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近年、多くの企業が従業員の多角的な育成や組織活性化のため、360度評価を導入しています。しかし、「運用が複雑で手間がかかる」「本当に効果があるのか不安」といった悩みを抱える企業も少なくありません。
今回は、360度評価の基本から無料ツールを使った効率的な運用方法、さらに本格的な導入を検討している企業に向けた有料ツールの選び方まで詳しく解説します。
目次
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1.360度評価とは?
360度評価とは、従業員の評価を上司だけでなく、部下、同僚、そして本人(自己評価)といった複数の立場からの意見を総合して行う手法です。別名「多面評価」や「360度フィードバック」とも呼ばれています。
従来の評価は上司による一方的な評価に偏る傾向にありました。しかし、360度評価では多角的な視点を取り入れるため、より公平で客観的な評価が可能です。
また、自己評価と他者評価のギャップに気づけることで、自分の強みや弱みが明確になる点も大きなメリットでしょう。最近では、管理職の評価だけでなく、全社的に360度評価を取り入れる企業が増えています。
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360度評価とは? 目的やメリット・デメリットをわかりやすく
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2.360度評価ツールとは?
360度評価ツールは、360度評価の実施を効率化し、より効果的な運用をサポートするためのシステムです。多くのツールはインターネット経由で利用するクラウド型で提供されています。
クラウド型の360度評価ツールには、人数によって金額が変わる従量課金制と、人数に関わらず金額が変わらない固定制の2タイプがあります。まずは、360度評価ツールを導入する必要性やメリットについて詳しく見ていきましょう。
360度評価にツールが必要な理由
360度評価は、複数の評価者(上司、部下、同僚、本人など)からフィードバックを収集し、集計・分析するプロセスが非常に複雑で手間がかかります。そのため、運用に膨大な工数がかかるのが大きな課題です。
この課題が大きな壁となり、360度評価の運用を断念する企業も少なくありません。360度評価で最も重要なのは、評価後のフィードバック面談です。しかし、運用や集計に工数がかかりすぎると、面談に十分な時間を割けないケースもあります。
これでは360度評価の効果を十分に得られず、運用工数だけが増えることになるでしょう。360度評価の運用を維持し、その効果を発揮するには、ツールの活用が不可欠です。360度評価ツールを使えば、360度評価にかかる作業の多くを自動化・効率化できます。
評価対象者が数十人を超える規模の組織であれば、ツールの導入は必須といえるでしょう。
360度評価ツールを導入するメリット
360度評価ツールを導入する最大のメリットは、360度評価運用の効率化と質の向上です。人事担当者や評価者の運用負荷を大幅に軽減することで、結果として評価やフィードバックの質が向上し、人材育成や組織の活性化が期待できます。
具体的にどのようなメリットがあるのか、以下のポイントからさらに解説します。
- 運用の業務負荷を減らせる
- 匿名性を担保できる
- 評価後のアクションを効率化できる
- オンラインで運用できる
①運用の業務負荷を減らせる
360度評価の運用では、評価シートの作成や配布、回収、集計、分析といった膨大な作業が発生します。しかし、360度評価ツールを導入すれば、これらの煩雑な業務プロセスを大幅に自動化・効率化できるでしょう。
たとえば、360度評価ツールの導入によって、作業は以下のように効率化されます。
評価シートの作成・配布 | テンプレートを活用し、クリック一つで評価シートを作成し、システム上で対象者に一斉配信 |
回答状況の把握 | 各評価者の回答進捗をシステム上でリアルタイムに確認。未回答者へのリマインドも自動で行える |
集計・分析作業 | 収集した膨大なデータをシステムが瞬時に集計し、グラフやチャートを用いた分かりやすいレポートを自動生成 |
360度評価ツールを使った評価運用は、業務を効率化できるだけでなく、人的ミスの削減にも有効です。そのため、評価後のフィードバックや人材育成といった、より戦略的な業務にリソースを集中できるでしょう。
②匿名性を担保できる
360度評価を成功させるには、評価者が安心して正直なフィードバックを行える「匿名性」の確保が不可欠です。「誰が言ったか」が分かってしまうと、本音の意見が出にくくなったり、人間関係に亀裂が生じたりするリスクがあります。
360度評価ツールでは、この匿名性を強固に担保することが可能です。特定の個人を識別できない形で評価データを集計・表示するため、評価者が安心して率直な意見を提供できます。
紙やExcelでの運用では、評価シートの送信ミスや記入ミスといった人的エラーによって、匿名性が損なわれる可能性もゼロではありません。
360度評価ツールにより匿名性が保証されることで、評価される側も「誰から言われたのか」を気にすることなく、純粋にフィードバックの内容に集中し、自己改善に繋げられるでしょう。
評価する側もされる側も安心して評価に集中でき、適切な評価結果やフィードバックが得られ、結果として人材育成の質も高まります。
③評価後のアクションを効率化できる
360度評価は、評価して終わりではありません。重要なのは、その結果をいかに人材育成や組織改善に活かすかどうかです。360度評価ツールを導入すれば、評価作業の効率化により、フィードバックなど評価後のアクションも効率化できます。
たとえば、360度評価ツールでは、評価結果を自動集計し、レポートとして出力できます。ツールが生成する詳細なレポートは、上司や人事担当者が被評価者とフィードバック面談を行う際の貴重な材料となります。
客観的なデータに基づいたフィードバックが可能となり、効果的な改善策や行動計画の策定を促せるでしょう。
また、過去の評価データをツール内に蓄積すれば、個人の成長や変化を時系列で追跡することも可能です。これにより、長期的な視点での人材育成計画の立案や、研修効果の検証にも役立つでしょう。
④オンラインで運用できる
リモートワークなど多様な働き方を導入する企業が増えている現代では、オンラインでの運用はもはや必須条件です。360度評価ツールはクラウド型である場合が多く、インターネット環境があれば、どこでもアクセスできます。
オフィスはもちろん、リモートワーク中や出張先など、どこからでも評価の回答や管理が行えます。これにより、従業員の居住地や働き方に関わらず、評価の機会を平等に提供できるでしょう。
海外拠点を持つ企業でも、オンラインツールであれば言語設定や時差を気にすることなく、グローバルで統一した評価基準で360度評価を実施できます。
業務効率化だけでなく、従業員の利便性向上や多様な働き方への対応にも貢献し、組織全体の柔軟性と生産性を高める基盤となるでしょう。
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360度評価ツール導入成功の5つのポイント
企業内人事評価制度の見直しが迫られるなか、近年注目を集めているのが360度評価。ここでは、360度評価ツールの導入を成功させるためのポイントや運用手順、企業の導入事例などについて解説します。
1.3...
3.人事のプロ直伝! 無料ツールだけで360度評価を運用する方法
360度評価ツールは評価運用の自動化・効率化を実現し、運用負荷の軽減につながります。しかし、使用するには月額の利用料がかかります。成功するかわからない評価運用に、コストをかけるのを躊躇する企業もあるかもしれません。
まずは無料ツールで360度評価を運用したい方に向けて、ここでは、無料のツールだけを使った360度評価の効率化手法を具体的に紹介します。
ただし、無料ツールだけでは効率化に限界がある点も理解しておきましょう。無料ツールは、360度評価の全社導入を検討するためのテスト運用などで活用するのがおすすめです。
使用する無料ツールは2つ
360度評価の運用に使える無料ツールには、「Googleフォーム」と「Googleスプレッドシート」の2つがあります。それぞれの特徴や、360度評価に活用するメリット・デメリットをみていきましょう。
①Googleフォーム
Googleフォームは、アンケートやフォームを簡単に作成・収集できるツールです。Googleアカウントさえあれば誰でもすぐに利用でき、直感的な操作で、多様な質問形式(記述式、選択式、尺度形式など)を設定できます。匿名性も担保できるため、360度評価に適しています。
メリット | デメリット |
・直感的な操作で手軽にフォームを作成できる ・オンラインで運用できる ・自動集計できる |
・個別のレポートは手動で作成する必要がある ・詳細な項目設定には限界がある ・カスタマイズ性に制限がある |
②Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは、Googleフォームで収集した回答データを格納し、集計・分析を行うための表計算ツールです。Excelと同様に、関数やグラフ作成機能が充実しています。
Googleフォームとスプレッドシートをうまく連携させれば、グラフが入った360度評価シートも効率よく再現可能です。普段からExcelに慣れている方なら作業もスムーズに進められるでしょう。
メリット | デメリット |
・フォームからの自動連携が可能 ・関数を使って集計・分析を効率化できる ・オンラインで運用できる |
・高度な関数知識が必要になる ・スプレッドシート自体は匿名性を持っていない ・管理が煩雑になる可能性がある |
無料ツールで360度評価を運用する4つのステップ
無料ツールで360度評価を運用する大まかな流れは、以下のとおりです。
- アンケート項目を決める【サンプル有】
- Googleフォームでアンケートを作成する
- 集計用のスプレッドシートを作成する
- Googleフォームでアンケートを配信する
評価はGoogleフォームで行い、集計でGoogleスプレッドシートを使用します。詳しい作成方法を以下で解説します。
①アンケート項目を決める【サンプル有】
360度評価を運用する上で、アンケート項目は重要なポイントです。アンケート項目は360度評価を実施する目的をふまえ、「誰に」「何を聞くか」を設計していきます。
また、アンケート項目は「管理職」を対象とするか「一般職」を対象とするかでも変わってきます。一般的に管理職に対してはマネジメントに関する項目、一般職に対しては業務遂行能力に関する項目を設定するとよいでしょう。
アンケートは評価者が回答しやすいように10問程度にし、少なくとも15分程度で回答できる量が理想的です。質問項目が多すぎると、アンケートの回収数や結果の正確性に支障をきたす恐れがあります。
標準的な360度評価アンケートでは、「○○○ができているか」という質問に、「非常によい」~「非常に悪い」までの5段階の尺度で回答するのが一般的です。
目標達成
- 目標達成に向けて自らが前向きに取り組めているか
- チームや部門全体にポジティブな影響を与えているか
- メンバーの目標達成に対し適切な支援を行っているか
リーダーシップ
- チームや部門のビジョンをメンバーに理解させているか
- チームメンバーの強みや弱みを十分理解しているか
- チームが解決すべき課題に対し、具体的なアクションを示しているか
コミュニケーション
- メンバーの意見に耳を傾けているか
- メンバーとの信頼関係を築けているか
- 他のチームや部門と協力し合えているか
目標達成
- 目標達成に向けて前向きに取り組めているか
- チームや部門全体にポジティブな影響を与えているか
- 目標達成のために他者を巻き込んだ取り組みができているか
業務遂行能力
- 課題とアクションプランを明確に持てているか
- 適切な時間配分で業務を遂行できているか
- 広い視野を持ち創意工夫ができているか
コミュニケーション
- 他者や他部門と協力し合い業務を遂行できているか
- 問題が生じた際に速やかに報告ができているか
- メンバーとの信頼関係を築けているか
②Googleフォームでアンケートを作成する
アンケート項目が決まれば、実際にGoogleフォームで360度評価用のアンケートを作成します。アンケート作成のステップは以下のとおりです。
フォームタイトルの設定
Googleフォームから新規のフォームを作成し、フォームタイトルを入力します。後から検索しやすいように、フォームタイトルのルールを決めて統一すると良いでしょう。
<例>
ふ_藤井健_〇〇期_360度評価
各項目の作成
各項目を「質問のタイプ」「質問文」「選択肢」で設定します。必須チェックも忘れないようにしましょう。
尺度で聞く質問は「選択式(グリッド)」を選ぶと作成できます。このとき、アンケートの選択肢をあらかじめ「数値」にしておくと、あとの集計が楽です。
回答記録用スプレッドシートの作成・管理
次に回答記録用のスプレッドシートを作成します。集計作業で使用するため、回答記録用スプレッドシートのURLをメモしておきましょう。Googleフォームは簡単に複製できるので、必要な人数分作成すると便利です。
③集計用のスプレッドシートを作成する
別でアンケート結果を集計するための集計用スプレッドシートを作成します。なぜなら、回答用スプレッドシートではアンケート結果を貯めることはできても、数式を使った自動集計はできないからです。
集計用スプレッドシートの完成版のイメージは、以下の通りです。
赤枠で囲った箇所のデータは、アンケート回答用のスプレッドシートから「IMPORTRANGE関数」で自動引用しています。「IMPORTRANGE関数」は、集計の効率化に便利な関数です。少し難しいかもしれませんが、これを機にチャレンジしてみましょう。
集計用スプレッドシート作成の手順は、以下の通りです。
IMPORTRANGE関数を設定する
IMPORTRANGE関数は、指定した別のスプレッドシートからセルの範囲を読み込める関数で、Excelにはないスプレッドシート独自の関数です。基本的な数式は「=IMPORTRANGE(“スプレッドシートキー”, “範囲の文字列”)」となります。
スプレッドシートキーにはスプレッドシートのURLを入力しましょう。評価者がアンケートに回答すると、回答用スプレッドシートから自動的にデータが読み込まれ反映されます。
【Tips】IMPORTRANGE関数でオートフィルを使って時短
IMPORTRANGE関数は集計を自動化できて便利な反面、オートフィルが効かないという欠点があります。オートフィルとは、数式をコピーするとセルも書き換えてくれる機能です。
IMPORTRANGE関数では、範囲の文字列をダブルクォーテーションで囲むため、オートフィルが無効になってしまいます。
この欠点を解消するには、オートフィルが効く状態でコピーしてから、置換で数式を元通りに直す方法が有効です。
詳しい手順は以下のとおりです。
- 数式がきちんと動くか動作確認をする
- 動作確認後、ダブルクォーテーションを外して数式をコピーする(オートフィルが効く)
- ダブルクォーテーションの前にある「,(カンマ)」を「,”」に置換する
- ダブルクォーテーションの後にある「)」を「”)」に置換する
スプレッドシートで数式を置換する際は、「数式内も検索」にチェックを入れるのを忘れないようにしましょう。
④Googleフォームでアンケートを配信する
ここまでで360度評価を運用する準備が整いました。あとはGoogleフォームに戻り、アンケートを配信するだけです。送信ミスには注意し、あらかじめカンマで区切ったメールアドレスのセットをExcelなどで準備しておくとよいでしょう。
以上のようなステップを踏めば、無料ツールでも360度評価を運用できます。しかし、評価は従業員の数だけ行わなければなりません。5人に対して5人が評価するだけでも、25枚もの評価シートとその集計が必要です。
従業員数が多い企業ほど、かえって非効率になる恐れもあります。効率化を目的にツールを活用したいのであれば、有料の360度評価ツールを導入するのがおすすめです。
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4.無料の360度評価ツールを使う際のデメリットや注意点
「まずは無料で360度評価を試したい」という企業にとって、GoogleフォームやGoogleスプレッドシートのような無料ツールは非常に魅力的な選択肢です。しかし、無料であるがゆえに生じるデメリットや注意点も存在します。
これらの点を理解せずに導入を進めると、かえって手間が増えたり、期待する効果が得られなかったりする可能性があるでしょう。
フォームやシート作成に工数がかかる
無料のツールは、360度評価に特化して設計されていません。実際に運用できる形に整えるには、時間と労力がかかります。
たとえば、評価項目を自社で一から考案し、フォームに手動で入力する必要があります。また、誰が誰を評価したのか、正確にデータを紐付けるための仕組みも自分たちで作らなければなりません。
さらに、複雑な関数を用いた集計用のシートも独自に作成する手間がかかります。
レポート作成も同様で、そのレイアウト設計からデータ抽出、グラフ作成など、作業量が膨大になるでしょう。
ミスが生じやすい
無料ツールは、あくまでプラットフォームの提供です。アンケート項目の設定や配布、集計は手作業で行う必要があり、ヒューマンエラーのリスクがあります。加えて、ミスに気づきにくく、回答者側に指摘されてはじめて気づくケースもあるでしょう。
管理するフォームやスプレッドシートが増えると、保存先や参照先のミスが起きやすくなり、連携トラブルに繋がります。
また、Googleスプレッドシートで起こりやすいものに、共有設定(アクセス権限)のミスがあります。
Googleツールはクラウドなので、共有できる点がメリットですが、一方で、アクセス権限がうまくコントロールできないと、匿名性も担保できなくなるため注意が必要です。
360度評価の運用でミスが起こると、評価結果の信頼性を損なうだけでなく、従業員からの不信感を招く恐れもあるため、細心の注意を払いましょう。
他のシステムと連携しにくい
無料の360度評価ツールは、基本的に独立した単一の機能を提供します。アンケートの配信と集計に特化しているため、そのデータを他のシステムで利用するには別途作業が必要です。
たとえば、アンケートの進捗が芳しくない際、リマインドなどはメールやチャットツールで別途行う必要があります。また、従業員情報、評価履歴、研修履歴、目標管理データなど、さまざまな人事情報を一元的に管理することはできません。
360度評価のデータは独立したものとなり、横断的な分析や人材戦略への活用には手間がかかります。
集計結果を人事担当者が手作業で確認し、個別の施策につなげる必要があるため、360度評価の結果を継続的な人材育成や組織開発に十分に活かせない可能性があります。
運用が属人化する恐れがある
とくに、Googleスプレッドシートの関数など、特定の担当者のスキルに依存する場合、運用が属人化する恐れがあります。
また、試行錯誤しながら構築した運用フローや、独自の集計ロジック、トラブルシューティングのノウハウなどを適切に文章化・標準化できないと、他の担当者への引き継ぎが困難です。
これまでの担当者が異動や退職をした場合、その後の運用が滞ったり、評価プロセスが中断したりする事態も起こり得るでしょう。新たな担当者は、一から運用方法を理解し直す必要があり、多大な時間と学習コストが発生します。
属人化は、運用の継続性や安定性を脅かすだけでなく、組織全体の業務効率やリスクマネジメントの観点からも大きな問題となるのです。
サポート体制が手薄い
無料のツールには、有料ツールにあるようなベンダーによる専門的なサポートが期待できません。
フォームの設定方法がわからない、スプレッドシートの関数がうまく機能しない、データが正しく表示されないといったトラブルが発生した場合、基本的に自力で解決する必要があります。
Googleのヘルプドキュメントやオンラインコミュニティを参照しても、360度評価という特定の運用における具体的な解決策が見つからない場合もあります。
また、360度評価を効果的に運用するためのコツや、評価項目設計のアドバイス、フィードバック面談の進め方といったノウハウ提供は受けられません。全て自社で試行錯誤しながら、構築する必要があることを覚悟しましょう。
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5.有料版の360度評価ツールを使うメリット
無料ツールでも360度評価を試行できますが、本格的な運用やより高い効果を目指すのであれば、有料の360度評価ツールを使うのがおすすめです。費用はかかりますが、それ以上の大きなメリットを得られるでしょう。
運用をさらに効率化できる
無料ツールでは手作業が必要な部分も、有料ツールであれば徹底的に自動化・効率化され、人事担当者の業務負荷を大幅に軽減できます。たとえば、有料ツールでは以下の操作が可能です。
できること | 概要 |
360度評価用のテンプレート | 360度評価用のテンプレートをベースに、自社の評価シートにあわせてカスタマイズも可能 |
回答進捗確認 | 評価項目への記入状況など、評価シートの提出状況を可視化できる |
督促メール一斉送信 | 評価対応の進捗を確認し、「未対応」の対象者に絞り込んだ上で、対応催促メールを送信できる |
評価フィードバック | 目標と評価情報が紐付けられおり、過去データも一元化されているためフィードバックが簡単 |
360度評価で発生する各種業務をツール内で一元化できるため、運用をさらに効率化でき、運用担当者の負荷を大幅に軽減できるでしょう。
アクセス権を簡単に設定できる
360度評価データは、非常に機密性の高い個人情報です。加えて、360度評価を正しく運用するには、匿名性の確保が重要となります。
有料ツールでは、データの項目ごとに閲覧・編集する権限を細かく設定できます。各評価者の権限設定もできるため、より公平かつ客観的な評価が可能になるでしょう。
また、被評価者と評価者の紐づけ設定ができるツールもあるため、人事異動があった際にもシステム側で設定を変えるだけで済みます。
適切なアクセス権限設定により、情報の機密性を保ちつつ、必要な人が必要な情報にのみアクセスできる環境を構築でき、運用における信頼性と安全性が向上します。
他システムと連携しやすい
有料の360度評価ツールの多くは、既存のHR関連システムや労務管理システム、チャットツールなどとの連携機能を標準装備しています。たとえば、チャットツールと連携できれば、アンケートの通知やリマインドをチャットツールにも配信できるでしょう。
システム連携により、バラバラに管理されていた人事データを統合し、人材情報を一元的に把握することで、戦略的な人事施策立案の精度を高められます。
タレントマネジメントなどの他機能も使える
有料ツールには、アンケート機能だけでなく、人材データベースやタレントマネジメントなど複数の機能を兼ね備えたものもあります。
たとえば、総合的な人材データ管理が行えるツールであれば、360度評価のデータに加え、目標管理やスキル管理、サーベイや学習履歴などの多様な人材データを一元管理できます。
360度評価の運用自体はアンケート機能だけで問題ありませんが、他の情報と組み合わせることで、対象となる従業員をより深く理解でき、評価後のフィードバック面談の精度も高められるでしょう。
これにより、360度評価を単なる評価イベントで終わらせず、人材の採用から育成、配置、定着までを一貫してマネジメントできます。
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6.有料版の360度評価ツールの導入に迷った際の判断基準
有料版の360度評価ツールを導入すべきかの判断が難しいという声も聞かれます。現状、紙メインで360度評価を運用しており、まずは無料でツールを試してみたいという場合にはGoogleフォーム・スプレッドシートに移行するのがおすすめです。
ただし、以下の場合には、有料ツールの導入を検討する価値があるでしょう。
- 評価シートの枚数が100枚を超えている
- 360度評価にかけている工数が年間200時間以上
評価シートの枚数が100枚を超えている
管理しているExcelやスプレッドシートの枚数が、現時点で100枚以上ならば有料版の検討がおすすめです。仮にファイルの作成から回収、集計までの延べ工数を2時間とすると、管理業務だけで200時間以上かけている計算になります。
ファイル管理は本来の業務とは異なるノンコア業務です。負担の増加によってヒューマンエラーが起こると、匿名性が担保できない恐れもあります。
ファイル管理の手間を削減することは、360度評価の匿名性や質を高めることに直結します。管理するファイル・シート数が多く評価業務の負荷が大きい場合には、有料ツールの導入で負担を軽減しましょう。
360度評価にかけている工数が年間200時間以上
現在360度評価にかけている工数が年間で200時間を超える場合も、有料ツールの導入を検討しましょう。
実際に、360度評価ツールの導入によって、工数が8分の1になったケースもあります。
評価運用にかかる工数の削減によって、人事担当者は本来注力すべき戦略的な業務に、より多くの時間と労力を使えます。
また、有料ツールは自動化・効率化のための機能が充実しています。
無料ツール | 有料ツール | |
テンプレート | × | ○ |
カスタマイズ性 | × | ○ |
オンライン運用 | ○ | ○ |
アクセス権限の設定 | △ | ○ |
他システムとの連携 | × | ○ |
レポートの自動作成 | × | ○ |
クラウドシステムの利用料金は月額4~5万円ほどなので、工数削減効果が利用料を上回るケースがほとんどです。
導入の決め手を得るためにも、現在360度評価の運用にかかっている工数と有料ツールを導入した際の費用対効果を算出してみましょう。
工数の算出方法
まずは、360度評価の工程を洗い出しましょう。
工程の例
・評価項目の決定
・質問項目の設定
・周知
・評価シート配布
・評価シート入力
・評価シート回収
・集計・レポーティング
・フィードバック
それぞれの工程にかかる業務時間(工数)を書き出し、合計します。年2回360度評価を行っている場合は、2倍にすれば年間の合計工数を算出できます。
年間の合計工数が200時間以上であれば、有料ツール導入の目安を満たしていると考えてよいでしょう。
費用対効果の算出方法
工数が算出できれば、費用対効果も算出してみましょう。削減が見込める工数を金額換算することがポイントです。工数を時給に換算し、掛け合わせるのが一般的な算出方法となります。
計算に必要なのは、「年間の合計工数」と「従業員の平均時給」です。
工数を8分の1に減らせた場合の年間コストの削減効果は、以下のようになります。
算出例 |
{200時間-(200時間÷8)}×5,000円=875,000円 |
ここで算出したコストはあくまでシミュレーションです。どの程度の工数を減らしたいかを決め、費用対効果を逆算することで導入効果も振り返りやすくなります。
有料版の360度評価ツールを検討する際には、無料トライアルを利用してみるのもおすすめです。実際にシステムを動かし、操作性や運用方法を確認すれば、導入効果がイメージできるでしょう。
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7.有料版の360度評価ツール選ぶ際のポイント
有料版の360度評価ツールを選ぶ際は、目的や期待する効果を得られるかがポイントです。360度評価ツールの導入によって、どのような課題を解決したいのかを明確にしておくことで、必要なツールが洗い出せます。
以下の項目から、自社の目的や期待する効果が得られるツールかをチェックしてください。
- セキュリティ性が十分か
- システム連携ができるか
- 評価シートを柔軟に追加編集できるか
- 集計、分析機能があるか
- サポート体制が充実しているか
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8.無料テンプレートの活用とカスタマイズ方法
ここでは、管理職用と一般社員用、2種類の360度評価シートのテンプレートを用意しました。エクセル版とPDF版の2種類があります。
エクセル版がおすすめの方 | 項目を編集して使いたい |
PDF版がおすすめの方 | そのまま印刷して使いたい |
テンプレートの活用によって、評価シート作成の手間を削減できます。ただし、配布や回収、集計は効率化できないため、この点も含めて効率化したい場合には、アンケートツールや360度評価ツールの導入を検討しましょう。
【管理職用】360度評価シート
管理職用の360度評価シートは、リーダーとしての素質と実務能力を評価するための項目が記載されています。
- 目標達成志向
- 問題解決力
- コミュニケーション
- リーダーシップ
- 人材育成
- 組織づくり
各領域に詳細な項目が設定されています。領域と項目は自社の経営目標やコンピテンシーに合わせて、柔軟にカスタマイズして問題ありません。
【一般社員用】360度評価シート
一般社員用の360度評価シートは、一般社員としての振る舞いや実務能力を評価するための項目が記載されています。
主な評価領域は以下のとおりです。
- 目標達成志向
- 問題解決力
- コミュニケーション
- リーダーシップ
- 主体性
- 実務遂行力
管理職用シートと同様に、自社の評価基準などに合わせてカスタマイズできます。
9.カオナビの360度評価機能
人事評価システム「カオナビ」は、360度評価運用の自動化・効率化を実現する機能を搭載しています。カオナビは操作性が抜群で、「マニュアルいらず」で誰もが使える人事評価のクラウドシステムです。
360度評価のほか、目標管理(MBO)やOKRといった他の評価にも対応しています。
カオナビ内には360度評価用のテンプレートもあり、それをベースに自社の評価シートにあわせてカスタマイズも可能です。評価者の権限設定もできるため、より公平かつ客観的に評価できるでしょう。
360度評価の運用を効率化する機能「Voice Note」
カオナビには、アンケート機能「Voice Note」が搭載されています。「Voice Note」を使えば、360度評価のアンケートを効率よく運用可能です。
回答の進捗一覧や催促メールの一斉送信、送信後の管理、集計作業の手間を軽減する機能が標準搭載されています。
Slackと連携した通知も可能で、コミュニケーションコストも削減できるでしょう。さらに、匿名アンケート機能もあるため、匿名性も担保されます。
カオナビ利用までの流れ
カオナビ利用までの流れは以下のとおりです。
- 資料請求・問い合わせ
- 無料トライアル、デモ(オンラインも可能)
- 見積もり
- 申し込み
- アカウント発行
- 利用開始
無料デモでは、オンラインまたは訪問によって機能デモの説明を受けられます。実際の画面を見ながら、「カオナビでどのようなことができるのか」を聞いたり、質問したりが可能です。
無料トライアルでは、カオナビのテスト環境にログインして、実際の画面操作を体験できます。
「カオナビの概要を知りたい」という方のために、3分でカオナビがわかる製品資料をご用意しております。
この記事を読んで、カオナビに少しでもご興味を持たれた方は、ぜひご覧ください。無料ですぐにダウンロードできます。⇒ こちらから
10.360度評価 ツール無料のQ&A
ここでは、360度評価のツールに関するよくある質問に回答します。
Q1.360度評価に使える無料ツールはありますか?
「Googleフォーム」と「Googleスプレッドシート」が利用できます。これらはクラウドツールなのでオンライン運用が可能です。詳しくは記事内で紹介していますので、参考にしてください。
また、有料ツールの無料トライアルを利用する方法もあります。カオナビでは、無料のデモ体験・トライアルを提供していますので、ぜひ活用を検討してください。
Q2.ツールを利用しないと評価運用は厳しいですか?
360度評価の運用負荷は大きいものです。たとえば、被評価者10名を別の10名が評価する場合、合計100枚の評価シートを管理しなければなりません。
手作業では非効率なだけでなく、管理が煩雑になり、評価エラーが発生しやすくなります。360度評価の質も低下するでしょう。
そのため、ツールを利用して評価フローを効率化・自動化することが望ましいといえます。
Q3.安い有料ツールはありますか?
人事評価システム「カオナビ」は、初期費用がゼロで、利用人数に応じた月額制の料金システムです。低コストで始められるため、導入しやすいのが魅力です。
無料デモ体験やトライアル体験を活用すれば、360度評価に関するツールやテンプレートも自由に試せます。コストを抑えたい方は、ぜひ利用をご検討ください。
11.まとめ
360度評価ツールは、運用工数が膨大な360度評価のフローを自動化・効率化できるシステムです。360度評価の精度を高め、運用者の負担を軽減するには360度評価ツールの導入がおすすめです。
ツールの導入には初期費用や月額利用料がかかります。「まずは無料で試したい」という場合には、無料クラウドツールである「Googleフォーム」と「Googleスプレッドシート」が活用できます。しかし、360度評価の運用に特化したツールではないため、効率化には限界があるでしょう。
評価シートの枚数が100枚を超えていたり、評価にかけている年間工数の合計が200時間以上であったりする場合は、有料ツールの導入を検討してください。
人事評価システム「カオナビ」は、360度評価に関する機能やテンプレートを備えています。導入によって、運用工数が8分の1になったケースがあるほど、効率化が可能です。
無料デモ体験やトライアルで試せる上に、初期費用がなく、利用人数に応じた月額制の料金システムという点でもおすすめです。