ユーザー会レポート
年間4,000件以上の申請を電子化!「カオナビにログインできれば迷わない」を実現した、全社浸透術とは?
2026年9月15日

せっかく導入したシステム、実際に使っているのは一部の人だけ——そんな悩み、ありませんか?
人事部は毎日ログインしているのに、現場の社員はほとんど開かない。せっかく機能を増やしても、「そんな機能あったんですね」と言われてしまう——。心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、そんな「全社浸透」の壁を乗り越えた金田工業様の実例です。お知らせも他システムの入り口もすべてカオナビに集約し、「ログインすれば迷わない」状態をつくりました。特別な号令があったわけではなく、一つひとつの積み重ねが、結果として全社を巻き込んでいきました。
この事例には、浸透・定着のヒントが3つ詰まっています。
- 「これくらいは電子化しなくてもいいだろう」と思われがちな業務まであえて対象にしたこと
- カオナビのトップ画面に情報を集約し、社内の「情報ハブ」にしたこと
- 「まず見るシステム」として、社員の習慣に組み込んだこと
第2部では、参加者自身のデータ活用を考えるワークショップも行いました。
金田工業様の道のりと、参加者の皆さまの声をお届けします。
※以下の内容は2026年7月開催イベントに基づくレポートです。
ご登壇者紹介
金田工業株式会社
人事総務課 課長
静岡県浜松市出身。社会人野球クラブチームでの活動をきっかけに、スポンサー企業である金田工業へ入社。現在は現役を引退し、採用・人材育成を中心とした人事業務に従事。社員一人ひとりがいきいきと働ける環境づくりを大切にし、現場に寄り添いながら、チームとして一体感を持って取り組める風土づくりを目指している。

紙の申請をやめたら、他部署も動き出した
会場に集まった参加者を前に、金田工業様はまず、小さな一歩の話から始めてくれました。最初に手をつけたのは、申請の電子化です。
結婚や引っ越しがあったときに会社へ提出する「身上申請」。紙を探して印刷し、手書きで記入、印鑑をもらって回覧、提出のため受付まで足を運ぶ。まずは、この身上申請への紙提出を、人事総務がやめてみました。使ったのは、社員からの申請をスマホひとつで完結させられるワークフロー機能です。

「紙が存在しない、という状態を作りました」
中村さんは会場を見渡しながら、そう振り返ります。
すると、社内で「紙を出すこと」そのものへの疑問が生まれ始めます。安全衛生、財務、営業……他部署も次々と電子化に動き出しました。ある部署が電子化できれば、次の部署も後に続く。ひとつの実例が、次の実例を呼んだ結果でした。

申請の電子化と並行して進めていたのが、情報の集約です。それまでは掲示板への紙の掲示や、管理職からの口頭伝達に頼っていて、伝わり方にバラつきがあったといいます。それを、カオナビのトップ画面にある「お知らせ」機能に一本化。勤怠や退職金など、他システムへの入り口もカオナビ経由に集約し、「ログインできれば迷わない」状態をつくりました。
もっとも、現場への普及には懸念もありました。パソコンを持たない現場社員には個人のスマホでカオナビにログインしてもらっているため、通信費への不満が出るのではないか。しかし、ふたを開けてみると、不満の声は0件でした。
「便利だと分かれば、通信費の話は出てこなかった」
中村さんがそう話すと、会場では驚いた表情を浮かべる参加者の姿も見られました。
「これくらい電子化しなくていいだろう」まで拾いきった
一度電子化の流れができると、対象となる申請はどんどん広がっていきました。出張報告や購入申し込み書といった細かな申請も、スマホひとつで完結。年に2回実施している作業着調査のような全社員へのアンケートは、社員アンケート機能(ボイスノート)を使って集約しました。

その結果は、数字にもはっきりと表れています。

ボイスノート運用数22種類、ワークフロー運用数80種類、電子申請の件数は年間4,127件。申請・届出の電子化推進により、紙の削減は年間10,000枚にのぼります。数字にして見ると、あらためてその規模に驚きます!
「使えばみんなやっぱり覚えるんです」
シンプルながら、実感のこもった一言でした。
小さな業務まで拾いきったからこそ、社員にとってカオナビが「開けば必ず何かある場所」になっていったのだと思います。
経営戦略のパートナーとなり得るシステムへ
もともと金田工業様がカオナビを選んだ目的は、人材データを集約し、そこから見えた気づきや課題を、人事から経営層に提案することでした。
日々の申請を電子化しながら、その先に見据えていたのは、集めたデータの活用です。
- 評価内容や面談履歴を蓄積できる人材データベース(プロファイルブック)をもとにした1on1
- 資格や教育の実施状況の可視化
集めたデータを、人を育てるために使い始めています。

次に目指すのは、そのデータを人事異動やジョブローテーションの根拠にすること。そして、AIを活用して最適配置や離職リスクを予測すること。
「今後はAIを活用しながら、これまで貯めてきたデータをもっと活かしていきたいですね」
中村さんは、そう締めくくりました。
今あるデータを、どう活用していきたいか
第2部は、参加者自身の課題を起点にしたワークショップ。
まず取り組んだのは、今カオナビに集めているデータの整理です。目的別に書き出したうえで、テーブルごとに共有し合いました。評価・目標管理、人材育成、エンゲージメント向上、最適配置・異動検討……項目に沿って書き出していくと、人によって集めているデータも、その使い方もさまざまでした。

参加者からは、
- 適材適所に人材を配置することは、どこの会社でも課題を感じているようで、その思いをシェアできたことがまずよかった
- 異動検討の際に必要となるデータに関して、各社の意見を聞き、整理することができました
といった声をいただきました。
続いて、その中から「今一番注力したいテーマ」を一つ選び、データを使って解決したいことを言語化。テーマに合わせて席を替え、同じ課題を持つ人同士で、さらに深く話し合う時間になりました。

参加者の中には、こんな感想も。
- 自社が全然進んでいないと思っていましたが、皆さま同じ悩みや苦労があり、アドバイスし合うすごく貴重な時間になりました
交流会は想像以上に白熱し、時間ギリギリまで話し込む人たちも。終了後のアンケートには、もっと時間が欲しかったという声もたくさん寄せられました。

参加者の声
参加者の皆さまからは、
そんなところにまで「カオナビ」を使うのかと気付ける要素が多いセミナーでした
当社がやってこなかったことを他社さんがやっていると聞いて、「やってみよう!」という自信につながりました
社内浸透に課題を感じていたので、ある程度勢いを持って推進していた金田工業さんのお話は為になりました
といった声をいただきました。すでにカオナビを使い込んでいる方も、まだこれからという方も、それぞれの立場で何か一つは持ち帰れる時間になっていたようです。
今回初めてリアル開催のユーザー会に参加してくださった方からは、
ワークフロー等の具体的な事例を知ることができ、大変参考になりました。様々な会社の皆さんとお話できたことは大変有意義でした
という振り返りも。「終始和やかな雰囲気だった」という声もいただき、運営としてはほっとしたような気持ちになりました。

「うちも同じだ」と思ってもらえたら
今回は現地55名、オンライン72名、合わせて127名もの方にご参加いただきました。製造業、建築業、コンサル業、旅行業など業種も規模もさまざまな企業の人事担当者の皆さまにお集まりいただき、ありがとうございました。
印象的だったのは、今回のお話が、一つひとつの積み重ねの記録だったことです。紙を一枚減らすところから始まった、具体的でリアルなお話だからこそ、多くの方に共感されていたのではないかと思います。そして、そんな申請の電子化から始められた金田工業様も、今では積み重なったデータを活用するところまで進められています。
第2部のワークショップでは、参加者の皆さまが悩みを共有し合い、どんどん話が弾んでいく様子が見られて、運営としてもとても嬉しく感じました。「同じように悩んでいる人がいる」と知るだけでも、心はふっと軽くなるものです。同じ悩みを持つ方々同士で「こうしてみた」を話せる場があることの大切さを、今回のユーザー会を通して改めて感じました。
「うちのシステムも、一部の人しか使っていない」「情報がいろいろな場所に散らばっている」「カオナビにあるデータをうまく活用できていない」——今回のユーザー会が、そんな悩みを抱えている方々の助けになれていれば幸いです。
カオナビキャンパスでは、このような等身大の実践談や悩みを持ち寄れる場を、オンラインやオフラインでたくさん作っています。少しでも気になったらぜひ顔を出してみてください。きっと視野が広がり、少し心が軽くなるはずです。
2026年7月10日|ユーザー会レポート|名古屋開催
文:山崎愛奈(カオナビ コミュニティグループ)
