株式会社ソミックマネージメントホールディングス

紙ベースだったグループ約2,000名の人事考課や各種申請をデジタル化。製造業のDXの先に目指す、戦略的ジョブローテーション

2026.03.30
課題
  • 紙やExcelベースの人事考課のフローが煩雑で負担が大きかった
  • 法令遵守や品質維持の観点で、製造現場の資格管理を精度高く、効率的に行いたい
  • 部門間の異動が少なく、技術や業務が「属人化」している
活用法
  • 人事考課を「スマートレビュー(評価ワークフロー)」でデジタル化
  • 資格取得関連の申請を、紙から「ワークフロー(申請・承認)」に置き換え
  • 「シャッフルフェイス(配置バランス図)」を見ながら経営層で配置を議論
効果
  • グループ横断で、約2,000名の人事考課や人材データの管理が効率化された
  • 全従業員(社用PC所持者)が、常に最新の組織図をカオナビで確認できるようになった
  • 経営層・マネジメント層が顔写真を見ながら社員の配置を検討できるようになった
  1. 製造現場の本質的な課題は「属人化」。人材データを活用し、ジョブローテーションを推進
  2. カオナビは規模感が“ちょうどいい”SaaSだった
  3. 「ワークフロー」で資格管理を効率化。経営サイドへの提出資料に「シャッフルフェイス」も使用
  4. データの可視化により、部門長は共通して「複数部署を経験している」ことがわかった
  5. AIを使って退職リスクの高まりを事前に予測したい

静岡県磐田市に本社を構えるソミックマネージメントホールディングス様は、傘下にある自動車部品製造のソミック石川などソミックグループの事業会社を管理しています。事業領域・製品の新たな可能性に挑戦していくため、グループ全体最適を見据えて業務を行い、持続可能なグループを目指しています。

同社では、工場で勤務する製造部門を中心に、グループ全体で約2,000名の社員を抱えており、組織図や人事考課をデジタル化する目的でカオナビを導入。製造現場における「申請」のデジタル化も進むほか、顔写真付きで組織全体の人員把握を行ったり、人材データをもとにジョブローテーションに取り組んだりしています。今回は、導入当初からカオナビの社内活用を推進し、現在は人事のDX全般の推進を担当する知念弥子様と、集めた人材データをもとに可視化や分析を行う増池優斗様に話を聞きました。

※本記事の掲載内容は全て取材時(2026年1月16日)の情報に基づいています。

製造現場の本質的な課題は「属人化」。人材データを活用し、ジョブローテーションを推進

──はじめに、おふたりのご経歴からお聞かせいただけますか?

知念様
私は印刷会社、Webサービスの会社を経て、当社が3社目になります。現在はグループ人事部でDX担当をしていますが、それ以前の会社では本格的にシステムを扱っていた経験はありません。実は、転職活動前にプログラミングスクールに通っていて、それが評価されて、DX推進室の社員として採用されたんです。その後、グループ人事部の中で、DX推進を担当してほしいということになり、現在に至ります。

増池様
私は新卒で弊社に入社し、人事部に配属になりました。最初の業務は、タレントマネジメントというより、勤怠管理、賞与計算など労務の実務中心でした。2年ほど前にグループ人事部内の異動があって、社内教育や人事考課などを担当するようになりました。もともと就職活動を通し、人事の仕事に興味を持つようになって、現在の配属を志望しました。

──続いて、現在の業務内容についてお聞かせください。

増池様
現在、メインで担当しているのは、人材データの可視化と分析ですね。まさに、カオナビに蓄積したデータをもとに、人事施策に活かしたり社内で活用してもらったりする推進役になります。まずは、人事考課のデータや異動歴などを社員一人ひとりに紐づけて「見える化」しており、これまではまったく活用できていなかったり、見ようと思っても簡単に探せなかったり…その状況を改善しようとしています。

知念様
私も同様に人材データを施策に活用したいと考えており、具体的にはジョブローテーションへの活用を検討しています。

──ジョブローテーションの話が出ましたが、現在直面している人事の課題があれば、具体的に教えてください。

増池様
人事面では、部門間での異動があまり活発ではないという課題があります。少々部門をまたいだり、完全に別の職種を経験したりといったジョブローテーションをどんどん推進していく必要があると思っています。そのためにもその部門の社員がどういうスキルがあって、どういうキャリアを志望しているかといった人材データを可視化できるとジョブローテーションの計画もスムーズになりますよね。

知念様
現場の本質的な課題は「属人化」なんです。各部門で、その人しかできない業務というのがすごく増えている。そこをしっかりローテーションしていくことで、会社全体としての持続可能性も高まります。また、若手社員の「こういう仕事もチャレンジしてみたい」といった気持ちを掬い上げたいという狙いもあります。それはモチベーション向上にもつながりますよね。

一方で、ジョブローテーションは次世代の経営人材育成にもつながります。やはり、30年間人事一筋という人より、いろいろな部署を経験して、広い視野を持った人に管理職や経営を担っていただきたいですよね。つまり、属人化の解消、次世代人材育成を目的としたジョブローテーションに人材データの活用が不可欠なのです。

増池様
ジョブローテーション導入を推進する背景には、製造部門の評価制度の課題があります。端的に言うと製造部門で採用している「等級制度」が昇級しにくい仕組みになっているのです。例えば、ある工場では、特定のポジションが空かない限り、昇級が実現されないようなイメージですね。この部分をジョブローテーションで流動化させ改善していくのと同時に等級制度自体も刷新中です。

──先ほどの増池さんのお話では、人材データ自体は集まってきているということでしたが、現在はどのようなフェーズだとお考えですか?

知念様
グループ全体のデータを一元管理できているわけではないですが、まずは集まった人材データから、さまざまな活用方法の仮説を設定し、不足している情報を追加収集しながら、仮説の妥当性を段階的に検証している段階だといえます。

増池様
弊社は専門性の高いスキルを持つ社員が多いのですが、在籍年数に対して、それに見合うパフォーマンスを出せているのか疑問が残る部分もあります。そのために等級制度を導入し、スキルアップの機会を提供しているのですが、同じ等級に滞留している人も多い。そういう方はもしかしたら違う部署で高いパフォーマンスを出せるのではないかというのが、ジョブローテーション導入に際してのひとつの仮説です。

──先ほど属人化のお話もありましたが、現場のDXを推進するにあたって、製造業特有の課題もありますか?

知念様
増池が担当している「資格管理」が、製造業特有の部分かと思っています。その資格がないと工場を運営してはいけないといった法規系の資格もあるわけです。そこで、該当する資格取得者が一覧で見られるようにすることが重要になります。エリアごとに規定の人数はいるか、定年退職間近の人がいないかなど管理できると安心です。

増池様
「資格管理」は、法令遵守が最も大きな目的になります。重要なテーマだけに、これまで製造現場から紙で申請してもらっていた資格取得状況を、カオナビの「ワークフロー(申請・承認)」に置き換え、さらにExcelで管理していた資格取得者のデータを、カオナビ上で一元管理しています。


「ワークフロー」について詳しく知りたい方は、以下から資料ダウンロード・お問い合わせができます。

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カオナビは規模感が“ちょうどいい”SaaSだった

──改めてカオナビ導入の背景について、お聞かせください。

知念様
紙ベースの業務のデジタル化、業務効率化が一番の目的でした。なかでも一番課題になっていたのが、人事考課ですね。グループ全体の社員2,000人分をExcelでバラバラに管理していたのです。現場マネージャーから管理職へ、管理職から人事部へ……とファイルを回す工数もさることながら、途中で最新ファイルが入れ替わるようなケースもあり、課題になっていました。

増池様
タレントマネジメントという概念が普及してきたタイミングだったこともあり、経営サイドからも人事データの可視化や正しい情報の管理を求める声が上がっていたようです。人事サイドにも課題があったので、ニーズが一致して導入に至りました。

──他社製品と比較し、カオナビの決め手は何でしたか?

知念様
規模感がちょうどいいんですよね。例えば、基幹システムにHRの機能を加えるとどうしても動きが重い。2,000人規模の社員データを管理できて、スムーズに動くSaaSがカオナビだったのです。近隣に本社がある、自動車業界の大手が導入していたという事例を見たのも決め手になりましたね。

「ワークフロー」で資格管理を効率化。経営サイドへの提出資料に「シャッフルフェイス」も使用

──人事考課の効率化ということで、機能としては「スマートレビュー(評価ワークフロー)」から活用しはじめたイメージですか?

知念様
大きなDX化は「スマートレビュー」からですが、一番最初はハードルが低い「シナプスツリー(組織図)」から活用しました。

異動のたびに、Excelで更新するのが本当に手間だったので、これは画期的に業務効率化につながりました。また、最新で正しい組織図を経営層やマネジメント層に把握してもらう効果もありました。

さらに、「スマートレビュー」を早い段階から導入しました。こちらは丁寧に説明などのフォローをするためブロック導入しました。最初に管理職、次にバックオフィス、最後に工場、というような順番です。

人事考課のデータが、紙やExcelでバラバラ回ってくる課題が解消され、1画面で見られるようになり、部門長や工場長からの評価が高いです。また、過去のデータにもすぐにアクセスできるので、前回の成績がどうだったか見やすいのもありがたいです。グループ人事部としても特定の社員がどういう理由で、この成績を出せたのかなどを見に行きやすい。蓄積されたデータを活用できる機会は増えています。

増池様
一方で、「プロファイルブック(人材データベース)」を使った人材データベースも徐々につくっているところです。今までどこの部署に所属していたか、いつ昇格したか、あとは残業時間や取得資格などをぱっと見られる状態にしたいです。まずは経営・人事サイドで把握できる状態をつくり、それから各部門長などに展開したいと思っています。

もともと弊社では、他社の人事システムを導入していて、現状はカオナビと併用している状態です。カオナビのほうでは、旧システムから使い続けているデータに加え、カオナビで集められるようになった資格情報や人事考課のデータも入れて、グラフ化したりして、どのような使い方ができるか試しているところです。

──グラフ化というのは、「カスタムガジェット(社員データグラフ)」を使った分析ということでしょうか?

増池様
その通りです。「カスタムガジェット」を使って、採用グループのほうで、部署ごとの年齢構成などをグラフ化しています。年齢構成の高い部署があれば、若手の採用に力を入れないといけないといった課題感を共有できるツールにしていきたいですね。

知念様
顔を見ながら配置を検討できる「シャッフルフェイス(配置バランス図)」の機能もかなり使っています。大規模な組織変更のタイミングで、各部門長にも「シャッフルフェイス」の画面を見せて、現状を把握してもらっています。画面を共有しながら、縦軸横軸で前回と今回の成績比較を会議ですることもありますし、人事から経営サイドへの提出資料に「シャッフルフェイス」を使うこともあります。

「ワークフロー」に関しては、先ほど申し上げた資格取得申請のみならず、異動届にも使っています。これまで全従業員分を紙で申請していたのですが、「ワークフロー」を活用し、ハンコリレーの手間や紙の紛失など管理工数を大幅に削減することができました。


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──やはりレイヤーごとによく使われる機能は違いますか?

知念様
そうですね。全従業員は「シナプスツリー」を頻繁に閲覧しており、管理職になると異動届提出のため「ワークフロー」やシナプスツリーの「シミュレーション機能」がよく使われています。特に「シナプスツリー」を使った組織図はよく見られており、アクセスログを調べたことがあるのですが、600、700アクセスが週次である感じです。「人のつながりを大切にする」理念もあり、すごく仲が良い会社なので、人に対しての興味関心も強いようです。

データの可視化により、部門長は共通して「複数部署を経験している」ことがわかった

──カオナビ導入の成果についてお聞かせください。

増池様
「シャッフルフェイス」を使って、名前だけではなく、顔を見ながら、「この人って、ここがいいよね」といった議論ができるのは、やはり価値を感じています。経営陣からも、人材配置を考える際に「シャッフルフェイス」を使っているという話をよく聞きます。

最近、キャリアサーベイも一部で試験導入しました。人事考課シートの1番下に、キャリアアンケートのような形で、「昇格したいですか?」「海外行ってみたいですか?」といった質問をテスト的に付けたら、結構皆さん回答してくださって……。意外と若手で海外行きたい人多かったり、「この人はこんな思いを持っていたんだ」ということがわかったりして、人事部としては新たな発見がありました。こうした回答結果も踏まえ、全従業員を対象としたより本格的なキャリアサーベイに活かしたいと考えています。

知念様
あとは、やはり組織図ですね。カオナビを見れば、誰がどこにいるのか組織の最新情報がすぐわかる。これは本当に便利です。

──蓄積された人材データを可視化したことで、ほかにも意外な発見はありましたか?

増池様
データを見ていく中で、いくつかはっきりしてきたことがあります。一つは、今部門長をやっている社員の経歴を振り返ってみると、やはり複数の部署を経験している方が多かった。結果として、いろいろな部署を経験してきた人が、管理職に就いているという事実が見えてきました。すると「ジョブローテーションって大事だよね」という提案にも説得力が生まれますよね。

もう一つは、同じ等級に長く留まっている人がかなり多いということもデータから見えてきました。なかなか昇格できていない人が一定数いるということですよね。そこには制度の問題なのか、評価の仕組みなのか、育成の問題なのか、何かしらの課題があるはずだと思っています。こういった事実がデータで見えるようになったことで、「人事制度を見直すべき」という議論にもつながりました。

AIを使って退職リスクの高まりを事前に予測したい

──将来的にカオナビをどのように活用していきたいですか?

知念様
個人的には、やはりAIを活用した機能に期待しています。AIの推論によって、「こういうことを評価されている人は昇級しやすい」といった傾向が見えたりするとおもしろいですね。ジョブローテーションや研修の人選にも使えると思います。

増池様
AIの文脈で言うと、やっぱり今は転職市場がかなり活発なので、「採用」だけではなく、「流出」をどう防ぐかが大きなテーマになっています。

実際、データを可視化していく中で、世間一般の調査結果と同じく、若手層のほうが離職しやすい傾向があるというのは見えています。

なので、将来的には、パフォーマンスデータや今後取る予定のサーベイ結果をAIで分析し、離職の兆候をアラートとして検知できたらいいなと思っています。

あとは、「カスタムガジェット」などを使ったデータの可視化・分析にも注力していきたいですね。各部門側で「知りたいデータ」をテキストで入力するだけで、AIが最適なグラフを自動生成する仕組みや、逆にデータからAIが傾向を読み解き「次に起こすべきアクション」まで言語化して提案してくれる形が、カオナビ上で実現できれば理想的だなと考えています。

こういったカオナビとAI活用ができれば、本人が動く前に面談を入れるなど、ますます効果的なフォローができるのではないかと考えています。

設立:
2018年7月
社員数:
151名(2024年7月現在、グループ全体では国内約2,000名)
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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