360度評価の事例を解説! 各企業にマッチした成功方法とは?

360度評価の導入を考えているけれど、どのような運用をしていいか分からないなどお困りではありませんか? このページでは360度評価をうまく活用できている企業の事例を集めて紹介していきます。

日本を代表するトヨタも360度評価を導入しており、ニーズが非常に高い評価制度となっていますので、各企業の事例を参考に自社でも活用してきましょう。

1.360度評価の運用とは?

360度評価とは、上司のみと行う通常の評価制度とは違い、同僚や部下など全社員から評価を受ける制度です。

上司だけの評価だと個人的な意見のみが反映されてしまう恐れがあります。そのため、複数名から評価を受けることで、周りからの評価と自己評価のギャップを埋めて社員の意識改革を進められます。

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2.360度評価でよくある6つの失敗事例と改善策

まずは360度評価を導入して失敗してしまう例を紹介します。パターンとしては主に以下の6つが挙げられます。

  1. 導入意図の説明不足
  2. 費用に対しての効果が合わない
  3. 現場の負担を増やしてしまう
  4. 評価に主観を取り入れてしまう
  5. 社員同士で高評価を付けあう
  6. 他の評価基準と混ぜて低評価を恐れてしまう

これらの内容に注意して運用を行うようにしましょう。次項から詳しく説明をしていきます。

導入意図の説明不足

導入意図をきちんと説明せずに運用を進めても現場から反感が起こりかねません。負担だけが大きくなってしまうだけで、正しい評価運用ができなくなります。

  • なぜ導入するのか
  • 評価はどのように反映されるのか

などを説明して、社員全員で協力し合える環境を整備することが必要です。

改善策:説明会を実施し経営陣、人事部の想いを伝える

導入の際には、事前に説明会の実施が必須です。全体に向けての説明会のほか、必要に応じて個人やグループミーティングを実施して360度評価の理解を深めるようにしましょう。

具体的な内容としては、

  • 360度評価の目標
  • 経営陣の理解が得られていること
  • 現在の評価制度に課題がある
  • 具体的な評価プロセス

などを伝えることが大切です。

費用に対しての効果が合わない

360度評価に限らず、評価制度はすぐに成果が出るものとは限りません。長い時間が掛かるものと理解を得ておくことが大切です。費用ばかりに目がいき、短期間での結果を求められてしまうと、周囲のモチベーションも下がってしまい運用がうまくいかなくなる恐れがあります。

改善策:人材育成のための長期的視点で効果を考える

評価制度は成果が出るまでに長い時間がかかるものです。360度評価導入の際にも、人材育成を目的とした長期的な目線で導入することを社内に説明しましょう。

会社の未来のために必要な投資であると伝えることで理解が得やすくなります。きちんと説明をすれば、費用対効果を何度も求められるようなことはなくなるでしょう。

現場の負担を増やしてしまう

360度評価の運用が負担になりすぎて、業務に支障が出ると本末転倒になってしまいます。少なくとも、フォーマットとやり方だけを説明して、すべて現場に任せるのは避けましょう。経営陣、人事のフォローができないのであれば、評価の運用がうまくいかなくなる恐れがあります。

改善策:設問数や設問は現場の負担にならないようにする

360度評価を成功させるためには、現場の負担を軽くしないといけません。以下のことに注意して運用するようにしましょう。

  • まずは少ない質問数、答えやすい内容から始めてみる
  • 現場での困りごとや疑問に答えられるようなフォロー体制を作る
  • 人事側も細かい質問に答えられるように教育することも大切

現場の理解が深まればスムーズに運用できます。人事側の作業量が増加も問題ですが、バランスを取って運用しましょう。

評価に主観を取り入れてしまう

360度評価は上司以外にも、通常の業務で評価を行わない同僚や部下にも評価を受けるため、管理職や人事職に比べると持っている評価スキルに差が出てしまいます。

業務以外の私情が評価に影響されやすくなりますので、高い評価をしたり、嫌いな社員に対して低い評価をつけることも考えられます。
そのため、適切な評価が行えるようにしっかりとした対策を行うことが重要です。

改善策:評価スキルを身に着ける研修を行う

360度評価の正しい運用をするためには、評価スキルを身に付ける研修を行います。評価スキルに差がでないように、同じ目線で評価できるようにルール作りをしておきましょう。導入の背景や注意点など詳しく説明することで、理解を深めて主観を排除できます。

社員同士で高評価を付けあう

360度評価は上司以外にも、仲の良い同僚や面倒を見ている部下、苦手な上司にも評価されるため、不正な評価が行われやすくなります。社員の間で不信感や信頼関係が失われてしまっては360度評価の意味がなくなってしまうので、不正行為を防ぐルールづくりが必要です。

改善策:評価者と被評価者を分ける

ひとつの方法としては、評価自体を重要視するのではなく、あくまで自分を客観的に見ることを目的だということを理解してもらいましょう。また、同じ人の組み合わせでお互いに評価をし合わないように工夫することも有効です。

他の評価基準と混ぜて低評価を恐れてしまう

360度評価を給与や賞与に関わる評価と一緒にすると、上司が評価を意識しすぎてしまい部下に対するマネジメントが甘くなってしまう可能性があります。上司が部下に厳しくできなくなると普段の業務にも影響が出てしまうかもしれません。360度評価の導入が逆効果にならないように注意しましょう。

改善策:給与や賞与の評価基準とは分ける

評価を恐れてしまうことを防ぐには、360度評価は人材育成のためのものであり、給与や昇格に影響しないものとして周知しなければいけません。あくまでも、上司と部下のコミュニケーションを深めることを目的として、通常の人事評価とは切り離して運用するようにしましょう。

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3.日本の企業はどのくらい360度評価を導入しているか?

ここまで、360度評価の失敗事例や改善策を紹介してきましたが、実際に日本ではどれくらいの企業が導入しているのでしょうか。

リクルートマネジメントソリューションズが2020年3月に企業の人事担当者600名を対象に行った調査結果では、360度評価の導入率は以下の通りでした。

  • 現在、31.4%の企業が「360 度評価」を導入している
  • 導入率は、2007 年は 5.2%だったところが 2018 年には 11.8%※1 に、さらに今回弊社で行った調査では全体の 31.4%という結果となりました。
  • 今後も継続して実施/今後実施してみたい企業は、全体の半数(50.4%)

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「360度評価活用における実態調査」より引用

このように全体の約3割の企業が360度評価を導入しており、半分以上の企業が導入について前向きにとらえていることが分かります。

また、調査対象は異なるものの、2018年の調査から約3倍、2007年の調査と比較すると6倍もの企業が現在360度評価を導入しており、非常に高いニーズのある評価システムになっています。ぜひこれからご紹介する各企業の事例を参考に導入の検討を進めてみてはいかがでしょうか。

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4.各企業での360度評価の導入事例

ここからは、具体的に360度評価を導入している企業の事例を見ていきましょう。

アイリスオーヤマ株式会社

自己成長につなげるため、自身の強みや弱みを客観視できる多面評価を導入。

導入背景

評価結果を人材育成に生かせない状態が続いていたので、2003年に多面評価を取り入れた。目指したのは、本人が評価に対して納得できることと、フィードバックにより自身の強みや弱みに気づき、自己成長につなげるため。

施策内容

多面評価シートは、社員により以下の2種類を作成。

幹部社員用 評価項目

  • 業務力
  • 実力
  • 指導力
  • 人間力

一般社員用 評価項目

  • 基本的行動
  • 能力
  • 人間力
  • 実績

それぞれ計12問の構成で、6段階で評価する形式。

成果

社員については人材育成のみに利用し、上司が多面評価の結果をもとにコミュニケーションを取るようにした。

たとえば、目標設定の際にはフォローやアドバイスをしながら能力開発を行う。社内の調査結果では、多面評価に対する満足度、納得度は5点満点中、4.2と高くなっており「周囲からどう評価されているのかの気づきになる」「自分の強み・弱みを謙虚に受け止めるようになる」など肯定的な意見が多く、効果を発揮している。

参考 多面評価を導入・活用している企業オフィス ジャスト アイ

株式会社クレディセゾン

クレディセゾン独自の「夢中力アセスメントプログラム」を導入。7つのキャラクターから「夢中力タイプ」を導き出します。

導入背景

仕事で活躍をするには、目の前の仕事に夢中になるか、夢中になれることを仕事にするしかないという理念を「夢中力」と表現し、自分の「夢中力」がどの程度なのかを360度評価する「夢中力アセスメントプログラム」を導入。

施策内容

360度評価は、全正社員に向けて実施。28項目の評価結果と、社内のハイパフォーマーの行動パターンから分類した、以下の7つのキャラクターに当てはめ、それぞれの「夢中力タイプ」を導き出します。

  • 兄貴・姉御系
  • 切り込み隊長系
  • 異彩オーラ系
  • インテリガテン系
  • こだわり職人系
  • ナントカします系
  • メンバー思い系

成果

この「夢中力アセスメントプログラム」は、人事評価には反映せず、自分の伸ばすべき点を見つけて、目標管理の項目に組み込んでいくものとして活用。

自分が周りからどのようにみえるか理解して、自分自身で目標を決めたり、自分と周りの評価者、評価が客観的に理解できるようになります。

参考 事例報告➁「クレディセゾンの多様な社員活用の取り組み」労働政策研究・研修機構

株式会社ディー・エヌ・エー

「360°フィードバック」という記名式の360度評価。DeNAの「透明性」を大切にするというカルチャーが生きた評価制度を行っています。

導入背景

企業規模が大きくなると、徐々に人材が埋もれてしまい目が行き届かなくなることも。

その課題を解決するための取り組みとして「360°フィードバック」という、社員同士で評価をする記名式のアンケートを行いはじめました。記名式にすることで改善するサイクルが早まり、その後のコミュニケーションも活発にする目的があるとのことです。

施策内容

マネージャー強化の重要テーマとしてレバレッジとピープルケアをあげており、これに必要な要件として以下の5つの実践度合いを記名式でフィードバック。

  • ゴールを示す
  • 適切に任せる
  • 支援する
  • 結果を出す
  • インテグリティ(誠実さ、真摯さ)

成果

360°フィードバックは記名式にすることで「誰にどういうことを言われたか」がダイレクトに伝わります。自身の課題が明確になり、改善のサイクルが早まるのが利点。

また、マネージャー間でフィードバックの活用法を話しあったり、実際に改善して、周囲からの評価が上がったマネージャーのインタビューを社内報に掲載しています。

このような点にも、DeNAの「透明性」を大切にするというカルチャーが生きているそうです。

参考 「”記名式”の360度フィードバックで改善サイクルを早める」社員を輝かせるDeNA人事のポリシーフルスイング – DeNA

株式会社チュチュアンナ

靴下・インナーウェアのSPA(製造小売)を手掛ける株式会社チュチュアンナ(以下、チュチュアンナ)カオナビを導入して360度評価の作業時間が1/8に。

導入背景

創業社長の経営手法によっておよそ40年にわたって継続的な事業成長を実現している企業。しかし、次の40年を見据えると、将来的に成長し続けられる自律性の高い本部組織の構築が急務に。その改革のひとつが「360度評価」の導入でした。

また、360度評価だけで半期に120時間、通期で240時間を費やす事態となっており、ヒューマンエラーも起こりやすい状況でシステム導入を検討。

施策内容

5カテゴリ20項目からなるチュチュアンナの360度評価。大きく以下の5つの項目軸で評価を行っています。

  • 方針
  • 模範性
  • 支援力
  • 育成力
  • 評価

成果

カオナビを導入することで年間240時間かかっていた作業は、1/8の30時間程度にまで軽減。

一方で、上司からは「フィードバックで何を話すべきかわからない」という悩みも多く聞かれている。「カオナビ」の人材マトリクス機能であるShuffle Faceは、その分析作業にも貢献。

たとえば縦軸に「評価項目」、横軸に「評価の点数」を設定すれば、評価項目ごとの点数の分布がひと目でわかります。「支援力が高い人は育成力の評価も高い」といった傾向もわかるため、フィードバックでは「支援力が高いから、次は育成力に力を入れてみよう」といった、達成しやすい目標設定のアドバイスができるようになったのだとか。

参考 「360度評価」運用の悩みは「業務負荷」。人事の負担を8分の1に削減した「カオナビ」の効果とは?株式会社カオナビ

株式会社グローバルトラストネットワークス

株式会社グローバルトラストネットワークスは、日本国内で暮らす外国人の「住」の利便性を考え、日本で暮らすことの困難を取り除くサービスを提供してきたベンチャー企業です。従業員の7割を外国籍の社員が占めています。

導入背景

業務の上で最も重要視しているのがチームワークですが、ビジネスにおいては言語が大きな問題としてあったそうです。業務の変動が出て来た際に、自ずと言語によって業務が集中的に振り分けられてしまいます。そういったときに、どうやって流動性を保つかが課題でした。

360度評価はチームワークを駆使しながら、いかに業務のバランスをとるかその時に行き着いたものだったとか。

施策内容

グローバルトラストネットワークスでは、従来の360度評価にMBO(目標管理制度)を加えるという、人事評価制度のハイブリッド化を行いました。

人事評価の基盤だった「社員が頑張っているか、優秀かどうかを社員一人ひとりが決めていく」という360度評価のシステムをもとに、MBOを新たに加えることにしました。

チームワークに対する意識が強すぎると、数字に意識が向かなくなってしまうので、個人個人に目標を与え、部署の数字に対しても、責任を持ってもらう仕組みに変更。

成果

人事評価のハイブリッド化を実現するのに「カオナビ」は汎用性の高いツールだった。360度評価をシステムとして移行するときに、問題が起きないかということ。そして、MBOも組み合わせられるのかという点が導入の一番大きな決め手だったそうです。

参考 360度評価にMBOをプラス。カオナビは人事制度の変化に柔軟に対応できた。株式会社カオナビ