ユーザー会レポート

活躍しつづける人材を育成するには?評価制度刷新と社員情報一元化を支えるカオナビ活用法

2023年6月20日

マナベル

こんにちは!カオナビ カスタマーサクセスグループ ユーザー会担当です。

2022年9月2日(金)、ユーザー会「マナベル」を開催しました。今回ご登壇いただいたのは、ドラッグストア「サツドラ」をはじめ、地域マーケティングや教育関連など、北海道を拠点にさまざまな事業を展開する「サツドラホールディングス」さま。「『活躍し続ける人材』の育て方とカオナビ活用法」をテーマに、人事施策についてお話いただきました。

ご参加できなかった皆さまにもこの知見を取り入れていただけるよう、当日の内容をまとめましたので、ぜひご一読ください!

※掲載内容はすべてユーザー会当日時点の情報です。

「マナベル」とは?

「マナベル」はカオナビを使いこなしているユーザー様をお招きし、実践例を直接お話いただくセミナーです。さまざまな業種のユーザー様にご登壇いただいており、「カオナビ導入の経緯」「カオナビを使ってできたこと」「ぶつかった壁とその乗り越え方」など、赤裸々なトークが必見です。
カオナビではそのほかにも、導入目的別の使い方を解説するセミナーや、ユーザー様同士で活用方法をディスカッションし合う交流イベントも開催。今後、開催予定のセミナーは、以下をチェックしてみてください!
サポートサイト『セミナー・ユーザー会』

ご登壇者紹介

飯田 和也 様

サツドラホールディングス株式会社
HRグループ グループリーダー 兼 人事企画・採用チーム チームリーダー

2001年  入社
2002年  店長昇格
2008年~ ブロックマネジャー(店舗統括責任者)
2011年~ エリアマネジャー(ブロック統括責任者)
2015年~ 商品部にてバイヤーを経験
2018年~ 人事部へ異動
     組織変更に伴い名称が変わりながら現在に至る

関口 果穂 様

サツドラホールディングス株式会社
HRグループ 人事企画・採用チーム

2018年  入社
2018年~ 函館市内店舗で勤務
2020年~ 総務人事グループ HRチームへ異動
       評価運用を担当
     組織変更に伴い名称が変わりながら現在に至る

※ご登壇当時の情報です。

目標設定とコンピテンシーを重視して行った評価制度の刷新

※ここからは実際に飯田様と関口様にお話しいただいたセミナー内容です!

飯田様:
本日は、「『活躍しつづける人材』の育て方とカオナビ活用法」ということで、3つのパートに分けてお話しいたします。

では早速、「活躍しつづける人材育成への取り組み」についてです。私は2018年に人事部に着任した当初から、当時あったさまざまな課題の解決策として、「活躍しつづける人材育成」「多様性のある組織づくり」の2つに取り組んでおります。

飯田様:
まず本日のテーマでもある、「活躍しつづける人材育成」ですね。これを作るために何をしたかというと、評価制度を整えることと、活躍しつづける人材を作るためにいかに社員のモチベーションを高めて、高い状態を保ち続けられるかを中心に据えて取り組みました。

実際に取り組む際は、すべてを一人で進めたわけではなく、社外のコンサルタントの方に入っていただきながら進めていきました。私はその段階では人事としての知見は深くなかったので、その部分は積極的にコンサルタントの力を借りました。一方で社内の仕組みは私が熟知しておりますので、そこではコンサルタントと連携をしつつ、評価制度の見直しを進めていったんです。その後に教育制度の刷新、つづいて等級制度の改定を実施、そして給与制度の見直しを現在進行形で取り組んでおります。

評価制度を改定する以前は、弊社にもまだまだ年功序列的な考えがあったり、上司が部下を一方的に評価したりといった状態でした。そこで改定にあたり、セミナーに参加するなどして他社事例やノウハウをまずは学びました。そのなかで、目標設定や、成果に結びつく行動をどれだけ取れたのかというコンピテンシーを重視しようと決め、コンサルタントの方と内容を詰めて設計しました。

飯田様:
そうしてできた評価制度ですが、実は弊社の評価制度には少し複雑な部分があります。会計的な期の切り替わりと評価期間に若干のズレがあるんですね。そのため、現場の方が混乱してしまうということがありました。

そこで、関口とともに評価フローを整理していき、目標設定、自己評価、一次評価などそれぞれのフローの期限を適切に案内し、現場のケアを徹底しました。評価制度は私が着任してすぐに改定しましたので、もう改定から4年ほどが経ちます。しかし、現場からの大きな不満もなく運用を継続できています。

飯田様:
つづいて、教育制度です。

組織変更のたびに誰がどの人を教育するのかが混乱してしまい、抜け漏れが発生しがちである点が課題でした。ここでも外部の知見をお借りして、まずはいろんな企業さんにどんな風に教育制度を作っているのか教えていただくところから始めました。その情報をもとに、eラーニングの導入や研修制度の整理を行いました。弊社には、ライセンス制度と呼ばれる店長になる資格を得るための試験や研修があるため、そのライセンス制度のブラッシュアップや整備を中心に取り組みました。

評価制度と教育制度という、等級制度を見直すための前工程が終了したということで、次に等級制度の見直しを行いました。

飯田様:
等級制度は給与に直結するため、特に慎重に時間をかけながら改定を進めました。以前の制度では基準が曖昧な部分が多かったので、そこを整理して明確化したことが一番の変化かなと考えています。

飯田様:
幸い私が店舗出身かつ社内のたくさんの人と繋がりがあったこともあり、ここまでの制度の浸透はトラブルもなく比較的順調に進められました。また、個別の質問にも真摯に向き合って答えたり、年に1回必ず行う人事制度の説明会のたびにアンケートを取って回答していったりといった活動も功を奏したのかなと思っています。しかし、次の賃金制度の見直しはもう給与そのものということもあって極めて重要な局面となります。ここをどう伝えていくかが、今後のキーポイントとなるかと思います。

多様性のある組織づくりが認められ、D&I Award賞を受賞

飯田様:
私の着任時のもう1つの課題としてあったのが「多様性のある組織づくり」です。なかでも女性活躍という意味においては「出産・子育て中の社員への理解不足」と「女性役職者比率が低い」という二点が課題でした。出産子育てへの理解は進みつつあったものの、女性役職者比率については依然増える気配がありませんでした。

「多様性のある組織づくり」のためには大きく分けて、次の3つの施策を行いました。

  • くるみん認定の取得をはじめとする仕事と子育ての両立支援
  • それぞれが好きな働き方を実現するための副業・兼業制度の施行
  • D&I委員会の設置

飯田様:
D&I委員会に関しては日本のD&I推進をリードする企業を認定するD&Iアワード2021(主催:JobRainbow)において、地方企業部門で「D&I Award賞」を受賞することができました。もともと賞を狙うというよりも、自社の取り組みの位置付けを確認し、今後の方向性を決める意味でエントリーしたものではありましたが、こうした賞をいただけたことは非常に光栄でした。

こうした取り組みを続けながら、社内外問わず多様な人材が活躍できる環境を作っている最中です。ただ、まだまだ女性活躍を促進し、管理職をどう増やしていくのかについては課題が多いため、直近の課題として積極的に取り組んでいます。

ここで私からの「活躍しつづける人材育成の取り組み紹介」は以上です。続いては、カオナビの導入や活用について、弊社“カオナビマスター”の関口からお話しいたします。

工数の圧倒的な削減。Excelからカオナビへ移行して得られたメリット

関口様:
実際は“カオナビマスター”と呼んでくださってるのは飯田さんと弊社の社長くらいですので、あまりハードルを上げずにお聞きいただければと思います(笑)

弊社では1年程度、複数システムとの比較検討時期を経て、2021年の3月にカオナビを導入しました。システム選びの基準としていた条件は2つでした。1つ目が、変更した評価制度をシステム上で問題なく再現・運用できること。2つ目が、評価制度だけでなくタレントマネジメントの観点でも有益なデータベースとして活用できるか。

そこでネックとなったのは、やはり「評価制度を再現できるか」でした。複数の要素が複雑に絡まって評価点が出るロジックを組んでいたため、システム上で完結させる難易度が高い制度でした。そのため、他社システムの担当者さんからは「ちょっとこれは難しいです」という言葉をいただくことも多くありました。一方、カオナビの担当者さんは何を聞いても「できます」であったり「ちょっと難しいですが、ただこういうやり方ならできます」であったりと、すべてに前向きに答えてくださいました。その点にとても魅力を感じ、弊社はカオナビに決めました。

関口様:
こうした経緯を経て、2021年3月にカオナビを導入後、約3ヶ月間運用準備を行い、7月の評価の入力から全社的に運用を開始しました。

ただ、実はまったく余裕のあるスケジュールではありませんでした。導入した以上は少しでも早くメリットを私自身が感じたかったですし、なによりも従業員の皆さんにも感じていただきたいとの想いで、なんとか準備を急ピッチで進めました。そのため、このスケジュールはまったく標準的なものではないと思いますが、そういった情報を踏まえてみなさまの参考にしていただけると幸いです。

現在弊社では、評価制度の運用と社員情報の管理にカオナビを使用しています。ここからはこの2つの領域でのカオナビの活用状況について掘り下げてお話していきます。

まず1つ目の評価制度の運用には、スマートレビューを使っています。

関口様:
弊社の場合は、自己評価と1次評価を1つのフェーズにまとめ、2次評価と3次評価をそれぞれ1フェーズずつの、合計3フェーズで運用しています。目標設定は別のイベントで管理しており、そこで承認された目標のデータを人事側で評価イベントの方に移行して運用しています。

もともとはExcelで評価を行っており、評価制度の変更後も2回ほどExcelを用いた運用を行いました。ただ、Excelをメールでやり取りして受け取ったものを保存して、また送信してというフローは煩雑で、やはり精神的にも肉体的にもつらい部分がありました。この負担が激減したことは、システムに移行した一番のメリットです。

関口様:
また、進捗が一目で確認できるために評価者の方へ事前にフォローもしやすくなりました。さらに、Excelのときは1人でも進捗が遅れている場合、全員が次のステップに進めなくなってしまっていましたが、システム上ですと少々の遅れであれば問題なく次のステップに進めます。この点は、評価者にもメリットとして感じていただけているのではと思っています。

従業員からも「直感的に操作できるのであまりやりづらさを感じずに入力できました」との声をいただき、私としては大変うれしかったです。実は導入のスケジュールがタイトだった分、十分な説明会は行えませんでした。従業員には運用のマニュアルをお渡ししただけだったためわかりづらいといった厳しい意見が多く出ることは覚悟していました。しかし予想に反して、そういった問い合わせは想定より少なく、快適に従業員に使用してもらえました。ここはカオナビのシステムの使いやすさにとても助けていただいた点です。

必須項目や命名規則、帳票機能。小さい工夫を重ねてより良い運用に

関口様:
続いて、評価の運用の中で工夫した点や苦労した点を3つほどご紹介いたします。

まず1つ目が入力必須機能とメッセージパーツの活用です。

弊社の場合、設定する目標数が人によって異なります。そのため、立てた目標に対しての達成度を測る一次評価の項目を、最初は入力必須にしていませんでした。ただ、それではどうしても入力漏れが発生してしまいます。そこで、一次評価の入力項目に、これまでの1から4の評価にプラスして「目標なし」という項目を作りました。


関口様:
こうすることで、一次評価の項目を必須入力項目に指定することができ、入力漏れを防ぐことができました。また、あわせて一次評価のプルダウンの隣に補足を入れることで、誤入力対策も行っています。

2つ目はイベント名の統一です。

導入当初はその時々でイベント名を設定していました。しかし、イベントが増えてくるにしたがって、一覧が見づらく、また管理が煩雑になってきました。そこで、イベント名の命名規則を制定し、対象者、内容、期間が、タイトルを見れば一目でわかるように工夫しました。

関口様:
3つ目は、帳票機能を3回目の評価の運用から活用したことです。

帳票機能はもともとカオナビにある機能です。導入当初は余裕がなくて帳票機能を使うことができていませんでした。しかし、運用していくなかで、従業員から「Excelでも見たい」「Excelでダウンロードして下書きをしたい」との声があったことを機に、帳票機能の利用を始めました。実際に触ってみると、以前のExcel運用時のフォーマットをほんの少し改良するだけでテンプレートとして使えることがわかり、予想以上にハードルが低く機能の活用ができました。従業員もとても喜んでくれ、労力に対する効果がとても大きい機能でした。

「面談履歴の入力」と「研修履歴の管理」で、業務負荷をさらに軽減!

関口様:
弊社のカオナビ活用の2つ目の領域、社員情報の一元化についてです。現在システムに移行している情報などを皆さんに共有させていただきます。

まずは、面談履歴の管理です。弊社は年に2回フィードバック面談を、そして年に1回キャリア面談を行っています。その面談履歴を入力するシートをプロファイルブック上に作成しました。こちらも以前はExcelシートで管理していました。すると異動が発生するたびに、そのExcelを異動先に送信しなければならず、頭を悩ませていました。この点もシステム化できたことで、業務負担を減らすことができました。

関口様:
そして研修履歴の管理も、教育担当と協力しつつカオナビで行っています。これまでは研修を受けて終わりになってしまっていました。しかし今回、研修管理を一元化したことで、今までどんな研修を受けてきて、どういったレポートを提出していたかまで確認し、振り返りが格段にしやすくなったと思っています。

今後もさらにカオナビの活用を進めていければと考えています。私からは以上です。

カオナビがあることで先を見据えた取り組みができるように

飯田様:
先ほど関口からも話したように、評価や社員情報の管理を中心に、従業員の声も聞きつつ試行錯誤しながら、カオナビの活用を進めている状況です。ただ、たくさんの機能があるなかでまだまだ活用しきれていない部分があるのも確かです。

飯田様:
今後は、シナプスツリーを利用しての組織図活用を中心に、もっと多くの機能を活用していければと考えています。また、正社員はカオナビを使って評価制度を運用できていますが、弊社にはパートさんの評価制度もあります。現在、そちらの評価制度を見直している状態ですので、見直しが終わり次第、パートさんの評価制度もカオナビのシステムを使って活用していくのが目下の目標です。

カオナビ導入以前は、新しい施策を練って挑戦しようとしたとしても、やはりアナログ主体では時間がかかって進まないっていうのが多くありました。しかし、カオナビがあることで、施策を実行しやすくなり、先の部分を見据えた取り組みもできるようになってきました。

ただ、弊社もまだまだ活用は道半ばですので、こうした機会にみなさまとたくさん意見交換していければと考えております。本日はありがとうございました。

【Q&A】

Q:評価面談以外の、例えば人事が行うキャリア面談などの記録も面談記録として残されているんでしょうか。

A:はい、面談時に話していたキャリアの方向性など、特筆すべき点は書き残しています。

Q:プロファイルブックなどの権限のロールは何段階程度にわけて運用していますか?

A:役職別で設定していて、現在は7〜8ロールほどあります。例えば、店長・薬局長のロールがあって、その上にブロックマネジャーのロール、またその上にゼネラルマネジャーロールといった分け方です。このやり方ですと、異動があった際にも異動対象者が閲覧権限を持つ店舗だけを変更すればいいので、比較的スムーズに運用ができています。異動の反映は、月に1回CSVで行っています。


最後はみなさまと記念撮影

ユーザー会を終えて

飯田様と関口様には、人材育成施策から、カオナビをより有意義に活用できるような具体的な運用方法まで、たくさんお話しいただきました!みなさまも、早速人材育成やカオナビ運用など、日々のお仕事に活かしていただけると幸いです。

また、札幌でのカオナビのユーザー会は今回がはじめてだったにもかかわらず、現地では「久しぶり!」といったお声もちらほら。はじめましての出会いはもちろんのこと、コロナ禍前からお知り合いだった人事の方同士の再会の場にもなったようで、とても和やかな会となりました。

カオナビのユーザー会では機能の使い方に限らず、さまざまなテーマを取り扱っていく予定です。「カオナビに集めたデータを採用や経営に活かす方法が知りたい!」「いま取り組もうとしている○○の施策について相談したい」など、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいませ!

また、カスタマーサクセスチームでは、Twitterも運営中。セミナー情報や便利な活用テクニックなどを定期的につぶやいていますので、チェックしていただけると嬉しいです!

それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!

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マナベル

2023.06.20