人事部とは? 役割や仕事内容一覧、年間スケジュール、適している人の特徴を解説

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会社の人事部がどのような業務を行っているかを聞かれても、何となくしかわからない人は多いでしょう。

人事部には、

  • 経営層とのやりとり
  • 従業員の生活に密着したオペレーション
  • 入社希望者の対応

などさまざまなミッションがあります。本記事では企業における人事部の役割や仕事の内容を紹介します。

この記事のポイント
人事部は、企業における人材の採用・育成・評価・労務管理・制度設計を担う重要な部門です。経営陣と連携し、人材戦略の立案や組織開発を行いながら、従業員の働きやすい環境づくりを推進します。賃金制度や福利厚生の構築・運用も担当し、給与計算や勤怠管理などの実務も遂行します。社員の能力向上を図る教育研修も人事部の重要な役割であり、企業の成長に直結する組織運営を支える存在です。

目次

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1.人事部とは?

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「ヒト・モノ・カネ・情報」という経営資源のなかで、最も重要とされる「ヒト」を管理する部署が人事部です。

人事部は、

  • 企業を支える人材の獲得
  • 管理
  • 活用

などを一手に引き受けている企業の心臓部です。人事部とは企業のなかでどのような役割を担う部署なのか、具体的に見ていきます。

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2.人事部のミッション

人事部には、単なるオペレーションに陥ることなく、経営と連動して戦略に裏付けられた動きである「戦略人事」を行う必要があります。そのため人事担当者は、経営幹部や人事部長といった管理職からの指示に従って業務を遂行します。

  • 大企業:人事業務の細分化がなされているため、縦割りの組織になる傾向が強い
  • 中小企業:一人の人事担当者が人事関連業務を一手に引き受けているケースが多い

戦略人事についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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3.人事部の4つの機能

人事部の機能には、以下の4つがあります。

  1. 戦略的パートナー
  2. 制度設計と運営
  3. オペレーション
  4. 人材開発、組織開発

①戦略的パートナー

戦略的パートナーは、いわゆる経営陣の参謀役のイメージです。経営者や事業責任者など経営幹部の良き理解者、協力者でいることが必要があります。

そのため、事業戦略や経営目標を理解していることが、人事部の役割を果たすうえでのポイントです。事業戦略や経営目標を理解したうえで、人材と組織の側面からの戦略や、目標実現に向けた計画を立案・実行します。

②制度設計と運営

制度設計と運用も非常に重要な機能です。

人事部では、

  • 賃金制度
  • 昇給・昇格制度
  • 配置転換・異動
  • 福利厚生

といったさまざまな制度を一括管理しています。

企業の規模が大きいほど制度の仕組みは複雑になるため、管理には非常に神経を使います。しかし、従業員の生活を安定させるためにも、公平で現実に即した制度の構築は重要です。

③オペレーション

人事部では、毎月の給与計算をはじめとするオペレーション業務も行います。

  • 勤怠管理
  • 異動や配置転換などのオペレーション
  • 福利厚生面に関する手続き業務

上記を見ても、人事部のオペレーションが広範囲に及ぶことがわかるでしょう。

時には現場の声を参考に、オペレーションの向上を図ることも重要です。

④人材開発、組織開発

近年労働力不足の観点から、従業員の能力開発に注目が集まっています

  • 自社を牽引できる人材の育成
  • 従業員の高いモチベーションの開発
  • さまざまな能力を高められる組織風土づくり

などに取り組むことが、人事部の機能のひとつとしてクローズアップされています。

人材開発のみならず組織開発についても人事部が管轄しており、経営層からも期待されやすい機能です。

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4.人事部と総務部の違い

企業のなかには、人事部と総務部の両方の部署がありますが、実は人事部は総務部から分離独立した部署です。

  • 人事
  • 経理
  • 法務
  • 広報

などは、すべて総務部から独立した部門と言っても間違いではありません。企業によって若干の違いはありますが、総務部は企業・組織の「ヒト・モノ・カネ・情報」に関する事務全般を管理する部門です。

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5.人事部の役割・仕事内容

人事部は、下記の7つの業務領域を担っています。

  1. 採用
  2. 人事
  3. 制度
  4. 育成
  5. 給与
  6. 労務管理
  7. ダイバーシティ

①採用

  • 管理者:採用に関する人員計画や採用方針を策定
  • 中堅社員:管理者の策定した人員計画や採用方針をもとに、実際のアクションプランを作成し、採用の実務に励む
  • 若手社員:募集要項を見て応募した人の応募受付業務や面接会場のセッティング、日程調整といった採用活動を実施

採用といっても、それぞれの立場で異なる役割を担っています。

②人事

  • 管理者:配置転換や異動等に関する計画の策定や、人事評価システムの構築・改変などに携わる
  • 中堅社員:計画に基づいた配置や異動について社内調整を進行するほか、人事評価結果をまとめる
  • 若手社員:配置や異動の際に必要となる社内の人事情報の収集や、管理者や中堅社員から求められる資料作成などを行う

採用担当と「人事」の違いは?

採用担当とは、採用活動を受け持っている担当者で、応募者の対応窓口になって問い合わせに応じたり、履歴書や職務経歴書などの管理を行ったりします。

一方、人事は配置転換や異動など社内の人材配置について情報を収集し、計画を立てたうえで配置や異動を行う業務です。両者は混同しやすいため注意しましょう。

③人事制度の策定

人事部は人事に関わるさまざまな制度の設計・運用・改変などを実施します。立場により、関与する内容は異なります。

  • 管理者:人事制度の方針の作成や設計
  • 中堅社員:構築された制度の運用
  • 若手社員:人事制度を構築するための各種データ収集や運用のための資料づくり

とくに制度設計は企業と従業員に与える影響が大きく、さまざまな要素を考えなければならない難しい業務です。

④人材育成

人材育成の重要性が叫ばれる現代において、人事部の機能のひとつである「育成」に注目が集まっています

  • 管理者:人材育成方針を検討・作成
  • 中堅社員:人材育成方針に従って、従業員ごとや組織別の個別の教育プログラムを設計
  • 若手社員:実際に行われる研修の準備や運営のほか、社外の教育機関利用時における社外との調整役を担う

⑤給与計算

従業員にとって関心が高い給与についての業務も、人事部の重要な機能のひとつです。

  • 管理者:経営戦略や経営方針、予算管理に基づいた人件費の管理
  • 中堅社員:給与計算システムの管理業務や、従業員の社会保険の加入や脱退といった手続き
  • 若手社員:給与計算の実務的な部分(欠勤や残業の把握、給与明細の発行など)

給与計算は従業員の生活を左右する大切な業務であるため、確認を重ねて丁寧に行う必要があります。

⑥労務管理

人事部の労務管理の機能とは、たとえば就業規則管理や労使交渉などが当てはまります

  • 管理者:就業規則の管理・労使での交渉業務・給与支払い処理の承認課題に取り組む
  • 中堅社員:就業規則の整備や改定に関する実務・労使交渉における合意に向けた各種の調整・福利厚生の施策検討などを行う
  • 若手社員:入退社の手続きや就業規則の社内周知・福利厚生実務・労使交渉の会場設定といった業務を担当

⑦ダイバーシティの推進

ダイバーシティとは、違いを尊重し幅広く人材活用を促す意味の言葉で、近年人事部の機能のひとつとして挙げられています。

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  • 管理者:女性の活用推進の企画など、多様な人材を活性化させる方針を決定
  • 中堅社員:活性化施策をどう実際の職場にブレイクダウンできるか、課題の検討と実施に向けた準備、ダイバーシティの考え方を広める研修の計画
  • 若手社員:ダイバーシティの実施や取りまとめ

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英語での略称「HR」とは?

HRとは、Human Resources(ヒューマンリソース)の略称です。日本語に訳すと「人的資源」であり、企業において人材が最も重要な資産であるという考え方が含まれています。

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6.人事部の年間スケジュール

人事部の一般的な年間スケジュールは下記の通りです。

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ここからは、1年間を四半期に分けて、それぞれの業務の詳細を解説します。

人事部の大まかなスケジュールを把握しておくと、繁忙期を把握できるため、仕事量の調整を行う際に役立ちます。企業の経営幹部の人はぜひ確認しておきましょう。

【4~6月】新入社員の対応や会社説明会の実施など

4月は新年度の始まりであり、人事部にとって多忙な時期のひとつです。主な業務として新入社員の入社式や研修の実施が挙げられ、企業の未来を担う人材の受け入れや教育を行います。また、新入社員に関する社会保険の資格取得届の提出や、時間外労働に関する36協定の締結なども進める必要があります。

新入社員に関する業務と並行して、次年度の新卒採用に向けた学生向けの会社説明会を開始し、早期から優秀な人材との接点を持つことも必要です。

社内の人事に関する業務としては、定期異動や組織改編、昇格・昇進者の通知などがあります。各従業員との面談を通じて、目標設定や前期の評価に関するフィードバックも行い、組織全体として新たなスタートを切れるように支援します。

【7~9月】インターンシップの実施など

7~9月は、次年度の新卒採用に向けたインターンシップの企画・実施が主な業務です。インターンシップでは、学生に自社の業務を体験させることで、自社に興味を持ってもらうことを目的とします。

社内の人事に関する業務としては、上期の中間面談の実施が必要です。中間面談では、各従業員の目標達成の進捗を確認しつつ、必要に応じてアドバイスを行います。

また、下期に向けた組織改編会議も必要です。10月以降の下期のスタートに向けて、事業戦略を実行するための適切な人員配置を検討します。

労務に関する出来事としては、9月に健康保険・厚生年金保険の社会保険料改定が行われます。社会保険料の改定は人事業務に影響するため、正確な数値をチェックすることが大切です。

【10~12月】新卒の内定式や年末調整など

10~12月も人事部にとって忙しい季節です。10月には、翌春に入社予定の新卒採用者を対象に、内定式を実施します。また、次年度の4月からの新卒採用に向けて、会社説明会や選考などに関する計画の立案も必要です。

人事評価に関する業務としては、10月に上期の評価面談と下期の目標設定を行います。上期から下期に切り替わるタイミングで、面談を通して各従業員に改めて目標達成の意識を持ってもらいます

12月には年末調整も控えており、経理に関する業務が集中する点も特徴です。

【1~3月】次年度の研修体系の決定や春闘など

1月には下期の中間面談を行い、各従業員の下期の目標達成に関する進捗を確認します。進捗が芳しくない従業員に対しては、達成に向けてのアドバイスを行います。

また、4月から入社する新入社員のために、研修プログラムの策定も必要です。昨年の研修から変更点がないかを検討し、変更する場合は新たなプログラムの内容を考えます。

さらに、労働組合がある企業では春闘が行われる可能性があります。労使間の交渉の結果、労働条件が変わる場合は就業規則への反映や全社員への通知が必要です。春闘が行われる場合、状況を常に把握し、労働条件が変更される際にスムーズに対応できるよう準備することが大切です。

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7.人事部の主な業務内容

人事部の主な業務内容は下記の7つです。

  1. 新卒採用、中途採用
  2. 配置・異動
  3. 評価
  4. 人材育成・キャリア開発
  5. 人事制度策定・運用
  6. 労務管理
  7. 社会保険・福利厚生

ここからは、各業務内容について説明します。

①新卒採用、中途採用

採用活動を行う際は、社内の現状を分析したうえで、どういった人材を採用するかの計画を作成します。計画が練られたら、採用手段と雇用形態の検討に移ります。

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新卒採用と中途採用では、

  • 計画
  • 手段
  • 形態
  • 採用活動の時期

などが異なるためそれぞれに合ったプランの構築が必要です。採用活動の全体像が固まったらスケジュールを確認し、採用活動をスタートします。

また、選考を終えた後は下記のような事務作業が必要です。

  • 選考の結果通知
  • 内定者へのフォロー活動
  • 入社に関する手続き

内定者が内定を辞退することもあるため、入社日を迎えるまで気が抜けない日々が続きます。

採用担当者に求められる役割

採用担当者には、

  • 調整:採用活動の面接日程の調整、年収や職務階級などの調整、研修内容の調整など
  • 変革:社内に新たな風をもたらすための人選など
  • 広告:学生やエージェントに対して行う自社のPR
  • 他者の巻き込み:リクルーターの依頼や社内各部の協力要請など

といった役割を担います。

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②社員の配置・異動

人事部では、配置や異動計画を策定します。

異動はバリエーションが多く、

  • 社内公募
  • FA制度
  • 自己申告制度

といった種類があります。全従業員のニーズを完全に満たすのは難しいですが、可能な限り最適な配置が実現できるよう進めることが大切です。

また、配置や移動に関する制度を計画・設計したら、

  • 制度の浸透
  • 応募者管理
  • 選考業務・手続き

などの実務に取りかかります。配置や異動には個々のキャリアプランや個人のスキル・能力開発などにも関わるため、キャリア育成担当との連携も必要です。

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③人事評価

人事評価とは、社員の働き方に関して、

  • 知識やスキルなど保有している能力
  • コンピテンシーや業務プロセス
  • 目標設定や業績結果

の観点で客観的に評価することです。

人事部は、評価制度の策定から運用までを取り仕切ります

評価結果は、以下にも活用されるので、可能な限り公正で客観的なものでなければなりません。

  • 給与や昇進・昇格
  • 配置
  • 人材育成分野

また、人事評価は、以下のようにさまざまなプロセスを必要とします。

  • 目標設定
  • 中間面談
  • 自己評価
  • 期末面談
  • 一次評価
  • 二次評価
  • 評価調整会議 など

評価の決定後もフィードバック面談を行うため、時間と手間がかかる作業です。

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④人材育成・キャリア開発

人材育成・キャリア開発は、近年、人事部の業務でも注目されている分野です。「企業のビジョンを実現するためにはどのような社員を育成したらいいか」を軸とし、研修予算の確保の手段も含めて、研修計画の策定を実行します。

研修計画が策定された後は下記を実行します。

  • 研修内容の決定
  • 年間スケジュールの決定・告知
  • 実際の研修を開催・運営
  • 終了後は、効果を測定するため定期的なヒアリングやレポートの提出を求める

研修の効果を実証しながら、次年度の研修プランを練り直すところまでが人事部の仕事です。

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人材育成とは、企業が業績を上げて経営目的を達成するために従業員を育成する取り組みをいいます。従業員を役職や職種、入社年数などで分けてグループごとにスキル習得を促します。 従来、人材育成は人事部や人材育...

⑤人事制度策定・運用

前述の評価制度や配置・異動・人材育成・キャリア開発などに関わる人事制度の策定・運用は、人事部の役割でも非常に重要です。

人事制度は、経営層と従業員の間をつなぐ橋渡し役となり、企業の経営だけでなく社員の生活にも大きな影響を与えます。人事制度の策定や運用は、公正で明解なものである必要があります。

全従業員の納得が得られる制度はないに等しいかもしれませんが、可能な限り多くの従業員に共感を得られるよう丁寧な説明を行うことは必要です。場合によっては、経営層との交渉などが必要になるケースもあります。

⑥労務管理に関する業務

労務管理は、

  • 労働時間管理
  • 給与計算・労使関係管理業務

などが挙げられます。企業によっては、労務管理のなかに人事異動・社員研修・採用業務などを含める場合もあるでしょう。そもそも、労務管理という言葉は、経営資源のひとつである「ヒト」に関してのさまざまな業務を指します。

  • 「ヒト」を有効活用できているか
  • 労働に見合った報酬が支払われているか
  • 労働時間管理は適切になされているか
  • 適材適所の配置が実現できているか

といった諸々の管理を、人事部は一手に引き受けています。

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⑦社会保険・福利厚生

社会保険の加入や脱退、福利厚生に関する事務手続きや広報も、人事部の大きな役割です。複数の雇用形態・労働契約の従業員がいる場合には、社会保険や雇用保険などの手続き業務だけでも煩雑を極めます。また、事業規模が大きくなると、福利厚生の項目も多岐にわたるでしょう。

適法な社会保険の手続き業務と、働きやすさを担保する福利厚生に関わる事務は、人事部の大切な役割です。

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人事部で出世したいなら?社会保険労務士(社労士)の資格を

労働基準法・社会保険・雇用関係など、法律に即した判断をしなければならない場面が多いと考えると、何か資格を取得したほうが良いと思いませんか?

人事部で出世を考えている人におすすめしたい資格は社会保険労務士です。社会保険労務士として、法律的な知識を身につけて実務にあたることは高いポイントになります。総務部で働く人が社会保険労務士の有資格者となれば、社内の評価もアップするでしょう。

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8.人事部に適している人の特徴

ここからは、人事部に適している人の特徴として、以下の7つを解説します。

  • コミュニケーション力に長けている
  • 労務管理や社会保険の専門知識がある
  • スケジュールを正確に管理できる
  • 業務をミスなく進められる
  • 守秘義務を徹底できる
  • 情報収集力に長けている
  • 人事戦略を考える柔軟な思考力がある

人事部に求められる資質を理解することで、どういう人材を人事部に採用するべきか理解しやすくなります。人事部の採用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

コミュニケーション力に長けている

人事の仕事をする際は、社内外のさまざまな人と関わるため、高いコミュニケーション力が不可欠です。たとえば、以下のような場面でコミュニケーション力が問われます。

  • 経営層と、経営戦略に基づいた人事施策を議論する
  • 従業員に対して、評価制度や社会保険などの説明を行う
  • 採用活動の面接で、応募者に自社の魅力を伝える

相手が知りたいことを汲み取りつつ、自身の考えを論理的に伝える能力を持つことで、円滑な業務遂行につながります。

労務管理や社会保険の専門知識がある

労働基準法や労働契約法、社会保険などの知識は、人事部の業務を進めるうえで重要です。法律や制度の知識が頭に入っていることで、従業員の給与計算や社会保険に関する手続きなどを正確に行えます。人事部の採用活動を行うなら、応募者が労務管理や社会保険の専門知識をどの程度持っているかをチェックしましょう。

また、人事部の業務に関係する法律は頻繁に改正されるため、常に最新の情報を学び続ける姿勢も大切です。

スケジュールを正確に管理できる

人事部の業務は決められたスケジュールに沿って進めるものが多く、期限の厳守が求められます。とくに、社会保険の手続きや年末調整などは期限を守らないと法律に抵触する可能性もあります。スケジュールを正確に管理できない人は、人事部で活躍するのは難しいです。

複数のタスクを同時並行で進める場面も多いため、優先順位をつけながら業務を遂行するスキルも重要です。

業務をミスなく進められる

人事部は、従業員の給与や社会保険料など、お金に関する情報を多く取り扱う部署です。給与や社会保険料の計算ミスが発生すると、従業員の生活に悪影響を与えてしまい、会社への信頼を損なう原因になります。

人事部に所属する人は「細部にまで注意を払う」「ダブルチェックを徹底する」など、正確に業務を遂行する意識が強く求められます。

守秘義務を徹底できる

人事部は、従業員の個人情報や給与、社内での評価などセンシティブな情報を多数取り扱います。従業員の情報の漏洩は個人のプライバシー侵害につながり、会社の信用問題に発展しかねません。

人事部の仕事を進める際は、職務上知り得た情報は口外しないという、徹底した守秘義務の意識が重要です。採用活動においては、口が堅く信頼できる人材を探す必要があります。

情報収集力に長けている

法改正や働き方の多様化、新しい採用手法の登場など、人事業務に関する情報は常に変化しています。労働関連法の改正に迅速に対応したり、他社の先進的な人事制度を参考にしたりするには、常に最新情報へのアンテナを張り続けることが大切です。具体的には、新聞・専門誌・セミナーなどで能動的に情報を収集する意識が求められます。

業界の動向や競合他社の採用戦略などを常に把握できる人は、時代に合わせて自社の人事戦略を柔軟に変更できるため、自社の競争力を維持できます。

人事戦略を考える柔軟な思考力がある

現代の人事部には、バックオフィスの業務をこなすだけでなく、経営者の戦略的パートナーとしての役割が期待されています。会社の経営目標を達成するために必要な人材や、適切な人員配置を考えるスキルが重要です。

事業計画の円滑な進行や生産性の向上など、経営者の視点を取り入れながら人事戦略を考える姿勢が求められます。

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9.人事部の仕事のやりがい

ここからは、人事部の仕事におけるやりがいとして、以下の2つを解説します。

  • 社員や会社の成長を感じられる
  • 経営層に近い立場で仕事ができる

仕事のやりがいを把握することで、人事部の採用活動において、求職者に仕事の良さを伝えられます。人事部の採用活動を予定している人は、ぜひ参考にしてください。

社員や会社の成長を感じられる

人事部に所属していると、採用活動で可能性を見出した人材が入社し、新人研修を通して成長する姿を見届けられます。また、スキルアップ研修を通じて、従業員のさらなる成長を後押しできます。人事部の取り組みによって、従業員一人ひとりの成長に作用できる点は、やりがいを感じられるポイントのひとつです。

また、従業員の成長によって自社の業績が向上することで、組織への貢献を実感できる点も魅力です。

経営層に近い立場で仕事ができる

人事部は、組織の資産である「ヒト」の側面から、会社の意思決定に関与する部門です。経営目標を達成するための人員計画や組織開発について、経営層と直接議論する機会があります。

経営者の視点を学びつつ、組織をどう最適化するかを考えられる点は、人事部の仕事におけるやりがいのひとつです。広い視野と高い視座が身につくことで、将来のキャリア形成に役立つ点も魅力です。

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10.人事部の大変なところ

ここからは、人事部の大変なところとして、以下の3つを解説します。

  • 業務量が多くなりやすい
  • 専門知識に関する勉強が必要
  • 従業員とのコミュニケーションにおいてストレスを抱えやすい

大変なところを理解することで、採用活動において人事部のリアルを伝えやすくなります。また、人事部の仕事量の調整や人員配置を考えるきっかけにもなります。人事部への理解を深めるために、ぜひ確認しておきましょう。

業務量が多くなりやすい

人事部の業務は採用・労務管理・人事評価など多岐にわたり、年間を通じてさまざまなタスクが存在します。とくに採用シーズンや年末は業務が集中しやすく、残業が増えやすい時期です。また、定型的な事務作業に加え、従業員からの個別相談や急なトラブル対応なども発生する可能性があります。

幅広い業務を同時並行で処理する時期が多いため、タスクを素早く処理できないと、業務過多に陥りやすいです。

専門知識に関する勉強が必要

人事の仕事を進めるにあたって、労働法や社会保険制度などに関する専門的な知識は不可欠です。法律や制度は頻繁に改正されるため、常に最新の法令を学んで知識をアップデートしなければ、適切な業務遂行ができません。また、近年の働き方の多様化に合わせて、テレワークや副業に関する新たな労務管理の知識も必要です。

最新の知識が欠けている状態で人事部の業務を進めると、企業のコンプライアンス違反につながるリスクがあります。最新の専門知識を学ぶ自己研鑽が欠かせないため、継続的な学習が負担になりやすいです。

従業員とのコミュニケーションにおいてストレスを抱えやすい

人事部は従業員に対して、評価や異動などデリケートな情報を伝える必要があります。場合によっては、人事部の決定事項に従業員が納得せず、不満や反発を受けることもあるでしょう。また、パワハラやセクハラなどのトラブルに関して人事部が対応した際に、トラブルを起こした人から恨まれるケースもあります。

会社の決定と従業員の感情との間で板挟みになり、精神的なストレスを感じやすい点は、人事部の大変なところといえます。

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11.人事部で描けるキャリアパス

人事部内でのキャリアパスは、大きくゼネラリストとスペシャリストの2つの方向に分かれます

ゼネラリストは、採用・労務・育成など人事領域全般を幅広く経験し、人事部長やCHRO(最高人事責任者)を目指すキャリアです。近年では、事業部に所属し、現場に近い立場で人事戦略を実行するHRBP(HRビジネスパートナー)になるキャリアも注目されています。

一方、スペシャリストは採用・研修・労務管理・制度設計などのなかから、特定の分野を極める道です。採用のプロフェッショナルとして採用戦略をリードしたり、労務の専門家としてコンプライアンス体制を強化したりするキャリアが考えられます。

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まとめ

人事部は、

  • 採用
  • 異動
  • 評価
  • 人材育成
  • 制度制定
  • 労務管理

と多彩な役割を担う部署です。経営層と戦略的パートナーでありつつ、社員に関するオペレーション業務も担当する必要があり、年間を通して期待される役割は多岐にわたります。

人事部の仕事を円滑に行うには、労働関係の法律の知識を身につけられる社会保険労務士の資格取得もおすすめです。働きながら勉強できる資格であるため、人事部で出世したいなら、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか


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人事部のQ&A

人事部とは、総務部から一部独立した部署といえます。 総務部の業務範囲は広く、人事から経理、法務、広報までの多くを包括します。それらの分野が分離し、それぞれ部署として独立するケースも多くあります。
人事部の仕事は、大別すると下記7点になります。

①新卒や中途の採用
②人員配置
③人事評価
④人材育成・キャリア開発
⑤人事制度の策定
⑥労務管理
⑦社会保険・福利厚生
有資格者でなくとも人事部の仕事にたずさわることは可能ですが、社会保険労務士の資格を取得しておくと役立つ機会が多いでしょう。

資格取得を通して、労働関係の法律の知識を身につけることができます。働きながら取得することも可能です。
人事部が人気である理由は、企業の経営資源である「人」を通じて、組織の成長に直接貢献できるためです。採用や研修などを実施することで、自社にポジティブな影響を与えられる点に多くの人が魅力を感じています。

また、会社の根幹に関わる立場で仕事できる点も理由のひとつです。経営層と近い距離で業務を進めることで、若い頃から視座の高い考え方を養える点も人事部の魅力です。
人事部が出世コースと言われる理由は、経営戦略と直結した人員配置や組織開発に関わることで、経営者の視点が自然と身につくからです。社内の人材に関する情報をもとに経営判断を考えることで、企業の幹部に必要な思考力を磨けます。

また、次期経営層の選抜や育成に関与できるため、経営者から信頼を得やすい点も出世コースと言われる理由です。