能力評価とは? 項目と評価基準、目標・評価シートの書き方を解説

能力評価は人事評価項目の一つであり、職務遂行に必要なスキルや能力を評価する評価方法です。能力評価は定性的な評価項目であるため、導入する際はその性質や目的を理解し、適切な評価基準を設定して運用していくことが求められます。

今回は能力評価について、具体的な評価項目や評価基準、能力評価を導入するメリット・デメリットや目標・評価シートの書き方などを解説します。

1.能力評価とは?

能力評価とは、職務遂行に必要なスキルや能力を評価対象とする人事評価方法です。具体的には、業務に必要な知識やスキル、それらをどれだけ発揮できたかを一定の基準で評価します。

業務や職種によって必要な能力は異なるため、職種や業務内容、企業によって評価項目はさまざまです。なお、能力評価は従業員の長期的な育成や意識向上を目的とした評価方法となります。

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2.能力評価と他の評価方法の違い

能力評価は、人事評価項目の一つです。能力評価のほか、業績評価、情意評価、行動評価があります。人事評価は能力評価のみで評価が決まるわけではなく、業績評価や情意評価なども加味して総合的に判断されます。

各評価方法との違いは、評価対象にあります。能力評価と他評価方法の違いを詳しくみていきましょう。

業績評価

売上や利益など、業績への貢献度で評価する手法です。一定期間の業務における成果や目標達成率といった定量的な結果が評価対象となります。

業績評価は、一定期間内の成果を評価するため、短期的な視点での評価ですが、能力は長期的な目線で評価される点に違いがあります。

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情意評価

仕事に対する意欲や姿勢を評価する手法です。「規律性」「積極性」「責任性」「協調性」のような評価項目から意欲や姿勢を評価していきます。

能力評価と情意評価の違いは、評価の軸が「能力」か「意欲」かという点です。情意評価では、能力や業績からでは測れないその人の「考え方」や「人となり」といった内面的な要素を評価します。一方で、定量的な評価が難しい点は能力評価との共通点です。

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行動評価

成果を出している従業員の行動を基準に評価する手法です。別名「コンピテンシー評価」とも呼ばれます。

行動評価は、成果につながった具体的な行動が評価対象です。その行動は、成果を出している従業員の行動特性が基準となるため、業務遂行に関係ないスキルや能力も評価項目に入る可能性があります。

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3.能力評価の項目と評価基準

能力評価の項目は、業種や職種、業務内容によってさまざまであるため、従業員の職種や業務内容に応じて、適切な評価項目を設定することが大切です。

厚生労働省では、56の業種における知識・技術・職務遂行能力の目安を整理した「職業能力評価基準」を公表しているため、参考にするとよいでしょう。

ここでは、能力評価の項目の一例とその評価基準をご紹介します。

  1. 企画力
  2. 実行力
  3. コミュニケーション力
  4. 交渉力
  5. 指導力
  6. 判断力
  7. 理解力
  8. 知識力
  9. 改善力

企画力

企画力は、課題解決のためのアイデアを出す力や漠然としたアイデアを形にして計画する力のこと。段取りを組み立てる力ともいえ、新たなサービスの創出、課題解決や問題の再発防止に役立つ能力です。

目の前の課題を解決するためのアイデアを出したり、新たな計画を立てたりして、課題解決や事業の発展に貢献したかを評価します。

実行力

実行力は、目標や計画を最後までやり抜く力のこと。業務を遂行するなかで成果を出したり、目標を達成したりするには実行力が必要です。

単に行動するだけでなく、成果を出したり、最後までやり遂げるために計画を立てたりして、それをもとに行動できているかを評価します。

コミュニケーション力

コミュニケーション力は、業務を遂行する上ですべての人に必要とされる能力です。スムーズに取引を進めるため、円滑に業務を進めるためにはコミュニケーション力が必要です。

単に要点をうまく伝えられるかだけでなく、相手の意図を汲み取る理解力や傾聴力、交渉力など複数の要素を総合的に評価します。

交渉力

交渉力は、交渉相手との利害を調整し、折衷しながら話し合う能力です。自分の意見をうまく伝えることに加え、相手の話を理解したり、ニーズを汲み取ったりする力も必要です。

営業であれば、取引先や営業先とうまく利害を調整して契約に結びつけたか、企画であれば部内の意見をまとめてプロジェクトを遂行させられたかといったポイントから交渉力が評価されます。

指導力

指導力は、相手の能力や個性を把握し、パフォーマンスを高めてあげる力です。部下や新人を指導する立場にある人に指導力があれば、チームや部署のパフォーマンスを効率的に高められるでしょう。

指導方法にくわえ、指導相手が成果を出せているか、目標を達成できたかといった結果も加味して評価されます。

判断力

判断力は、現状を冷静に分析し、適切な行動を選択する能力です。自分が持つ知識や経験を瞬時に引き出し、的確に次のアクションを決める力ともいえます。トラブル発生時に冷静かつ迅速に判断し解決に導けたか、急な対応が入ったときも迅速にアクションできたかを評価します。

理解力

理解力は、指示されたことや与えられた業務の本質を正しく理解する能力です。判断力は状況に応じて適切な選択を取ることですが、理解力は物事の本質や細部までを読み解く力といえます。

上司が意図した行動をしっかりと取れているか、最小限のコミュニケーションで求める成果を出せているかという点で理解力が評価されます。

知識力

知識力は、保有する知識を業務遂行や目的達成に活かす力のこと。知識力の高さは、判断力や職務遂行力の精度を高めるために役立ちます。

担当する業務や職種に必要な知識に限らず、幅広い知識を持っていることで未経験の事態や分野にも適切に対応できるようになるでしょう。知識力はボキャブラリーの豊富さや理解力の高さなど、あらゆる観点から評価される能力です。

改善力

改善力は問題を発見し、解決していく能力です。一見問題がないような場面でも、別の視点から分析し、課題やより良い方法を見つけ出すことも改善力といえます。物事をよりよくするため、問題の発生をできる限り未然に防ぐために主体的に行動し、結果につなげられているかが評価されます。

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4.能力評価のメリット

能力評価の導入は、企業に以下のようなメリットをもたらします。

  1. 業務への適性が判断できる
  2. 人材育成が促進される
  3. 生産性が高まる

能力評価を導入するメリットを詳しくみていきましょう。

①業務への適性が判断できる

従業員個々の能力を評価することで、今の業務への適性が判断できます。必ずしも、今担当している業務がその人の適性にかなっているとは限りません。

評価が低い、あるいは上がらないのはその人の能力が低いのではなく、その業務に適していない可能性も考えられるでしょう。能力評価によりどういった業務に適性があるのかを判断できれば、適材適所への配置が効率化されます。

②人材育成が促進される

能力評価の項目を組織が必要とする人材の能力にあわせることで、従業員はそれを基準に自律的に自己研鑽できるため、効率的な人材育成が促されます。

能力評価の項目が明確であるほど、従業員は評価されるために何が必要かを理解でき、自らスキルアップに取り組めるようになるでしょう。自らのスキルアップの取り組みがしっかりと評価につながることでさらに意欲が高まり、継続的な成長へとつながります。

③生産性が高まる

能力を高めることが評価に直結すれば、従業員は評価を上げるために自律的に能力を高めようというモチベーションになるでしょう。能力が高まることで評価され、それが業績への貢献にもつながり業績評価にもつながるといった良いサイクルが出来上がります。

評価への納得度が高まるとともに、能力を高めることが良い評価につながることで組織への貢献意欲も高まり、組織全体の生産性向上に期待できます。さらに、業績向上や離職率の低下といった副次的な効果も得られるでしょう。

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5.能力評価のデメリット

能力評価ではある程度の基準で評価するものの、明確な数字や実績といった定量的な評価基準を示すことが難しいため、評価に偏りやばらつきが生じる恐れがある点はデメリットです。

評価基準が曖昧なことで公平性が損なわれ、従業員の不満につながる可能性があるでしょう。そうなると従業員のエンゲージメントが低下し、場合によっては離職につながる可能性があります。

定性的な評価項目であるため、曖昧さがあるのはどうにもならない部分ではあるものの、できる限り明確な評価基準をつくる、評価者の評価スキルを高めるなどして対応することが必要です。

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6.能力評価を人事評価制度に組み込む際の注意点

能力評価を人事評価制度に組み込む際は、以下ポイントに注意しましょう。

  1. 年功序列にならないようにする
  2. 評価者の主観や感情で評価しない
  3. 根拠に基づいたフィードバックを提供する

年功序列にならないようにする

能力は年齢や勤続年数の上昇と比例するという考えで評価しないよう注意が必要です。その業務に関わる年数が長いほど能力が高まるという考えは間違いではないものの、そこだけを基準にしてしまうと年功序列の評価となってしまいます。

年齢や勤続年数といったような努力でどうにもならない部分を重点的に評価されてしまうと、評価への不満が募りやすくなってしまうでしょう。

評価者の主観や感情で評価しない

能力評価は定性的であることから、評価者の主観や感情で評価されてしまう可能性が高いです。主観や個人的な感情での評価は公平性に欠け、正確な評価とはいえません。評価者によって偏りやばらつきが生じないよう、評価者の評価スキルを高めることが必要です。

根拠に基づいたフィードバックを提供する

評価の納得度を高めるには、できる限り明確な評価基準を設けることにくわえ、根拠あるフィードバックを行うこともポイントです。事実をもとに評価されていることがわかれば、たとえ評価結果が良くなかったとしても納得を得られやすくなります。

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7.能力評価の導入の流れ

能力評価は、以下の流れで導入しましょう。

  1. 評価項目・基準の設定
  2. 従業員への周知
  3. 評価者の育成
  4. 評価環境の整備

ステップごとに、能力評価の導入の流れをみていきます。

①評価項目・基準の設定

まず行うのは、評価項目と基準の設定です。評価軸に偏りが出ないよう、多角的に項目・基準を設定することがポイント。組織が求める能力や業務・職種ごとに必要な能力を洗い出し、必要な項目を精査しましょう。

また、評価基準は一つに固定せず、レベル分けして評価できるようにするとよいです。レベルがあることで評価の納得度も高めやすく、評価結果に応じて次のアクションを策定しやすくなります。

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②従業員への周知

新たな評価が導入されることを従業員に周知し、理解を得ることも重要なステップです。いきなり能力評価が導入され、訳もわからず評価されると不満につながる恐れがあります。

能力評価を導入する理由や評価項目・基準、能力評価を導入することによる効果をしっかりと説明しましょう。

③評価者の育成

評価者による偏りや評価エラーを防ぐため、評価者の育成も行います。評価に主観や感情が移入してしまうのは、評価の方法がわからないことも原因の一つです。導入前だけでなく、導入後も定期的に研修などを実施し、評価者の能力評価スキルを高めていきましょう。

④評価環境の整備

評価制度を新たに導入する際や評価項目・基準に変更があった際は、就業規則など社則の整備も忘れずに行いましょう。

そして、評価の公平性や透明性を保つためには、評価マニュアルを作成することもおすすめです。正確で公平な評価ができるよう、環境整備にも取り組むことが大切です。

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8.能力評価における目標設定のポイントと書き方例

能力評価の対象となる目標を設定する際のポイントは、以下のとおりです。

  • できる限り具体的な目標を設定する
  • 適切な難易度の目標を設定する
  • 長期的な視点を持つ

能力評価は定性的な項目ではあるものの、できる限り定量的かつ客観的な指標を用いるとよいでしょう。目標は、現在のレベルに合わせて適切な難易度で設定することも重要です。

そして、能力評価は長期的な人材育成を目的とする評価項目であることから、長期的な視点からも目標を立ててみましょう。設定した目標は上司とすり合わせ、適切かを判断してもらうことも必要です。

【新卒・新人】能力評価の目標の書き方例

  • 例1:入社から半年以内に業務に必要なツールの基本操作を身につける
  • 例2:◯月までに提案資料を3本作成する
  • 例3:◯月まで営業に関する書籍を5冊、営業スキルに関する研修を5つ受講し、その成果をレポートにまとめて上長に提出する

【営業職】能力評価の目標の書き方例

  • 例1:テレアポにより月3件の新規商談を獲得する
  • 例2:新規商談の成約率を前期比で20%向上させる
  • 例3:営業のロープレを月に3回実施し、自分の課題点を見つけて改善する

【事務職】能力評価の目標の書き方例

  • 例1:今年度中に簿記2級を取得する
  • 例2:備品の仕入れ業者を見直し、備品にかかるコストを5%削減する
  • 例3:今期中の給与計算ミスを0にする

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9.能力評価における自己評価のポイントと書き方例

人事評価は、評価者の自己評価にもとづいて上司が評価します。自己評価のポイントは、以下のとおりです。

  • 客観的に自己評価する
  • 自己認識よりも一段階高く評価する
  • 良い点だけでなく、失敗や問題点も報告する
  • 改善案まで出す

良い点ばかりを主観的に書いた自己評価ですと、評価者が懐疑的になってしまいます。そうならないためにも自分を客観視して自己評価し、失敗や問題点も報告するなどして、より実態に即した内容を作成しましょう。

改善案まで出すことで、今後の意気込みをアピールすることもポイントです。

【営業職】自己評価の書き方例

今期は新規商談からの成約率が前期に比べて15%アップしました。自分に不足する交渉力を高めるため、外部研修への参加と上長との週一回のロールプレイングが成果につながったと考えます。

また、商談前の顧客への聞き取り調査を徹底し、それを資料に落とし込めたことも理由の一つです。

一方で、本来は前期比20%アップを目標に掲げており、あと1件の制約で到達でした。目標算定期間から逆算して必要な数のアポが取れていなかったことが原因であるため、次回はスケジュール管理も徹底し、期間内に目標が達成できるよう営業に取り組んでいく予定です。

【マーケティング職】自己評価の書き方例

今期はブランド認知度の向上を目標とし、全体としては認知度の向上の成果が現れました。具体的にはオウンドメディアの指名キーワードでのアクセス数が20%増加、SNSのフォロワー数は1000人増加しています。

クリエイティブの作成に力を入れたこと、そして営業部門と連携し実際の顧客の声を参考にコンテンツを制作できたことが成果につながった理由だと考えます。

一方、これまでCV獲得の主力だったWeb広告の成果が前期比で10%下がっています。次回はブランド戦略と並行してWeb広告にもより注力し、売り上げにつなげていけるよう取り組んでいく予定です。

【事務職】自己評価の書き方例

今期は全体の経費5%削減が達成できました。具体的に取り組んだことは、備品の仕入れ業者の見直しと残業代の削減です。

残業代は特に問題には上がっていませんでしたが、まだ改善余地があると判断し、不要な業務の洗い出しとシステムの導入による事務作業の効率を図った結果、目標値を達成しました。

システム化により他部署でもさらなる業務効率化が図れると考えているため、今後は他部署の状況も調査し、全体の残業代削減に取り組む予定です。

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10.能力評価における評価コメントのポイントと書き方例

評価コメントは、以下のポイントを意識して作成しましょう。

  • 良い点と課題点の両方を記載する
  • 改善点まで伝える
  • 他の従業員と比較しない
  • 主観や感情を入れない
  • きつい表現や強い否定をしない

定性的な能力評価で従業員の納得を得るには、評価コメントの質が重要です。評価コメントは、事実行動にもとづいた根拠ある内容を作成しましょう。上記で紹介した自己評価例に対する評価コメントとして書き方例をご紹介します。

【営業職】評価コメントの書き方例

商談の成約率の向上に加え、新規アポイントの量と質を高めた点も評価する。ロールプレイング実施の際も毎回必ず課題と反省点を明確にし、次に活かせていた。

ヒアリングでも相手の意図やニーズをしっかりと汲み取れていた点は大きな成長。一方で既存顧客の方では目立った成果がなかったため、来期は既存顧客の方でも新たな受注を目標としてほしい。

【マーケティング職】評価コメントの書き方例

掲げた目標値をしっかり達成していく姿勢が素晴らしい。ブランド戦略について学ぶ姿勢もみられ、意欲的に取り組んでくれた結果が成果として現れている。

ただし、一つの目標に注力しがちな傾向にあるため、全体を俯瞰し他のパフォーマンスを落とさないよう取り組めると良い。また、今後はノウハウをチーム内で共有し、メンバーの育成にも貢献してほしい。

【事務職】評価コメントの書き方例

目立った課題や問題がないなかでも、経費が削減できるポイントを見つけ出し、実際に目標値を達成できた点を大きく評価する。潜在的な課題を発見し、より良い方向に改善していく姿勢を今後も続けてほしい。

一方で、急なトラブルが起こった際にやるべきことの優先順位付けに時間がかかってしまう傾向にあるため、今後はスピード感のある判断力が身につけられるとさらによい。

能力評価のQ&A

能力評価とは、人材が保有するスキル・経験に対する評価を指します。人事評価制度で運用される評価のひとつで、従業員の成果を評価する「業績評価」や、職務態度などの「情意評価」と併せて制度設計されることが多いでしょう。 一般的には職務の遂行において発揮できる能力についてのみ、評価対象とされます。
能力評価の評価対象は職種によって異なりますが、どの職種においても通常は、業務に活用できるスキル・経験の保有が評価対象となります。 評価項目は職務遂行能力に関連するものが主ですが、幅広く設定されることが多いでしょう。専門的な知識・経験だけでなく、コミュニケーション能力や人間関係の構築能力など、いわゆる人間力が問われるケースも多く見られます。
能力評価がなくとも人事評価制度の運用に支障がなければ、無理に評価基準を設定する必要はないと思われます。 ただし、能力評価が人材にあたえる影響は考慮すべきでしょう。能力評価を運用すると、実践的な職業能力をみずから積極的に養う人材が増えます。従業員が保有する能力と企業のマッチング性も高まりやすくなります。 人材のスキル・経験の向上を目的に、設置について検討してみてはいかがでしょうか。