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評価基準とは、人事評価における尺度・水準のことで、公平かつ客観的な評価の土台となる指標です。Adecco Groupの調査では人事評価への不満の第1位が「評価基準が不明瞭(62.8%)」であり、不明確な評価基準は離職や業績低下に直結します。本記事では、評価基準の定義と作る目的、成果・能力・情意・年功の4種類の評価基準と項目の具体例、ステップ別の作り方、運用時の注意事項まで体系的に解説します。
目次
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1.評価基準とは?
評価基準は人事評価の根幹であり、「何をどの程度達成すれば評価されるか」を明示することで従業員の行動指針として機能します。
評価基準とは、評価するための尺度、水準のこと。主に人事評価に用いられるもので、たとえば「どの程度目標を達成できたか」のように成果を評価する基準があります。具体的な基準は、評価対象によってさまざまです。
人事評価制度とは? 目的や仕組み、種類や手法、導入手順を解説
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2.評価基準と評価規準の違い
「基準」は評価の尺度・水準を指し、「規準」は主に教育現場で使われるルール・手本を意味するため、人事評価では「基準」が適切な用語です。
規準とはルールや手本のことで、規範や規則とも言い換えられます。評価規準は主に教育現場で用いられる言葉で、学習状況を的確に評価するために学習指導要領が示す目標達成状況を判断する際の決まりのことです。
尺度を表す基準と異なり、人事評価では用いられない表現となります。
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3.評価基準を作る目的
評価基準を作る目的は、人事評価の適切な運用・モチベーション向上・目標達成度の正確な測定の3つに集約されます。
評価基準を作る3つの目的
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| 人事評価を適切に運用するため | 評価の判断基準を明確にし、恣意的な評価を防ぐ |
| 従業員のモチベーションを上げるため | 頑張りが正当に評価される仕組みをつくる |
| 目標達成度を正しく測るため | 達成の度合いを客観的に判断できるようにする |
評価基準を作る目的は、下記3つです。
①人事評価を適切に運用するため
人事評価は、客観性と公平性が保たれていなければならないもの。評価基準がないと評価に主観が入ってしまうだけでなく、評価者もどこを基準に評価すればよいかわからなくなってしまいます。
そうした評価は従業員からしても不公平であり、努力や成果が正しく評価されない可能性も高いです。客観性と公平性が保たれた適切な評価を行ううえで、評価基準は欠かせない指標といえます。
②従業員のモチベーションを上げるため
何を基準に評価されているかわからないと、従業員も評価内容にも納得できません。明確な評価基準のもと正しく人事評価が運用されていれば、どうすれば評価が上がるのか、何を目指せばよいかがわかります。
それにより、仕事に対するモチベーションも向上するでしょう。またモチベーションを上げるとパフォーマンスも向上し、結果的に企業の利益にも発展します。
③目標達成度を正しく測るため
経営目標を達成するために、部署ごとに目標が細分化され、そこからさらに個人目標が設定されます。つまり評価基準は、個人目標の達成度を正しく測るために必要なものです。
個人目標が達成されれば最終的には部署・企業の目標が達成されるでしょう。しかし達成度がわからないと達成のための改善点がわからず、効率的な達成が目指せなくなってしまいます。
効率的に目標達成するには、達成度の進捗を測りながら軌道修正やアクションの追加が必要です。そして評価基準がその状況を明らかにしてくれます。そのためにも、評価基準は企業全体の目的・目標とリンクしている必要があるのです。
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4.評価基準がない、わからない状態がもたらす悪影響
評価基準の不在は従業員の不満を蓄積させ、パフォーマンス低下・離職増加・業績悪化という負の連鎖を引き起こします。
評価基準の不明瞭さに関する調査データ
| 調査項目 | 結果 |
|---|---|
| 人事評価制度に不満を感じる理由の1位 | 「評価基準が不明瞭」62.8%(Adecco Group「人事評価に関する意識調査」) |
| 会社に伝えなかった本当の退職理由の5位 | 「評価・人事制度に不満があった」(エン転職「本当の退職理由」実態調査) |
評価基準がない、わからない状態では人事評価が適切に運用されず、目標達成度が正しく測定できないうえ、従業員のモチベーションも低下してしまいます。
その結果、従業員のパフォーマンスやエンゲージメントが低下し、業績が悪化するばかりか離職が発生し、企業力自体が低下する恐れもあるのです。
またAdecco Groupが行った「人事評価に関する意識調査」によると、人事評価制度に不満を感じる理由の第1位は「評価基準が不明瞭(62.8%)」。このように不明瞭な評価基準は、人事評価に抱える不満のなかでも影響が大きいとわかります。
参考 「人事評価制度」に関する意識調査Adecco Groupさらに退職理由における調査でも、評価への不満がランクイン。会社に伝えなかった本当の退職理由では、5位に評価への不満がランクインしています。
- 職場の人間関係
- 給与が低い
- 会社の将来性に不安を感じた
- 社風・風土が合わない
- 評価・人事制度に不満があった
本当の退職理由として伝えないだけで、人事評価に不満があって退職につながっている人も多いとわかるでしょう。評価基準は従業員のパフォーマンスやエンゲージメント、ひいては業績や離職にも大きな影響を与えるのです。
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5.評価基準の種類と項目の具体例
成果評価・能力評価・情意評価・年功評価の4種類を組み合わせて多角的に評価することで、公平性と納得感のある評価制度を構築できます。
評価基準4種類の比較
| 評価基準の種類 | 評価対象 | 主な評価項目例 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 成果評価 | 業績・目標の達成度 | 売上達成率、課題解決率、日常業務成果 | 定量的で客観性が高い |
| 能力評価 | スキル・知識の程度 | 企画力、実行力、改善力、リーダーシップ | 適材適所の判断に有効 |
| 情意評価 | 仕事への意欲・姿勢 | 規律性、協調性、責任性、積極性 | 定性的で慎重な評価が必要 |
| 年功評価 | 年齢・勤続年数 | 在籍年数、年齢 | 安定的だが成果主義との両立が課題 |
評価基準には、下記4種類があります。すべての評価をふまえて、賞与や昇給、昇格や降格が決定するため、従業員にとって評価基準は非常に重要です。ここでは、各評価基準の種類と項目の具体例をご紹介します。
①成果評価
評価対象期間における業績や目標の達成度にもとづいて評価するもの。成果評価では、外的要因に左右されない評価が原則です。
主に売上高の目標達成度を測る「業績評価」と目標とした課題解決や組織への貢献度を測る「活動実績評価」のふたつから評価を実施します。
具体的な評価項目は、下記のとおりです。
- 業績目標達成度(業務において設定した目標の達成度を評価):売り上げや利益額、新規契約件数など
- 課題目標達成度(業務における課題をどれだけクリアしたかを測る評価):目標達成率や既存顧客の契約継続率など
- 日常業務成果(目標には結びつかない日常業務の評価):コスト削減額や業務スピード
成果評価におけるポイントは、明確な評価基準となるよう評価対象を数値化すること。結果だけでなく、行動プロセスも評価対象としましょう。
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②能力評価
成果に関係なく、業務を遂行するうえで必要なスキルや知識の程度を「どこまで能力を発揮できたか」「どこまで能力が獲得できたか」測るもの。
主に、職務上必要とされる専門知識やスキルを測る「知識評価」と職務遂行力を測る「習熟能力評価」のふたつから評価を実施します。評価項目の具体例は、以下のとおりです。
- 企画力:現状を変えるような新しいアイデアを創出する能力を評価
- 実行力:どれだけ行動、実践できたかを評価
- 改善力:目標達成に向けて、現状を改善するためにどれだけ行動できたかを評価
- リーダーシップ:部下やチームをどれだけまとめられたか、部下やチームの成長にどれだけ貢献できたかなどを評価
能力評価では従業員のスキルや能力を的確に把握できるため、適材適所や従業員が求められているスキルの把握に役立ちます。
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③情意評価
仕事に対する意欲や姿勢、いわゆる勤務態度を評価するもの。どんなに成果を上げていても、情意評価がよくないと一般的に全体の評価は下がる傾向にあります。
情意評価には、感情や意志が関係するため客観的な評価が難しい項目です。よって評価者には慎重な評価が求められます。評価項目の具体例は、以下のとおりです。
- 規律性:組織のルールを重んじて行動する姿勢を評価
- 協調性:チームで円滑に業務を進めるためのコミュニケーション能力や交渉力を評価
- 責任性:与えられた仕事や役割を最後まで遂行する意思と結果を評価
- 積極性:受動的に業務をこなすだけでなく、自ら提案したり改善のために動いたりする能動的な姿勢を評価
また、勤怠状況や自社の社訓を実現できているかなど、具体的な行動様式を評価項目にする場合もあります。
情意評価とは?【わかりやすく解説】項目例、評価基準
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④年功評価
年功評価はいわゆる年功序列での評価であり、これまで日本企業で多く採用されてきた評価基準です。項目は主に年齢と勤続年数です。
終身雇用制度のなかでは企業が管理しやすい評価基準であり、従業員からしても将来設計が立てやすい、安定した収入が得られやすいといったメリットがあります。
しかし現代では成果・能力主義の企業が増えてきているため、スキルやキャリアに重点をおいた評価に移行しつつあるのです。
近年、働き方の多様化といった観点からも年功評価は減少。時代とともに評価基準も変わってきています。
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6.評価基準の作り方
テーマ決定→評価項目設定→グレード分類→言語化・数値化の4ステップで進め、経営目標とリンクした基準を設計しましょう。
評価基準は、業種や企業スタイルによって適したものを作ることが大切です。「成果評価」「能力評価」「情意評価」3つの評価基準をベースに評価項目を作成しましょう。ここでは、評価基準の作り方をステップ別に解説します。
- テーマを決める
- 評価項目を設定する
- グレードを決める
- 評価内容を言語化・数値化する
①テーマを決める
経営方針や経営目標、事業戦略や経営ビジョンから、評価基準のテーマを決定します。評価の目的は目標達成の度合いを測るためです。最終的な目標は経営目標の達成となるため経営目標とリンクさせましょう。
まずは経営目標を達成するため、業績を上げるために従業員に実現してほしいことを洗い出します。社訓や社是からテーマを決めるのもひとつの方法です。
②評価項目を設定する
「成果評価」「能力評価」「情意評価」の3つをベースに、具体的な評価対象となる評価項目を設定します。明確な目標数値がある営業は成果評価、バックオフィス系では能力や情意評価が重視されるなど、職種によってどの評価が重視されるかは異なります。
部署や職種ごとに職務を明確にしたうえで、適した評価項目を設定するとよいでしょう。
部署として達成すべき目的をふまえ、最終的には企業全体の目標達成にリンクする項目を設定しましょう。正しい評価項目が設定できれば、従業員も目指す場所が明確になるためモチベーション向上にもつながります。
③グレードを決める
次に、評価基準を下記のように3種類のグレード(職務のスキルや役割に応じて期待されるレベル)に分類します。
- 一般グレード:役職のついていない一般従業員
- リーダーグレード:主任や係長などの中間管理職
- マネジメントグレード:課長や部長などの管理職
グレードをどれだけ細分化するかは企業によって異なるものの、一般的には4〜6つ程度にわかれます。
グレードが少ないと等級差が大きく、昇格の難易度も上がる分、達成感が大きくなるのです。一方、グレードが多いと昇格・降格の頻度も高まります。
グレードは上下する可能性があるため、各グレードの評価基準を明確化することが重要です。それにより判断に迷いにくく、公平な昇格・降格が行えるようになります。
④評価内容を言語化・数値化する
最後に、グレードごとに期待する役割を言語化し、評価内容を数値化します。この際、従業員の成長プロセスをイメージすると設定しやすくなります。
評価内容の数値は5〜7段階ほどで設定し、「成果評価」「能力評価」「情意評価」の評価配分も決定しましょう。
ポイントは役職や職務ごとに配分を調整すること。しかし固定で指標を決めたほうがよいケースもあります。多角的に意見を取り入れながら決めてみてください。
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以下のステップに沿って進めることで、効果的に実施できます。
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8.評価基準を作る際の注意事項
一律基準の設定・フィードバックのしやすさ・相対/絶対評価の使い分け・社内浸透の4点に注意することで、実効性のある評価基準になります。
評価基準を作る際の4つの注意事項
| 注意事項 | 内容 |
|---|---|
| 一律の評価基準も設定する | 部署間の公平性を保つため全社共通の基準も設ける |
| フィードバックしやすい評価基準を意識する | 評価理由を説明しやすい基準にする |
| 相対評価と絶対評価を使いわける | 評価の目的に応じて使い分ける |
| 評価基準を社内に浸透させる | 説明会やフィードバック面談を通じて周知する |
最後に、評価基準を作る際の注意事項をお伝えします。
①一律の評価基準も設定する
社内で一律の評価基準を設定すると、より公平かつ客観性のある評価基準になります。部署・職務間で評価基準がわからなくなり、評価基準に不公平さを感じさせない点で、一律の評価基準が役立つのです。
②フィードバックしやすい評価基準を意識する
評価して終わりではなく、評価結果から次の行動につなげることが重要です。そのため、フィードバックしやすい評価基準を設定し、仕組み化します。
評価後は必ず面談を実施し、評価結果に疑問が残らないようにしたうえで、次の行動につなげられるよう評価基準を活用しましょう。
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③相対評価と絶対評価を使いわける
- 相対評価:周囲と比較した評価
- 絶対評価:周囲とは比較せず評価対象者だけをみた評価
どちらもメリット・デメリットがあるため、評価基準に応じて相対評価と絶対評価を適切に使いわけましょう。
- 相対評価
- メリット:比較対象があるので評価しやすい・主観を排除できる
- デメリット:従業員が納得しにくい・個人の成長を促しにくい
- 絶対評価
- メリット:納得感が得られやすい・モチベーション向上につながる
- デメリット:評価にバラつきが生じやすい・評価者の責任が重くなりやすい
相対評価と絶対評価の違いとは?【比較表でわかりやすく解説】
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④評価基準を社内に浸透させる
評価基準が社内に浸透しないとうまく運用できません。できるだけ従業員に周知して社内に浸透させましょう。
ただし、効果を発揮するには明確かつ適切な評価基準でなくてはなりません。明確化された評価基準が浸透すれば、従業員も努力の方向性がわかり、モチベーションを高めて仕事に取り組めるでしょう。
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9.関連する改善事例
以下では、本テーマに関連する企業の取り組み事例を紹介します。
【事例】ソミックマネージメントホールディングス株式会社
自動車部品を製造するグループ従業員約2,000名のメーカーです。カオナビのスマートレビュー機能でグループ横断の人事考課をデジタル化し、統一された基準で評価を運用しています。シナプスツリー機能による組織図は週700件以上閲覧され、部門を超えた人材情報の共有が定着しました。評価基準を体系的に進める好例として参考になります。
【事例】横須賀市役所
職員約3,400名を擁する神奈川県の地方自治体です。カオナビを導入して評価データの集約・蓄積を進め、評価・人材配置・スキル管理・教育の4段階サイクルを構築しました。職員のスキルを可視化し、適正な人員配置の根拠をデータで示すことで、「頑張った職員が報われる」納得度の高い評価運用を実現しています。この取り組みは、評価基準の実践例として注目されています。
【事例】株式会社グローバルキッズ
保育所・学童保育施設を運営する従業員約2,400名の企業です。カオナビに職員の顔写真やプロフィール、キャリアパスや研修受講履歴を一元管理し、人事評価会議での情報活用を推進しています。統一された基準で評価を行った結果、離職率が16%から10%以下に低減し、全国平均を下回る水準を達成しました。評価基準に課題を感じる企業にとってヒントとなる事例です。
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評価基準は全社統一にすべきですか、それとも部署ごとに分けるべきですか?
基本的には全社で一律の基準を設けたうえで、部署や職種ごとに評価項目の配分や重み付けを調整するのが望ましいです。一律の基準があることで部署間の公平性が保たれ、従業員の不公平感を防ぐことができます。
評価基準の段階(グレード)はいくつに設定するのが適切ですか?
一般的には4〜6段階が適切です。段階が少なすぎると昇格の難易度が上がる一方で達成感が大きく、多すぎると昇格・降格の頻度が高まります。企業の規模や評価の細かさに応じて調整しましょう。
評価基準を社内に浸透させるにはどうすればよいですか?
評価基準を明文化したうえで、全社説明会や社内ポータルで周知し、評価後のフィードバック面談で基準に基づく具体的な説明を行うことが効果的です。評価基準が浸透すれば、従業員は努力の方向性が明確になりモチベーションが向上します。
評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!
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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて など


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