目標が達成できない理由とは? 達成できる人材を増やすには?【達成できるチームとできないチームの違い】

ビジネスシーンで目標を設定しても、なかなか達成できない場合、「どう改善すればいいのか?」と悩んでしまうことでしょう。

目標設定そのものや目標が達成できる人材育成など不備があれば、たとえ目標を立てたとしても、達成できない場合があるのです。なぜ目標が達成できないのか、その理由と適切な人材の増やし方を見ていきましょう。

1.なぜ目標を達成できないのか?

目標が達成できない理由には達成に至るまでの道のりや方法の具体性のなさや業務に関わるメンバーのスキルや知識、モチベーションの不足などがあります。

  1. 目的/ゴールが明らかではない
  2. 目標を達成するまでの道のりが具体的ではない
  3. 達成方法が具体的ではない
  4. 設定した目標が高すぎる・低すぎる
  5. メンバーが行動結果を実感できない
  6. メンバーのパフォーマンスが低い
  7. メンバーの知識・スキル不足
  8. メンバーにチャレンジ精神がない

①目的/ゴールが明らかではない

ビジネスに限らず、一般的に陥りやすい目標が達成できない状況として、目標の先に目的がないことが挙げられます。目的は最終的に目指す到達点であり、ビジネスシーンでは、

  • 今後の企業をどのようにしていきたいのか
  • 将来の経営戦略、企業ビジョンは何か

を明確にする必要があります。目指すべき到達点が明確でなければ、いくら目標を掲げてもどのように達成していいのか、具体的な方法がつかめません。

自分たちがどのようなビジョンと理念を持っているのかを具体化して、目的を明確にしましょう。

目的・目標・ゴールの違いとは?

目的 経営コンサルタントの世界では存在意義と定義されるもの。関わる人たちの成功は自社の成功へとつながる。
目標 目的を達成させるために、どのように業務を進めていくのかを設定していくこと。ビジネスシーンでは「利益を上げる」「事業を拡大させる」といったことが挙げられる。
ゴール 目標に達すること。1億円の利益を上げるという目標なら、実際に1億円の利益に達することで、ゴールに到達したと考えられる。

②目標を達成するまでの道のりが具体的ではない

達成するまでの道のりが明らかではないことも挙げられます。達成するには、具体的にどこを目指していくのかという指標をはじめ、中間目標や通過点をどのように設定していくのかも問われるのです。

ビジネスシーンでは目標に達成するまでの道のりにおいて、

  • KPI
  • マイルストーン

といった達成度を測る視点が欠かせません。KPIやマイルストーンが不明では、どのように業務を進めていいのか分からず、いつまでたっても目標は達成できないのです。

KPIとは?

KPIとはkey performance indicatorを略した言葉で、主要業績評価指標と訳されます。

  • 企業目標の達成度を評価するための指標
  • 目標達成への道しるべ

としての役割があり、目標を達成するために必要なプロセスを評価し、可視化するために使われる指標とされているのです。KPIを用いてそれまでの業績を評価することで、今後の方針や対応策にもつながります。

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マイルストーンとは?

マイルストーンは、欧米などの道路にて1マイルごとに設置された標石のことを指す言葉であり、距離標識(里程標)の意味で使われていました。

ビジネス用語としては、

  • 大きな節目
  • 通過点
  • 中間目標点

といった意味を持ち、業務のプロジェクト内でやらなければならない各作業工程の節目を表す座標として使われています。

③達成方法が具体的ではない

目標に向けてプロジェクトが動き始めても、どのように目標を達成させるのかなどその方法が具体的に決まっていなければ、いつまでたっても目標は達成できません。

作業に対し、「どのような方針で」「誰がどの分野を担当して」「いつまでに仕上げるのか」という内容・割り当て・期限を決めることでスタッフにタスク(作業内容)が割り振られ、目標達成が近づくのです。

タスクとは?プロジェクトとの違い

  • タスク:業務内での最小限の仕事のこと
  • プロジェクト:複合されたタスクのこと

たとえば忘年会の企画というプロジェクトがあった場合、「参加者に周知する」、「参加の可否を確認する」、「お店を決める」などの最小単位の仕事を「タスク」と呼びます。

タスク管理とは、「どの期限までに」「どのタスクを誰がやるかを決めて」「実行されているか」を管理することです。

④設定した目標が高すぎる・低すぎる

設定した目標が「高すぎる」または「低すぎる」場合も、達成できない状況に陥ってしまいます。

  • 非現実的な売り上げ目標
  • 現時点での現場の技術やノウハウでは達成が難しい目標

などがあるでしょう。

高すぎるとなかなか成果に結び付かず、現場のスタッフたちのモチベーションの低下につながり、低すぎれば、スタッフたちはやりがいを見出すことができず、やる気の低下に陥ります。

⑤メンバーが行動結果を実感できない

結果を出しても、実感できない場合は、現場のスタッフ、メンバーたちのモチベーションは下がります。現場のスタッフ、プロジェクトに参加しているメンバーたちの存在は、目標達成に欠かせません。

人は仕事に対して、やる気やモチベーションを感じて動くもの。モチベーションの低下は、作業能率の低下を招き、ひいては業務全体の停滞につながりかねないのです。

現場のモチベーションを維持するためにもスタッフ、メンバーたちが結果を実感できる環境づくりが必要となります。

モチベーションとは?

モチベーションとは、行動を起こすための心理的な原動力とされており、以下の2種類があります。

  1. 「動因」(ドライブ):好奇心や探求心によって、内面から湧き上がってくるやる気のこと
  2. 「誘因」(インセンティブ):「動因」を満足させる「結果」、ビジネスシーンにおいては、成績に合わせたスタッフの「給料の増加」または「表彰」といった「インセンティブ制度」を指す

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⑥メンバーのパフォーマンスが低い

パフォーマンスは、演技やダンスなどといった表現で使われていますが、ビジネスシーンでは、作業を遂行する「実行力」、物事を処理する「性能」といった能力で用いられているのです。

パフォーマンスが低いと、なかなか目標に到達できないだけでなく、事業に支障をきたしてしまう場合も。パフォーマンスを高め、維持するためにも定期的に従業員の研修制度や設備投資などを実施しましょう。

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⑦メンバーの知識・スキル不足

現場の従業員やスタッフの知識やスキルが不足していると、業務を円滑に進めることができず、目標を達成できない状況を生み出す要因となるのです。

知識やスキル不足の原因として考えられるのは、

  • 人材育成の環境が整っていない
  • 未経験者が多い

など。

改善するためにも研修やオリエンテーションなど人材育成の環境を整え、専門知識やスキルを磨き上げる、実力に見合った者を現場のリーダーに引き立てる、即戦力となる人材の確保などを視野に入れましょう。

⑧メンバーにチャレンジ精神がない

現場のスタッフ、従業員たちが一丸となって業務に携わっていくことが何よりも重要でしょう。つまり現場のスタッフたちに向上心、チャレンジ精神がきちんと備わっているかが問われてくるのです。

チャレンジ精神が不足すれば、新しい目標に向かっていくことに対してやる気が起きず、モチベーションの維持が難しくなります。また向上心がなければ、考え方や行動が現状維持に向かってしまうため、新しいことを起こそうというやる気が湧きません。

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達成方法などが具体的でないと、目標は達成しにくいです。それだけでなく現場のスタッフたちのモチベーションやパフォーマンス、知識・スキルなどの不足も目標達成に大きく関わります

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2.目標を達成できるチームとできないチームの違い

気合いや根性だけでは、結果は出ません。目標を達成できるチームには、以下のような明確な理由があるのです。

  • メンバー間で意思の疎通がきちんと取れている
  • 現時点で計画がどのくらい進んでいるのか、常に把握できている
  • 自分以外のメンバーがどのような状況でいるのか分かっている

目標を達成できるチームの特徴

目標を達成できるチームの特徴は、下記の通りです。

  • 想いを形にする=ビジョンを明確に描き、それを人に伝える能力を持っている
  • 必要な人材を招き入れる=目標達成に不可欠な人材を適時に確保できる
  • 「行動を起こす」=実際に目標に向けて実行できる力がある
  • 場をつくり、維持する=達成するための現場を整えて、仕事しやすい環境がつくれる・
  • 異常に気付く=何か想定外のことが起きても、すぐに気付くことができる
  • 改善する=業務進行中に起きた想定外のことにも対処できる能力を備えている
  • 着実に進める=目標達成の業務を一歩一歩確実に進めることができる

目標を達成できないチームの特徴

続いて、目標を達成できないチームの特徴です。

リーダーがプレイヤーとして率先して仕事をしているため、現場管理が疎かになるばかりではなく、現場スタッフたちのモチベーションの低下も招いてしまう

  • モチベーションが低いチームメンバーに全員が影響を受け、現場全体の作業効率が下がってしまう
  • メンバーがネガティブ思考で、何か新しいことを起こそうにも委縮してしまい、実行に移すことが困難になってしまう

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目標を達成できるチームには、「現場スタッフたちの意思疎通ができている」「計画の進行、メンバーたちの状況が把握されている」など、円滑に業務を進める環境があるといった特徴があります

3.目標を達成できる人材を増やすには?

目的を達成するためには、現場のスタッフ、従業員たちが業務を遂行できる能力を持っているのかを把握し、必要とする能力に見合った人材の確保が必要です。

そのためには、以下のようなポイントを念頭に置いておかなければなりません。

  • 目標を達成できる人とできない人の特徴をつかむ
  • 人材の能力を伸ばすために、最適な育成方法を選択する

目標を達成できる人とできない人の違い

目標を達成できる人は物事を「必要か不必要か」で判断し、できない人は物事を「好きか嫌いか」で判断してしまうという特徴があります。

人は不満や苦情があると、つい口に出して気持ちをすっきりさせようとしてしまいますが、文句ばかり言っていても何も改善しません。

目標達成を意識している人は、「失敗しても何が原因なのか」「どうしてうまくいかなかったのか」と考えて、「何が足りなかったのか、必要なのか」と状況を見極めて、次の行動へと移ります。

人材育成のポイント

人材育成のポイントは、以下の3点です。

  1. 目標の設定は段階的に行う
  2. 達成基準に対する現状を把握する
  3. 最適な育成方法を選択する

①目標の設定は段階的に行う

まず、スタートからゴールまでの間をいくつかのステップに分けます。

ステップ分けの留意点は、

  • あまり細かくステップを設定すると分かりづらくなる
  • しかし粗すぎるのも結果が見えづらくなり、モチベーションが保てなくなる
  • 3カ月~半年ごとに目標となるステップを5つ程度設定していく
  • ステップごとにクリアアクションやレベルを具体的に設ける
「SMARTの法則」で目標設定

目標を設定するのに役立つのがSMARTの法則で、以下の5つの要素から成り立っています。

  • 「Specific(具体的に)」:物事を明確に具体的な表現で周りに伝える
  • 「Measurable(測定可能な)」:目標の達成度合いを、客観的に判断できる
  • 「Achievable(達成可能な)」:目標が現実的に達成できる内容なのか可能できる
  • 「Relevant(業務に関連した)」:設定した目標が自社に関連する内容である
  • 「Time-bound(期限がある)」;目標をいつまでに達成するか、その期限を設定する

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②達成基準に対する現状を把握する

次に、現時点でどの基準にまで到達しているのかを客観的に分析して、現状を把握します。

  • SMARTの法則で5つに設定したステップのうち、現在はどの段階に当てはまるか
  • コミュニケーションに関して満たすべきレベルを100としたとき、今はどのレベルにまで届いているのか

など、理想の状態と現在の状態を比較するのです。これにより、何が問題なのかが明確になります。

③最適な育成方法を選択する

人材育成には3つの方法があります。

  • 集合研修(Off-JT):セミナーや合宿などの研修で大勢の人間が職場外に集まって訓練するため一体感が生まれる、時間調整やコストの負担が大きい
  • OJT:現場で実務とともにマンツーマンで行われるため効率がよいが、担当者によって育成の水準が左右されてしまう
  • eラーニング:インターネットを利用する方法で知識の習得に適している、管理しやすいというメリットを持つが、期待していた通りの学習効果がなかなか出にくいというデメリットもある

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目標を達成できる人材を増やすには、確保する人材が業務に見合った能力を備えているかの見極めが肝心です。人材育成には「集合研修(Off-JT)」「OJT」「eラーニング」といった方法があります