB会議も多く出張の機会が少なくなったため、後輩から「顔が分からない社員と初めて話す前に、『カオナビ』で事前にその人のプロフィールを確認しますよ」と言ってもらった時は嬉しくなりました。

ほかにも「転勤で初めてこの地方にやってきて、過去にこの案件を担当した営業社員の話を聞きたい」「まだ話したことのない相手だが、この技術を知っている人に相談したいのだけど」といった場合にも活用されているようです。私自身も困ったときの相談相手をすぐに探せるようになり、非常に心強く感じています。

小宅様:
最近では、社員と上司の1on1面談の記録もプロファイルブックで管理しています。在宅勤務が増えたことで上司部下のコミュニケーションの時間が減ったと感じています。「上長が忙しそうで話す時間がない」「部下の考えていることがよくわからない」ということがないよう、それぞれの考えを傾聴する時間を作ろうと四半期ごとに1回のペースで面談を実施しています。

当社は定期異動も多く、実際の1on1面談では雑談から定年後を見据えたキャリアに関する相談まで、テーマは自由に設定しています。これまでのような紙ベースの管理では対応にも限界がありましたが、プロファイルブックを活用することで上司が代わっても社員の特性をすぐに把握できるようになり、コロナ禍における上司・部下間のコミュニケーション活性にも大いに役立っています。

他にもプロファイルブックとあわせて、「ボイスノート」による社員限定アンケートを実施しています。現状は年に1回、1on1の基礎資料となるエンゲージメント調査とキャリア志向のヒアリングに活用しています。

「プロファイルブック」活用イメージ
「プロファイルブック」活用イメージ

半月かかっていた人事評価集計が10分の1に短縮。操作性の高いUIで役員も積極的にアクセス

――これまで紙やExcelベースだった評価運用を「スマートレビュー」に切り替えられたとのことですが、こちらはどのような形で活用されていますか。

小宅様:
当社の人事考課は目標金額などの定量的評価に加え、新規のチャレンジ、自己研鑽などの定性的評価など個人ごとの5つの目標と階層ごとの職責意識に基づいて行われていますが、この結果の管理・運用に「スマートレビュー」を活用しています。

これまでの人事考課では、社員がそれぞれExcelのシートを入力して紙に印刷し、上長の押印を受けたものを人事部に提出、さらにそれを目視でExcelに手入力しポイント計算するという大変煩雑な行程を経ていましたが、「スマートレビュー」での運用に移行してからは、1回あたり半月程度かかっていた集計時間が10分の1に大幅短縮されました。

加えて、異動の際に発生していた上長間での引き継ぎ対応も確実なものとなりました。前任者が引継ぎ資料を後任者へ渡せないまま数ヶ月放置されてしまうということも少なくありませんでしたが、こうした問題も解消することができました。現在は面談のリモート化もあいまって、人事のみならず、社員からも「シンプルで楽になった」と好評です。
「紙に手書きしていた頃は作業に追われる感覚だったが、パソコンベースだと入力するのも楽しい」と、こちらも好評を得ています。「カオナビ」はUIが秀逸なので操作をフォローする手間がなく、人事としては大変助かっています。

役員からも「『カオナビ』って、人事考課だけじゃなくて本人の経歴や特性もわかるんだ。おもしろいもんだね!」「最近、若い子の顔と名前が一致しないから助かるよ」という声も聞かれました。これまで役員が社員一人ひとりの情報に直接アクセスする機会は無かったのですが、「カオナビ」導入後は積極的に保有資格などの情報を参照し、参考としているようです。

事業、組織、人材面で「将来の可能性に繋がる」情報を可視化し、アクセスできるようにしたい

――今後、「カオナビ」を活用して取り組みたいことがあればお聞かせ下さい。

小宅様:
最終的に目指しているのは、人的資本の可視化です。将来、会社が目指す長期ビジョンに向けてどんな組織が必要なのか、従業員数何名を目指すのか、どんなスキルが必要なのか、現状どのような人財が足りていないのか、「カオナビ」を活用して現場の管理職が簡単にシミュレーションできるようにしたいです。当社の経営理念の中に「事業は人が創る新しい道である」「事業は人格の集大成である」とうたわれているのですが、事業を継続させるために人のチカラは一番の財産です。
事業戦略、組織編成、人材戦略それぞれにおいて「ここまで足りていれば理想型」「今はこの分野が足りていないけど、5年後育成するための研修を実施しよう」という現状把握から、人員の補充強化や研修など人財育成にまつわることは全てこの「カオナビ」と一緒に実現したいと考えています。
社員個人のさらなる成長に会社もコミットしているというメッセージを伝えることで、離職防止にも繋げることができたらと思います。

北村様:
自然そのものを相手とする測量という仕事は、基本的に同じ案件というものがありません。それゆえ、会社としては社員の資格や経験といった「今ある実績」に加え、将来の可能性につながる情報も把握する必要が増していくと思います。実際、社内の釣り好きなメンバーが立ち上げた「釣りドコ」という海底地形情報アプリがきっかけとなって公益財団法人日本財団・一般財団法人日本水路協会「海の地図プロジェクト」への参画が決まり、10年かけて日本の浅い海域の9割を航空測量によって地図化することになりました。

そうした切り口で見ると、今後は社員同士がともに自己研鑽しあえる“同好の士”を見つけられるよう、管理情報を広げるのも良いかもしれないと考えています。当社は測量の会社ということもあり、営業、技術問わず、みんな地図や地理、地形が好きな社員ばかりです。営業マンにも技術者志望の者が多く、実際、技術職以外の社員も学会発表が行える環境が整っています。

とはいえ、実務が本格的になるにつれて自己研鑽として論文を執筆する時間を取りづらくなり、入社直後の1本目以降から発表本数を増やせない“2本目の壁”があるのも事実です。そんななか、興味のあるジャンルや年齢、職種を軸に学会発表を目指す仲間を見つけられれば、部署・エリアをまたいだコミュニケーションのきっかけにもつながるでしょう。お互い成長を促す仲間を募ることができたらと思います。

経営本部 コーポレート統括部 人財開発室 北村康悟様
経営本部 コーポレート統括部 人財開発室 北村康悟様
設立:
1954年2月
資本金:
1,673,778,000円
社員数:
1,587名(2022年9月30日時点)
事業内容:
建設コンサルタント
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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