人材派遣・紹介事業を展開する株式会社サウンズグッドは、全国に拠点を持ち、製造・物流・介護・医療など多様な分野で人材サービスを提供しています。そんな同社が新たに取り組むのが、カオナビとの協業による「カオナビサポート・事務派遣サービス」です。
自社でカオナビを活用する中で、人事データの運用やメンテナンスに課題を抱える企業が多いことに着目。運用支援スタッフの派遣や人事コンサルティング、BPOを組み合わせた新たな事業モデルを構築しました。
協業を通じて、人事部門の課題解決と自社の事業拡大を同時に実現した同社の取り組みについて、SGグループ 執行役員 兼 グループCHROの吉田大輔氏と、コーポレート部 グループ人事課 課長代理の北田かおり氏に協業の経緯や成果、カオナビとの連携によって生まれた新たなビジネス価値と今後の展望などを聞きました。
*本記事の掲載内容は全て取材時(2025年10月21日)の情報となります人材の活躍を支える多様な人材サービスを展開するスペシャリスト
貴社は「人材派遣・紹介・BPO/アウトソーシング企業」として、人材サービスのスペシャリストでいらっしゃいますね。
吉田様 当社は2009年に設立し、人材派遣・紹介・BPOなどを通じて企業と人をつなぐ総合人材サービスを展開しています。製造・物流をはじめ、介護、医療、保育、外国人派遣など幅広い領域をカバーしており、札幌から沖縄まで全国に拠点を有しています。
もともとは、軽作業の登録型派遣からスタートした会社で、現在は「世の中に必要とされるスキルや価値観を持った人材を育成し、彼らが活き活きと働くことで、社会全体の発展に貢献する」という理念のもと、人材の活躍を支える多様な事業を展開しています。
2021年にタレントマネジメントの仕組みを見直す中で、カオナビを導入しました。直感的に操作でき、サポート体制も非常に丁寧だったことが決め手です。
導入後は人事データの一元管理が進み、社員情報をリアルタイムで把握できるようになりました。
そこから、コラボレーションパートナーとして当社との協業に発展した経緯をお聞かせください。
吉田様 ユーザーとして導入し、利用してみると、システムを活かすには「データを正確に、継続的に更新していく」ための人的リソースが欠かせないことに気づきました。
実際、お客様の中にも同じ悩みを抱える企業が多く、「カオナビを活用したいが、運用に手が回らない」という声を耳にすることもありました。
そこで、自社で培った人事のノウハウを生かし、カオナビ運用を支援できる人材を育成して派遣するという構想が生まれました。
ちょうど当社では、派遣市場の構造変化により新しい収益軸を模索していた時期でもありました。軽作業分野ではタイミーのような即日マッチング型サービスが急成長しており、エンタープライズ向けの新しい価値提供を考えたいという思いもありました。
人事領域は人の育成や組織運営に直結する分野です。ここで成果を出せれば、自社の社員やスタッフの成長にもつながり、人が育つことで事業も成長するというサイクルをつくれると考えました。
コラボレーションパートナーとして3つのサービスを展開
コラボレーションパートナーとして、貴社はどのような取り組みを展開されているのでしょうか。
吉田様 当社が提供しているのは、カオナビ運用を支援する専門スタッフの派遣や、人事コンサルティング、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を組み合わせた「カオナビサポート・事務派遣サービス」です。主なプランは3つあります。
1つ目は、お客様先に常駐し、データのセットアップや評価シートの修正、グラフ作成など運用実務を担う「カオナビPRO派遣」。
2つ目は、人事施策の設計や制度運用をコンサルティングと併せて支援する「カオナビ人事コンサル」。
3つ目は、異動や給与データの更新などを代行する「BPOプラン」です。カオナビを活用したいが社内リソースが足りない企業様に向けて、課題やニーズに応じて柔軟に支援を行っています。
いずれのサービスも、当社で独自に育成したスタッフが担当します。当社の事業形態は、正社員もしくは契約社員を派遣する点が特徴。スタッフは1〜1.5か月かけて「カオナビPRO研修」を受講し、システムの基本操作からデータ設計、人事業務の流れまでを一通り学びます。
人事戦略を推進する上で、非常に重要かつ機微な情報を扱うため、しっかり腰を据え、安心して社内外で活躍できる方を採用し、研修を行っています。研修は派遣スタッフに対する先行投資として実施しており、講義形式だけでなく、実際のデモ環境を使ってダミーデータを操作し、実務を体験する内容となっています。修了時には最終テストを行い、合格したスタッフのみが派遣先に配属されます。
具体的な研修内容、進め方はどのようなものなのでしょうか。
北田様 研修は大きく2部構成です。前半は私が講師となり、カオナビの操作や注意点、人事担当としての視点を講義形式で学びます。後半では受講者一人ひとりにデモ環境を貸与し、実務課題に取り組んでもらいます。
カオナビの協力のもと、管理者権限が付与され、ダミーデータが入った環境が与えられ、設定・運用を自分の手で行うことで、実際に現場で求められる対応力を身につけてもらうのです。
機能のアップデートも早いため、能動的に情報を取得し、自ら考えて動ける人材の育成を重視しています。
研修を終えたスタッフからは「カオナビはすごいツールですね」とよく言われます。タレントマネジメントに必要な機能が揃っており、アップデートのスピードも速い。そうした現場の感覚を大事に、単なる運用代行ではなく、企業の人的資本経営を支えるパートナーとして伴走することが、私たちの役割だと考えています。
人事業務全般のアウトソーシングまで相談を受けるケースも出てきた
カオナビとの協業によって、どのような成果や手応えを感じていらっしゃいますか。
吉田様 まず大きいのは、「カオナビサービスに特化したピンポイントな支援」が可能になったことです。人事領域の実務に精通したスタッフが、日々の運用やデータ整備をお手伝いすることで、「かゆい所に手が届く」サービスが実現できています。
カオナビの機能を理解したうえで、運用に必要なデータ構造や人事評価の仕組みを提案できる点は、お客様からも高く評価されています。
また、最初はカオナビ運用の支援としてご依頼いただいた企業が、人事業務全般のアウトソーシングまで相談してくださるケースも増えてきました。
導入後の業務効率化や人事データの整備が進み、「ぜひ自社の人事スタッフとして直接雇用したい」とお客様から当社の派遣スタッフについてお声がけいただけるのは嬉しいですね。
サービス提供に際して、どんなサポートを行い、カオナビとはどのように連携していますか。
北田様 スタッフの活躍を支えるため、当社では日々のサポート体制も重視しており、全スタッフと毎日チャットで情報交換し、困りごとがあれば即座にフォローする体制を整えています。
また、吉田と私が定期的にお客様へ状況を伺い、必要に応じて三者でミーティングを行うこともあります。こうした密な連携によって、課題の早期発見と改善が可能になります。
吉田様 さらに、カオナビのCS(カスタマーサクセス)やセールス、アライアンス担当の皆さまとの連携も非常にスムーズです。お客様をご紹介いただく際には課題感や背景まで丁寧に共有いただけるので、私たちもスピーディな提案ができます。
勉強会やイベントへの参加支援など、さまざまな形でお力添えをいただいています
こうした立体的な協業体制のもとで、サービス開始から約2年、累計で100社を超える企業様からご相談をいただきました。現在も約30社と継続的にお取引をしており、コンサルティングと派遣の両輪で支援を続けています。
新機能やアップデートへの対応力を高め、サービスの横展開も視野に
今後、カオナビとの協業をどのように発展させていきたいとお考えでしょうか。
吉田様 まず取り組みたいのは、カオナビの新機能やアップデートへの対応力をさらに高めることです。カオナビは機能の進化がとても早く、それに合わせてスタッフが常に最新の知識を持つことが求められます。そのため、研修内容を継続的にブラッシュアップし、教育体制を強化していくことが大切だと考えています。
もうひとつの方向性として、事業の枠を広げていく構想もあります。HRテックやERPなど、企業の人事・経理・労務領域に関連するSaaSサービスが増えています。そうしたツールの運用支援まで対応できるよう、将来的には「BPaaS(Business Process as a Service)」のように、お客様の課題に合わせて最適なツールを提案し、運用までを一貫して担える体制を整えていく構想もあります。
北田様 研修については、今後も「カオナビを使える人を育てる」ことだけを目的化しないよう心がけています。私自身、人事担当として、ツールはあくまで手段であり、目的は「人や組織をよりよくすること」だと感じています。だからこそ、研修ではカオナビ視点だけでなく“お客様の人事視点”で教えることを大切にしています。システムをどう動かすかだけでなく、それを使ってどんな成果を出したいのかを考えられる人を増やしていきたいです。
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