課題
- Excelで労務管理をしており担当者ごとにデータがバラバラ
- 人材情報を統合的に管理して、閲覧と分析を効率化したい
活用法
- スキルや職歴だけでなく、行動特性も含めて社員情報を把握
- 部署の稼働状況やスキルバランスを客観的に分かりやすく可視化
効果
- 就業データがまとめて見えることで管理業務の負担軽減
- 人材情報の把握により戦略的な採用と人材開発ができる
野球、サッカー、バスケットボールなどのスポーツデータを基点としたサービスを提供しているデータスタジアム株式会社様。2018年にカオナビを導入し、幅広く活用しています。
今回は、コーポレート本部 人事部 部長 石塚芙由美様、コーポレート本部 経営戦略部 部長 兼 人事部 副部長 坂本圭佑様、コーポレート本部 人事部 プロデューサー 山田将平様に、カオナビを活用した人材情報の可視化についてお話を伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年6月24日)現在の情報に基づいています。
人材情報の可視化で一人ひとりを把握したい
––まずカオナビ導入の経緯についてお聞かせください。
坂本様:
以前は人材関連の仕組みも少なく、評価、健康管理、組織管理など、人事・労務担当者がそれぞれExcelで管理していました。
それらの機能を1つに集約して人事データを統合的に管理することで、可視化と分析をできるようにしたいと考えたことが導入のきっかけにはなりました。
以前から「Excelではバラバラの管理でやりにくい」「属人化になる」という声が担当者からも挙がっていたため、その課題解決も目的としてありました。
––システム導入にあたって、何から始めましたか?
坂本様:
システム導入でやりたいことを洗い出し、まず挙がったのが社員情報の把握でした。
職歴やスキルはもちろん、エニアグラムの性格診断なども含め、客観的な視点で一人ひとりを把握すること、加えて目標管理や育成の可視化ができれば、組織編制の材料にもできると考えました。
当社の組織は階層に加えて競技別にも分かれているので、情報管理のレイヤーが細かくなります。そのため、アクセス制限を細かく設定できるシステムが必要で、その点がカオナビを選んだ大きな理由でした。
カオナビの営業さんと打ち合わせをすると、丁寧にレクチャーしてくれたり、開発状況をオープンに教えてくれたりしたので、柔軟性があって今後のシステム拡張にも期待ができると思いました。
データを可視化することで、組織の状態が見えてくる
––導入してみていかがでしたか?
石塚様:
導入後は「ダッシュボード」機能を活用して、定量的な人事・労務情報を簡単にグラフで可視化できるようになりました。経営層と人事が打ち合わせをする際に労務データをカオナビ上で見せています。対象者の情報をポップアップで表示できるので、打ち合わせもスムーズに進めることができています。
データの更新もワンクリックで、複数データが一つの画面でまとめて見られるし、部署単位や全従業員など対象範囲ごとに横串で一覧にできるため、さまざまな視点でデータを見られますし、分析などにも役立っています。
山田様:
採用担当としても、人員状況の可視化は実現したい目標の一つです。「どのポジションに何人必要で、現状どれだけ足りていないか」という情報を人の感覚ではなく、客観的なデータを見て判断したいと思っていました。
そのあたりを可視化するために、「ダッシュボード」機能とグラフ作成機能「カスタムガジェット」を使いはじめています。別のシステムで管理している勤怠データを取り込んで、残業や有休消化の状況、在宅勤務の割合など、各部署の稼働状況がわかるよう、役員/管理職に向けてダッシュボード上にグラフを一覧で公開しています。
部署の稼働状況を可視化できれば、既存業務を回していく過程で人員に余裕があるのか、人手が不足しているのかという状況を判断する一つの参考材料になります。
––可視化できると分かることは多いですね。ほかにも何かありますか?
山田様:
組織全体の分析と並行して、個人の分析も進めていきたいと考えているところです。社員一人ひとりが保有しているスキルや行動特性を可視化できれば、例えば新規プロジェクト発足時に、既存メンバーの配置転換で対応できるのか、新規採用が必要なのか、という判断もしやすくなると思います。
個人分析を進める上では、スキル管理機能「アビリティマネージャー」やデータベース機能「プロファイルブック」の「マイボード」などで集約することを検討しています。
坂本様:
行動特性の収集は、社内の自己申告制度を活用しています。昨年は、取得資格、ワークライフバランスの考え方、異動希望といった仕事に直結する質問を追加し64個の設問で実施しました。
以前はExcelで行っていましたが、カオナビ導入後はアンケート機能「ボイスノート」で細かい権限を設定できるので作業が楽になりました。過去のデータ蓄積もできますし、カオナビで完結できて、プロファイルブックに簡単に連携できるのも助かります。
カオナビの開発スピード感や方針が戦略にマッチする
––社内の皆さんの反応はいかがですか?
石塚様:
中途入社の社員へのオリエンテーションでカオナビを使っているのですが、ダッシュボードに表示している社内の男女比や年齢比といった情報は「会社の中身をより知ることができる」「安心感を持てる」と好評です。
山田様:
プロファイルブックの自己紹介は、個人差はあるものの、結構内容が充実していると思います。スポーツに触れる仕事ですから、好きなチーム・競技、スポーツ経験のほか、映画鑑賞のような趣味を載せている人も多いです。社内のコミュニケーション活性にもつながっていると思います。
ほかにも、管理職が所属員の有給取得状況や残業時間などの就業データをダッシュボードでまとめて見られるようになったことは、管理業務の負荷軽減にもつながると期待しています。
––カオナビの機能以外に魅力に感じた点はありますか?
石塚様:
新しい機能がどんどんアップデートされるのはありがたいです。開発ロードマップも見せてもらえて、将来的にできるようになることを想像でき、活用展望も広がります。
山田様:
スピード感がありますね。改修要望もすぐ対応してもらえます。ユーザーコミュニティ「カオナビキャンパス」でちょっとつぶやいたことに対してのレスポンスが速く、やりたいことを実現できます。
ほかにも「もくもくラウンジ」などリアルで開催されるイベントや勉強会は他社の担当者と交流できるため、人事制度改定の参考になったり、作業にアドバイスをもらえたりもして、学びの多い場だと感じています。
坂本様:
カオナビの機能アップデートは当社の人事戦略や採用戦略の見直しにマッチしていて、導入後も関連する機能がリリースされています。
戦略的な採用施策のために「今いる人材のスキル可視化をカオナビでできたらな…」と考えていたところ、スキル管理機能「アビリティマネージャー」が追加されたことなどは、まさにピッタリのタイミングでした。今後の活用を模索しているところです。
一人ひとりにスポットを当てた人的資本経営の推進へ
––カオナビで今後やりたいことなど、展望をお聞かせください。
山田様:
昨今は人的資本経営が重要なキーワードになっています。人材に投資することが企業の成長につながるのは自明のこと。当社としても、当然重視しています。人材データを可視化することで、適材適所の人員配置や個人のスキルアップ・人材開発につなげていきたいと考えています。
石塚様:
今年、新しく360度評価を始めようという話があります。従来の上長から部下へのフィードバックはありましたが、部下から見た上長の姿についてもデータで蓄積・可視化をしてリーダー層のキャリアアップへ活かしていきたいと考えています。
坂本様:
現状、社員にとってのカオナビは事務的に使うツールでしかありません。「カオナビ=目標設定ツール」というイメージになっていると思います。
でもそれではもったいないと思っているんです。UIなのか、見たくなる仕掛けなのか、何か工夫をして、もう少しワクワク感のあるものになったらいいですね。人事情報のプラットフォームとして、社内全体に定着するのが最終目標だと思っています。
- 設立:
- 2001年4月
- 社員数:
- 115名(2024年8月1日時点)
- 事業内容:
- データ・IT活用によるスポーツ組織の課題解決・コンサルティング