ユーザー会レポート
CSVを渡すだけで、人事データ分析はここまで変わる。ワークショップで見つけた、明日から使える「分析の入り口」
2026年6月1日

こんにちは!カオナビAI推進室です。
2026年4月24日、カオナビはユーザーの皆さま向けに 「カオナビ × 生成AIツールで今すぐできる!人事データ分析 実践ワークショップ」 を開催しました。

参加してくださったユーザーの皆さまは、約30名。
この記事では当日いったい何が起きていたのか、そして私たちが現場で持ち帰った気づきを、舞台裏からお届けします。
なぜ「表データ × 生成AI」をテーマにしたのか
このワークショップの出発点は、シンプルな仮説から。
「ハイパフォーマー分析」「離職予兆」――AI活用で語られるテーマは、いつもどこか主語が大きく抽象的です。
でも本当は、もっと手前で重要な気づきを得ることができます。
生成AIは、構造化されたデータ=表形式がとても得意。
「行=1人の人」「列=項目」が整っているCSVは、AIにとってそのデータの背景やラベル付けをするコストが省けて、非常に理解しやすい形式です。
そのため、勤怠CSVを渡して「ダッシュボードを作って」とお願いするだけで、部署ごとの残業傾向や課ごとの偏りが、グラフでパッと見えるようになります。
評価データ・勤怠データ・スキルデータ・研修受講履歴…
──「行 × 列」の世界が山ほどある人事のお仕事は、本当は生成AIと相性がいい職種のひとつ。
ところが当日のヒアリングでは、文章生成・スライド作成までは多くの方が日常的に活用されている一方、「分析」となると初体験の方が多数派でした。
机上の説明より、手を動かして「あ、これできるんだ」を体感していただく場をつくりたい。それがこの会の出発点でした。
なお、今回のワークショップでは「学習に利用されない設定のAIサービスを使うこと(未設定の場合はサンプルデータのみを使う)」、「会社で承認されたツール以外を利用しないこと」など、いくつかのルールの中で開催しております。
当日の流れ:3時間で「見る → 触る → 語る」


今回ハンズオン及び、実際に手元で試してもらう際、皆さまの画面を共有しながらディスカッションをするために、人事データのテストデータも用意いたしました。

これらのテストデータ・実際の自社データと、サンプルプロンプト集を組み合わせながら、各テーブルで目的別に分析を進めていきました。
当日の現場で、何が起きていたか
▮「グラフって、こんなに簡単に出せるんですか⁉」
ハンズオンの1つは、勤怠CSVを渡して「この勤怠データからダッシュボードを作って」と頼むだけ。文字通りそれだけです。
実際に参加者の方がサンプルデータで作成したダッシュボード
各項目ごとの特別な指示はなく「時系列グラフや組織別残業時間、要注意メンバー」などもグラフ化してくれました。
今回のワークショップで出た反応として、「グラフってこんな簡単にでるんだ」「ホバー表示や、組織の絞り込みもできるのか」といったお声を多くお聞きしました。
実際にExcelやBIツールでグラフを作成しようと思うと、軸の設定やフィルター条件など、気づきを得るための一歩目の可視化で何かと手間がかかるもの…
まずはトレンドや特異点の「あたりを付ける」キッカケとして、AIにラフにグラフ化をお願いする。という使い方は有意義なような気がします。
▮「データを作ってもらう発想がなかった」
別のテーブルで、印象的なやりとりがありました。
そこにAI推進室メンバーから一言。
そもそも分析するデータが、システムに入っていないというケースも非常に多くお聞きします。
「基幹システム・勤怠システム・ローカル上・etc.」に眠っているデータの活用について悩む多くの企業さまにとって、AIは「答えを出す道具」としてだけでなく、実は「データを整形・作る道具」 として、明日からでもご活用いただけるのではないかと考えています。
カオナビでは、AI-OCRや、Excelのスキル情報をスキル管理機能にそのまま入れられる形でAIが変換してくれる機能など、「カオナビ自体にデータを入れるAI機能」のリリースも増えています。
とはいえ、すべての機能を実装するには 時間がかかる為、ぜひお手元のデータを生成AIで整形し、カオナビに入れるという手段もご検討いただければと思います。

AI推進室として得た、3つの気づき
ワークショップの中でチームメンバーが得た気づきをここでご紹介します。
▮「答え」ではなく「答えの出し方」を聞く
慣れている方は、共通して「答え」ではなく「答えの出し方」をAIに聞いている傾向がありました。

今回のワークショップ中に総じて感じたのは、同じデータ・同じプロンプトで同じモデルに問いかけても、生成AIから出てくるアウトプットは、皆さま異なる見た目・内容になるということです。
今後AIと共創していく中で、このアウトプットの質・再現性を高めるためには、結果やHOWだけを聞くのではなく、それに至るまでのプロセスをAIと壁打ちしながら、結果については人間が意思決定をしていくと、「人だけ・AIだけ」よりも価値の総和を増加させられる可能性が上がるのでは?と感じられる気づきでした。
▮各社でAI活用の差が広がりつつある現実
今回参加いただいた企業のうち約35%は、現時点で生成AIツールに自社データを投入できないとのこと。
「セキュリティ規定、リスク部署の判断、そもそも生成AIの利用自体が許可されていない、自社専用AIしか使えない」理由はさまざまです。
ここでハッとさせられるのは、少し前までは、ほとんどの企業が自社データを入れられなかったのでは?という気づきです。
「AIを積極活用している企業」と「利用できない企業」の差がどんどん広がっていく時代に、いよいよ突入しているのでは?と感じさせる数字です。
セキュリティとの向き合い方を、現場・情報システム部門・法務部門で本気で議論していただきたい。
私たちもそのご支援に、これから本腰を入れていきます。
▮「分析する前」で詰まっている方が、まだまだ多い
「分析」の手前で詰まっていらっしゃるお客さまも、まだまだ多いというのが率直な感触です。
- 自社のどんなデータを入れればいいか、分からない
- 入れたいデータがそもそもシステムに集約されていない
- 「何を分析したいか」を、自分でまだ言語化できていない
こうした「分析の手前」の課題を抱えている方にこそ、AIは有効な出発点になります。
散らばったデータも、Excelに眠るローカルデータも、「どうすればカオナビに取り込めるか」をAIと一緒に考えるところから、まず始めてみてください。
次の一歩を、一緒に踏み出すために
ワークショップで皆さまが残してくださったディスカッションワークシートやアンケートの内容は、全てAI推進室で拝見しています。
今回のアンケート結果を、いくつか記載させていただきます。
「ダッシュボードが簡単に作れて感動しました。」
「活用を進めるようにと言われている反面、なかなか使い所が難しいので、入り口としてはいいと感じました。」
「これまであちこちに散らばるデータを手入力していたが、AIを使えば楽になりそうとわかった。分析の具体的手順が理解できた。」
今後、「あったらいいな」レベルから「これがないと人事業務がまわらない!」と言っていただける機能をつくるためには、皆さまのアイデアが何よりの燃料です。
そして、カオナビユーザーさまを対象に「AI活用ゼミ」という、より踏み込んだ実践プログラムを開講します。
全4回、自社課題と向き合いながらAIを使い倒す、半年間のプログラムです。

昨今、AIを使うというHOWが目的になってしまうプロジェクトが多くありますが、個社ごとに正解・課題が異なるタレントマネジメントサービスを提供する、カオナビ×AI推進室だからこそできる、AI利活用の実践ゼミです。
こちらの様子についても、今後発信していきたいと考えていますのでぜひ楽しみにしていただければ幸いです。
おわりに:人事の意思決定を、もっと高度にしていきたい
世の中には「AI機能搭載!」と謳うサービスがあふれています。それでも、本当に価値を発揮できているものはまだ一握りだ、というのが私たちの実感です。
私たちカオナビは、AI活用を「効率化」だけで終わらせず、「人事の意思決定の高度化」にまでつなげていきたい。その旗印が、新ビジョン「Talent intelligence™」です。
よろしければ、「Talent intelligence™」についての詳細記事もぜひご覧ください。
https://note.com/kaonavi/n/n360f21f6f563
データとAIの力で、人的資本(Talent)に知性(intelligence)をもたらす。今回のワークショップは、その入り口を、皆さまと一緒に体験する場でした。
これからもAI推進室は、現場のリアルを聞かせていただくイベントを多く開催していきます。「我こそは」という方、ぜひ次の場でお会いしましょう。
今回のユーザー会で使用した資料やプロンプト集、サンプルデータをカオナビキャンパスオンラインでご共有しています。ぜひ、ご確認ください!
https://www.kaonavi-campus.jp/s/question/0D5fB00001Fz4jzSAB
