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学校法人佐野学園

「戦略人事」に早期着手した神田外語グループが人事DXで目指す姿とは

2022.07.06
ペーパーレス化
人事評価の効率化
人材情報の共有
  1. 「評価運用だけ」では足りない…… 人事情報一元化の必要性を痛感
  2. 早くから「顔写真を見ながら配属検討」のニーズを満たしていたカオナビ
  3. 紙と鉛筆からクラウドへ。評価シートが格段に扱いやすく
  4. 集める情報は最大限、閲覧権限は必要最低限に。権限設定で情報活用を
  5. 一元化したデータを通じ、「全体感」を捉えた戦略人事の実践を進めたい

神田外語大学、神田外語学院を中核に6つの教育関連組織を運営する学校法人佐野学園。学園全体を「神田外語グループ」として、学生支援組織や宿泊施設を兼ね備えた英語研修施設「British Hills」も運営するなど、教育機関にとどまらない事業を展開する中で、同グループでは2020年度からカオナビを用いた人事DXを推し進めています。導入検討やカオナビの運用を担当する法人本部 人事部 兼 総務部 シニアマネージャーの藤田加津様、同人事・総務部 勝又章江(あきえ)様、同人事・総務部 チーフの宮下誠様に活用状況や効果、今後の展望について伺いました。

*本記事の掲載内容は全て取材時(2022年5月24日)現在の情報に基づいています

「評価運用だけ」では足りない…… 人事情報一元化の必要性を痛感

――カオナビを導入するまで、人事業務にどのような課題を抱えていましたか。

藤田様:
グループ内の人事情報が紙やExcelなどバラバラの媒体で管理されており、その「ありか」となる部署も、総務部、教務部、学術研修支援部など多岐にわたり、文字通り散在していました。一部の人事情報は給与システムに蓄積していたものの、給与に直接関係しないデータは蓄積されず、統一指標で可視化されたデータというものがなかったのです。

たとえば、Aさんという一人の従業員に関する情報を知りたかったら、その都度、あちこちの部署のフォルダや拠点を探し回らなければなりませんでした。神田の法人本部をはじめ、幕張の神田外語大学キャンパス、福島にある研修施設などグループ企業の拠点が各地に点在することも相まって、データの散在が人事業務の効率を大きく妨げていました。

評価運用が紙ベースという点も、課題に挙がっていました。被評価者・評価者とも、評価シートは紙に鉛筆書きで記入し、最終評価者である法人本部長が紙からExcelに手作業で転記、完了後に紙でファイリングするというフローで管理しており、評価時期は法人本部長の他の業務が止まってしまうこともありました。

そんな中、2018年に「人事制度改革プロジェクト」が立ち上がりました。当時は今ほどタレントマネジメントの考え方は浸透していませんでしたが、人件費の高騰や将来的な人材不足を見越し、職員・教員の強みや特性を生かした戦略人事の必要性を認識しての動きでした。このプロジェクトで実施したアンケートでも多くの職員から「評価が紙ベースで非効率だ」という声が上がったため、制度改革に直結する評価運用について、2019年度にシステム開発プラットフォーム「FileMaker」を導入し、デジタル化を試みました。

しかし、その結果分かったのは、評価運用だけをシステム化しても、戦略人事の実現は難しいという事実でした。従業員ひとり一人のデータを蓄積し、分析するタレントマネジメントを、効率性の高いデジタルベースで行うことが必要だ、という課題が顕在化したのです。

法人本部 人事部 兼 総務部 シニアマネージャー 藤田加津様
法人本部 人事部 兼 総務部 シニアマネージャー 藤田加津様

早くから「顔写真を見ながら配属検討」のニーズを満たしていたカオナビ

――数あるサービスの中から、なぜカオナビをお選びいただいたのでしょうか。

藤田様:
人材情報の管理システムを探し始めた頃、タクシーやテレビで目にするキャッチーなCMや各種メディアの記事などを通じてカオナビの名前を目にする機会が増え、その存在に注目するようになりました。

特に印象に残っていたのが、従業員の顔写真を動かして配属検討が行える「シャッフルフェイス」の機能です。今でこそ、顔写真つきのタレントマネジメントシステムは複数ありますが、検討していた2019年当時、そのような機能を持つシステムはカオナビ以外にまだ存在せず、ひときわ魅力的に映りました。複数拠点・組織を抱える本グループにおいて、顔写真から職員の特徴を思い浮かべつつ配置検討ができるという点はとても重要だったのです。

こうした経緯から、他社との比較は実施せず2019年11月にカオナビを導入、翌2020年4月に本格利用をスタートしました。

縦軸・横軸を自由に設定できるマトリクス表示機能「シャッフルフェイス」では、顔写真を見ながら配置検討が可能だ
縦軸・横軸を自由に設定できるマトリクス表示機能「シャッフルフェイス」では、顔写真を見ながら配置検討が可能だ

紙と鉛筆からクラウドへ。評価シートが格段に扱いやすく

――ちょうど、タレントマネジメントという言葉が浸透し始めた頃ですね。どんな形でカオナビを活用されていますか。

 勝又様:
将来的な戦略人事への活用を見据えつつ、足元では評価のシステム化を中心に進めてきました。

神田外語グループの従業員は、大きく職員と教員に分けられますが、2020年度から、職員の評価運用にカオナビを利用しています。対象となる組織は中心となる神田外語大学、神田外語学院と、それ以外のグループ企業の職員も一部、含まれます。

評価に直結する目標管理と人事評価項目に基づく面談等の運用のほか、希望部署や日々の業務における悩みごとのヒアリング結果を評価運用機能「スマートレビュー」で蓄積しています。従業員が提出した情報をマネージャー・人事担当などが確認、承認し、データ確定までをワンストップで行うことができるため、直接評価に影響しない情報の収集にも重宝しています。

宮下様:
導入以前の「評価結果の紙からExcelへのデータ移行」工程はいわば単純作業で、理事と同程度の役職にある法人本部長が本来行うような業務ではありません。しかし、扱う情報が厳秘である以上、他の誰にも移譲できない業務で、打ち手がない状態でした。

カオナビの導入によって評価結果が全てデジタルで保存されるようになったので、Excelへの移行もダウンロードしたCSVデータを利用してすぐに完了できます。20日かかっていた作業が半日で終わるようになり、法人本部長にしか対応できない多くの業務にリソースを充てられるようになりました

法人本部長だけでなく、職員からも「鉛筆での手書き、消しゴムでの修正作業から解放され、クラウドでどこからもアクセスできて便利だ」と好評です。

勝又様:
一方、課題もありました。カオナビの導入に当たり面談シートの項目追加を検討した結果、「せっかくならば、評価以外の情報も蓄積しよう」とさまざまな案が挙がり、評価シート自体のボリュームがこれまでの倍に増えてしまいました。

いったん、その状態で2021年度の評価を行ってみたものの、記載項目が多すぎることで本来の評価に必要な情報が分散してしまい、職員にとって逆に使いづらい部分も出てきました。2022年度は項目の整理を図り、被評価者にとって情報を入力しやすいシートに改善し、3周目の評価運用サイクルを回しているところです。

カオナビは運用フローも面談シートも設定画面が分かりやすいので人事担当内で自己完結でき、適時改善を図れるのがいいですね。

法人本部 人事部 兼 総務部 勝又章江様
法人本部 人事部 兼 総務部 勝又章江様

集める情報は最大限、閲覧権限は必要最低限に。権限設定で情報活用を

――評価運用のほかに、一元化する情報の範囲も広げられていると伺いました。

宮下様:
そうですね。データベース機能「プロファイルブック」には、職員の年齢、住所、経歴、家族情報、配属履歴といった基本的な情報をはじめ、有期雇用の職員も多いことから、雇用契約書や面談の履歴も蓄積するようになりました。

さらに2022年度からは、収集対象を職員だけでなく、教員に広げています。入職後に取得されることも多い学位の情報や、教員の多くを占める外国人教員の国籍情報、ビザ情報も管理対象としています。

カオナビという、情報を集める器ができたことで、これまでになかったデータを蓄積していく文化が生まれました。これまで起きていた情報の散在は、業務の煩雑化だけでなく、ひとつの事柄に関して重複した情報が並び「どちらが正しいのかわからない」という状況も生み出していました。情報の格納先をカオナビに統一することによって、こうした情報を精査する手間も徐々に減っていき、効率化が図れるようになっていくと期待しています。

藤田様:
「器」の要件としては、閲覧権限の付与も思い通りにできるという点も重要です。現状、「プロファイルブック」は人事部のみで使用していますが、項目ごとに閲覧権限が付与できる点を活用して、今後はさまざまな部署での活用を促進していきたいと考えています。

当グループには、大学の戦略的運営や企画を担う学長室をはじめ、研究費など外部資金の獲得を支援する学術研究支援部、契約関連を担う総務部や、シラバス、教室割など学校運営の管理を担う教務部など、さまざまな部署があります。それぞれ業務内容が多岐にわたり、職員との関わり方や必要な情報も異なります。集める情報は最大限に、閲覧できる情報は必要最小限に絞る、という使い方は、まさに実現したかったこと。用途に合わせた最適な権限設定を検討していきたいと思っています。

勝又様:
情報の一元化という切り口で言うと、申請機能「ワークフロー」も活用できそうです。取得学位のほか、発表論文、他組織での勤務開始など、教員については入職後もそうした情報の更新が発生します。他システムとの兼ね合いでまだ本格利用には至っていいないのですが、ファイル添付機能で証拠書類の写真やPDFが必要な申請にも使えるので、評価に関する情報は「スマートレビュー」、それ以外のものは「ワークフロー」と使い分けるなどして情報収集に活かしていければと考えています。

法人本部 人事部 兼 総務部 チーフ 宮下誠様
法人本部 人事部 兼 総務部 チーフ 宮下誠様

一元化したデータを通じ、「全体感」を捉えた戦略人事の実践を進めたい

――情報を効率的に集め、適切な範囲で公開するというのは、まさにカオナビのコアな機能です。評価に加え、情報一元化も順調に進んでいるようですね。今後カオナビで進めたいこと、展望をお聞かせください。

勝又様:
マネージャーに対して、部下の情報を適切に開示できるようにできたらと考えています。

相手を知ることはマネジメントの第一歩とも言えますが、マネージャーが部下に「今までどんな仕事をしてきたの?」などと聞ける関係性は、必ずしもすぐには構築できません。人事異動のたびに、関係性構築と情報把握に一定以上の時間を割いているのが現状です。

部下の情報がいつでもすぐに確認できる環境は、戦略人事を進めるためには欠かせません。個人情報保護を十分考慮し、皆が安心して利用できる情報取り扱いルールを整備する必要はありますが、権限設定を工夫し、徐々に実現できればと思います。

宮下様:
カオナビの活用が進みデータ整備がなされてくれば、グラフ自動作成機能「チャートボード」で見られる情報も多くなっていくと思います。これまでは年齢や性別、スキルの分布など、データを見たくとも参照しようがなく、感覚論で判断されるケースも散見されました。これからは客観データが基にした検討を進め、より効果的な人事施策の検討ができればと考えています。

藤田様:
やはり、限られた人材リソースを最大限生かすための、職員や教員それぞれの特性を踏まえた、現在の所属部署に囚われない戦略人事の実践ですね。

評価運用のカオナビへの移行が既に完了し、教員、職員情報の一元化も2022年度のうちに一通り完了する予定です。その上で、2023年度以降は蓄積された情報を分析し、配置検討や採用計画などのタレントマネジメントに活用していきたいですね。

カオナビ導入前は情報の管理体系が部署ごとに閉じており、職員数や採用計画といった全体感をつかむデータが得られませんでした。そのため、採用がニーズ先行になりがちで、のちの配置検討にも苦労を強いられていましたが、カオナビ活用が進むにつれ、徐々にこうした問題も解決に向かいつつあります。

2018年に発足した人事制度改革プロジェクトで目指したのは、まさにこうした「戦略人事」の実現です。近年掲げている人事業務のテーマ「わくわく戦略人事」の実現に向け、今後もさらにカオナビを活用していきたいと思います。

設立:
1957年
教職員数:
約1000人(2022年5月時点)
事業内容:
2つの教育機関と4つの関連事業の運営
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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