KPIツリーとは?【分解の仕方】作り方、KGI・KPIの具体例

KPIツリーとは、KGI(重要目標達成指標)を頂点に置き、その達成に必要なKPI(重要業績評価指標)を階層構造で可視化したフレームワークです。四則演算で要素を分解し、先行指標と遅行指標を整理することで、目標達成までのプロセスとボトルネックが一目でわかります。

本記事では、KPIツリーの基本構造・KGI/KPIとの関係性・作成の4つのポイント(四則演算・単位設定・先行指標化・重複排除)・具体的な作成事例までを体系的に解説します。

この記事のポイント
KPIツリーは、KGI(重要目標達成指標)を頂点とし、そこに至るまでのKPI(重要業績評価指標)を階層的に可視化した図です。KGIを因数分解して関連するKPIを整理することで、目標達成へのプロセスが明確になります。指標は数値化・計測可能なものを選び、先行指標を重視することがポイントです。同一要素の重複を避け、四則演算で構築することで精度が高まります。組織全体の共通理解やボトルネックの把握、施策の検証にも役立ちます。
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1.KPIツリーとは?

KPIツリーとは、KGI(組織の最終目標)を頂点に、その達成に必要なKPIを枝分かれさせてツリー状に可視化したもので、目標達成までの構造と各指標の関係性を一目で把握できるフレームワークです。

KPIとは、Key Performance Indicatorの頭文字を取った言葉で組織目標達成の度合いを定義する「ものさし」のこと。この小さな「ものさし」を一つ一つ達成していくことでKey Goal Indicatorの頭文字を取ってKGIと呼ばれる組織の大目標を実現します。

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KPIツリーは、KGIという組織や企業の大目標を頂点として、大目標実現のために構成されたKPIとの関係性を、ツリーの形状を使って可視化したものです。

KPIツリーを例から考える

最終的な目標であるKGIに「売上金額」を設定したとしましょう。「売上金額」達成のためには、「受注数」「顧客単価」を上げる必要があります。

まだこの段階では、具体的なアクションにつながる手掛かりが見えませんので、「受注数」「顧客単価」を上げるために必要なアクションは何かをブレイクダウンして考えます。

そこから考えられた、

  • 商談数
  • 受注率

がKPIとなるのです。

KPIが設定できれば、あとはアクションプランを作成するだけ。

  • テレアポ数
  • アポ獲得率
  • 決裁権者アポ率
  • 複数回訪問率

といったものが、組織の具体的なアクションプランとなります。

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2.KGI・KPIとは?

KGI(重要目標達成指標)とは特定期間の最終目標を数値化した指標であり、KPI(重要業績評価指標)とはKGI達成度を測定・監視するための中間指標のことです。

KGIとKPIの違い一覧

項目 KGI(重要目標達成指標) KPI(重要業績評価指標)
位置づけ 最終目標 中間目標
英語 Key Goal Indicator Key Performance Indicator
具体例 年間売上1億円、採用数100人 月間商談数50件、受注率20%
特徴 期間内に達成すべきゴールを数値化 KGI達成に向けた進捗を定量的に測定
指標の性質 遅行指標(結果指標) 先行指標(プロセス指標)

KGIとは?

KGIとは特定の期間において、「何を」「どれくらい」達成するのかといった最終目標を数値で指標化したもので、日本語では「重要目標達成指標」という意味に解釈できます。Key Goal Indicatorの頭文字を取ってKGIと呼ばれているのです。

たとえば「業界でNo.1の企業になる」という目標を立てても、そのままでは漠然としているため、達成せずに終わってしまうでしょう。

そこで「今年度の売り上げ(=何を)を、1兆円(=どれくらい)まで引き上げる」といった具体的な指標として、KGI(重要目標達成指標)を設定するのです。

ここが明確になることで、従業員は目指すところがはっきりし、何をすれば目標が達成できるのか具体的に考えられるようになります。

中間指標に当たるKPI(重要業績評価指標)とともに使われ、最終的な売り上げ・利益・顧客数などが設定されるのです。

KPIとは?

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、日本語に訳すと「重要業績評価指標」という意味になります。KPIとは目標の達成度合いを計測・監視するための定量的な指標のこと。

たとえば、営業部門でよく使われるKPIの一例に、

  • 訪問件数
  • 受注件数

などがあります。受注件数というKPIが達成できれば、おのずと売上高や売上件数といった個人や組織の目標を達成できるでしょう。KPIは数値で指標化され、KGI(重要目標達成指標)の中間指標として、重要な役割を果たします。

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KGIとKPIの違い

重要業績評価指標であるKPIは、いうなれば「中間目標」。また、重要目標達成指標であるKGIは「最終目標」となります。

つまり中間地点の評価指数であるKPIが達成されなければ、最終目標であるKGIは未達となるのです。

しかし、実際の人事マネジメントの現場では、イレギュラーなケースも生じます。それは、KPIが達成されないにもかかわらずKGIが達成されるケースもしくはその逆です。

このような事態を起こす原因として考えられるのは、KPIの設定間違い。そうでなければ、外部環境の激変が要因と考えられます。

人事マネジメントを行う際には、KGIとKPIの関係性を丁寧に考察しましょう。

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3.KPIツリーを作る目的、メリットとは?

KPIツリーを作る目的・メリットとは、最終目標と具体的アクションの関係を可視化し、ボトルネックの特定・施策の効果検証・組織全体の共通理解を実現することです。

KPIツリーを作成する主なメリット

メリット 内容
現状把握 目標と現在の数値のギャップを可視化できる
ボトルネックの特定 どのKPIが未達なのかを構造的に把握できる
施策の効果検証 個別施策がKGIにどう影響したか検証しやすくなる
組織全体の共通理解 経営層から現場まで同じ指標体系で目標を共有できる

KPIツリーを作成すると、企業目標と組織や従業員の関係性を浮き彫りにできます。KPIツリーの作成によって、最終目標の内容やそれを達成するための思考やアクションが一目瞭然になるからです。

KPIツリーを下部に位置する具体的なKPIから考察すれば、施策の検討や実行がもたらすKGIに対する効果検証にも役立てられるでしょう。KPIツリーを多角的に捉えることで、事業や会社全体の成長を促進できるのです。

KPIツリーの重要性

KPIツリーをつくらなかった場合、

  • ボトルネックとなっている問題が分からない
  • 具体的な施策を考えるのが難しい
  • 施策の効果検証ができない

などが生じ、企業の組織運営に支障をきたします。問題を整理しきれないと、ボトルネックとなっている問題が見つけられないのです。

また、目標とアクションプランとの関係性への理解が不足するため、具体的施策の組み立てもできません。具体的施策が目標達成に対してどんな効果を生み出したかといった検証も不可能になります。

組織目標を設定してもKPIツリーを作成しなければ、隅々までその意図が伝わらずに終わってしまうのです。

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4.KPIツリーのつくり方

KPIツリーのつくり方とは、四則演算で要素を分解し、単位を揃え、遅行指標から先行指標へ分解し、KPIになり得ない要素を排除する4つのポイントに沿って構築する方法です。

KPIツリー作成の4つのチェックポイント

チェック項目 内容 確認方法
四則演算で組み立てられているか KPIを足す・引く・掛ける・割るの関係で構成する 数値を入れて確かめ算を実施
単位が揃っているか KGIとブレイクダウンしたKPIの単位の論理が一致している 「人」「%」「円」等の単位を記載しながら作成
先行指標になっているか KPI側は先行指標、KGI側は遅行指標になっている ツリーの上流ほど遅行・下流ほど先行であることを確認
要素が重複していないか 同じ意味や類似したKPIが重複して設定されていない MECE(モレなくダブりなく)の観点でチェック

企業や組織の目標実現の鍵を握っているKPIの作成ポイントは、いくつかあります。KPI作成において重要な4つの視点を解説しましょう。

①四則演算できる要素で組み立てる

KPIは、

という四則演算できる要素で組み立てます。大目標であるKGIを達成するには、KPIそれぞれをどのように達成すればよいのかの把握が必要となるからです。

組織内日々のKPI管理にお勧めなのは、エクセルシートでしょう。また、管理といっても、難しく捉える必要はまったくありません。

  • 「=A×B」
  • 「=C+D」

といったシンプルな関数を用いても、KPIの集計作業はできます。

エクセルシートを活用しながらKPIで設定した数値を日々積み重ねて、累積したKPIの集大成がKGIの数値達成につながるようにするのです。そう考えるとKPIは、四則演算できるシステムがよいといえます。

具体例

KGIに「採用数」と設定したとしましょう。

「採用数」の目標数値を100人とした場合、内定辞退率を10%と見積もれば、採用活動における内定者数は110人必要になります。もし内定辞退率を30%と設定した場合には、求人応募数を130人確保する必要があります。

その際、

  • 求人サイトA
  • 求人サイトB
  • 自社採用HP

という3つのツールを設定すれば、

  • 求人サイトAと求人サイトB:40人ずつ
  • 自社採用HP:50人

と見積もることが可能です。

この数値構成は、組織の状況を考慮して随時変動できます。応募率や内定率が高いと見積もった際は、母集団の数を減らしてもよいでしょう。逆に、応募率や内定率を低く見積もれば、母集団を大きくしなければなりません。

②単位を設定する

KPIツリーを作成する際、単位の設定は重要です。併せて、KGIの単位とブレイクダウンしたKPIの単位の論理が揃っていることもポイントとなります。

その理由は、

  • KPIツリーがKGIを頂点として作成されたもの
  • KPIが数値的管理を可能とする

KPIの要素を掛け合わせていった結果が母数要素の単位になります。実際に単位が合っているか、数値を入れて計算してみるとよく分かるでしょう。

言葉や概念だけでブレイクダウンしてしまうと、最終確認時、四則演算が合わない場合も想定されます。KPIツリーを作成する際はKPIの具体的内容とともに単位も一緒に記載しながら作成しましょう。そして最後に数値を入れて確かめ算をすると、ミスが少ないです。

具体例

単位をどのように揃えるのか、具体的な例で説明しましょう。まず、基本単位の確認です。

  • 採用数などの人数なら「人」
  • 内定率などの割合なら「%」

を基本の単位とします。

足し算へ分解した場合には、「内定者数(人)=内定辞退者数(人)」といったように単位が揃います。掛け算の場合でも考え方は同様です。内定者数(人)×内定受託率(%)といったように、結果は分解元の単位と同じになります。

状況によっては、数値的での表記が難しいKGIもあるでしょう。「ロイヤリティの高い人材を採用する」といったKGIでは、単位を見つけ出すことが困難です。この場合は、何か特定の行動を「ロイヤリティ」に見立てましょう。

特定の行動が1つ確認できたらロイヤリティに1ポイントを加算、といった仕組みを構築すると、数値化を実現できます。単位を揃えれば、KPIツリーに論理的矛盾は生じません。KPIツリーを作成したら、単位が揃っているかチェックしてみてください。

③分解する要素を遅行指標から先行指標に

分解する要素を遅行指標から先行指標にすることもポイントです。

  • 遅行指標:物事の後になってついてくる指標
  • 先行指標:物事の先に立って物事を引っ張っていく指標

KGIに近いほど遅行指標であることが求められます。しかしKPIにおいては、先行指標でなければなりません。下図を見ると、KGIである「採用数」は、先行指標であるKPIの実践によって集まったデータの蓄積を合算していますが、遅行指標となっています。

KPIツリーを作成した際はKGI側に近ければ遅行指標に、KPIに近ければ先行指標となっているか確認しましょう。整合性が取れているKPIツリーは、精度の高いKPIツリーといえます。

④KPIになり得ない要素に注意する

下記は、KPIとして利用できる要素です。

  • 具体的に数値化できる指標
  • 計測が可能な指標
  • チーム内で合意できる指標
  • KGIとの関連性を持つ指標
  • 明確な期間設定が可能な指標

これらに当てはまらない要素を取り入れたKPIツリーは、満足な効果を発揮しにくくなります。上記以外のKPIになり得ない要素がKPIツリーに使用されていないか注意しましょう。

⑤要素を重複しないことが原則

KPIツリーの作成には、原則、同じ要素を重複して用いません。KPIツリーの効果を最大限享受するには、同じ意味もしくは類似したKPIの設定を避けます。しかし、これはあくまでも原則ですので、例外も存在します。

場合によっては、KGIを達成するための手段や経路が複雑なものとなることも。こうした状況下では先行指標に重複する要素を取り入れることもあるでしょう。

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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて   など

5.KPIツリーの作成手順

以下にKPIツリーの作成手順をまとめています。

STEP.1
KGI(最終目標)を設定する
特定の期間内に達成すべき最終目標を、具体的な数値と単位で定義する(例:年間売上1億円)
STEP.2
KGIを構成要素に分解する
KGIを四則演算で分解し、第1階層のKPIを設定する(例:売上=受注数×顧客単価)
STEP.3
KPIをさらに先行指標へブレイクダウンする
各KPIをより具体的なアクション指標へ分解する。下位ほど先行指標となるよう設計する(例:受注数=商談数×受注率)
STEP.4
単位と整合性を検証する
すべてのKPIに数値を入れて確かめ算を行い、単位が揃っているか・重複がないかをチェックする
STEP.5
担当者と目標値を割り当てる
各KPIに責任者・目標数値・計測タイミングを設定し、日常のモニタリング体制を構築する

6.関連する改善事例

以下では、本テーマに関連する企業の取り組み事例を紹介します。

【事例】富士フイルムメディカル ― スキルマップで育成指標を整備

技術スキルの数値化とオープンな技能管理で、フェアな人事評価を実現しています。以前は研修項目・対象者ごとに管理方法が異なり、手作業での工数が膨大でした。カオナビで技術者一人ひとりのスキルを可視化し、1on1で合意形成しながら求められるスキルを具体的に落とし込む運用を確立しました。全社で最新の技能情報を共有できる環境が整い、スキルに応じた適正配置と社員のキャリア形成支援にも活用を広げています。技術者のスキルアップ意欲を高める評価の透明性が、採用競争力の向上にも貢献しています。

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【事例】良品計画 ― 適材適所の人材配置を可視化

国内外900超の店舗における適材適所の人材配置を、データの一元管理で実現しています。良品計画(従業員約20,000名)では「人が第一」の理念のもと、カオナビで社員のスキル・経験・キャリア志向を可視化し、評価・育成・配置を連動させる仕組みを構築しました。異動が頻繁に発生する大規模小売組織において、次世代リーダーの早期発見と計画的な育成にもデータを戦略的に活用しており、約20,000名の社員一人ひとりの強みを組織の成長につなげる人材マネジメントの高度化を推進しています。

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【事例】グローバルキッズ ― 離職率改善で経営判断を支援

カオナビ活用2年半で、職員2,439名の従業員満足度が向上し、離職率は全国平均以下にまで改善しています。グローバルキッズは116施設・6,000人の子どもを預かる保育事業者で、平均年齢29歳の若い組織を運営しています。東京・横浜から大阪へと事業を拡大する中で、カオナビを活用した人材マネジメントにより保育業界の課題である高離職率の改善と職員エンゲージメントの向上を実現し、優秀な保育士の定着と採用力強化にも寄与しています。今後も施設拡大を続けながら保育の質と職員満足度の向上を両立させる方針です。

→ 事例の詳細を見る

よくある質問

KPIツリーの作成にどのようなツールを使えばよいですか?

日々のKPI管理にはExcelシートが手軽でおすすめです。「=A×B」「=C+D」といったシンプルな関数で集計でき、数値を積み重ねてKGI達成を追跡できます。より高度な管理には、プロジェクト管理ツールやタレントマネジメントシステムを活用すると、部門横断の可視化やリアルタイムの進捗共有が可能になります。

KPIを設定したのにKGIが達成されない原因は何ですか?

主な原因はKPIの設定ミスか外部環境の急変です。KPIが達成されてもKGIが未達となる場合、KPIとKGIの因果関係が正しく設計されていない可能性があります。逆にKPIが未達でもKGIが達成されるケースもあり、いずれの場合もKPIツリーの構造自体を見直す必要があります。

KPIツリーはどのくらいの頻度で見直すべきですか?

基本的には四半期に1回、KPIとKGIの関係性を検証するのが望ましいです。事業環境が大きく変化した場合や、KPIの達成状況とKGIの進捗に乖離が見られた場合は、その都度見直しましょう。KPIツリーは一度作成して終わりではなく、PDCAの中で継続的に精度を高めていくものです。