メルコパワーデバイス株式会社

導入からたった1年、目標だった人材データベースの構築と情報の可視化を実現

2025.10.28
課題
  • 複数拠点にまたがる社員情報の管理方法が統一されていなかった
  • 各社員のスキルや資格も把握・活用できていない状況だった
活用法
  • 従来から使用している人事管理システムと連携させ、全社員の人材情報をカオナビに集約
  • 目標設定と成果報告をシステム上で行う評価ワークフローの運用を開始
効果
  • 評価業務における電子ファイルや紙の管理がなくなったことで管理職の工数を削減
  1. 人材情報の一元化からデータの蓄積、さらにデータの活用への3カ年計画を進行中
  2. プロファイルブックと細かい権限設定のおかげで、本当にやりたいことが実現できた
  3. 自由度が高く多機能なカオナビをうまく活用するコツは、目的を見失わないこと
  4. 全社的な業務効率化を目指す

世界市場で高く評価されている省エネ推進のキーパーツ「三菱電機パワー半導体製品」。

その中核を担う製造会社であるメルコパワーデバイス株式会社様は、独自の生産技術とIT基盤を駆使して、高品質な製品を生み出しています。

同社は全国に6つの拠点を持ち、各拠点の人材情報を一元管理するため、カオナビを導入しました。

今回は、導入からわずか1年で人材情報の集約、評価ワークフローの構築、さらに人材情報の可視化まで実現した経緯について、製造管理部の佐々木 公裕様と石井 誠一郎様にお話を伺いました。

※本記事の掲載内容は全てセミナー時(2025年7月25日)の情報に基づいています。

人材情報の一元化からデータの蓄積、さらにデータの活用への3カ年計画を進行中

──はじめに、カオナビを導入された背景を教えてください。

佐々木様
人材管理業務の属人化、情報のブラックボックス化、そして拠点間で異なる非効率な管理・運営からの脱却を目指し、カオナビを導入しました。

同時に、社員が主体性をもって自立的に業務へ取り組む人材の活性化と、効率的な人材配置・育成ができる仕組みづくりも目的としています。

これらの目的を3年で達成すべく、まず2024年度にカオナビで人材情報の一元管理システムを構築。現在はデータを蓄積しているフェーズで、来年度はデータを活用し、業務の効率化を目指しています。

メルコパワーデバイス株式会社

──数あるシステムの中から、なぜカオナビを選んでいただいたのでしょうか。

佐々木様
様々な人材管理システムやスキル管理システムを比較検討した結果、カオナビはスキルなど特定の人材データに特化したシステムではなく、様々な人材データを包括的に管理できる点、柔軟な権限設定ができる点が導入の大きな決め手となりました。

また、数カ月間のトライアルを通じて、期待以上に容易かつ自由に構築できることがわかると同時に、担当者の負担が軽減されると感じたことも導入の大きな決め手となりました。

プロファイルブックと細かい権限設定のおかげで、本当にやりたいことが実現できた

──人材データベース機能「プロファイルブック」の活用状況について教えてください。

佐々木様
まずは、基本的な人材情報を見える化することを目的として、従来から利用している人事管理システムで管理している人材情報をベースとして、カオナビへ取り込むことから始めました。

他システムからの出力データを用いて連携できる「カスタムCSV連携機能」を使い、人事管理システムから出力した全社員データをカオナビの基本情報へ取り込みました。
現在、人事管理システムで管理している役職、等級、入社日といった基本情報のみですが、今後は、各拠点で管理している免許や資格といった情報も一元管理・見える化を目指し検討しています。

免許や資格の保有情報を取り込み、組織マトリクス図機能「シャッフルフェイス」を活用した分析も行うことも目指しており、さらに、免許や資格の有効期限、資格証明書などの収集・管理もできるように構築、今以上に情報を集めたいと考えています。

──他にも、プロファイルブックを活用されている場面はございますか。

佐々木様
「シャッフルフェイス」での運用を前提に、「プロファイルブック」内にスキル管理シートを用意しました。
マトリクス図に設定する軸として、従業員のスキル情報を選択可能とするシート設計を行うことで、誰がどんなスキルを持っているかという情報を人材配置検討に活用できるようにしました。
また、項目の入力内容に応じて習得率が自動算出され、最終結果はレーダーチャートで可視化されるようにしています。

現在は、各部署からの情報収集段階ですが、今年度中の運用開始を目指しています。

メルコパワーデバイス株式会社

──人材情報の閲覧権限は、どのように設定されていますか。

佐々木様
管理の手間をかけず、細かすぎないように、かつ閲覧権限を確実に付与したいと考え、まず、閲覧権限を7つに分類しました。これは従業員の情報をどの役職が誰の情報まで閲覧することができるのかを規定したものです。
それに合わせて、氏名、所属、年齢、等級といった情報をどの権限に当てはめるべきかを社内で決めて、閲覧権限設定を行っていきました。

ただ、実現したい閲覧権限設定を行うには困難な場面もありました。特に苦労したのは、役職を兼務する社員の設定です。

「ある部署では本務である課長、別の部署では兼務としての一般社員」といったような本務と兼務で役職が異なる場合、一人につき一つの役割しか設定できない従来の方式では運用が困難でした。

しかし、新機能「拡張アクセス設定の一括設定」により、「上位・同位職位は閲覧不可」といった細かい権限設定も簡単にできるようになり、本当に実現したかったことが形になったと実感しています。

──評価ワークフロー機能「スマートレビュー」もご活用いただいていると伺いました。

佐々木様
カオナビ導入前は、年度初めの目標設定と年度末の成果報告を電子ファイルまたは紙ベースで行っていました。

しかし、情報集約に手間と時間がかかっていたため、今年度から「スマートレビュー」を活用した評価ワークフローに移行しています。

──「スマートレビュー」は、どのような運用をされていますか。

佐々木様
目標設定や成果報告を行う対象者にとって入力が必要な項目を、時期や必要な場面に応じて、閲覧・編集できるように設計しています。

期初、期中、期末それぞれの段階へとプロセスが進むにつれて必要な入力欄が表示され、編集可能となる仕組みです。

これにより、初めて使う人でも迷うことなく、スムーズに入力できます。

メルコパワーデバイス株式会社

──人材情報の可視化という面では、どのようにカオナビをご活用いただいていますか。

佐々木様
先ほど説明したスキル管理シートは年度内での公開を目指しておりますが、それに合わせて、「プロファイルブック」機能内の「マイボード」も使用し、従業員一人ひとりの力量や技量といったスキル情報を一つのボードにまとめて表示させ、可視化することを目指しています。

一方で、社員数や年齢分布などの組織に関する情報は、すでに「ダッシュボード」機能で全社員に公開し、可視化を実現しています。

自由度が高く多機能なカオナビをうまく活用するコツは、目的を見失わないこと

──カオナビを社内に浸透させるために、どのような工夫をされましたか。

佐々木様
先ほど説明した閲覧権限を決め、それにあわせて役職別に公開日を分け、その日に合わせて対象者へ説明会を実施するという流れを、全社に公開されるまで繰り返しました。

説明会の後には、社内アンケート機能「ボイスノート」で理解度を確認し、次の説明会などに活かしました。また、実際の従業員ではないダミーの従業員データをカオナビに登録し、それらを説明時のデモとして使用することで、どのような情報の見え方となるのか、実際に閲覧・操作してもらうことで、システムへの習熟度を高めてもらいました。

──1年間カオナビを活用いただいたご感想などあれば教えてください。

佐々木様
「スマートレビュー」を活用することで、電子ファイルや紙での評価シート管理が不要となりますので、今年度から初めての運用という状況ではありますが、管理職の工数が1年を通じて大幅に削減されると見込んでいます。

また、期待通りに細かい権限設定ができるなど自由度が高く、多機能であること、さらに新機能のリリースが早いことにも驚きました。

カオナビは機能が豊富なため、つい色々と試したくなりますが、本来の目的を見失わずに活用することが最も重要だと考えています。

全社的な業務効率化を目指す

──最後になりましたが、今後のカオナビにおける活用展望について教えてください。

佐々木様
今後は、人材教育に関する計画やスケジュール、教材もカオナビで効率的に管理していきたいと考えています。

まずは、電子ファイルまたは紙ベースで管理している社内教育・研修の受講記録を、「ボイスノート」で収集し、記録および保管できるように計画中です。

また、eラーニング・学習管理機能「ラーニングライブラリ」を活用し、製造の各工程の作業資格の認定試験に関する学習から受験までのプロセスを構築したいとも考えています。

さらに、スキル管理シートとも連携させ、社員の成長をさらに促せる教育環境を構築することが今後の目標です。

設立:
1969年3月
社員数:
1,148人(2025年3月末時点)
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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