課題
- 既存の評価システムがサービスを停止することになった
- 人事関連の情報が複数のシステムに散在していた
活用法
- 人事関連の情報をカオナビに集約することで、情報の一元化と見える化を実現
- カスタムCSV連携でデータアップロードを自動化
効果
- データの自動アップロードにより、作業時間が大幅に短縮した
- 人事関連の情報を常に最新の状態に保てるようになった
- 勤怠情報がグラフ化され、マネジメントへの活用が可能になった
神奈川県を中心に、建築からインフラ工事まで幅広い事業を手掛ける馬淵建設株式会社様。1909年の創業以来115年以上にわたり、「世のため、人のため」をモットーに、創業者の精神である「誠実・技術・奉仕」を受け継いでいます。
同社のICT推進室は「攻めのDX」をミッションに、業務効率化と価値創造を推進。この5年間で毎年2つ以上のSaaSを導入しており、そのひとつがカオナビでした。
今回は、ICT推進室 係長 野木 克也様と同室に所属する山内 美弥様にお話を伺いました。
※本記事の掲載内容は全てセミナー時(2025年7月16日)現在の情報に基づいています。
直感的に操作できるUIが決め手!充実したサポート体制にも期待
──はじめに、カオナビを導入された背景を教えてください。
山内様
人事部門で使っていた評価システムのサービス停止を機に、新たなシステムの導入が必要となりました。
コスト、機能、将来性の観点から複数のシステムを比較検討した結果、直感的に操作できるUIと優れたグラフ表示を持つカオナビを選定。
他社事例を学べるユーザー会が頻繁に開催されることや、担当者のレスポンスが早いことなど、充実したサポート体制への期待も決め手となりました。
──どのようにカオナビと他システムとの連携を進めましたか。
山内様
最優先で進めたのは、緊急度の高かった評価システムの完全移行です。一方で、勤怠システムとの連携や資格・免許の期限管理の設定も並行して進めました。
業務へのインパクトを考慮して優先順位をつけ、全社員がリアルタイムでデータを確認できる環境の構築を目指しました。
──他システムをどのように連携されていますか。
ICT推進室 係長 野木 克也様
野木様
API連携は対応システムが限られたり、追加費用が発生したりする可能性があったため、連携方法に迷っていました。
そんな時、偶然参加したカオナビのセミナーで、カスタムCSV連携の手軽さと汎用性の高さを知り、この方法での連携を決めました。
カスタムCSV連携の大きな利点は、一度設定すれば、その後のデータアップロード時に加工が一切不要になること。また、システムごとに「社員番号」「従業員番号」のように表記が異なっていても、簡単に項目の変更ができます。
一度設定した内容はそのまま維持されるため、誤ったデータをアップロードすることなく、安心して利用できます。
自動連携をONにしただけで、月24時間かかっていた作業時間がゼロに
──カスタムCSVを活用して移行したデータの種類と、それぞれの更新タイミングについて教えてください。
野木様
データの特性と業務ニーズに応じて、更新頻度を「随時」「日次」「週次」「月次」の4種類に設定しています。
例えば、社員の異動や入退社の情報は、人事データベースの更新に合わせて随時更新しています。また、勤怠データやPCのログオン・ログオフ情報といった日々変動するデータは、日次または週次で更新。さらに、携帯電話の請求明細や複合機の利用量など、コスト管理や実績把握が目的のデータは、月次更新としています。
──カスタムCSV連携を活用したことで、最も改善された点は何ですか?
野木様
実はカオナビ導入後、他システムからダウンロードしたCSVファイルを手動で取り込む作業を行っていました。ただ、ある月にはアップロード回数が475回に達し、単純計算で月に24時間も費やしていることが判明。他システムからダウンロードする時間を含めると、さらに膨大な時間がかかっていたことに驚きました。
そこで、カスタムCSV連携を導入。その結果、手作業にかけていた月24時間もの時間をゼロにすることができました。
──他にも便利な点はありますか?
野木様
特に気に入っているのは、絞り込み条件を設定できる機能です。他システムからデータを取り込む際、必要な情報だけに絞ってアップロードできるので、余計なデータが入らず効率的です。
当社のようにプロジェクトごとに所属が頻繁に変わる場合でも、最新の所属情報を簡単に更新できるため、管理が非常に楽になりました。
業務の属人化を防ぐ「運用フロー」と安心・安全なデータ管理の仕組み
──カオナビの運用やデータ管理については、どのようにされていますか。
山内様
週に一度、人事部門と仕様調整を行い、その場で協議しながらPDCAを回すことで、システムを常に最適な状態に保っています。
また、作業手順やルールをまとめた「運用フロー」を共有することで、業務の属人化を防ぎ、誰でも同じように作業できる体制を整えました。
データ管理で特に重視しているのがセキュリティです。個人情報を含む人材データベース機能「プロファイルブック」は、各シートのタイトル部分に「◯」「✕」「△」などの記号をつけて情報の公開範囲を明記。
従業員は自分の情報がどこまで公開されているかを一目で確認できるため、安心して利用できます。また、管理側も誤った情報公開のリスクを減らすことができます。
──その他、どのような機能をご活用いただいていますか。
ICT推進室 山内 美弥様
山内様
「マイボード」機能を活用し、勤怠情報を一目で確認できる環境を整えました。グラフや数字で現状を把握することで、管理職は過重労働の防止や適切な労務マネジメントが可能になりました。
また、社員本人も自分の働き方をセルフマネジメントできるようになりました。
さらに、これまで一般社員が見ることのなかった複合機や社用携帯の利用状況も公開しています。これにより、各自がコストを意識するようになり、経費節減という思わぬ効果にもつながりました。
取り込んだ大量のデータを活用するフェーズへ!より戦略的なタレントマネジメントを目指して
──最後になりましたが、今後のカオナビ活用について展望を教えてください。
山内様
現在、私たちはカオナビに取り込んだデータを活用するフェーズへと移行しています。
まずは社員データグラフ機能「カスタムガジェット」を使い、蓄積されたデータをグラフ化し、さまざまな傾向の「見える化」を進めていきます。それらのデータは今後、採用ミスマッチや離職の分析、エンゲージメント向上などに活用していく考えです。
また、建設業界特有の「現場経歴表」や「手当管理」といったデータも蓄積し、独自の強みを活かした戦略的なタレントマネジメントを実現していきます。
- 設立:
- 1909年8月
- 社員数:
- 322人(2024年5月時点)