360度フィードバックとは? メリット、デメリット、運用方法、評価項目、導入率、企業事例について

360度フィードバックとは、上司や同僚、部下などが対象社員の評価を行うこと。ここでは360度フィードバックのメリットやデメリット、運用方法などを説明します。

1.360度フィードバックとは?

360度評価フィードバックとは、社員の評価方法で別名「360度評価」「多面評価」とも呼ばれています。働き方や企業構造の変化などに伴い、360度フィードバックを導入する企業も増加傾向にあるのです。

360度評価フィードバックとは、上司や同僚、部下などが対象社員の評価を行う手法で、360度評価とも呼ばれています。

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2.360度フィードバックの特徴

360度フィードバックの特徴は、上司や同僚、部下やほかチームメンバーなどさまざまな立場の人が対象社員の評価を行える点にあります。多角的な視点のため評価の公平性が確保されやすく、社員のモチベーションアップにつながりやすいのです。

360度評価の特徴は、上司や同僚、部下などさまざまな立場の人が評価を行える点にあります。また評価の公平性も確保されやすいのです

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3.360度フィードバックの導入率と導入目的

360度フィードバックの導入率について、見ていきましょう。2007年は5.2%でしたが、2018年には11.8%に上昇しています。(※出典 労政時報 第3956号/18.8.10/8.25)

またリクルートマネジメントソリューションズが2020年に実施した独自調査では「360度フィードバックを現在実施している」企業を合計すると、全体の31.4%という結果になっているのです。

360度フィードバックの導入目的とは

360度フィードバックは上司や同僚、部下が評価するという手法から「人事評価」を真っ先にイメージする人も多いでしょう。もちろんそれも目的の一つといえます。

しかし同じくらい期待されているのが「社員のモチベーションアップ」なのです。ここでは360度フィードバックの主な目的である「公平な評価」と「社員のモチベーションアップ」について解説します。

公平な評価を行うため

上司一人が評価する従来の評価制度では、上司の好みや私情などが影響しやすく、課題となっていました。また部下は上司から高い評価を得たい気持ちから、機嫌をうかがってしまい、やがて組織が閉鎖的な雰囲気になってしまう可能性もあったのです。

一方360度フィードバックは、上司に加えてさまざまな立場の人が評価を行うため、多角的でより公平な評価を実施できます。

社員のモチベーションを高めるため

上司のみによる人事評価には、評価の納得性に欠けるという一面がありました。社員が人事評価に不満を感じるとモチベーションが低下します。それはやがて離職に結び付いてしまうでしょう。

360度フィードバックでは、多角的な視点で評価を行えるため公平性につながります。その結果、人事評価の信頼性も向上するでしょう。納得しやすい人事評価が浸透すれば、モチベーションアップにつながりやすいのです。

360度フィードバックを導入する企業は、増加傾向にあります。人事評価だけでなく社員のモチベーションアップも目的になっているのです

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4.360度フィードバックが注目される理由

360度フィードバックが注目される理由は、何でしょうか。

仕事に取り組む姿勢や態度を評価するため

360度フィードバックでは、結果だけでなく仕事に取り組む姿勢や態度などのプロセスについても評価できます。

上司だけでなく同僚や部下、ほかチームメンバーといった多角的な視点から対象社員の勤務態度や指示への対応、業務上の態度やコミュニケーション能力などが公平に評価しやすくなるのです。

近年、360度フィードバックが注目される背景にあるのは、仕事に取り組む姿勢や態度の評価です。そのほか終身雇用制度や年功序列制度の崩壊などもあると考えられます

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5.360度フィードバックのメリット

360度フィードバックのメリットは、下記の3つです。それぞれについて詳しく説明しましょう。

  1. 客観的な評価が行える
  2. 被評価者が評価に納得できる
  3. 被評価者が不足している点に気付ける

①客観的な評価が行える

360度フィードバックでは、上司だけでなく同僚や部下、ほかチームの社員や取引先なども評価に参加するため、客観的な評価が行えます。

従来の人事評価ではひとりの主観に左右されがちでしたが、360度フィードバックでは複数の視点から評価を受けられるため、客観性の向上につながるのです。

②被評価者が評価に納得できる

1対1の評価では、当事者間の相性が評価内容に影響を及ぼします。一方、360度フィードバックの場合、さまざまな立場の社員が評価に参加するため、多角的な視点から評価可能です。

よって評価の公平性や妥当性の向上も期待できるため、フィードバックを受けた対象社員の納得感も高まりやすくなると考えられます。

③被評価者が不足している点に気付ける

360度フィードバックでは、複数の人間が対象社員を評価するため多角的な判断が可能となります。それゆえ上司ひとりだけでは把握できなかった対象社員のパフォーマンス、あるいは業務における課題なども発見されるのです。

また習得すべきスキルや知識などに、対象社員が気付きやすくなります。

360度フィードバックには、「客観的な評価が行える」「被評価者が評価に納得できる」「被評価者が不足している点に気付ける」といったメリットがあります

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6.360度フィードバックのデメリット

メリットの多い360度フィードバックにも、デメリットがあるのです。

  1. 主観が影響する恐れ
  2. 評価が馴れ合いになる恐れ

①主観が影響する恐れ

360度フィードバックは、多角的な評価が得られる一方、それらの評価基準がすべて主観によるものとも捉えられます。

たとえば「評価者と被評価者の関係性が良好でない」「好き嫌いといった主観的要素」が評価基準に入った結果、公平な評価が難しくなってしまうのです。

②評価が馴れ合いになる恐れ

360度フィードバックは、評価の仕方次第では公平性が保持しにくくなります。仲の良い間柄の場合、パフォーマンスに関係なく、相互に高評価を与え合う可能性も高いでしょう。また評価を気にするあまり上司が部下への指導を躊躇してしまう場合もありえます。

導入の際は、評価者と被評価者の間で馴れ合いが生じないような教育を実施しましょう。

360度フィードバックには、「主観が影響する恐れ」「評価が馴れ合いになる恐れ」といったデメリットがあります

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7.360度フィードバックを実施するときの注意点

360度フィードバックを実施する際、どんな点に気を付けておけばよいのでしょうか。ここでは、360度フィードバックを実施する際の注意点について、解説します。

  1. 全社員が評価の対象範囲
  2. 執務態度を中心に評価する
  3. 必ず被評価者へフィードバックする

①全社員が評価の対象範囲

360度フィードバックは評価の客観性や公平性の保持から、可能な限り社員全員に対して実施するのが望ましいとされています。もし特定の社員のみに360度フィードバックを実施したら、「公平ではない」という不満の声が寄せられてしまうでしょう。

また一般社員やマネージャー職だけでなく、経営陣に対しても実施します。

②執務態度を中心に評価する

人事評価項目にはさまざまな要素が盛り込まれています。しかし360度フィードバックでは執務態度を中心に評価するとよいでしょう。執務態度における質問項目の例は、下記のとおりです。

一般社員:主体性や業務遂行力、不確実性への耐性やコミュニケーション力

マネージャークラスの社員:リーダーシップスキルや組織構築力、部下の育成スキルなど

③必ず被評価者へフィードバックする

360度フィードバックにおいて最も重要な点は、「集計結果を対象社員に必ずフィードバックすること」。本人へフィードバックしなければ、わざわざ時間を割いて同僚の評価をした社員も納得できないでしょう。

改善が見られない場合は、社内体制への不信感も芽生えやすくなるため、その後の協力を得られない可能性も高まるのです。

360度フィードバックは社員全員に実施します。評価内容は、執務態度を中心に設定するとよいでしょう

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8.360度フィードバックで用いる評価項目と運用までの流れ

ここでは360度フィードバックの評価項目や運用方法について見ていきます。

一般社員向けの評価項目

一般社員に対しての評価項目は、業務に必要な能力や執務姿勢を問うものが中心です。また結果だけでなくその過程についても精査します。具体的な評価項目の例は、下記のとおりです。

  • 主体性(上長からの指示を受ける前に自ら判断し、行動に移しているかどうか)
  • 協調性(チームワークを上手く図れているかどうか)
  • 解決力(困難が生じたとき、解決のためのベストな方法を考えられるか)

管理者向けの評価項目

管理職やマネージャークラスに対しては、マネジメントスキルなどを問うための要素が必要となります。具体的な例は、下記のとおりです。

  • リーダーシップ(中長期的なビジョンを明確にし、部下に指導できているか)
  • 組織構成力(メンバー間の連携やコミュニケーションが円滑に行われているか)

運用までの流れ

360度フィードバック運用の一般的な流れは、下記のとおりです。

  • 導入の目的を明確にする
  • 導入にあたってのデメリットを把握する
  • 評価基準の作成
  • 運用プロセスの設計
  • フィードバックレポートの作成
  • 社内への通知
  • 評価の実施
  • 結果分析
  • 被評価社員へのフィードバックや面談の実施

360度フィードバックにおける評価項目は一般社員と管理職で異なります。また適切な方法で運用するためにも流れについて知っておきましょう

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9.360度フィードバックの評価基準を決める際のポイント

360度フィードバックの評価基準を作成する際、何に気を付けていけばよいのでしょうか。

活用目的に沿った項目や質問を選ぶ

重要な点は、活用目的に適した評価項目や質問を設定すること。あらかじめ定めた活用目的を踏まえて、評価項目のカテゴリーを設定し、設問数の配分なども同時に決めていきましょう。

設問文は、可能な限り対象社員の客観的な行動を問うものにし、評価者の主観で評価できる表現にします。被評価者の人格を評価するような質問は避けましょう。

360度フィードバックで評価項目を設計する際は、活用目的にふさわしい内容を設計します

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10.360度フィードバックの導入事例

最後に360度フィードバックの導入事例として「グローバルトラストネットワークス」と「チュチュアンナ」をご紹介します。いずれも「カオナビ」の360度評価フィードバックを導入した企業です。

グローバルトラストネットワークス

グローバルトラストネットワークスは、360度評価にMBOという人事評価がプラスされる必然性を感じ、汎用性のあるシステムを探し始めていたなか「カオナビ」を導入しました。

従来の360度評価システムを移行する際、問題が起きないか懸念されていたものの、そうしたトラブルも皆無だったそうです。現在、MBO機能と組み合わせて活用しています。

チュチュアンナ

チュチュアンナは組織強化のために「360度評価」が必要と考え、カオナビを導入しました。狙いは、「リーダー以上のすべてのマネジメント職」に部下から評価を受けてもらって、マネジメント職としてさらに成長してもらうことだったそうです。

現在、カオナビシステムの「使いやすさ」と「クライアントに寄り添ったサポート」に満足しています。

360度フィードバックを導入した結果、組織強化ができるようになった企業も増加傾向にあるのです。他社の事例を参考に、自社の改革に取り組んでみてはいかがでしょう