課題
- 人事情報を一元管理できていなかった
- 人事評価の管理を紙やExcelベースで行っており非効率だった
活用法
- 所属や氏名、内線番号といった基本情報をカオナビに集約
- 既存のあらゆる帳票をカオナビで運用
効果
- 必要な情報を瞬時に共有できる環境を構築
- 紙でのやり取りをなくすことで、紙コストや事務作業を大幅に削減
大学・短大・高校を合わせて約7,000名の学生・生徒が通う学校法人福岡工業大学様は、「“For all the students”~すべての学生生徒のために~」という経営理念 のもと、学生生徒のためになることは即実行するというモットーで、教職員一丸となって"全国トップクラスの教育拠点"の実現を目指し改革・改善に取り組んでいます。
その結果、『価値ある大学 就職力ランキング 2025-2026』における「就職支援体制が充実している大学ランキング」で全国No.1を獲得するなど、就職支援体制の充実に注力し、2006年から2020年まで14年連続で志願者を増加させています。
同校は2025年に中期経営計画「第10次マスタープラン」を策定。人的資本経営実現のための一助となるツールと位置づけ、さらなる組織強化と人事情報の一元管理を目指し、事務職員約200名を対象にカオナビの運用を開始しました。
今回は、総務人事部 総務人事課 課長補佐の今村 謙作様と同課の草場 晶子様にお話を伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2025年9月4日)現在の情報に基づいています。
非常に手厚いサポートが受けられる、その安心感が他システムから乗り換えた決め手
──はじめに、カオナビを導入された背景について教えてください。
今村様
カオナビを導入したきっかけは2つあります。
1つは、人事情報の一元管理ができていなかったことです。 ベースとなる人事給与システムは有りますが、他にも情報が点在しており、必要な情報をまとめて、必要な人に提供できるような改善が必要だと感じていました。
もう1つが、人事評価の非効率さです。長年、評価を紙やExcelで管理していましたから。
具体的には、所属長が評価帳票を作成する際、まず総務人事部がイントラネットにアップしたものをダウンロードして入力し、またアップロードし直す。それを最終的に総務人事部が回収・集計するという流れで、所属長にも負担をかけており、とにかく工数が多かったんです。
この状況を改善し、総務人事部だけでなく管理職も含めた職員全員の業務を効率化したいと考えたことが、具体的に導入を検討し始めたポイントでした。
総務人事部 総務人事課 課長補佐 今村 謙作様
──数あるシステムの中で、なぜカオナビを選んでいただいたのでしょうか。
今村様
実は、カオナビの導入を決めた当時、すでに別のタレントマネジメントシステムと契約して、作り込みの段階に入っていたんです。
ただ、その会社が密に伴走してくれるスタンスではなくて。システム構築の負担が、すべて私たちにかかってきてしまい、非常に重荷になっていました。
そんな折、人事給与システムのベンダーであるサービスパートナーの株式会社エデュースに相談したところ、自社でも利用しているカオナビをご紹介いただきました。
手厚いサポートが受けられることや、人事給与システムとの連携が将来的に可能だというカオナビの強みを教えてもらいました。
すでに他社の設計にイニシャルコストはかかっていましたが、思い切って乗り換えることを決断しました。
人事評価や各種帳票の運用をカオナビで行うことで、紙コストと事務作業の大幅削減に成功
──人事データベース機能「プロファイルブック」の活用方法について教えてください。
草場様
主に事務職員のデータベースとして使っています。派遣職員も含めた約200名分の所属や氏名、メールアドレス、内線番号といった基本情報がすぐに見られるようにしています。
特に、他の部署の職員に連絡を取りたいとき、検索機能が非常に役立っていて、カオナビの中でも一番広く職員に浸透している機能だと思います。
──社内アンケート機能「ボイスノート」は、どのように活用されていますか。
草場様
階層別・等級別の研修における受講アンケートに活用しています。
以前はMicrosoft Formsで作成したアンケートURLをメールで送付していましたが、送信先の絞り込みに手間がかかっていました。
それがボイスノートに切り替えてからは、条件を選ぶだけで対象者を簡単に抽出できるようになり、事務作業が軽減されました。
今年度から使い始めたばかりのため、現在は既存研修のブラッシュアップに向けた情報収集が主な活用段階です。
将来的には、アンケート結果に基づき、研修内容を検討したり、受講者のニーズに即した新しい研修を企画・新設したりといった運用を目指していきたいですね。
「ボイスノート」の画面イメージ。送付先の絞り込みも可能。回答後の管理・集計もスムーズに行える
──評価ワークフロー機能「スマートレビュー」の活用法についても、具体的に教えていただきたいです。
草場様
人事評価に加えて、昇格の推薦書や契約更新に関する書類など、これまで紙ベースで行っていた各種帳票の運用も管理しています。
導入効果を最も実感しているのは、複数名の部下を管理する立場にある評価者の方々かと思います。
特に、データを一覧で把握できる点や、複数名のデータを並べて比較できる点が「非常に便利になった」という声を多くもらっています。
「スマートレビュー」の画面イメージ。一覧で管理、評価内容の確認・変更を行える
──導入いただいてまだ1年目であるにもかかわらず、活用が進んでいる印象です。浸透・定着に向けてどのような工夫をされましたか。
今村様
マスタープランで掲げた「組織ガバナンスの強化」という目標が大きく関わっています。
マスタープランの実質化の為に、各部局でアクションプログラムという年度行動計画を立てますが、その中で、総務人事課の取組計画の一つとして「カオナビの有効活用」を必須テーマとして設定しました。
事務局全体を巻き込む形で取り組みを推進したことで、着実に浸透が進んだと考えています。
また、総務人事部としても、日頃の会話の中で「これはスマートレビューで行えるんじゃないか」というように、意識的にカオナビを活用する運用に変更しながら、職員への浸透を図っていますね。
──カオナビを導入して、どのような効果を実感されていますか。
今村様
まず、人事評価に関する実務が効率化できたことは、もちろん言うまでもありません。
さらに、課内で上席と人事異動について検討を行う際のやり取りが、非常にスムーズになりました。
例えば、議論の中で職員の在籍期間、年齢、等級といった知りたい情報が挙がった際、その場ですぐにカオナビを使って情報共有が可能になったためです。
また、カオナビの利用状況を見ると、私たちが想定していた以上にアクセス率が高いことがわかります。多くの職員がプロファイルブックを日常的に活用していることの表れだと捉えています。
草場様
帳票をカオナビで運用する以前は、帳票1種類につき各職員からデータを受け取り、それを一枚ずつプリントアウトして紙でやり取りしたり、個別でメールを送付したりしていました。
それと比べると、紙のコストや事務作業が大幅に削減されたと、強く実感しているところです。
また、プロファイルブックには可能な限り顔写真を登録していただいています。新入職員に使い勝手を尋ねたところ、顔と名前、所属が一致することで、初対面でも声がかけやすくなり、コミュニケーションのきっかけになっているようでした。
総務人事部 総務人事課 草場 晶子様
カオナビが個々のキャリアアップにおけるハブのような位置づけになってほしい
──最後になりましたが、今後のカオナビ活用について展望を教えてください。
今村様
今後、人的資本経営が一般化していく中で、本学もカオナビの活用をさらに進める計画です。
具体的には、エンゲージメントサーベイや個々のキャリアビジョンに関する情報収集を進め、そこから得られた人材情報の分析の結果を人事施策の検討や経営層の経営判断の一助となるように共有したいです。これによって、データに基づいたアクションや経営判断をしていけるような環境を構築したいと考えています。
また、職員にとってもカオナビをさらに身近な存在にしていきたいですね。自身のキャリアを可視化することで、次のキャリアの展望や高めるべきスキルの見定めなどが行える、そんなキャリアアップにおけるハブのような位置付けになってくれるのが理想です。
草場様
今後も、人的資本の情報集約と分析をメインに活用していきたいと考えています。
また、カオナビは機能が頻繁にアップデートされますので、私たち自身も見識を深めて、幅広い機能を使いこなしていきたいと思っています。
- 設立:
- 1958年4月
- 教職員数:
- 431名(2025年5月1日時点)