360度評価のサンプル項目6つ

360度評価とは、上司や同僚、部下など多数の異なる立場の人からの多面的評価のこと。導入の際に気を付けたいことや導入時のメリット・デメリットについて解説します。

1.360度評価の評価項目を決める際に重要となるサンプル項目とは?

360度評価では、「どのような評価項目を設定するか」が重要になるため、導入の際は管理職とそれ以外の社員とで異なる評価項目を設定します。サンプル項目は、「この場合どういった評価項目を作成すればよいのか」その目安となり、大変役に立つのです。

管理職の評価項目

管理職の場合、部下を率いて部署をまとめる必要があるでしょう。そのため評価項目として、下記が挙げられます。

  1. リーダーシップ
  2. 組織づくり
  3. 部下の育成

①リーダーシップ

中長期的な視野をもって組織運営にあたるだけでなく、そのような視野をほかのメンバーと共有します。さらに自社だけでなく取引先や環境を含む社会全体の利益を考え、組織を率いていく姿勢が評価の対象となるのです。

②組織づくり

組織を上手くまとめるには、組織内で円滑なコミュニケーションや、仕事が適切に分担されているかどうかが重要です。それによって組織内での結束も強まり連帯感が生まれます。リーダーシップはこうした組織作りという視点からも評価されるのです。

③部下の育成

部下一人ひとりをきちんと理解し、目標を与え、部下が問題を抱えた場合、解決の糸口を示します。部下に上から目線で指示を与えるだけでは、部下自らに問題を解決する力が養われません。

部下の仕事を公正な視点から評価し、フィードバックする形も人材育成には必要です。

一般社員の評価項目

一般社員の評価項目は、下記のとおりです。

  1. 主体性
  2. 協調性
  3. 周囲を意識した業務

①主体性

上司の指示に従うだけの受身の姿勢で業務を行うのではなく、自ら状況を適切に判断して積極的に業務に関わることが求められます。

業務遂行のための時間配分は、効率性を考えて、自ら的確に行わなければなりません。仕事に関連する知識の習得に対する自主性も評価対象となります。

②協調性

協調性とは、チームの一員であることを意識して、チームのために働くこと。周りから出された意見やアイデアを受け入れて活用しなければなりません。

また周りの人がミスをした際、「イライラせず前向きに話し合える」「ほかの人からの批判もきちんと受け入れられる」なども評価されます。

③周囲を意識した業務

組織では、一緒に働く仲間だけではなく、顧客や環境も含めた社会全体を意識します。

そうした広いビジョンを持って業務を遂行するには、「自分とは異なる考え方や批判を受け入れる」「自分の仕事の内容をよりよくするためのアイデアや計画を実行に移せるか」などが問われるのです。

管理職では「リーダーシップ」「組織作り」「部下の育成」が、一般社員では、「主体性」「協調性」「周囲を意識した業務」がそれぞれ、評価項目として挙げられます

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2.360度評価の項目以外で重視したいこと

360度評価では、立場に応じて評価項目を設定する以外にも注意点があります。ここからは、360度評価を成功させるための注意点について、解説しましょう。

多すぎNG!質問数のバランス

質問数が多すぎると回答者は、回答に疲れたり集中できなくなったりします。無理なく回答できる質問数の平均を調べるなどで、適切な質問数に調整しましょう。またできる限り、評価者の主観を排除できるような質問文にします。

長時間NG!回答時間は15分程度

回答に1時間かかるなど長時間を要してしまうと、回答者に負担が掛かって適切な回答を得にくくなります。15分程度で回答できるようなほどよいバランスに調整しましょう。また評価の点数が処遇に直接影響を与えないよう配慮も必要です。

二択NG!回答項目は5段階程度

各質問の回答尺度ですが、二者択一の設定はできるだけ控えましょう。基本は4段階にし、それ以外に「分からない」「どちらでもない」というあいまいな回答尺度を設定するのです。それにより、無理な評価を回避できます。

記名NG!匿名性を守る

回答方法には、紙とWebの2種類があります。しかしいずれも「記名せず回答できる」「属性について尋ねる際は回答者が誰か割り出せないような質問文にする」ようにしましょう。

360度評価を成功させるための注意点は、いくつかあります。評価がどれかに該当していないか、さまざまな点からチェックしておきましょう

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3.360度評価を導入するメリット

近年、多くの企業が360度評価から生み出されるメリットに着目し、導入を始めています。一体どんなメリットがあるのか、3点から解説しましょう。

  1. 客観的に多方面から評価を見られる
  2. 客観視できるため改善点に気付ける
  3. 社内の行動方針を見直せる

①客観的に多方面から評価を見られる

360度評価では、多角的な視点から評価を得られます。上司や部下、同僚など評価者の立場が異なるため、同じ言動に対する受け止め方も変わるからです。それにより被評価者がどのような人物であるか、客観的に評価できるでしょう。

②客観視できるため改善点に気付ける

たとえば、指導が厳しすぎて問題が生じているにもかかわらず、指導者本人はその状況に気付いておらずこの方法が正しいと思っていたとしましょう。360度評価を用いれば、自己評価と他者評価が比較できる、つまり客観視できるため、改善点に気付けます。

③社内の行動方針を見直せる

社内の複数の人からいつも見られていると意識できるため、導入によって全社員が行動方針を守りやすくなります。また「こうするとよくなるのでは」「改善点はないか」など行動方針への意識も高まるので、見直しにもつながるのです。

360度評価のメリットは、「客観的に多方面から評価を見られる」「客観視できるため改善点に気付ける」「社内の行動方針を見直せる」の3つです

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4.360度評価を導入するうえでのデメリット

360度評価には多くのメリットを持つ一方、デメリットも存在します。デメリットをきちんと理解すると、回避しながら活用できるため、有効性も高まるでしょう。では、主なデメリットを4つ紹介します。

  1. 主観が評価に影響を及ぼしてしまう
  2. 人間関係の悪化
  3. 評価者と被評価者が対立する可能性も
  4. 評価までに時間がかかる

①主観が評価に影響を及ぼしてしまう

360度評価では多数の人が評価するため、評価に慣れていないと多くの評価にて主観が入ってしまいます。また誰が評価するかによって評価内容に違いが出てきてしまう場合もあるのです。

②人間関係の悪化

「上司が部下に対して指導を控える」「部下が上司に発言を控える」といった事態も考えられます。同僚もお互い牽制してしまうでしょう。そのため会社の人間関係が悪化し、ストレスをためてしまう危険性があります。

③評価者と被評価者が対立する可能性も

評価者と被評価者の間の主観的な好き嫌いが公の評価として示されてしまった場合、両者は対立してしまうでしょう。評価者と被評価者がお互いに話し合って高評価を出す可能性も考えられます。

④評価までに時間がかかる

複数名による評価をとりまとめるには、時間と人手を要します。どこで時間をつくり、どのような人にどれだけあらかじめ検討しておく必要があるでしょう。

360度評価のデメリットは、「主観が評価に影響を及ぼしてしまう場合が」「人間関係の悪化」「評価者と被評価者が対立してしまう可能性も」「評価までに時間がかかる」の4つです。あらかじめ対応方法を考えておきましょう

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5.360度評価を運用するときのポイント5つ

360度評価は、ポイントを知っておくと運用がスムーズに進みます。ここでは、そのポイントについて5つ解説しましょう。

  1. 目的を明確にする
  2. 導入によって起こる弊害と対策を考える
  3. 評価基準を決めておく
  4. 項目とポイントを押さえる
  5. 結果を分析しフィードバックする

①目的を明確にする

途中で運用が上手く進まなくなったとしても、目的が明確なら立ち返って再度進められます。また評価の客観的基準を事前に設定し、得られた結果のフィードバックの方法も決めておくとよいでしょう。

人事評価制度を専門とするコンサルタントに相談するのも方法のひとつです。

②導入によって起こる弊害と対策を考える

導入によって弊害が起こる可能性もあります。たとえばお互いの評価を気にして、会社の人間関係に亀裂が生まれ、社員のストレスが高まってしまうなどです。備えとして事前に社内で研修会を開催し、360度評価への理解を深めるなど対策を取るとよいでしょう。

③評価基準を決めておく

評価基準は、導入の目的を踏まえて設定しましょう。まず評価項目のカテゴリーを設定し、質問数を決めます。評価基準は各評価項目のカテゴリーごとに複数出してから、重要度の高いものに絞り込むとよいでしょう。

評価基準はできる限り客観的に評価できるものにします。また評価者の立場によって評価基準を変えると、回答しやすくなるでしょう。

④項目とポイントを押さえる

実施時期と実施頻度を考えた導入も必要です。実施時期は繁忙期を避けましょう。実施頻度は導入の目的を踏まえて、どのくらいの頻度にするか、検討が必要です。

人事評価に評価の結果を反映させる目的がある場合、毎年の実施が必要でしょう。評価項目も目的に合わせて設計します。

⑤結果を分析しフィードバックする

360度評価で重要な点は、結果を分析して被評価者へ適切にフィードバックすること。多面的な他者評価の結果を知ると、本人も気付かなかった自分への理解を深められるため、よりよい改善につながります。

そのためにも評価者は、被評価者が結果を真摯に受け止められるようなフィードバックを行いましょう。

360度評価を運用するときのポイントは、「目的を明確にする」「導入によって起こる弊害と対策を考える」「評価基準を決めておく」「項目とポイントを押さえる」「結果を分析しフィードバックする」の5つです