課題
- グループ全体でデジタル化が進んでいない
- 押印、紙での提出など承認フローが非効率
活用法
- DX推進の起点としてグループ全体での導入を推進
- 1つの環境でグループ全体の人材情報や評価進捗を可視化
- 人事評価面談の場で『スマートレビュー(評価ワークフロー)』を活用
効果
- 業務時間を約58%削減、年間3,000時間の効率化を実現
- データに基づく評価面談が可能になった
株式会社ほくやく・竹山ホールディングスを中核に、医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、薬局事業、介護事業、ICT&関連事業などを展開するほくたけグループ。同グループでは現在、カオナビの導入を全社的に推進しています。先行して運用を開始した3社では、人事評価業務を中心にデジタル化を進め、業務時間を約58%削減、年間3,000時間の効率化を実現しました。現在は、介護事業を担う株式会社マルベリーへの展開も進んでいます。
グループ4社を1つの環境で管理するという統合運用の意思決定の背景には何があったのか。また、PCを持たない現場社員への浸透をどう乗り越えたのか。そしてカオナビをDX推進※1の起点と位置づけた先に何を見据えているのか——。管理統括本部 働き方改革推進室長 兼 人事部課長 佐藤 典子様、管理統括本部 人事部 谷津 雄太様に詳しく伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2026年3月6日)の情報に基づいています。
※株式会社ほくやく・竹山ホールディングスは、2026年9月29日より「TSUMUGU HOLDINGS」へ社名変更予定です。
※DX:業務をデジタルの力で変革すること
導入の決め手は「自分でもできそう」と思えたこと
——はじめに、カオナビを導入した背景について教えてください。
佐藤様:これまで、ほくたけグループのほとんどの企業で、人事評価業務が紙ベースで行われていました。ハンコを押して、提出して、そんな古いやり方でずっとやってきていたんです。何も疑問を持たずに従来のままやってきてしまっていて、デジタル化の流れに対応できていない部分がありました。紙だとどうしても付帯業務が多くなってきます。たとえば、各事業所で紙の原本を出して、それをPDFにして人事部門にも送って…。所属長は普段の業務で忙しいことに加え、それ以外のお仕事もたくさんあるので、大変ですよね。
また、紙の書類は場所もとります。オフィス環境にも当然管理コストはかかってきますので、ここも見直していく必要があると考えていました。現場では、3人しかいない事業所もあれば、100人単位でいる事業所もあるので、負荷のかかり方も全然違う。人事部だけでなく、各事業所の現場の方もまるっと楽にできる仕組みをつくっていきたいと考えていました。決して人事部などの管理部門が楽になりたいということではなくて、現場の方たちも巻き込んで、うまく楽にしていけるといいなと思っていたんです。
働き方改革推進室長 兼 人事部課長 佐藤 典子様
——数あるシステムの中から、なぜカオナビをお選びいただいたのですか。
谷津様:最終的な決め手となったのは、操作性の高さです。カオナビの営業担当者からのデモンストレーションを通じて、直感的に使えるインターフェースだと感じました。実際に説明を受ける中で、「これなら自分でもできそうだな」という風に感じることができました。カオナビ導入前は、ITツールなどのシステムに触れてきていませんでしたが、カオナビのサポートを受けながら、今まで大きな問題なく設定を進めることができています。
他のシステムも比較検討しましたが、複数の法人を1つの環境で管理できる柔軟性と、設定のしやすさ、そしてサポート体制の充実度がカオナビを選ぶ決め手になりました。実際、導入後に疑問点があっても担当者に確認すればすぐに解決できる体制が整っていたことで、スムーズに運用を立ち上げることができています。
管理統括本部 人事部 谷津 雄太様
カオナビ導入をDX推進の起点に——グループ展開の軌跡
——カオナビの導入はどのように進めましたか。
佐藤様:導入を決めた当初から、株式会社ほくやく・竹山ホールディングスで導入を進めていき、そこを起点に、ほくたけグループ全社に展開していきたいと考えていました。そのため、まずは株式会社ほくやく・竹山ホールディングスでカオナビ導入による成功体験を得ていくことで、その口コミで広げていきたいという思いがありました。
谷津様:カオナビを導入してみてから、実際に初めて『スマートレビュー』を触ってもらったときに、使用感についてのアンケートを、『ボイスノート』を使って取得するようにしていました。その回答の9割くらいは「問題なくできている」「使いやすい」という回答だったので、それをグラフ化して、グループ企業にお伝えしていました。
佐藤様:こうした取り組みを受け、医療機器卸売事業を展開している株式会社竹山の役員の方から連絡をいただけて、同社でも導入が進んでいきました。続いて、医薬品卸売事業を担う株式会社ほくやくでも導入が決定しました。株式会社ほくやくでは倉庫業務を行っている方が800人ほどいて、その方たちも評価面談の対象となるのですが、これまで部分的に紙で管理していたものもあったので、その効率化も大きなテーマでした。評価業務はボーナスにも直結するのでやらなくてはいけないところでもあります。
また、カオナビ導入に先立ち、年末調整をスマートフォンでやろうという取り組みがグループ内で進んでいました。そのため、「労働集約性の高い現場でも自分たちのスマートフォンでやっていいんだ」というところを入り口にして、カオナビ導入が進むことで、グループ全体における本格的なDX推進のきっかけになっていると感じています。現在、グループ内の株式会社マルベリーでも4月からのカオナビ導入を進めているところです。
——グループでの導入を進められているのはどんな思いからですか。
佐藤様:ほくたけグループでは、株式会社ほくやく・竹山ホールディングスを中心に、グループ全体を一つの組織として捉えることを大切にしています。カオナビの導入においても、タイミングはグループ内の各企業それぞれとしても、最終的にはグループ全体としてガバナンスが揃うようにやっていきたいと考えています。まず、株式会社ほくやく・竹山ホールディングスで導入してみて、役員の方や管理職の方も、「紙がなくなって楽になった」と感じているのではないでしょうか。そして、「これまでのストレスがなくなった」というのをグループ企業の方達にも横展開して伝えてくれているのが、グループでの活用に徐々につながっているのかなと思っています。
グループ全体でのガバナンスと各社の現場ニーズのバランスを取りながら運用できる点が、カオナビの大きな強みだと実感しています。成功体験を丁寧に「見える化」して横展開していく。その地道な積み重ねが、グループDX推進の確かな土台になっています。
業務時間を約58%削減、年間3,000時間の効率化を実現
——カオナビをどのように活用されていますか。
谷津様:基本的にすべての人事情報は、これまで使ってきた基幹システムに集約されているのですが、そこから人事評価に必要な情報を抜き出してカオナビに入れていき、評価面談の際に使っています。導入から1年くらい経過して、少しずつスマートレビュー以外の機能も使い始めているのですが、まずは評価システムとしてカオナビを使っているのが正直なところです。
——カオナビを導入して、業務負担の変化はいかがですか。
佐藤様:株式会社ほくやく・竹山ホールディングス、株式会社ほくやく、株式会社竹山の3社で、目標管理評価2回とコンピテンシー評価※1回の合計3回、1,600人分を経営会議用にデータ集計し、メール送信の付帯業務、押印業務の催促、異動対応、進捗のリマインドなど、関連業務を取りまとめた結果、削減率は58%、3,000時間くらいは年間で削減できている状況になっていると思います。
これほど大規模に仕組みのところから改善していったのは初めてだったのですが、非常に嬉しい成果でした。グループ内で展開していく上でも、「どれだけ業務負担が削減されるのか」を示すことが重要だと考えていたので、そこは一つ成果が出るように必死だったかなと思っています。
※コンピテンシー評価:成果につながる行動特性を評価すること
——紙からデジタルへの移行にあたり、社内での戸惑いはありませんでしたか。
佐藤様:一定の戸惑いはありました。やはり紙ではなくて、パソコンを見ながらの評価面談に変わるため、普段からパソコンを使って業務をしない管理職からは「どのように面談をすればいいですか?」という相談も寄せられました。そうした場合には、プロジェクターに映して情報共有しながら面談を行う方法を提案したりしていました。
その後、その現場の管理職にパソコンが貸与されるようになったんです。これまでは必ずしもパソコン使用を前提としない業務体制で、それくらいパソコンを使わない仕事だろうというふうに会社のほうから考えられていたのだと思うし、実際それでやってきた部分もあったのだと思うんです。でも、現在はパソコンを使わないと管理職は仕事できませんよということがしみじみとわかってきた。そのことを知ってもらえる機会にもなったのかなと。カオナビというよりも、デジタルツールに関して抵抗感がある人は内部的に多かったと思うのですが、カオナビ導入をきっかけにして、少しずつデジタルに移行していくいい機会になっていると思います。
グループ横断で活用を進めるためのポイントは?
——グループ内の複数社の人材情報を1つの環境で運用されていると伺いました。情報の見える範囲など工夫された点はありますか。
谷津様:情報の見えてはいけないラインをどうするかなどの権限設定については、導入時に各社の上層部としっかり擦り合わせをしています。基本的に『プロファイルブック』の情報はグループ全社に共有していきたいと考えているのですが、現時点では所属や氏名などの最低限の情報に限られています。今後、グループでの導入が進んでいった際には、自己紹介シートなど、その他の情報においてもグループで全社的に展開できればいいなと考えています。人材情報の公開範囲のラインは、導入時に事前に擦り合わせて、気をつけてやれば、そこまで運用において困ることはないのかなと思っています。
佐藤様:各社の導入時に、きちんとヒアリングをして、できることとできないことはお伝えするようにしています。「この設定にすると、この人たちには見えなくなりますがいいですか?」と確認して、ある程度の了解を得てから運用を進めるようにしています。
——グループ各社への展開後は、運用を現場に委ねていく形になるのでしょうか。
佐藤様:株式会社ほくやくと株式会社竹山の人事に関しては、株式会社ほくやく・竹山ホールディングスの人事部が担っており、人事の内部的な制度を熟知しているので、わたしたちでも運用していけるんです。しかし、4月からカオナビの導入が進む株式会社マルベリーにおいてはそこまで内部的な事情がわからない部分もあるので、ある程度の権限を渡して現場の方に運用していただけるといいなと思っています。もちろん機能的なサポートはしていきながら、今後のグループ展開も見据えて進めていきたいですね。
谷津様:グループ各社に運用を任せていくことで、独自ルールもできてくると思います。株式会社ほくやくにしても、株式会社竹山にしても、大小を問わず独自ルールは生じてきているのですが、基本的なスタンスとしては、現場の運用しやすさを優先したいと思っています。とはいえ、株式会社ほくやく・竹山ホールディングス、株式会社ほくやく、株式会社竹山の3社で先に運用してきて、成功体験などもあるので、いい運用の仕方は積極的に共有していきたいです。
——人材情報を1つの環境で管理することのメリットについてはどのようにお考えですか。
佐藤様:すべての情報が一元管理されていて、プラットフォームとして構築されているのは見やすいですよね。グループ内の企業でこれをやりたいと進めていってもらって、その途中経過などもこちらからレビューできたりするし、そうするとサポートする際にも都合が良かったりもするので。
谷津様:何かの機能を設計するときに、一つの環境に情報やノウハウがすべて入っているわけなので、新たにグループ内の企業にカオナビを導入する際にも、機能の使い回しであったり、情報の確認であったりはしやすいので、そこはメリットですよね。
佐藤様:人事評価面談の進捗の可視化は具体的にできているかなと思いますね。スケジュール通りに進んでいるんだなとか、もしくは滞っているところがあれば「何か困っていることはない?」というような感じで声掛けのタイミングも掴みやすくなっている気がします。タイムリーにピンポイントで手を差し伸べられるようになったと思います。
社員一人ひとりの可能性を引き出す対話のツールへ
——今後、さらに活用していきたい機能はありますか。
佐藤様:これまでは人事評価システムとして使ってきた部分が大きかったので、社内でも「カオナビ=評価制度」みたいな認識もあると思います。今後は、徐々にいろんな機能も使っていきながら、タレントマネジメントシステム※という使い方をしていけるといいなと考えています。
※タレントマネジメントシステム:個性やスキル、経験、実績、キャリア目標などの人材情報を一元管理、見える化ができるシステム
課長職の方、女性の管理職候補の方など、人材情報をプールできているわけなので、そういった部分は経営層にとって欲しい情報だと思います。なので、こちらから欲しい情報をプッシュ型で伝えていけたりできるのではないかとなんとなく想像しているところですね。
谷津様:具体的には、スキル管理のために『アビリティマネージャー』を現場で使ってもらおうと考えています。今後の予定として、株式会社ほくやくの物流部で導入を進めており、使う目的としては、拠点ごとの特色や、スキルを持っている人材の偏りがないかどうかなどを可視化することで、適切な人材配置につなげていきたいというのが念頭にあります。そして、現場でのリアクションが良かったり、成果につながったりすれば、今後、グループの各社に広げていきたいと思っています。
——これからのカオナビ活用の展望をお聞かせください。
谷津様:「ダッシュボード」の機能などを使って、人的資本を含めた社内のあらゆる情報をカオナビに集約していきたいと思っています。何かあれば、まずカオナビを見れば、必要な情報はあるよねという状態をつくっていくのが理想です。現状、顔写真の登録が進んでいない状況だったりもするのですが、顔を知っているかどうかでコミュニケーションの質も変わってくるのではないかと思っています。そのため、カオナビは単に人事評価システムというだけでなくて、コミュニケーションツールなんだというところもうまく内部的に認知させていけたらいいなと考えています。
佐藤様:単なる人材管理ツールということではなくて、カオナビを起点に、個人の可能性を引き出せるような、対話のツールとして活用したいと考えています。これまでの人事評価の面談では、キャリアが詳しくは管理されてなかったり、上司としてもこんな感じかなと雰囲気で評価していたりする部分もあったと思います。そこで、カオナビを使っていくことによって、データに基づいた納得のいく面談ができるようになっていくといいなと考えています。
個人的に、これからの時代は、経営の戦略と人材とをマッチングさせていくことが求められるようになってくると思っています。そのため、人材やスキルの把握を、社内の部門をまたがっていくだけでなく、グループ企業内も横断して適切にやっていけるといいのではないかと思っています。そこをうまくカオナビで実現していきたいですね。
- 社名:
- 株式会社ほくやく・竹山ホールディングス
- 業種:
- 医薬品卸売・医療機器卸売・薬局・介護・ICT関連事業
- グループ規模:
- 4社(株式会社ほくやく・竹山ホールディングス、株式会社ほくやく、株式会社竹山、株式会社マルベリー)
- カオナビ対象人数:
- 約1,600名(先行3社)