【徹底解説】KPIとは?【意味を簡単に】設定、指標例、KGI違い

KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」です。目標を達成するプロセスでの達成度合いを計測したり監視したりするために置く定量的な指標を意味します。

KGI(重要目標達成指標)の中間指標として、KSF(CSF/重要成功要因)とともに目標達成の重要な鍵となります。この記事ではKPIの解説を中心に、ビジネスに必要な目標設定の基礎知識を紹介します。

1.KPI(重要業績評価指標)とは?

KPIとは業務のパフォーマンスを計測・監視するために置く指標です。KPIの達成状況を確認することは、目標までの進捗を把握することを意味します。

ビジネスではチーム内でKPIを共有し、目標に対する到達率を数値で把握することで適切に組織活動を行うことができます。

ビジネスでの使用例(営業)

ビジネスの現場でどのようにKPIが用いられるか、例をみてみましょう。たとえば営業部門でよく使われるKPIには、

  • 商談数
  • 受注率

などの指標があります。これらのKPIを業務中に追うことで、大目標(KGI)である「売上」や「受注数」の達成に近づくことができます。

KPIの役割は、目標までの達成度合いを明らかにすることです。可視化して定量的に測定すれば、個人だけでなくチームの誰が見ても進捗がわかるようになります。

営業(セールス)職向けKPI例はこちらからどうぞ。

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「OKR」と「KPI」の違い

OKR(Objectives and Key Results)という目標管理手法があります。Google社などで採用されている手法ですが、KPIとの違いを確認してみましょう。

OKRとは目標とその達成度をはかる指標をあわせて管理する目標管理手法です。ひとつのO(目標)に対し、複数のKR(求められる主要な結果)を設定し、期限を決めて管理します

つまりOKRは「最終目的地はどこであるか(目標:Objectives)」「どこを通っていくか(主要な結果:Key Results)」を示す、カーナビのようなツールをいいます。

一方KPIは、車で言えば計器盤(インパネ)です。時間内に到着できる速度であるか、という進捗や、燃料は足りるかどうか、など目的地までの過不足を、ひと目で確認するためのツールといえます。

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2.KGI(重要目標達成指標)とは? KPIとの違い

『最高の結果を出すKPIマネジメント』から引用

KGI(Key Goal Indicator)は「重要目標達成指標」です。最終目標について、何を・どれくらい・どの期間に達成するか、数値で指標化したものをいいます。

中間指標にあたるKPIとともに使用され、一般的には売上・利益・顧客数などが設定されます。

「KGI」と「KPI」の違い

KGIは最終目標です。一方、KPIは目標達成に至るプロセスの評価指数です。

各KPIが達成されることでプロセス上の最終目標であるKGIに到達できるという相互関係にあります。両者の関係について詳しくは以下の記事に解説をまとめてあります。

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KFS(CSF)とは?

ゴールへのプロセスの中で最もゴールに影響を与えるものがKFS

KPIに類似する指標に、KFS(Key Factor for Success)があります。CSF(Critical Success Factor)とも呼ばれ、どちらも「重要成功要因」という意味です。

KGI・KPIと違い、「指標」ではなく「要因」を表します。また、このKFSを指標化・目標化したものがKPIです。

KFSの詳細については以下の記事をどうぞ。

KFSとは?【意味をわかりやすく】KSFとの違い、分析
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3つの指標の役割と関係をよく覚えておきましょう。

  • KPI:重要業績評価指標
  • KFS:重要成功要因
  • KGI:重要目標達成指標

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3.KPIの設定方法

目標設定のプロセスのひとつにKPIの設定があります。

KPIは目標までの達成度合いを計測・監視するための指標ですから、はじめにKGIやKFSを設定する必要があります

  1. KGIの設定
  2. KFSの特定
  3. KPIの設定

という手順で目標設定しましょう。

①KGIの設定方法

KGIを定めるには、チーム内でゴールをすり合わせる必要があります。何を目標に活動すべきか話し合い、どの地点をKGIに設定するか全員で確認しましょう。

KGIの地点が定まったら、それを計測できる指標に直したり、期限を決めたりなどして工夫を施します。その際には「SMARTの法則」のフレームワークが役に立つでしょう。

KGIやKPIの設定に使える「SMARTの法則」

  • Specific:「具体的」
  • Measurable:「計測可能な」
  • Achievable:「達成可能な」
  • Relevant:「関連している」
  • Time-bound:「期限が明確」

上記の頭文字をとり「SMARTの法則」と呼ばれます。これら5つの要素を意識して目標設定することで、達成までの精度を高めることができます。

SMARTのフレームワークに従ってKGIを設定すれば効果的な目標が生まれるはずです。

SMARTの法則とは? 目標設定の重要性、目標の立て方、具体例について
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②KFSの特定方法

KGIの設定後には、KGIを達成するためのプロセスを洗い出し、KFS(重要成功要因)を特定しましょう。

KFSを特定するための手順は下記4つです。

  1. プロセスの洗い出し
  2. 数値化
  3. 分類
  4. KFSの選別

1)プロセスの洗い出し

まずはゴール(KGI)到達までに必要なステップを時系列に並べてみましょう。たとえば営業職が商品を受注(ゴール)するまでには、下記のプロセスを洗い出すことができます。

初回訪問>2回目訪問(提案・見積もり)>3回目訪問(クロージング)>申込書回収>受注

2)プロセスの数値化

プロセスを並べたら、ゴールまでを具体的に数値化します。

ゴール=P(プロセス)1×P2×P3

こちらのモデル数式を用いて、先ほどの営業部門の例を考えてみましょう。

ゴール(売上)=受注数×平均受注単価
(訪問数×受注率)×(商品A単価×商品A受注割合+商品B単価×……)
{(問い合わせ数×アポ獲得率)×(提案率×クロージング率×申込書回収率)}×……

3)プロセスの分類

数値で具体的にあらわしたら、コントロールの可否と目標への影響度合いで、プロセスを種類分けします。

まず数値化が可能だったプロセスのうち、自らがコントロール可能な項目と、コントロールできない項目とに分類します。

分類後、コントロールしやすいものの中から、全体へ及ぼすインパクトの大きいものを順に並べて仕分けましょう。

4)KFSの選択

最後にプロセスを選別し、KFSを決定します。

  1. コントロールの可否
  2. 目標に対する影響の度合い

という2つの軸で検討し、「コントロールしやすい」かつ「目標まで及ぼすインパクトの大きい」ものをKFSとします。

選定後には必ず、過去の実数などを使い、導き出したKFSが本当にKFSになり得るかを検証しましょう。

③KPIの設定方法

KFSの仕分け・選定が完了すれば、KPIは半ば設定できたも同然です。絞り込んだKFSの数値を利用して、適切なものをKPIに設定します。

KGIを設定する場合と同様に、SMARTの法則のフレームワークを用いて水準を定めるとよいでしょう。ここではSMARTなKPIの例をご紹介します。

Specific:明確な

  • 顧客訪問件数
  • 成約率
  • 不良品発生率

など、現場が実感しやすい項目を設定すると明確な指標になるでしょう。

Measurable:測定可能な

  • 件数
  • 回数

など、数字で表現できるものを選んでKPIにしましょう。測定結果を数値化しやすいものの例は下記のとおりです。

  • 発注回数
  • 歩留まり率
  • 販売数
  • 設計変更回数

Achievable:達成可能な

KPIの達成は、従業員の自信やモチベーションを高めるきっかけになります。本人の評価につながりやすい達成感のある目標設定が効果的です。

  • 新製品の注文数
  • 1人当たりの契約販売数

など、懸命に手を伸ばせば達成可能な項目や、本人の評価につながりやすい項目を選びましょう。

Relevant:適切な

KGI・KFS・KPIの三者は相互に強い関係で結ばれており、適切なものを設定しなければ達成指標の意味を為しません。

たとえば製造現場なら、在庫管理における生産品目ごとの滞留在庫を含むリードタイムや、工程管理における工数達成率など、目標との関連付けが適切であることがポイントとなります。

Time-bound:期限を定めた

期間の定めを設けずにいると、KPIについて緊張感のある行動を促せません。

  • 週、月、四半期、上・下半期

といった期限をあらかじめ設定することで、行動に現実性と具体性をもたせることができます。

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4.KPIをマネジメントする目的

よくKPIを設定するだけで終わらせてしまうケースがありますが、むしろKPIは、適切に運用されること(マネジメント)のほうが重要です。

目標達成までの段階的なプロセスにおいて、組織内のメンバー全員が具体的な行動をとれるよう、管理職がKPIを管理し、PDCAを回しながら適切に導く必要があります。

KPIマネジメントの効果

おおむね目標管理に活用されるKPIですが、人事面にも効果があります。

KPIを評価基準として運用することで、個人のパフォーマンスを客観的に評価することが可能となります。評価の公平性を担保し、従業員の不平を減らすことができるでしょう。

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5.例で考える「失敗しやすい」KPIとは?

  • Not Specific:曖昧な
  • Not Measurable:測定できない
  • Not Achievable:達成不可能な
  • Not Relevant:不適切な
  • Not Time-bound:期限を定めていない

「逆SMART」の形式に当てはまるKPIを設定すると、目標達成までの道のりに困難が生じやすくなります。

KPIの設定方法を誤ったケースを例にとり、逆SMARTとはどのようなものなのか考えてみましょう。

Not Specific:曖昧な

主観で判断する要素が強くなればなるほど、設定したKPIの意義は失われていきます。人によって解釈が変わるようなKPIの設定は避けましょう

よくある例に「顧客第一主義の実践」「粘り強い営業活動」などの文言があげられます。定義の曖昧なKPIは、客観的評価を難しくするでしょう。

Not Measurable:測定できない

KPIは数値化することに意味があります。進捗を数値化できないKPIや、達成度を測定できないKPIの設定は避ける必要があります。

「なるべく多くの情報を集める」「顧客のニーズを把握する」など、測定不可能な表現は避けましょう。

Not Achievable:達成不可能な

たとえば「新製品を毎月500アイテム開発する」というKPIを設定した場合、ほぼ毎日欠かさずに新製品開発の成果を求められることになります。

あまりに高い目標を設定すると社員のモチベーションが下がります。他のKPIに対する悪影響も懸念されるでしょう。

Not Relevant:不適切な

KGIやKPIの設定は、あくまで人事マネジメントや経営戦略の一環として行われるものです。たとえば

  • 親睦会を年5回以上開催する
  • 各種手当を3つ以上増やす

など、戦略との関係が不明瞭な項目では、KGIの達成に対する意図が読むことができません。

KPIは「重要業績評価指標」ですから本業である業績評価につながる事柄を設定しましょう。

Not Time-bound:期限を定めていない

期限の設定がなければアクションを起こす動機が生まれず、KPIの測定も不能になるでしょう。

「できるかぎり早くやる」などの目標も不適切です。KPIは対象期間を明記することで測定可能となります。

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6.人事部門のKPIの作り方

▲KGIとKPIの関係イメージ

人事部門のKGIは、組織が持つKPIのひとつです。人事部門は独自にKGIを設定することなく、企業全体のKGIをブレイクダウンしたKPIを用いて部門のKGIとしましょう。

部門責任者は、企業全体の目標と連動するように部門のKPIを設定します。その際はロジックツリーに分解して考えることで、設定しやすくなるはずです。

ロジックツリーに分解する

  • 人材管理
  • 人事評価
  • 人材育成
  • 人材採用
  • 人事労務

など、人事部門の業務・役割はさまざまあるため、各分野ごとに目標を立てKPIツリーを作成しましょう。たとえば「人材採用」のKPIツリーは以下のようになります。

人事領域の各分野において、このようにKGIやKPIを立ててみてください。なおKPIツリーの具体的な作成方法はこちらの記事で解説しています。

KPIツリーとは?【分解の仕方】作り方、KGI・KPIの具体例
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人事部門のKPIの具体例

具体的にどのようなKPIを設けるとよいか、一例をご紹介しますので、設定する際の参考にしてください。

  1. 人材採用
  2. 人材育成
  3. 人材管理(配置)

の3つのテーマについて、KPIの例をみてましょう。

「人材採用」のKPI

  • 採用人数
  • 応募数
  • 面接数(二次面接、最終面接)
  • 内定辞退数
  • 紹介経由採用率
  • 採用者本人の配属後満足度
  • 採用者の配属先マネージャーの満足度
  • 採用者の人事評価結果
  • 採用者の平均在職期間

「人材育成」のKPI

  • 研修実施数
  • 1人当たりの平均研修時間数
  • 研修参加率
  • 研修満足度
  • 資格/スキル保有者数
  • 新規資格取得数
  • 特定試験(TOEICなど)の平均スコア
  • 特別プログラム参加者の人事評価結果
  • OJT計画実行率
  • OJT満足度

「人材管理(配置)」のKPI

  • 配属に関する従業員満足度
  • 配属に関するマネージャー満足度
  • 異動希望者数
  • 部門別目標達成率
  • 部門別KPI達成率
  • 部門別残業時間数
  • 部門別有給休暇取得率
  • 部門別離職率

製造業でのKPIの例はこちらからどうぞ。

製造業(工場、生産管理など)のKPI例【設定方法】
業種や職種ごとに効果的なKPIは異なります。製造業で業務の効率化や改善を図り、目標達成を目指すには、どのような指標が適切なのでしょうか。製造業におけるKPIの意味や必要性、製造業でよく使われるKPIの...

参考 『月刊 人事マネジメント』2004年7月号株式会社ビジネスパブリッシング

KPIのQ&A

KPI(ケーピーアイ)とは、目標・ゴールに対する達成の度合いを測るために置かれる指標のことです。 目標の達成を目指すには、その進捗の具合を、客観的に把握しなければなりません。KPIとして定量的な指標(数値など)を設定することにより、現在地や達成までに必要な工程を、正確に把握できるようになります。
KPIを設定しないと、プロセスにおける目標数値が不明確になります。すると、目標の達成に向けて必要な行動がわからなくなり、身動きが取りづらくなるでしょう。 また、業務の実行管理の主体がチームである場合、だれが、いつまでに、どのように、どれくらいの量のプロセスを踏むべきか、混乱が生じやすくなります。個人がやるべきタスクが不明瞭になり、目標達成を目指すことが難しくなるでしょう。
Excelでシートを作成する方法や、ダッシュボード(進捗率などを可視化する画面)で監視する方法などがあります。KPIの達成が人事評価に影響を与える場合には、人材マネジメントツールも効果的に利用できます。 たとえば、オイシックス・ラ・大地株式会社では、従業員ひとりひとりのKPIを含んだ人事評価シートが、人材マネジメントツールで管理されています。 参考:独自の人事評価制度“オイジン”を進化させるためにカオナビを導入。 長期的な視点で経営判断の質とスピードアップを目指す。