大企業を中心に、人事データの一元化とシステム連携を支援する株式会社パトスロゴス。同社は、複数のHR SaaSを連携させて人事データを活用できるHR共創プラットフォーム 「PathosLogos」や、大企業向け人事・給与計算SaaS「Combosite人事給与」を開発・提供しています。
こうした中で、タレントマネジメント領域の要となる存在として選ばれたのが、カオナビとの協業です。両社は、データを中心に据えた連携を通じて、タレントマネジメントの実効性を高め、企業の人的資本経営を下支えしています。
今回、同社 パートナーアライアンス責任者の江川優太様と、パートナーセールスの久保田リエエリカ様に、カオナビとの協業に至る経緯や取り組み内容、両社が見据えるこれからの人事データ活用の可能性についてお話を聞きました。
*本記事の掲載内容は全て取材時(2025年10月23日)の情報となりますあらゆる人事データを一元化すべくHR領域でのサービスとの協業を進める
最初に、パトスロゴス様の事業概要について教えてください。
江川様 当社は、大企業を中心に人事データの一元化とシステム間連携を支援しています。人事・給与・評価・タレントマネジメントなど、さまざまな人事系システムを利用する企業では、データが部門やツールごとに分断されてしまい、経営判断や人的資本開示に必要な情報を迅速に取得できないケースが多くあります。
そこで私たちは、こうした課題を解決するための基盤として、HR共創プラットフォーム「PathosLogos」を開発しました。様々なHR SaaSベンダー様とパートナーシップを推進させていただきながら、複数のHR SaaSをつなぎ、標準化されたデータベースで人事情報を管理することで、企業のデータ活用を後押ししています。
さらに、大企業固有の複雑な給与制度に対応する「Combosite人事給与」というSaaSも自社で開発・提供しています。人事給与領域は企業の基幹業務であり、精緻な計算や制度反映が求められる領域です。
ここをしっかり支えながら、各HR SaaSとの連携によって人事データを「ためる・つなぐ・活かす」ことを実現する。これらにより企業の生産性を最大化することが、私たちの事業の根幹にあります。
カオナビとの協業には、どのような背景やきっかけがあったのでしょうか。
江川様 カオナビは、日本におけるタレントマネジメントの代表的なサービスの一つであり、当社のお客様でも導入企業が多くいらっしゃいました。
私たちは、HR領域全体で価値のあるサービスとの協業を進めていますが、その中でもカオナビは、早い段階からデータ連携の考え方に共感してくださり、協業に向けた対話を重ねてきました。特定のサービスだけではなく、さまざまなHR SaaSが共存しながら“企業全体でデータを活かす環境”をつくるという点で、方向性が一致していたと思います。
久保田様 当社の強みは、単にシステムをつなぐだけでなく、HRテクノロジー全体の活用を支援できる点にあります。カオナビをはじめとする各パートナー企業の皆さまとは、お互いの製品や顧客基盤を理解し合いながら、企業の課題に応じた最適な組み合わせを提案しています。
特にカオナビとの取り組みでは、タレントマネジメント領域の重要なデータを安全かつ効率的に連携するための仕組みづくりを進めており、今後も一層その連携を強化していきたいと考えています。
数百項目にわたる人事データを連携できる仕組みを提供
カオナビとの協業において、どのような取り組みを進めていらっしゃるのでしょうか。
江川様 データ連携の面では、私たちは「PathosLogos」を通じて、数百項目にわたる人事データをカオナビと連携できる仕組みを提供しています。
これにより、カオナビを中心に据えたタレントマネジメントの運用をスムーズに進められるようになり、複数のHR SaaSを利用する大企業様にとって、より使いやすい環境を整えることができました。
今後もデータ項目の拡張や連携精度の向上など、さらなる改善を進めていく予定です。
久保田様 営業活動の面では、カオナビの営業担当の方々と案件を共有しながら、共同で提案活動を行っています。お客様の課題に応じて、カオナビ側からご紹介をいただいたり、当社からカオナビをご提案したりと、双方向での連携が定着しています。
特に印象的なのは、お互いの担当者が頻繁にコミュニケーションを取っている点です。カオナビのオフィスに伺って新メンバーと顔合わせをしたり、当社の営業チームが合同で打ち合わせを行ったりと、日常的に連携の機会を設けています。
カオナビの皆さまには、営業現場でのサポートをはじめ、さまざまな形でお力添えをいただいています。例えば、カオナビの社内勉強会において、カオナビの営業担当の方が自らの実体験に基づき、当社のサービスや機能を紹介するといった取り組みもありました。
こうした関係づくりの積み重ねによって、お互いの理解が深まり、提案の質も自然と上がっていきます。
江川様 カオナビとは“お互いをよく知るパートナー”という関係です。単にツール同士をつなぐだけでなく、営業・技術・マーケティングのすべての側面で協力できている点が大きな特徴です。両社の強みを掛け合わせることで、お客様により高い価値を届けるパートナーシップにつながっています。
定期的な営業勉強会などで新しい知見や顧客課題をアップデート
カオナビとの協業を通じて、どのような効果や手応えを感じていらっしゃいますか。
江川様 大きな成果の一つは、企業のデータ活用を前進させる付加価値を提供できていることです。タレントマネジメントシステムを導入しても、データの登録や更新が進まず、十分に活用しきれないという課題を抱える企業は少なくありません。
カオナビとのデータ連携により、他システムの情報も含めて人事データを一元化することで、データが“活きる”環境づくりを支援しています。
例えば、医療業界のお客様への導入では、複雑な手当やシフト管理といった課題を、給与システムとカオナビをシームレスに連携させることで解決することができました。
また、カオナビのCS(カスタマーサクセス)チームやパートナーアライアンス担当の方々とも密に情報交換を行い、機能改善や事例共有の機会をいただいています。
久保田様 営業面でも成果を実感しています。カオナビは日本国内で高いシェアを持つサービスであり、エンタープライズ領域のお客様にも広く知られています。私たちがご提案する際も、「カオナビと連携できる仕組み」という信頼感が、お客様に安心していただける要素になっています。
特に1,000名以上の従業員を抱える大企業では、人事システムが複雑化しているため、データ連携の重要性を強く意識されています。その点で、カオナビと当社の連携は非常に分かりやすい提案材料になっています。
加えて、パートナー制度のサポート体制も非常に手厚いです。定期的な営業勉強会や業界別の事例共有会を実施していただき、新しい知見や顧客課題を常にアップデートできる環境があります。担当者の方々のレスポンスも速く、展示会やイベント出展時には資料提供などの相談にも柔軟に対応していただいています。
人的資本経営の推進により大きく貢献していく
今後、カオナビとの協業やデータ連携をどのように発展させていきたいとお考えですか。
江川様 今後は、より多様な人事データを活用できるよう、連携範囲をさらに拡大していきたいと考えています。
例えば、カオナビが持っている評価や従業員のエンゲージメント情報を「PathosLogos」に連携し、他のデータ(勤怠や給与情報等)と掛け合わせて人材データの分析を行えるようにする。そうした仕組みをお客様に提供することで、人的資本経営の推進により大きく貢献できると考えています。
また、カオナビの皆さまとは営業・マーケティングの両面で非常に良い関係を築けているので、引き続きその連携を深めていきたいと考えています。
展示会やイベントへの共同出展、勉強会やナレッジ共有の継続など、現場の接点を増やしながら、より一層の協力体制を築いていきたいです。
久保田様 営業の現場でも、データ連携をより分かりやすい形でご提案できるようにしたいです。
これまではカオナビと当社の製品を個別に紹介するケースが多かったのですが、今後は「カオナビ × PathosLogos」のように、ひとつのパッケージとしてご提案できる仕組みをつくりたいと思っています。
私たちは、各業務に特化した様々なHR領域のデータを組み合わせて、お客様の生産性を最大化し、お客様がHRデータを利活用していくための基盤を作っていきたいと思っています。カオナビをはじめとする多くのパートナー企業の皆さまと一緒に、HR業界全体を盛り上げていけるような取り組みを進めていきたいです。
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