ユーザー会レポート

【福岡開催】20年来の評価制度刷新を支えた、カオナビの段階的な運用拡大とガイドライン

2022年5月10日

マナベル

こんにちは!カスタマーサクセス部 ユーザー会担当です。

2021年10月29日、約2年ぶりとなる現地開催でのユーザー会を開催しました!
今回お集まりいただいたのは九州のユーザーの皆さま。トークセッションでは『「紙」からの脱却!西日本新聞社人事が取り組む働き方改革とは』をテーマに、株式会社西日本新聞社の中村様にご登壇いただきました。

そして後半にはユーザー様同士の交流の場も。多くの意見交換がなされて盛り上がった当日の様子をお届けします!

※掲載内容は全てユーザー会当日時点の情報です。

「マナベル」とは?

「マナベル」はカオナビを使いこなしているユーザー様の実践例を直接学べるセミナーです。さまざまな業種のユーザー様にご登壇いただいており、「カオナビ導入の経緯」「カオナビを使ってできたこと」「ぶつかった壁とその乗り越え方」など、赤裸々なトークが必見です。

カオナビではそのほかにも、導入目的別の使い方を解説するセミナーや、ユーザー様同士で活用方法をディスカッションし合う交流イベントも開催。今後、開催予定のセミナーは、以下をチェックしてみてください!

サポートサイト『セミナー・ユーザー会』

ご登壇者・モデレーター紹介

ご登壇者

株式会社西日本新聞社
総務局人事部 働き方改革担当部長
中村 昌子 様

モデレーター

株式会社 カオナビ
取締役副社長COO
佐藤 寛之

20年来の評価制度刷新と目標管理制度の導入を推進

ここからは株式会社西日本新聞社の中村様と弊社佐藤のトークセッションの様子をお届けします!

佐藤:
まずはそもそもカオナビを導入されたきっかけから教えていただけますか?

中村様:
2つ記載していますが、1番大きかったのは評価の紙運用から脱却したかったという点です。以前はExcelで入力してもらい、紙に印刷したりしていました。

それに、評価の時期は人事担当者が集まり遅くまで続く…といったこともありました。時間がかかることに加え、紛失などのリスクもありましたので、評価のシステム化を検討し始めました。

佐藤:
紙からの脱却というのは人事制度全体を改めようという取り組みもあったのでしょうか?

中村様:
そうですね。20年来の大きな人事制度改革で、職能評価から役割に応じた評価へ、といった評価制度の改定や、目標管理制度の導入などを大きく変えました。

佐藤:
20年来の評価改革となるとかなり大変だったのではないですか?

中村様:
はい、そうですね。ただ、同じように年功序列的な評価には課題を感じていらっしゃる企業様も多いのではと思いますが、やはり昨今は会社員として定年まで働く、というのは当たり前でない時代です。

また特に大きかったのは、社員がどこでどんな仕事をしているか把握しづらかった、という課題。これらを解決するには、適性配置を行なうための適切な評価制度が必要だ、ということで、役割等級という形で社員それぞれが役割に応じて働いていただける仕組みを整えました。

佐藤:
評価制度刷新にあたり「入社したころ約束されていた未来とは違う」というようなケースもあるのではと思うのですが、このあたりの反発などはなかったのでしょうか?

中村様:
反発はあり、実は提案から導入までに1年半以上かかりました。
ただ、新聞社のおかれる状況を踏まえると、若い社員たちを中心に「どうすれば評価されるのかの基準が知りたい」「評価が曖昧であることで、適切な教育がされない」といった声は多かったんです。

制度を刷新した今でも運用に対する不満などはまだまだありますが、少しは変わってきているな、という認識は持ってもらえたのではと感じているところです。

段階的な運用で従業員へのメリットを提示

佐藤:
ではここからは具体的に導入後の経緯を伺っていきたいと思います。

中村様:
まずはこれまで別のWebシステムを使っていた「自己申告書」からカオナビに移行しました。

佐藤:
なるほど。導入のきっかけは評価制度の移行とのことでしたが、最初に自己申告書から始められたというのはどのような経緯があったのでしょうか。

中村様:
評価制度を新しくするのはかなりハードルが高いんですよね。社員にとっても、情報が多いので浸透させるのは大変。そこで、これまでもWebで運用していた自己申告書からカオナビのスマートレビューへ移行してみよう、と考えました。

結果的に、自己申告書の提出を通じてカオナビを知ってもらうきっかけになり、よかったのではと感じています。さらにスマートレビューでは提出先の人がわかるようになった、といった違いもありましたが、社員からも特にネガティブな反応はありませんでした。

カオナビは直感的に操作できるほか、権限を設定しておけば社員に自由に触ってもらうこともできるので、まずは触って慣れてもらいました。

佐藤:
従業員のみなさんにまず「自分にとって便利なもの」だと感じてもらうのは、導入の際のポイントとなりそうですね。

「誰に何が見えるのか」の整理で権限設定をシンプルに

佐藤:
権限の設定もカオナビでの運用に欠かせない部分ですが、この点はどのように進められましたか?

中村様:
そうですね。カオナビといえば社員の顔写真や基本情報が見える、という点が特徴的ですが、経営会議にあげた際に「誰が何の情報を見ることができるのか?」をもう少し明確にすべき、との指摘をもらいました。

そこで、部門や役職ごとにどの情報が見えるのか、使えるのか、を整理した表を作成したりしました。

佐藤:
誰にどこまで見せるかどうかはどの企業様も大変悩まれる部分だと思うのですが、どのように決定されたのでしょうか?

中村様:
基本的には組織図に則って考えました。まずは自分の部門下の人の情報が見えるように、など業務の権限と揃えたものが多いです。

あとはなんでもとにかく集めるのではなく、その情報が本当に必要なのかをしっかり議論しました。たとえば定年の時期を把握したい、というニーズがあれば「生年月日は公表せず、年齢のみ載せる」などです。

佐藤:
カオナビはツールとしての自由度が高いので、社員の皆さまが何を目的に、どんな情報が見えるとよいのか、を考えていただくことはとても重要ですね。

中村様:
そうですね。まさにその部分を明確にして社員たちが安心して利用できるようにするために、弊社ではガイドラインを制定しました。

安心して正しく利用してもらうためのガイドライン制定

佐藤:
ガイドラインは文面として社内に共有をされたのでしょうか。

中村様:
はい。カオナビ公開前日に、「明日からカオナビを導入します」というアナウンスとともにガイドラインも提示しました。

カオナビには顔写真のほか多くの情報を掲載するため、

  • 顔写真のダウンロード禁止
  • 閲覧してよい場所とそうでない場所
  • パスワードの正しい管理方法(紙に書いて他人に渡すのは禁止)

など、細かいところまで提示しました。

もし何かが起こった場合に、会社として「認めていること・禁止していること」をはっきりと伝えられる状態を作っておくことが重要だと考えました。

運用定着のコツはとにかく社員自身で触ってもらうこと!

佐藤:
このように状態を整えたうえで、評価の運用をスタートされたのですね。

中村様:
はい。今はまさに評価に向けた中間面談などを行なっている段階ですが、新しいやり方にも慣れはじめている印象です。そもそも自分が誰に評価されているのか、がパッとわかるというのも良いですね。

佐藤:
この評価シートでは、本人と上長では見える範囲は分けておられますか?

中村様:
はい、分けています。画面下部には被評価者には見えない、一次評価者用のコメント欄などを設けています。

社内ではITツールに慣れていない社員もいましたが、直観的に触ることができるので、操作に関してはほとんど質問も出ませんでした。

佐藤:
事前に操作マニュアルは作られましたか?

中村様:
ほとんど作っていませんね。従業員からいただいた質問は、スマートレビューの上部にQ&Aとして蓄積して公開するようにしました。

運用していくうえでコツかなと思ったのは、「〇〇の情報を紙で見たい」という声があっても、極力渡さず「カオナビで見てください!」と誘導すること。そこで操作について質問が出たら、丁寧に対応するようにしました。

そばに行ってレクチャーすることもあり最初は少し大変でしたが、そこを超えて所属長たちに便利さや面白さに気づいてもらえると、後からラクになると思います。

「基本情報の全社公開」は他部署との連携にも大活躍

佐藤:
そして次にプロファイルブックの全社公開に至ったのですね。

中村様:
ガイドラインもできましたので、「明日の〇時にプロファイルブックを公開します」と告知をして公開すると、かなりアクセスも集まりました。
顔写真は社員IDの写真を使ったのですが、写真を変えたいという声もあがってきましたね。

佐藤:
社員の皆さまからは、どんな情報を見たい、といった声が多いのでしょうか。

中村様:
やはり顔写真、所属部署などでしょうか。営業は営業、記者は記者、と分かれていて他の部署の方との接点を持ちづらいことも多いんです。

ただ、弊社では選挙の際には社内でいろいろな人が手伝いに行く、といったことも発生します。そんな場面では、事前に顔と名前が一致して、社歴や部署も把握しておくことができるのは便利ですね。

評価のカオナビ移行で印刷やデータ収集の手間を削減!

佐藤:
では最後に、導入後に感じていただけた効果についてもお聞きしたいと思います。

中村様:
大きく分けて2つあります。1つ目は、シンプルですがシナプスツリーによってみんなが組織図を見ることができるようになったことです。

組織図自体はカオナビ導入前もあったのですが、今は顔写真が付いているため、よりわかりやすく、見る人が多くなったように感じます。また、自分がどの組織に紐づいているのかがわかるようになった点もよかったことの1つですね。

2つ目は、やはり評価業務のストレスから解放されたこと。

これまでは評価のシートを紙で印刷して郵送していました。拠点数が多いので、郵送することの手間と紛失のリスクがなくなったことはデジタル化した効果です。

さらにデータの蓄積がしやすくなったので、所属長たちからの「過去の評価を見たい」といった要望にも答えやすくなりました。

佐藤:
誰もが組織図にアクセスできるようになり、導入目的でもあった「評価業務のデジタル化」も達成されたとのこと。

ガイドライン制定をはじめとする公開前の事前準備と、段階的なカオナビの運用拡大があっての結果なのでしょうね。本日は運用の過程や工夫を詳しくご共有いただき、ありがとうございました。

【Q&A】評価の質を担保するには?参加者からの質問に回答

さまざまな評価者がいるなかで、評価者がシステムを使って育成などにうまく活用できるのだろうか…と不安なのですが、どのように質を担保されていますか?

佐藤:
これは難しいのですが、情報を可視化できるというのがクラウドの良いところです。

たとえば所属長同士で互いの状況を共有し学ぶための会を開催したり、
評価において、「被評価者へのコメントは開示します」とすることで、納得感のある評価ができるように取り組まれる企業さまも増えてきているように感じます。

また、納得できる評価だったかを評価期間後にアンケートを取るというのも1つですね。
もちろん単純な評価への不満も出るので、必ずしも被評価者の声を鵜呑みにするべきではないですが、「評価後のフィードバックがある」ということが評価者・被評価者両方にとってプラスに働くことが多いです。

中村様:
弊社でも一次評価者が責任を持って評価を伝えることを大切にしており、評価後のアンケートも実施しています。

評価後のアンケートにおいて、指摘が目立つ評価者については再研修を受けてもらったりもしています。紙で運用していた時代は、評価欄に詳しく記載しなかったり、空白のままだったりする人もいましたが、現在は「最低〇文字」などの制限を加えることで、評価の質を担保しています。

社内への公開にあたり、顔写真が他の社員たちに見えることに抵抗の声はありませんでしたか?

中村様:
弊社も最初は同じような懸念があったのですが、カオナビは社内限定であること、さらに出社文化のある会社だったこともあってか、顔写真の必要性は感じてもらいやすかったのかなと思います。

本当に事情があって出したくない人がいれば申し出るように、とも案内しましたが、特に声は出ませんでした。事前にガイドラインを提示したことも、安心して利用してもらえるようになった要因の1つかもしれません。

ユーザーさま同士ならではの共感がたくさん!オフライン限定交流タイム

最後は、ユーザーさま同士の交流タイム。少人数のグループに分かれて、最近悩んでいることや、他社さんってどうしてる?というギモンについてざっくばらんにお話しいただきました。

まずは自己紹介と、今日話したい・聞いてみたいことをシェア
お話のなかで、「そんな使い方もあるのか!」と新たな発見がある方も。
他のユーザーさまのお話に真剣に聞き入る皆さま

グループセッションでは、「カオナビの権限設定では、どんな層にどこまで見えるようにしていますか?」といったカオナビの詳しい運用に関するご相談から、「最近人事部でこんな施策を考えていて…」というような、カオナビに限らない人事のみなさま同士ならではの話題も多くお話しいただいていたことが印象的でした。

【参加者の声】新しいカオナビの活用法を発見できた

参加された皆さまからのご感想を、一部抜粋してお届けします!

  • 他社様の状況から活用の幅の広がりを感じることができました。
  • 新しいカオナビ活用の方法を知ることができた。また、いろいろな数値の表現方法(グラフなど)の種類があることを知ることができた。
  • 特に人事や人材開発のことは同じ悩みを抱えていると思うので、他社の状況が聞けるのはありがたいです。
  • グループセッションにおいて、色んな利用の仕方など伺う事ができ、大変参考になった。
ご参加いただいたみなさまとの集合写真

ユーザー会を終えて

開催当時、久しぶりのオフライン開催ということもあり、運営スタッフ一同ドキドキしながらのスタートでした。

しかしその緊張とは裏腹に、他のユーザーさまと積極的に名刺交換をされたり、うなずきながら、時には他社さまのお困りごとに対して一緒に悩んだりされている参加者の皆さまのご様子を見て、とても嬉しく、またワクワクしたことを覚えています。

ユーザー会ではカオナビの使い方に限らず、人事の皆さまにかかわる様々なテーマを取り扱っていく予定です。「他のユーザー様からこんな話を聞いてみたい!」などありましたら、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいませ!

また、カスタマーサクセスチームでは、Twitterも運営中。セミナー情報や便利な活用テクニックなどを定期的につぶやいていますので、チェックしていただけると嬉しいです!
それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!

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マナベル

2022.05.10