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株式会社ポニーキャニオン

「生き残るための人事制度改革」。ポニーキャニオンが3年越しでカオナビを導入した理由

2022.04.15
シンプルな人材情報管理
人事評価の効率化
  1. 激動のコンテンツ業界における“生存戦略”としての人事制度改革
  2. 使いやすさに加え、制度改革を実現できる柔軟性とサポート体制を重視
  3. 「スマートレビュー」での評価運用で作業工数が大幅減
  4. 顔写真付きの「プロファイルブック」は社員がカオナビに慣れるきっかけにも
  5. 人事情報を一元管理。10年後のビジョン実現に向けた「力」を可視化

フジサンケイグループの映像・音楽コンテンツ会社、株式会社ポニーキャニオン。メイン事業の音楽・アニメ・映像コンテンツの企画・制作・販売に加え、近年はイベント企画事業や地方創生事業、ライブ劇場運営なども展開する同社は、人事制度の改定と同時に2021年3月からカオナビの運用を開始しました。導入の経緯や効果などについて、人事総務本部人事総務1部マネージャーの森ひとみ様にお話を伺いました。

*本記事は2021年12月7日開催のカオナビ主催セミナーの講演内容を基に構成しています。掲載内容は全てセミナー当日時点の情報となります

激動のコンテンツ業界における“生存戦略”としての人事制度改革

――人事評価制度の改定と同時にカオナビを導入されたとのことですが、なぜ制度改定をされたのでしょうか。

森様:
最大の理由は、ビジネス環境の変化です。当社の主な収益源はCDやDVD等のパッケージ商品。この10年あまりで、デジタル化やグローバル化の進展によって、配信型コンテンツの台頭に代表されるような商品形態・取引先の大きな変化が起こりました。その間、おそらく今後も続くこうした変化に対応できる組織構造に変えなければ、という危機感がずっとありました。また、事業領域拡大に向けて組織風土や求める人材像が変化し、評価制度再考の必要性も顕在化してきていました。

具体的な課題抽出のために実施したエンゲージメント・サーベイ(従業員への調査)の結果、給与設計や評価制度に大きな課題があることが分かり、人事コンサル企業の手を借りつつ、2021年1月から人事制度改革に着手しました。

その際、制度を運営する「器」となるツールについても、並行して検討を進めていました。

私が人事総務部に異動してきた2018年当時使っていた人事給与システムは、評価運用に使用するには思い描いている制度運用をタイムリーに実現できない上に、スキルの高い人材の育成・抜擢の仕組みがないという課題を抱えていました。その頃はちょうどタレントマネジメントが急速に注目されてきた時期で、タレントマネジメントシステムの代表格的な存在としてカオナビのことは知っていました。当時、採用には至らなかったものの、商談時にシミュレーション画面を見て「使いやすい」というイメージはそのときからありましたね。

人事総務本部 人事総務1部 マネージャー 森ひとみ様
人事総務本部 人事総務1部 マネージャー 森ひとみ様

使いやすさに加え、制度改革を実現できる柔軟性とサポート体制を重視

――制度改革と並行してシステム検討をされるケースは珍しいように思います。システム選定はどのように進められたのですか。

制度の枠組み検討と同時にシステム検討にも着手しました。

人事制度改定にはかなりのリソースが必要なので、制度策定の後でシステム選定という流れを踏む企業が多いようですが、「求める方向性によって、システムに求める条件は変わっていくことがある。また、使うシステムによって、制度の実現性が変わるかもしれない」という人事コンサル企業のアドバイスがあり、制度改定とシステム選定を同時に進行しました

評価制度は全社員に関わるものなので、最も重視したのは、人事総務部だけでなく、社員にも使いやすく、直感的に操作できるかという点。加えて、新しくできる制度が複雑になっても運用できそうな柔軟性があるか、というのもポイントでした。

今回の制度改革は、もともと行なっていた多面評価(360度評価)や期中の振り返り面談のブラッシュアップに加え、評価調整会議による相対評価の導入も含めた大掛かりなもの。実施管理やワークフロー設計が難しく、制度に取り入れても運用できない、続かないのでは……との懸念もあったのですが、コンサル企業からも「カオナビであれば運用できる」と実現性に“お墨付き”が出たのが、カオナビ採用の大きな要素でした。

あとはサポート体制の安心感ですね。マンツーマンの設定支援が受けられるオプションがあったり、設定方法が見るだけで理解できる動画が用意されていたりと、サポート体制の厚みについては日々「すごい!」と感じています。導入後のサポートもレスポンスが早く、助かっています。

「スマートレビュー」評価シートの設計画面イメージ。Excelに似た使用感でレイアウトできる上、パーツごとに閲覧・編集権限を設定できる
「スマートレビュー」評価シートの設計画面イメージ。Excelに似た使用感でレイアウトできる上、パーツごとに閲覧・編集権限を設定できる

「スマートレビュー」での評価運用で作業工数が大幅減

――主な活用機能は、評価ワークフロー機能の「スマートレビュー」かと思います。導入の効果はどんなところに感じましたか。

まずは制度の再現性ですね。評価シートやワークフローの設計画面が分かりやすい上に、複雑な計算式や閲覧権限を細かく設定できるので、思い描いていた制度をそのままかたちにできたと思います。

被評価者のグレードに応じてウェイトが異なるので、計算式が複雑なのですが、サポートサイトで紹介されている計算式を自分で探して設定ができました。また、今回新たに採用した多面評価では「評価期間中は非表示の上司コメントを、評価確定後はフィードバックのために表示させる」「同僚のコメントを上司にだけ閲覧可にする」などの細かい設定が必要でしたが、これも思い通りに設定することができています。

もちろん、設定だけでなく、簡単で効率的な制度運用ができているのも大きな効果です。

評価シート配布から回収までシステム上でできるので、人事総務部の工数がかなり圧縮できました。対応状況や入力内容が一覧で分かる進捗管理画面は、「あと何人分、評価対応をしなければいけないかがひと目で分かる」と評価者にも好評です。

評価の「仕上げ」となる評価調整会議でも、カオナビをフル活用しています。被評価者、評価者それぞれが複数にわたる多面評価の評価調整会議は、正直かなり大変です。でも、例えば「XマネージャーがAさんに付けたこのコメント、どんな意図があったの?」といったピンポイントな話題でも、タイムリーにそのコメントを参照しながら議論できるので、スムーズな会議進行ができています。

その他、運用後に気付いた修正を簡単に反映できるのが「かゆいところに手が届くサービスだな」と感じています。システムによっては、1項目変えたいだけなのにシートを丸ごと変更しなければならない、といったケースもあるので……。

顔写真付きの「プロファイルブック」は社員がカオナビに慣れるきっかけにも

――スマートレビューのほか、データベース機能「プロファイルブック」も活用されているそうですね。

顔写真付きで社員の情報を閲覧できるので、社員間のコミュニケーション活性のために、表示項目を絞った上で全社員が見られるように設定中です。新システムの導入直後は、どうしても「使いづらい」などのネガティブな声が挙がるものですが、結果的にその課題を乗り越えるきっかけにもなりました。

というのも、カオナビにはIDカード用の顔写真を載せているんですが、入社当時の写真をいまだに使っている社員もいて、実年齢と写真の年齢が違うことがたびたびありました。プロファイルブックを見るだけで「若すぎる……!」「もはや誰だか分からないね」といった盛り上がりがありまして(笑)。この盛り上がりで、新しいシステムへの不安や緊張を緩和できたかなと思います。2021年からはフリーアドレス制を開始したので、「顔と名前の一致」という切り口でもなお一層、プロファイルブックが活躍すると思います。

また、人事総務本部としてはスキル管理のプラットフォームという活用予定もあります。スペシャリスト職の任用申請、資格取得といった工程を紙管理からカオナビ上に移行することで、将来的にスキル情報を生かした評価を目指しています。

データベース機能「プロファイルブック」では、社員を軸に蓄積したデータベースを閲覧できる。閲覧者によって、見せたい項目や内容を変更することも可能だ
データベース機能「プロファイルブック」では、社員を軸に蓄積したデータベースを閲覧できる。閲覧者によって、見せたい項目や内容を変更することも可能だ

人事情報を一元管理。10年後のビジョン実現に向けた「力」を可視化

――アンケート機能「ボイスノート」で自己申告書の収集も始められたそうですね。どんな狙いがあるんでしょうか。

これまでExcelやGoogleフォームで収集していたのですが、ボイスノート経由でカオナビ上に情報を集めておけば、収集したデータを基にグラフがすぐに抽出でき、今後さまざまな資料作成が楽になるのでは、と考えています。評価結果、1on1の面談内容などと並んで、自己申告書やスキルの情報がプロファイルブック上で一元管理されることになるので、評価運用の際も参照できるでしょうし、ゆくゆくは配置や抜擢にも活用できればと考えています。10年後、在るべき姿に向けて敢行した制度改革ですから、そこを目指す「社員の力」を把握することは、第一歩と言えるのではないでしょうか。

制度や仕組みは「つくって終わり」ではなく、常に改善を続けていくもの。運用する中で見えてきた改善点だけでなく、社員からの意見も参考にし、改めるべきところは受け止め、改善を進めていくことが大事だなと感じています。改善したい、と思ったら、すぐに直せるのがカオナビの大きな利点だと思います。今後も柔軟性をフルに活用し、ビジョンの実現を一歩ずつ、着実に目指していきたいと思います。

設立
1966年10月
資本金
1億円
社員数
450人
事業内容
音楽、アニメ、映像コンテンツの企画・制作・販売、映画配給、イベントの企画制作、地方創生事業、ライブ劇場の運営
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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