目標管理(MBO)とは?導入方法と効果的な活用法をわかりやすく解説

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「目標を立てても、いつの間にか形骸化してしまう」「社員のモチベーションがなかなか上がらない」そんな悩みを抱える企業は少なくないでしょう。そこで注目したいのが、目標管理(MBO)というマネジメント手法です。

目標管理は、単にノルマを達成させるだけでなく、目標設定から達成までのプロセスを通じて社員の主体性を育み、組織全体のパフォーマンスを向上させることを目指します。

しかし、その導入にはメリットとデメリットがあり、適切な運用なしには効果を発揮できません。

今回は、目標管理の基本から導入方法、効果的な活用法、そして陥りがちな失敗と対策までをわかりやすく解説します

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1.目標管理(MBO)とは?基本と役割をわかりやすく解説

目標管理(MBO)は、個人と組織の成長を促進するための重要なマネジメント手法です。これは単なるノルマ達成だけを指すのではありません。

目標設定から達成までのプロセスを通して、社員の主体性を育み、組織全体のパフォーマンス向上を目指すものです。

目標管理という考え方は、1954年に経営学者のピーター・F・ドラッカーが提唱しました。「Management by Objectives」と表記され、その頭文字を取って「MBO」とも呼ばれています。

まずは、この目標管理の基本と役割について解説していきます。

目標管理制度(MBO)とは

目標管理制度とは、目標管理という概念や考え方を、企業内で具体的に運用するための「仕組み」や「システム」のことです。目標管理という抽象的な概念を、日々の業務や人事評価に落とし込むための具体的な枠組みといってもよいでしょう。

目標管理シートやフィードバック面談などを通して、目標の設定から達成までのプロセスをサポートしていきます。この制度を活用することで、社員が自ら目標を設定し、その目標達成に向けて主体的な行動を可能にします。

結果として、個人の成長と組織全体の目標達成を両立できるのです。

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人事評価制度との違い

目標管理制度と人事評価制度は、どちらも人材戦略の一つです。しかし、その役割は大きく異なります。目標管理制度がマネジメント方法であるのに対し、人事評価制度は従業員の成果や業務姿勢などを評価し、昇進や報酬などの判断基準に役立てる取り組みです。

ただし、近年では目標管理制度と人事評価制度を連動させている企業も増えてきており、目標管理制度で設定・達成した目標の結果を、人事評価の項目の一つとして組み込むケースは少なくありません。

この目標を達成すれば、人事評価につながる」という意識を持って業務に取り組めるため、評価者も目標達成度という客観的な指標に基づいて評価しやすくなるでしょう。

目標管理はあくまでマネジメント手法であり、人事評価はその結果を活用する場の一つと捉えるのがポイントです。

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目標管理の形骸化を防ぐには

目標管理制度は、運用方法を間違えると、単なる目標設定と面談の繰り返しという「作業」になってしまい、形骸化する可能性があります。形骸化してしまうと、本来の目的である社員の成長や組織のパフォーマンス向上への寄与が難しくなります。

形骸化を防ぐには、以下を意識して目標管理制度に取り組むことが重要です。

  • 目標の明確化と共有
  • 質の高い目標設定
  • 継続的なフォローアップとフィードバック
  • 評価・育成との連動
  • 継続的な改善

とくに、上司が無理に目標を設定させると、従業員は目標に意味を感じられず、形式的なプロセスで終わってしまいます。形骸化を防ぐには、目標を達成する意味やそのやりがいを醸成する仕組みづくりが必要です。

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2.MBO(目標管理制度)とOKR・KPIの違いを整理

目標管理制度を意味する「MBO」と混同しやすい関連語句に、OKRやKPIがあります。目標管理制度の意味や役割を正しく理解するためにも、それぞれとの違いを解説しましょう。

MBOとOKRの違い

OKRとは「Objectives and Key Results」の略称で、組織の目標達成を強力に推進するための目標管理フレームワークです。Googleをはじめとする米国のシリコンバレーを代表する有名企業が導入していることで知られています

MBOとの大きな違いは、成長を促すためにあえて高めの目標を設定する点です。達成率70%ほどの目標を設定するケースが一般的で、そのため人事評価制度とは切り離して運用されることが多いです。

目標は会社全体の目標と連動して設定し、MBOよりも短期間で運用して、目標設定とフィードバックのサイクルを早めていく特徴があります。

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MBOとKPIの違い

KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、重要業績評価指標のことです。KPIが目標の達成度を図るための具体的な指標であるのに対し、MBOは目標管理の制度や考え方を指します。MBOの中で設定される目標の達成度を測るために、KPIが用いられることがあります。

たとえば、MBOで「市場シェアを拡大する」という目標を設定したとしましょう。その目標達成に向けたKPIとして「新規顧客獲得数」「既存顧客からの紹介数」「ウェブサイトのトラフィック数」などを設定できます。

KPIから目標達成の進捗を常に把握し、必要な改善策を講じることで、目標達成率向上を目指せるのです。

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目標管理を成功させるには、その負担を取り除くことも重要なのです。カオナビなら誰でも使いやすい操作性で、目標管理・人事評価のスムーズな運用が可能です。

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3.目標管理を導入するメリットとデメリット

目標管理は、組織の成長と個人の能力開発を促進する強力なツールです。しかし、その導入にはメリットとデメリットの両面があります。

制度の効果を最大限に引き出すためにも、両面をしっかり押さえておきましょう。

メリット デメリット
・従業員の主体性が高まる
・従業員のモチベーションが向上する
・評価の納得度・透明性が高まる
・組織と従業員の方向性を統一できる
・部門・職種によっては目標を設定しにくい
・設定する目標の質に効果が左右される
・協調性が失われる恐れがある

制度の効果を最大限に引き出すためにも、メリット・デメリットを押さえましょう。

目標管理を導入するメリット

目標管理を導入するメリットとして、以下4つが挙げられます。

  • 従業員の主体性が高まる
  • 従業員のモチベーションが向上する
  • 評価の納得度・透明性が高まる
  • 組織と従業員の方向性を統一できる

それぞれのメリットを詳しく解説していきましょう。

従業員の主体性が高まる

目標管理では、会社から一方的に目標を与えられるのではなく、従業員自身が上司との対話を通じて目標を設定します

この「自分で決めた目標」という意識が、「やらされ感」ではなく「自分事」として業務に取り組む主体性を育むでしょう。目標達成に向けたプロセスを自ら考え、工夫するようになるため、自律的な働き方が促進されます。

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従業員のモチベーションが向上する

明確な目標が設定されることで、従業員は「何を」「いつまでに」「どのレベルで」達成すべきかが明確になり、日々の業務に目的意識を持って取り組めるようになります

目標達成という具体的なゴールが見えることで、達成感や成長を実感しやすくなり、これが次の目標へのモチベーションへと繋がるでしょう。

また、自身の努力が目標達成、ひいては会社への貢献に直結することを理解できるため、内発的な動機づけが強化されます。

評価の納得度・透明性が高まる

目標管理制度は、客観的な目標達成度に基づいて評価を行うため、評価プロセスの透明性が向上します

従業員は、評価基準と自身の目標達成状況が明確に結びついているため、評価結果に対する納得度が高まるでしょう。曖昧な評価による不満や不信感が減り、公正な評価制度が組織への信頼感を醸成します。

組織と従業員の方向性を統一できる

目標管理制度は、会社の経営目標や部門目標を個人の目標へと落とし込むことで機能します。これにより、従業員一人ひとりの業務が会社全体の目標と明確に連結され、組織全体が同じ方向性を向いて進むことが可能となるでしょう。

個々がバラバラの方向へ進むことを防ぎ、組織全体のパフォーマンスを最大化するための強力な基盤となります

目標管理を導入するデメリット

目標管理を導入するデメリットとして、以下3つが挙げられます。

  • 部門・職種によっては目標を設定しにくい
  • 設定する目標の質に効果が左右される
  • 協調性が失われる恐れがある

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

部門・職種によっては目標を設定しにくい

目標管理は、具体的な数値目標を設定しやすい営業職や製造職などでは導入しやすい傾向にあります。しかし、間接部門や研究開発部門など、定性的な成果や長期的な取り組みが主となる部門・職種では、明確な目標設定が難しい場合があるでしょう。

無理に数値目標を設定しようとすると、本質的ではない目標になったり、目標達成が形骸化するリスクがあります。

しかし、目標管理を効果的に運用するには、そうした部門でもできるだけ定量的な目標を立てることがポイントです。

設定する目標の質に効果が左右される

目標管理の効果は、設定される目標の質に大きく依存します。目標が曖昧であったり、高すぎたり、低すぎると、従業員のモチベーション低下や不満につながりかねません。

とくに「評価を気にして低い目標を設定する」「高すぎる目標で諦めてしまう」といった状況は、制度の形骸化を招きます。目標設定のスキルや、上司の適切なコーチング能力が求められるでしょう。

協調性が失われる恐れがある

目標達成を個人に強く意識させるあまり、個人の目標達成が最優先となり、部署内やチーム内の協調性や連携が損なわれる恐れがあります。

たとえば、自分の目標達成には直接関係ないが、チーム全体に貢献する業務への関心が薄れたり、他部門との協力がおろそかになったりするケースが考えられます。

個人の目標と同時に、チーム目標や組織目標への貢献も評価項目に含めるなど、バランスの取れた運用が必要です。

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4.目標管理制度(MBO)の導入ステップと活用フロー

目標管理制度(MBO)を組織に導入し、効果的に運用するためには、明確なステップと活用フローを確立することが不可欠です。目標管理制度の失敗を防ぐためにも、以下の導入ステップと活用フローを押さえておきましょう

 ステップ①:個人目標を設定する
  ↓
 ステップ②:目標達成までの計画を策定する
  ↓
 ステップ③:目標達成までの計画を実行する
  ↓
 ステップ④:評価と振り返り

ステップ①:個人目標を設定する

目標管理制度の導入において最も重要なのが、個人目標の設定プロセスです。ここでの目標の質が、その後のMBO全体の成否を左右すると言っても過言ではありません。個人目標設定のフローは以下の通りです。

  • 組織・部門目標の理解と浸透
  • 目標案の作成
  • 上司との目標設定面談

組織・部門目標の理解と浸透

まずは、会社全体の経営目標やビジョン、そして所属する部門の目標を社員が深く理解することが前提となります。これらの上位目標が、個人の目標とどのように繋がっているのかを明確にすることが重要です。

経営層や管理職は、上位目標の背景や意図を十分に説明し、社員の納得感を醸成する必要があるでしょう

目標案の作成

従業員は組織全体の目標や自身の職務内容をふまえ、自己の目標案を作成します。目標は後ほど詳しく解説するSMARTの法則を活用して設定するのがおすすめです

単なる数値目標だけでなく、自身のスキルアップや行動変容を促すような定性目標も考慮できるとよいでしょう。

上司との目標設定面談

従業員が作成した目標案をもとに、上司との1対1の面談を実施します。面談は、双方向の対話を通じて目標の質を高めることが目的です。

上司は、目標の難易度や組織目標との整合性、測定可能性などを確認し、必要に応じてアドバイスや修正を促します。

従業員と上司が目標について徹底的に話し合い、お互いが納得し、合意することが大切です。曖昧な目標を具体化し、より挑戦的な目標へと引き上げ、あるいは現実的な目標へと調整する場となります。

ステップ②:目標達成までの計画を策定する

目標が設定されたら、それを達成するための具体的な行動計画を策定しましょう。目標達成を効率的に進めるためにも、計画が重要です。計画策定は以下のフローで実施します。

  • 具体的な行動計画の立案
  • KPIの設定

具体的な行動計画の立案

設定した目標を達成するために、どのような具体的な行動を、いつまでに、どのくらいの頻度で行うのかを明確にします。行動計画は、目標達成に向けた「羅針盤」となるため、できるだけ詳細かつ具体的に決められるとよいでしょう

たとえば、「売上を10%向上させる」という目標に対して、「週に3件の新規顧客訪問を行う」「新商品に関する知識を習得するため、〇〇研修に参加する」などが挙げられます。

あわせて、必要となるリソースも洗い出します。不足するものがあれば獲得・補充方法も検討しましょう。また、目標達成を阻害する可能性のあるリスク要因を想定し、それに対する事前対策も検討できるとよいでしょう。

予期せぬ事態が発生した場合の対応策を考えておくことで、計画の実行中に発生する問題に柔軟に対応できます。

KPIの設定

目標達成までの間にいくつかKPIを設定しておくとよいでしょう。KPIを設定することで、進捗状況を定期的に確認しやすくなり、モチベーションの維持や軌道修正の判断が容易になります。策定した計画とKPIは目標管理シートに落とし込みましょう。

ステップ③:目標達成までの計画を実行する

計画を策定したら、いよいよ目標達成に向けた行動の実行フェーズに入ります。実行のフェーズでは、目標の継続的な管理とフォローアップが重要です。以下のフローを意識して、計画を実行していきましょう。

  • 計画の実行と進捗管理
  • 定期的な進捗確認
  • 必要に応じた軌道修正

計画の実行と進捗管理

策定した行動計画に基づいて、日々の業務を実行していきます。進捗状況は定期的に確認し、自己管理を行いましょう。目標管理シートや専用ツールなどを活用して、進捗を記録・可視化することも有効です。予期せぬ状況変化があった場合は、必要に応じて計画を見直す柔軟性も必要になります。

定期的な進捗確認

目標期間中、上司と部下は定期的に1対1の面談を実施します。面談は、進捗報告だけでなく、部下が抱える課題や悩み、困りごとを共有し、上司が支援やアドバイスを行うための重要な場です。

上司は部下の努力や小さな成果を積極的に承認し、モチベーションを維持させるとともに、必要に応じて軌道修正を促すコーチングを行います。問題が深刻化する前に早期に発見し、対策を講じることが、目標達成の確度を高められるでしょう。

必要に応じた軌道修正

  • 外部環境の変化や予期せぬ事態により、当初の目標や計画が現実と乖離することもある
  • その際は、上司と相談し、状況に応じて目標や計画を柔軟に軌道修正する
  • 無理な目標に固執して、従業員のモチベーションを低下させないことも重要

ステップ④:評価と振り返り

外部環境の変化や予期せぬ事態により、当初の目標や計画が現実と乖離することもあります。その際は、上司と相談し、状況に応じて目標や計画を柔軟に軌道修正しましょう。無理な目標に固執して、従業員のモチベーションを低下させないことも重要です。

  • 自己評価の実施
  • 上司による評価とフィードバック面談

自己評価の実施

目標期間が終了したら、設定した目標に対する達成度を評価し、そこから学びを得るための振り返りを行います。このステップが、次の目標設定と個人の成長につながるでしょう。評価と振り返りは、以下のフローで実施します。

上司による評価とフィードバック面談

従業員の自己評価を踏まえ、上司が客観的な視点から目標達成度を評価します。その後、上司と部下で評価面談を実施しましょう。評価結果を一方的に伝えるのではなく、達成要因や課題を話し合うことがポイントです。

また、評価と振り返りの結果に基づき、次の目標設定や、スキルアップ、キャリア形成のための具体的な育成計画を立てます。今回の評価と振り返りで得られた学びや課題を、次期の目標設定に活かすことも大切です。

5.目標管理の具体的な手法とコツ

目標管理を成功させるためには、単に目標を設定するだけでなく、効果的な手法や運用のコツを知ることも大切です。ここでは、目標設定の具体的な手法とコツを紹介します。

SMARTの法則

SMARTの法則は、目標設定の質を高めるためのフレームワークです。設定した目標が以下の5つの要素を満たしているかを確認することで、目標が曖昧になるのを防ぎ、達成可能性を高められます。

Specific: 具体的に 「何を」「なぜ」「誰が」「いつ」「どこで」といった要素を明確にする
Measurable: 測定可能に 目標の達成度合いを、数値や客観的な事実で測れるように設定する
Achievable: 達成可能に 目標を現実的に達成可能なレベルに設定する
Relevant: 関連性のある 個人の役割や会社の全体目標、部門目標と関連性のある目標を設定する
Time-bound: 期限のある 達成期限を設定する

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マンダラチャート

マンダラチャートは、思考を整理し、多角的な視点から目標達成に必要な要素を洗い出すのに役立つフレームワークです。漠然とした目標を具体的な行動に落とし込む際に有効で、大谷翔平選手が高校時代に活用したことで有名になりました。

マンダラチャートの作成方法は、以下の通りです。

①中央に最終目標を書く 3×3のマス目の中央に、達成したい最終目標を記入
②周囲に8つの要素を書き出す 中央の目標を達成するために必要だと考える8つの主要な要素を周囲の8マスに書き出す
③各要素をさらに具体化する 各要素をそれぞれ新しい3×3のマス目の中央に配置し、その要素を構成するさらに具体的な8つの行動やサブ要素を周囲のマスに書き込んでいく
④具体的な行動まで深掘る これを繰り返すことで、最終目標から派生する、具体的な行動レベルまで思考を深掘りする

マンダラチャートを使うことで、目標達成に必要な要素を網羅的に洗い出せ、漠然とした目標を具体的な行動計画へと落とし込みやすくなります。

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ストレッチ目標

ストレッチ目標とは、現実的に達成可能ではあるものの、現在の能力や状況からすると少し背伸びが必要な、挑戦的な目標のことです。OKRで設定されるのは、このストレッチ目標です。

MBOにおいても、成長を促進し、達成意欲を高めるためにストレッチ目標を設定するのは効果的でしょう。

ただし、達成が不可能な目標では、かえってモチベーションを低下させ、諦めにつながる恐れがあります。現状の少し先にある、努力と工夫で届く範囲に設定することが重要です。

また、ストレッチ目標に取り組む従業員には、積極的にフォローアップすることも大切になります。

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目標管理システム

目標管理システムは、目標管理のプロセスを効率的かつ効果的に運用するためのITツールです。制度の形骸化を防ぎ、MBOをより効果的に機能させてくれるでしょう。

目標設定から進捗管理、評価、フィードバックまでの複雑なプロセスを一元的に管理し、運用をサポートします。

さらに、システムによっては目標管理シートの作成も可能です。面談記録の履歴もシステムに残せるなど、継続的な目標管理に取り組みやすくなる機能が搭載されています。

過去の目標達成データや評価データを蓄積・分析することで、目標設定の傾向や社員のパフォーマンス特性などを把握し、人事戦略や人材育成計画の立案にも役立てられるでしょう。

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6.目標管理の運用で起こりがちなよくある失敗と注意点

目標管理制度は、適切に運用されれば組織と個人の成長を促す強力なツールです。しかし、その運用方法を誤ると、さまざまな問題が生じ、かえって組織に悪影響を与えることがあります。

ここでは、目標管理の運用で陥りがちな失敗と、それに伴う注意点について解説していきます。

管理職のスキル不足

目標管理制度の成否は、管理職のスキルに大きく左右されます。管理職が目標管理の本来の目的を理解していなかったり、必要なスキルが不足していると、制度が形骸化する大きな原因となるのです。

たとえば、管理職が部下の目標設定を適切にサポートできないと、曖昧で効果のない目標が設定を招きます。上司には、部下との対話を通じて、挑戦的かつ実現可能な目標を引き出すスキルが求められるでしょう。

また、目標達成に向けた定期的な進捗確認や、適切なフィードバックが不足すると、部下は方向性を見失い、モチベーションが低下してしまいます。

管理職向けの目標管理研修を定期的に実施し、目標設定、フィードバック、コーチングのスキルを向上させることも重要です

成果のみを評価

目標管理制度が、達成された成果(結果)だけを評価する仕組みになってしまうと、多くの弊害が生じます。

目標達成に至るまでの努力、工夫、挑戦、学習といったプロセスが評価されないと、従業員は結果を出すためなら手段を選ばなくなったり、困難な目標へのチャレンジを避けたりするようになるでしょう。

また、長期的な視点や組織全体の利益に繋がる活動よりも、短期的に数値として現れる成果ばかりを追い求める傾向が強まります。

さらに、自分の成果だけが評価されるとなると、他部署との連携やチーム内での協力意識が希薄になり、個人主義に陥る恐れも生じます。

目標管理制度では、成果評価に加えて行動評価や能力評価もバランスよく組み合わせることが重要です。評価面談では、結果だけでなく、そのプロセスや努力、学びについても深く対話し、評価に反映させましょう。

従業員のモチベーション低下

目標管理が適切に運用されないと、本来の目的であるモチベーション向上とは裏腹に、従業員のやる気を削ぐ原因となることがあります。

たとえば、一部の従業員にだけ過度に困難な目標を課したり、職務内容と関連性の低い目標を設定すると、不公平感からモチベーションが低下するでしょう。

また、評価基準が曖昧であったり、評価者によってばらつきがあると、評価結果に対する不満が生じます。

さらに、上司との面談が形だけの報告会になったり、十分な対話がないと、従業員は目標管理を「面倒な作業」と捉えるようになり、目標管理自体が形骸化してしまいます。

目標設定の段階で、従業員との丁寧な対話を通じて納得感を高めることが重要です。そのほか、評価基準の明確化や評価者の育成、必要に応じたサポートを行うことも大切になります。

目的の乖離

目標管理制度の導入目的が、本来の「従業員の成長促進」「組織目標の達成」からずれてしまうと、制度全体が機能不全に陥ります。よくあるのが、目標管理が「人事評価や給与決定のためだけのツール」と化してしまうことです。

評価と密接に連動しすぎると、従業員は評価のために目標を低く設定したり、見栄えの良い行動だけをしたりするようになる恐れがあります。

また、各個人がバラバラに目標を設定したり、目標設定や進捗確認が義務的な作業になったりすると、組織全体としての相乗効果は期待できません。

制度導入時、そして運用中も、目標管理の本来の目的を継続的に全社で共有し、浸透させることが重要です。評価のためだけでなく、成長のためのツールであるということを従業員に理解してもらいましょう。

7.目標管理の運用にはカオナビがおすすめ

目標管理の運用にはタレントマネジメントシステム「カオナビ」がおすすめです。カオナビはクラウド型のシステムで導入スピードが速く、初期費用と利用人数に応じた月額利用料で始められます。

直感的な操作が可能なため、初めてのシステム導入でも安心できるでしょう。

カオナビには、MBO運用の機能が搭載されています。具体的にできることや導入事例を紹介しましょう。

カオナビでできるMBO運用

カオナビでは、評価シート作成から配布・回収・内容確認や承認をすべてシステム上で完結できます。

MBO評価テンプレートをベースに、自社のフォーマットに合わせた評価シートの作成も可能です。目標の達成度合いを入力すれば、得点の自動計算も行い、評価運用を効率化します。

評価運用が効率化されることで、しっかりとフィードバックの時間を取れるようになり、目標管理の質が高まるでしょう。

また、項目単位で閲覧権限を設定できるため、見せたい・見せたくない内容の制御も簡単に行えます。人材データベースには評価結果や面談内容を記録でき、その内容は関係者とも手軽に共有できます。

組織で一体的な目標管理が行えるようになり、組織目標の達成の効率化にも貢献するでしょう。

カオナビの導入事例

ここでは、カオナビを導入し、目標管理・評価運用で成果を出した事例を紹介します。

アビリティーセンター株式会社

カオナビ導入前、同社ではMBOをエクセルで運用していました。期初の設定目標の確認とフィードバック、期末の評価査定のすべての工程をエクセルで回しており、その労力が大きい点が課題でした。

また、時間的な問題からコミットを疎かにしてしまい、MBOが形骸化している恐れがありました。

そこで、融通が利く柔軟性と簡単にフォーム設計ができる手軽さとわかりやすさを決め手に、カオナビを導入。カオナビ導入後は、SMART REVIEWでMBOを管理し始め、評価業務が1/10に効率化されました。

また、常に最新版の目標管理シートにアクセスでき、社員の切り替えもスムーズで、管理コストの問題は劇的に解消されました。

結果として、社員に向き合う時間を得られ、会社が目指す管理体制を構築できました。

参照:アビリティーセンター株式会社|導入事例|カオナビ【シェアNo.1】社員の個性・才能を発掘し、戦略人事を加速させるタレントマネジメントシステム

バンドー化学株式会社

同社は、MBO評価と年1回のコンピテンシー評価を運用していました。カオナビの導入で評価業務を年間100時間以上削減し、フィードバックの可視化することで、従業員の納得度も向上しています。

カオナビ導入前は、紙とエクセルで評価運用しており、工数の多さが課題でした。フォーマットの柔軟性や導入スピードの速さ、総合的なコストパフォーマンスの高さに魅力を感じ、カオナビを導入。

カオナビのSMART REVIEWでは管理職が記入した評価はすぐにクラウド上で共有され、人事部からの督促や不備のアラートも簡単に送信できるようになったことで、人事評価業務をトータルで年間100時間削減できました。

参照:バンドー化学株式会社|導入事例|カオナビ【シェアNo.1】社員の個性・才能を発掘し、戦略人事を加速させるタレントマネジメントシステム

8.まとめ|目標管理制度を上手に活用しよう

目標管理とは、個人と組織の成長を促進するための重要なマネジメント手法です。「MBO」とも呼ばれ、目標管理シートや継続的なフォロー、フィードバック面談などを通して、目標の設定から達成までのプロセスをサポートしていきます。

目標管理制度をうまく活用できれば、従業員の主体性やモチベーションの向上、評価の納得度や透明性が高まるなど、組織全体に大きなメリットがあるでしょう。

一方で、うまく運用できないと制度自体が形骸化したり、かえって従業員のモチベーションを低下させるリスクも伴います。

そうならないためにも、目標管理は運用設計が重要です。個人目標と具体的な目標達成計画を策定し、計画実行中のフォローと進捗確認、フィードバック面談をしっかりと行うことがポイントとなります

また、目標管理制度は目標設定から進捗管理、評価からフィードバックとフローが多くなりがちです。目標管理の精度を高めつつ、効率化するには、目標管理システムの活用がおすすめです。

「カオナビ」は、MBO運用に役立つ機能を搭載しているため、とくに評価業務にかかる時間・コストの大幅削減に期待できます。目標管理制度をうまく活用するためにも、カオナビの導入を検討してみてはいかがでしょうか


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