中途採用とは? 新卒採用との違い、2019年中途採用のトレンド、採用計画から選考方法、入社後のフォローの注意点まで

中途採用とは新卒採用以外の不定期に行う人材採用および以前に就業経験のある人材を企業が採用すること。ここでは、以下の内容についてご紹介します。

  • 新卒採用との違い
  • 中途採用のトレンド
  • 採用計画から選考方法
  • 入社後のフォローの注意点

目次

1.中途採用とは?

中途採用とは新卒採用以外の不定期に行う人材採用および以前に就業経験のある人材を企業が採用すること。特定の時期ではなく、企業が必要とするタイミングで募集する点が特徴です。

新卒採用と中途採用の違い

新卒採用が「ポテンシャル重視」の実務未経験者採用であるのに対し、中途採用は実務経験豊富な「即戦力」や「管理職」の採用となるのです。

中途採用は、職種別による採用が一般的で、必要な経験、スキル、資格などを明示して採用活動を行います。なぜならタイムリーな採用を重要視する「欠員補充」を新卒採用で行うことは難しいとされているからです。

また実務経験やスキルが必須となる「知識や技術の導入」も中途採用のほうが適していると考えられます。

キャリア採用と中途採用の違い

キャリア採用と中途採用は基本的に同義として求人広告などで扱われています。

  • キャリア採用:「実績を持ち、即戦力であること」をより明確に表現していることが多い
  • 中途採用:正社員経験がない、第二新卒、キャリアがあるなど多くの人が同等という位置付け。新卒以外と捉えるとイメージしやすい

簡単に言うと、新卒採用が「ポテンシャル重視」の実務未経験者採用、中途採用は「即戦力」や「管理職」の採用です

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2.企業が中途採用を行う目的

企業が中途採用を行う目的には、下記のようなものが挙げられます。

  • 退職者の補充
  • 新卒者による採用人員の充足が困難な場合の補完
  • 経営の多角化や業務の拡大
  • 高度の専門知識や経験を持つ人材の獲得
  • 優れた知識や技術の導入
  • 実務経験が豊富な即戦力や管理職を獲得したい

中途採用には退職者の補充だけでなく、経営の多角化や業務の拡大などが目的とされているのです

3.中途採用の特徴

中途採用の特徴について、詳しく掘り下げていきましょう。

メリット

中途採用のメリットとして、5つのポイントをご紹介します。

即戦力を獲得できる

第一線の技術や知識を持った人材、つまり即戦力が獲得できます。急激なスピード化が進む昨今の市場経済で重要な戦略と考えられている、中途採用による即戦力の確保が実現できるのです。

通年採用できる

欠員補充や新規事業の立ち上げ、既存事業のテコ入れなどに合わせて通年採用を可能にすると、企業の成長に役立つでしょう。

人材育成のコストを削減できる

既存社員をイチからエキスパートにまで育成すると時間がかかります。一方、中途採用ならば、異業種や新規事業に進出する際に、すでに実績のある人材を採用できるのです。つまり中途採用により、人材育成のコストを削減できます。

採用ブランディングを推進しやすい

中途採用の実施によって、積極的な事業展開やオープンで活性化された組織運営をアピールできます。これにより、ポジティブな企業イメージにつながるでしょう。

競合他社のスキル・経験を取り入れやすい

ほかの企業で働いていた人材を中途採用すれば、競合他社のスキルや経験を取り入れやすくなります。さらに経験や知識が豊富な人材がメンバーとなることで、新しい組織運営のノウハウや経験も社内に取り込まれるでしょう。

デメリット

一方で中途採用にはデメリットが生じることもあります。ここでは3つのデメリットをご紹介します。

大量一括採用が難しい

転職希望者が活動する時期は決まっていないため、いつ採用できるか把握できません。またその数も景気や社会情勢によって大きく変動すると考えられます。このように中途採用は、大量一括採用が難しいのです。

画一的な採用が難しい

中途採用の多くでは、人材の年齢やそれまでの就業経験、チャレンジ精神などにある程度の幅が生じてしまいます。つまり、画一的な採用は難しいのです。

ロイヤリティーの醸成に時間がかかる

前の企業のカラーが人材に強く身に付いていた場合、新しい職場における業務や社風にうまく馴染めない可能性も高まります。つまり、ロイヤリティーの醸成に時間がかかる場合があるのです。

即戦力や経験豊富な人材確保が魅力の中途採用ですが、その半面デメリットも存在しています

4.大企業と中小企業・ベンチャー企業における中途採用の違い

ここでは大企業と中小企業・ベンチャー企業におけるそれぞれの中途採用の違いをご紹介します。

中小企業・ベンチャー企業にて中途採用が主体となる理由

中小企業・ベンチャー企業にて中途採用が主体となる理由は何でしょうか?代表的なものには、以下のようなものがあります。

  • 事業拡大や新規事業立ち上げにあたって、即戦力を求めている
  • 今ある企業の戦略を変革してほしい、新たな刺激を与えてほしい
  • 高度の専門知識や経験を持つ人材を獲得したい
  • 組織や事業を変革してほしい

大企業が中途採用に期待するものとは?

大手企業はこれまで、ほとんど新卒採用のみを行っていました。しかし現代では、事業領域の拡大や市場を見据えたグローバル化を背景として、自社内で育成できない人材や高度な即戦力、さらに有能なグローバル人材などを社外に求める必要に迫られつつあります。

よってこれらに対応する人材を見つけるべく、ケース・バイ・ケースで中途採用を併用するケースが急激に増えているのです。

大企業における社長の中途採用

日本では、企業の中長期的な将来の経営幹部候補となる取締役や社長など「コア人材」を育成する際、新卒による採用後、じっくりと教育や研修を展開して育成していました。

しかし現在では、一定の割合を中途で採用していこうという動きも増えてきているのです。その顕著な事例が中途採用における「社長募集」でしょう。

アメリカやヨーロッパを含む海外では、大手企業・ベンチャー企業も含めて、トップを社外、それも全くの異業種から招くといったことも行われています。

将来的に、今後の日本でも同様のケースがさらに増えていくでしょう。内部関係者が昇進して社長になるケースが減る日も近いかもしれません。

さまざまなケースがある中途採用。海外では、社長を含むコア人材を中途採用するケースも見られます

5.2019年も中途採用が増加傾向

2019年、中途採用が増加傾向という特徴が見られました。

リクルートワークス研究所が実施した「中途採用実態調査」によると、2019年度の中途採用は大企業を中心に一層増加の見通しという結果になることが分かったのです。

さらに2018年度上半期の中途採用実績では、40代を採用する企業が増加していると分かりました。つまり日本における転職年齢の上限は、全体的に上昇傾向にあるのです。

中途採用が増えている業界・業種とは?

中途採用が増えている業界・業種に注目してみましょう。

前年比で「増える」が「減る」を大きく上回っているのは、飲食店・宿泊業(+26.9ポイント)、情報通信業(+23.7ポイント)、小売業(+21.5ポイント)、運輸業(+21.3ポイント)など。多くは人手不足が目立つ業種です。

また前年と比較すると、建設業の伸びがやや減速しており(-3.2ポイント)、中途採用需要はピークを迎えた可能性もあると考えられています。

引用:リクルート
ワークス研究所 中途採用実態調査(2018年上半期実績、2019年度見通し)

中途採用が成功している企業と成功していない企業の違い

ここでは中途採用が成功している企業と成功していない企業の違いを見ていきましょう。

2018年度上半期の中途採用にて人員を確保できた企業は45.0%、確保できなかった企業は54.2%となっていました。中途採用確保D.I.(「確保できた」-「確保できなかった」)は-9.2ポイントとなることが分かります。

また業種別に見ると、建設業(-34.2ポイント)や飲食店・宿泊業(-31.8ポイント)など人手不足が目立つ業種において、D.I.が低い水準にあります。一方で不動産業(+23.8ポイント)、金融・保険業(+22.4ポイント)は高い水準に。

これらから、採用意欲がそれほど高くない状況が反映されていると考えられます。

引用:リクルート
ワークス研究所 中途採用実態調査(2018年上半期実績、2019年度見通し)

即戦力などが求められる中途採用ですが、業種別に見ると成功例が少ないなど中途採用の需要がピークを迎えた面もあると分かります

6.中途採用における採用年齢層のトレンド

ここでは中途採用における採用年齢層のトレンドをご紹介します。中途採用を実施した企業のうち、10代・20代を採用した企業は58.1%、30代は66.8%でした。このように40歳未満の年齢層の採用が多かったのです。

40歳以上はどうかというと、50代(22.9%)、60代・70代以上(5.9%)については低い水準にとどまっており、50代以降の中途採用が厳しいことが見えてきます。

しかし前年と比較するとすべての年齢層で採用が増加。特に40代で5.3%ポイント増加と、中途採用の年齢層は徐々に高まりつつあるのです。

大企業で40歳以下の採用が多い理由

大企業で40歳以下の採用が多い理由を、詳しく見ていきましょう。10~50代に関しては、「従業員数規模1,000人以上」の企業のほうが採用は多いと分かります。

2018年3月卒業予定の大卒求人倍率は「1.78」。バブル経済末期1991年の有効求人倍率「2.86」には及ばないものの、ここ数年高い数値で推移していることが見えてきたのです。さらに売り手市場において、今後もこの傾向が継続的に続くと見られています。

特に「従業員数規模が5,000人以上」の大企業の求人倍率は極めて高くなっていました。ここでも人気を集めやすい大企業への集中と中小企業以下との格差が拡大していることが分かります。

中小企業で50代以降の中途採用が増えている理由

中小企業で50代以降の中途採用が増えている理由を紐解いていきましょう。

従業員規模別に見ると企業規模に関係なく、前年と比較し、すべての年齢層において採用が増加していると分かります。従業員規模1,000人以上の企業は1,000人未満の企業と比較して、10~30代といった若年層の採用が増加しているのです。

一方で、1,000人未満の企業は1,000人以上の企業と比較して、50代以上の採用の増加幅が大きくなっています。

規模の小さい企業は若年層を中途採用しにくいため、高齢者層の伸びが大きかったのでしょう(ただし、従業員規模の大きい企業のほうが採用数自体も絶対的に大きいという点には留意が必要です)。

また建設業は60代以降の採用が他業種よりも大きく増加しています(1.7%ポイント)。

これらから大企業では40歳以下の採用が多く、中小企業で50代以降の中途採用が増えていると分かります

7.中途採用がうまくいかない企業の対応策

2018年度上半期、正規社員の中途採用にて人員を確保できず未充足だった企業でを見ると、「事業に深刻な影響が出ている」6.2%、「事業に影響は出ているが、対処できている」が33.0%、「事業に影響が出ている」と回答した企業は合わせて39.2%でした。

従業員規模別に見ると、従業員規模300人未満の企業では事業に深刻な影響が出ていることが分かります。

従業員規模5,000人以上の大手企業では、事業に影響が出ているものの対処できている割合が高いという特徴が見られました。これらの背景には資金力や組織力の差があると考えられます。

引用:リクルート
ワークス研究所 中途採用実態調査(2018年上半期実績、2019年度見通し)

中途採用がうまくいかない企業の対応策はどのような現状か掘り下げていきましょう。

  1. 60歳以上の社員の活用
  2. 非正規社員の無期転換や正社員化
  3. 派遣社員や業務委託などの人材活用
  4. IT化・システム化による業務効率化
  5. 社員の労働時間の増加

①60歳以上の社員の活用

60歳以上では「自社の社員の積極的な活用」(67.5%)が最も高くなっています。背景にあると考えられるのは中年層の採用困難と、高齢者の就業意欲の高まりでしょう。

たとえば建設業では、「60歳以上の自社の社員の積極的活用」において「既に取り組んでいる」の回答水準が78.8%になっています。

さらに流通業では「60歳以上の自社の社員の積極的活用」などが高いものの、他の業種と比較すると「非正規社員の無期化や正社員転換が顕著」という内容が見えてきます。

②非正規社員の無期転換や正社員化

前年と比較すると、「非正規社員の無期化や正社員転換」が顕著になったと分かります。人手不足による人材の囲い込みや、有期雇用者の無期転換ルールが影響していると考えられるでしょう。

流通業を他の業種と比較すると「非正規社員の無期化や正社員転換」が高く、金融業においては未充足の企業が少数にとどまっており、対応としては「IT化や機械化による業務の効率化」が建設業と同様にやや高くなっています。

サービス・情報業では、「60歳以上の自社の社員の積極的活用」が極めて高く、「非正規社員の無期化や正社員転換」も高いことが見えてきました。

③派遣社員や業務委託などの人材活用

従業員数規模1,000人以上の大企業では「派遣や業務委託など外部人材の活用」が70.8%で最も高くなっています。また製造業においては「派遣や業務委託など外部人材の活用」が71.3%と高いことが明確に見えてきました。

④IT化・システム化による業務効率化

金融業における未充足の企業は少数にとどまっています。また対応策としては「IT化やシステム化による業務効率化」が建設業と同様に高くなっていました。

⑤社員の労働時間の増加

人手不足による人材囲い込みや、従来の雇用者の無期転換ルールが影響したこともあり、「社員の労働時間の増加」が4.1%ポイント下落しています。残業規制などによって労働時間への対応が難しいという背景も考えられるでしょう。

年齢や業種、さらに派遣社員や業務委託、非正規社員などというような雇用形態によって状況が大きく変化していると分かります

8.中途採用における採用活動の手順

ここでは中途採用における採用活動の手順について詳しくご紹介します。

  1. 採用目標を設定する
  2. 募集手段を選ぶ
  3. 選考の事前準備をする
  4. 候補者を選考する
  5. 内定後の各種対応
  6. 入社後の各種対応

①採用目標を設定する

中途採用における採用活動においては、最初に「採用目標」を設定することが不可欠です。

②募集手段を選ぶ

目標を設定した後は、以下のような募集手段の選定へと進みます。

  • 各種募集手段の検討と選定(採用ターゲットに適合した、合理的で効果的な利用)
  • 募集スケジュールや具体的な面接場所の確保・手段などの詳細を決定
  • 広告表現・文章表現の考案と決定

③選考の事前準備をする

続いて、具体的な選考の事前準備を進めていきます。具体的には以下のような実施事項が挙げられます。

  • 応募受付に関する必要事項・手段の整理
  • 採用ツールの準備
  • 採用担当者の設置、社内への広報
  • 応募者への具体的な対応の選定
  • 応募者への連絡方法・担当者についての選定

④候補者を選考する

候補者の選考にあたっては下記のような実施事項が挙げられます。

  • 書類選考(小論文・履歴書)、筆記試験(SPIなどを含む。また応募者の多寡や選考の目的・対象による)の実施
  • 面接(面接者の選定、面接回数の設定、面接にあたっての心構えや準備、質問項目、評価・判断のポイント)の実施

⑤内定後の各種対応

内定後の各種対応には次のような実施項目が一般的な企業で行われています。

  • 各種手続きの実施(内定者に向けた内定通知、内定者へ入社の意思確認、入社までの綿密なフォロー、入社日に必要な持参物の連絡など)
  • 入社をスムーズに進めるため、デスクの設置やIDカードの作成を実施。また人事・総務と連携した受入体制の整備

⑥入社後の各種対応

入社後の各種対応には、以下のような事柄があります。

  • 内定者の入社時の教育研修(会社の全体像への理解、職場慣行の通知、中途採用者の位置付けの理解)の実施
  • 内定者の入社後のフォロー(相談窓口の設置、中途採用者同士の連帯)
  • 賃金の決定(本人が納得できる基準・方法)
  • 賃金以外の処遇の決定(賞与、退職金、年金、財形貯蓄、有給休暇といった福利厚生)

中途採用も新卒採用同様に、選考から内定、さらに入社後の対応まできめ細かなフォローが不可欠だと分かります

9.採用目標を設定する方法

ここでは中途採用における、採用目標の設定について具体的な方法をご紹介します。

最初に「採用目標」を明確に決めておく必要があります。「採用目標」は自社事業の現状(中長期計画)にもとづき、経営戦略や組織・人事戦略から導き出された「要員計画」から決定するのが一般的です。

また採用目標の多くは「質」と「量(人数)」から成り立っています。特に「質」については、企業や経営陣、人事担当者が「求める人材像」を明確にしておく必要があるでしょう。

要員計画を策定する

まずは、企業の自社事業の現状(中長期計画)の下、経営戦略や経営計画に基づいた「要員計画」を策定します。

組織風土を言語化する

次に企業の経営理念やビジョン、人材に求める「ビジネスパーソンとしてのあり方」や大切にしたい企業文化などが含まれた望ましい組織風土を具体的な言葉へと言語化していきます。

求める人材像を明確にする

全社組織図と業務フローを明確にして、どの部分を担う人材が必要かを明らかにします。

同じような部門や職種名といっても、業界や会社によって異なる場合は多いです。自社の仕事のどの部分を担う人材なのか、職務や責任を明確にするのです。これにより最も効果的な募集手段が導かれ、広告手法や選考方法が定まっていきます。

現状の採用力を確認する

業績、規模、社員数、資産、知名度などの企業力や企業ブランド力、勤務地、福利厚生などの労働条件などから、想定される競合企業との比較を行います。さらに採用者個人の給与、待遇などの比較も必要です。

「採用環境(他社の採用動向、採用ターゲット数など)」や自社の「採用力(企業力、労働条件・処遇、採用戦術など)」を適切に分析します。採用目標と現状の採用力にギャップがあるケースでは、採用活動や労働条件・処遇などの改善も求められるでしょう。

中途採用においては、要員計画の策定や組織風土の言語化を代表とする採用目標の設定が非常に重要だと分かります

10.選考基準の設定の仕方|選考基準の例

ここでは中途採用における「選考基準の具体的な設定やその方法」について深く掘り下げみましょう。

選考基準には2つの項目が挙げられます。

  1. データ・事実によって客観的に判断可能であるもの
  2. 抽象的、主観的であり、コミュニケーションを通して判断するもの

どちらにおいても、企業が求める人材像に合わせた基準と綿密に照らし合わせて適性を判断する必要があるでしょう。

また企業は、中途採用を行う際、さまざまな基準を設けなくてはなりません。ここでは以下の4つを例として説明します。

職務遂行能力

「職務遂行能力」では、「客観的に判断できるもの」と「抽象的・主観的であるもの」が必要とされます。

客観的に判断できるもの

  • 応募者の職務経歴を事実・実績ベースで詳細に分析する
  • 現場責任者または経営者が担ってほしいと考える仕事・事業に必要な知識・技術・経験を洗い出す

抽象的・主観的であるもの

  • 仕事を遂行する際における人物・人柄、志向、行動特性など
  • 「人材鑑識眼」を持つ人物が十分に懇談して、判断する

勤務条件や待遇への適合性

「勤務条件や待遇への適合性」については以下の決定事項や基準が重要なポイントとして考えられています。

客観的に判断できるもの

  • 具体的な給与や明確な休日、休暇の日数、勤務時間、国内転勤や海外勤務への企業側の対応力など

抽象的・主観的であるもの

  • 採用担当者が内定者と十分に懇談して、判断すること

組織や風土への適応力

「組織や風土への適応力」においては以下の決定事項や基準が重要なポイントとして考えられています。

抽象的・主観的であるもの

  • 内定者の規律性、忍耐性、責任感、指導力、協調性、共感性など人事担当者や採用担当者、事業責任者、所属が予定される上司や現場責任者が十分にしっかり懇談して、判断すること

人物や人柄

「内定者の人物や人柄」においては以下の決定事項や基準が重要なポイントとして考えられています。

抽象的・主観的であるもの

  • 内定者の誠実性、感受性、責任感、情緒安定性など

経営トップや人事担当者、採用担当者以外にも、同年代の信頼できる同僚や社員と懇談させるという方法も有効と考えられています。

選考基準には、「客観的に判断できるもの」「抽象的、主観的であるもの」の2種類があるといえます

11.募集手段の種類と特徴

採用活動プロセスがすでに確立している新卒採用と比較した際の中途採用における悩みは、「どうすれば応募者を集められるか」だと考えられます。

そこで、ターゲットとなる人材に巡り合える確率の高い「募集手段」の選択と、その手段の上手な活用が中途採用のポイントになるのです。

ここでは中途採用における「募集手段の種類」について詳しく掘り下げましょう。募集手段の種類として代表的なものに以下のようなものがあります。

  1. 自社サイト内の求人ページ(採用HP)
  2. 人材紹介(登録型やヘッドハンティング・スカウト)
  3. 転職サイト
  4. ソーシャルメディア(SNSを利用した中途採用)
  5. 合同会社説明会(転職フェア)
  6. ハローワーク(公共職業安定所)
  7. 公営人材銀行
  8. 専門誌・業界誌
  9. 新聞
  10. 折り込みチラシ
  11. 縁故(リファラル採用)

①自社サイト内の求人ページ(採用HP)

自社ホームページの場合、掲載費が一切かかりません。そのため企業は自社サイトなどを活用し、自社の価値観を明確に打ち出して、質の高い有能な人材の採用につなげているのです。

また、採用HPを使用した応募者は、入社率が高いというデータも発表されています。

自社サイト内の求人ページは掲載内容を自由に更新できますが、タイムリーに情報を更新するために、一定の管理コスト(ページ作成費用、サイト運用管理費用)が発生する場合もあるので注意が必要です。

②人材紹介(登録型やヘッドハンティング・スカウト)

人材紹介とは中途採用を希望する企業に、条件に合った人材を紹介するサービスのこと。スキルや経験、本人の意向などに基づいて、一定の絞り込みを行った上で紹介を行うため企業側の採用業務が削減されます。

  • 登録型:あらかじめ登録された転職意向のある人材の中から企業に推薦する候補者を探す
  • スカウト(ヘッドハンティング)」:企業の要求に適した人材を探し、転職への動機付けを図った上で紹介する。現状、マネジメントクラスや有能な技術者などを扱うケースが目立つ

③転職サイト

インターネット上の転職サイトは現状、紙媒体である就職情報誌から派生したメディアが多いです。このような経緯から、各社が持つ中途採用を成功させる独自のノウハウを紙面から反映させているという特徴も見られています。

転職サイトは現在の中途採用手段において、最も代表的なスタイルともいえるでしょう。他のメディアと比べて掲載する情報量が多く、さらに動画なども加えられるため、さまざまな面から企業の特色をアピールしやすいです。

また求職者も条件検索を簡単に行えるため、応募目的が明確な求職者を集めやすいと考えられます。

④ソーシャルメディア(SNSを利用した中途採用)

企業側が一方的に選考するのではなく、企業と人材が対等な立場で理解を深め合うことで採用にまで至ることができます。さらに企業と人材のコミュニケーションが情報として第三者にも開示されるため、企業イメージの訴求効果も期待できるのです。

SNS利用は基本的に経費が発生しないので、初期費用が抑えられます。しかしその一方で、不謹慎な発言などネガティブな情報がネット上に拡散してしまうリスクも。情報管理には十分な配慮が必要でしょう。

⑤合同会社説明会(転職フェア)

合同会社説明会には中小企業庁、商工会議所、ハローワークなどの公的な機関から、民間の転職メディアが開催するものまであります。求人サイドから見ても、初期段階から人材と直接接触できる点はメリットでしょう。

また、転職意向のある人材が来場するため、その場で一次面接をするなど迅速な対応もできます。

公的機関が主催する場合、出展費用は基本的に無料ですが、民間の転職メディアが主催するものは有料が多いです。

⑥ハローワーク(公共職業安定所)

ハローワークとは、、求人・求職共に無料で利用でき、さまざまな職種の紹介を行う職業紹介事業機関のこと。国によって運営されており、大都市圏では区ごとに、他の地域においては市単位など一定のエリアごとに設置されています。

複数の職種にわたる求人が1カ所で行えるため、多職種募集を行いたい場合、求人サイドは便利でしょう。

ただし、1回に1人ずつしか紹介を受けられないため、大量募集や緊急を要する募集などには不向きとも考えられます。それにより複数の応募者の比較検討もできません。

⑦公営人材銀行

公営人材銀行とは、管理職や特定の専門職・技術職というような人材を対象に、ハローワークの内部組織として専門職種の紹介を行う機関で、現在、全国に26カ所あります。

管轄区を持たないため、斡旋対象地域は広域となる場合がほとんど。東京のケースでいえば、関東一円の人材を対象とするイメージです。一定レベル以上の幅広い経験や専門的な技術、優れた能力を持つ人材が登録しているのが最大の特徴でしょう。

しかし、ハローワークと比べると、扱う人材の年齢層や技術、経験、能力においてのレベルに大きな差があるため、若年層の採用は期待しにくいです。

⑧専門誌・業界誌

誌面という特性上、求人情報が保存されるため、求職者に反復利用されることが多く、企業が見込んだ募集期間よりも先、たとえば半年後や1年後に問い合わせが来るというケースも珍しくありません。広告効果がかなり長いのです。

即時採用としての目的には向きませんが、長期的な視野でターゲットとなる求職者を応募に委ねる手段として利用できるでしょう。

応募者が採用に結び付く可能性も高いとされていますが、他メディアに比べて発行部数が少ないため、多職種募集や大量採用、新卒採用には不向きです。

⑨新聞

新聞広告はその発行部数の多さと、広範囲にわたる配布などから、より多くの求職者に見てもらえます。また日刊紙という形態のため、読者からの反応も他媒体に比べて速く、広告の即効性が期待できるのです。

地方での採用においては、大都市圏の新聞よりも地元の有力紙が効果的だと考えられています。

一方で保存性が低く広告生命が短いというデメリットもあるのです。一般的に、新聞での求人広告掲載後の応募ピークは2~3日後とされています。よって求人の応募締め切りは、掲載日から一週間が妥当だと考えられます。

⑩折り込みチラシ

折り込みチラシにおける求人広告について、新聞社は直接関与していません。新聞専売所に広告代理店や印刷会社が折り込みチラシを持ち込む形が一般的なのです。

地域の選定を細かく行えたり、配布する日程を自由に選べたりする点から、地元での人材募集に効果的だと考えられます。また、求人広告の中においても掲載制限が少なく、料金も比較的割安という性質を持つのです。

さらに、より広いスペースを使用することで、企業の経営方針や労働環境、給料などもアピールできるでしょう。中小企業や各店舗・事業所ごとに利用されることが多いメディアといえます。

一方で他の広告に紛れてしまったり、新聞と一緒に破棄されたりする場合があるのです。そのため、広告効果は長続きしにくいでしょう。

⑪縁故(リファラル採用)

縁故(リファラル採用)とは、自社に勤務する社員やその社員の出身校の先輩や後輩、さらには出身校の教授・教員、あるいは知人・友人、親戚、取引先のコネクションを使って人材を募集するもの。

求職者のプロフィールが掴みやすく、費用も発生しにくいです。しかし、同質・同族の人材が集中してしまうため組織の硬直化が起こりやすく、また競争意識の欠如などの傾向も考えられます。縁故だけでなく他の手段との並行が理想的でしょう。

中途採用には、自社のホームページでの求人広告からハローワーク、新聞、折り込みチラシとさまざまな種類があります

12.中途採用と新卒採用における広告表現の違い

ここでは、中途採用と新卒採用における広告表現の違いについて見ていきましょう。中途採用と新卒採用では、求人広告における表現手法にそれぞれ異なる特色があります。

代表的な例としては、

  • 新卒採用:総論的で、事業内容や将来への展望など企業に関する情報に焦点を当てているといわれる
  • 中途採用:各論的で、仕事や職種の詳しい説明、具体的な仕事の流れ、仕事の面白さややりがいなどに焦点を当てているといわれる

同じ求人広告でも中途採用と新卒採用ではそれぞれ違いや特色があります。ぜひ注目してみてください

13.書類選考や筆記試験の検討方法

書類選考や筆記試験の検討方法について、下記のような流れを展開する企業が多いようです。初めに応募者の多寡や選考の目的や対象によって実施を検討します。

書類選考は、応募者が必要な要件を満たしているかどうかなど、履歴書やエッセイなどの書類から受験者を絞り込みます。これは大量の応募が予測される際に、大変有効な選考方法だと考えられているのです。

また面接を補完するものとして、筆記試験の実施も行われています。さらに募集する人材の選考の目的や対象によっては、「専門知識試験」「一般常識・教養試験」「作文・小論文」「適性検査」などを実施する場合もあるのです。

書類選考

書類選考は、人事によって実施される場合と、配属予定部門によって実施される場合の2つがあります。応募書類には求職者の個人情報が記されているため、取り扱いには最大限の注意が必要です。また選考結果は、速やかに連絡することが求められます。

専門知識試験

専門知識試験は、応募者がどの程度の知識を有するか、実務を遂行する能力があるかを、客観的に判断する材料として有効です。特に、職種別試験においては、高度な専門職採用に大変有効でしょう。

実施にあたっては、企業における自社の昇進や昇格時に行われているオリジナルの社内試験を活用するほか、職種に関する資格試験などで出題されている問題や課題を使用するなどさまざまな方法があります。

一般常識・教養試験

一般常識や教養、時事問題などを組み合わせたもので、社会人としての最低限の素養を確認します。一般的に実施されるテストは、公務員試験や行政書士試験などを参考とした内容だとされています。

作文・小論文

上記試験の補完として「作文・小論文」を選考に取り入れている企業も急増しています。
これは応募者の知識や文章表現力、理解力、思考力、創造性などを評価することを目的としたテストです。

中途採用の場合、応募書類受付時に履歴書と同時提出を求められることが多く、書類選考の際、検討材料のひとつとされます。

適性検査

上記の専門知識試験や一般常識・教養試験の実施、作文・小論文提出のほかに中途採用において「適性検査」を導入するケースもあります。

職務遂行やビジネスパーソンとしての不可欠な能力や特性を身に付けているかを、科学的・客観的に把握するものです。採用時から入社後の昇進・昇格までをフォローするものとして、適性検査を導入する企業は多いとされています。

適性検査を選択する際、「応募者にどのような資質を求めるのか」「どの適性を見るのか」「検査結果をどう利用するか」など明確な目的の設定が重要です。そしてそれを踏まえた上で数ある種類から目的に合ったものを選択します。

中途採用における新卒採用との大きな違いは、一般常識・教養試験や適性検査のほか、専門知識試験などを実施する点です

14.中途採用の面接方法

ここでは「中途採用の面接方法」について詳しく説明しましょう。

中途採用における面接では、業務に求められる必要な経験やそれに伴ったスキルを持っているかの確認を中心とします。

たとえば面接官が漠然と人柄を見るというより、企業が必要とする経験、能力を発揮できるかどうかの判断が大きな目的とされるのです。そのため面接官は事前に履歴書や職務経歴書の内容をチェックし、確認すべきポイントをリストアップします。

それに併せて、面接時に応募者の志望動機や企業に向けた興味・関心の度合い、さらに入社後の目標などをヒアリングして、人物的に予定される配属部門に適した人材かどうかを見極めていくのです。

中途採用の面接では業務に必要な経験やそれに伴ったスキルを持っているかの確認がメインとなるのです

15.内定から入社までの注意点

ここでは「内定から入社までの注意点」をご紹介します。

受け入れる企業側の体制は、採用決定した中途採用者が、職場や所属する部署に適応できるかするかを左右します。

たとえば人事部が中途採用者を受け入れる部門や部署と連携せず一方的に採用を進めてしまうと、「人事部が勝手に採用した」「会社が採用した人だから」と、採用者が所属する予定の部署から反発を買ってしまうでしょう。

つまり人事部は可能な限り各部署の協力を得ながら、一枚岩となって進行しなくてはならないのです。

中途採用の必要性を従業員に周知する

中途採用において、「中途採用」の必要性を職場内へ周知することも不可欠です。

人事部が採用を進める際は、「なぜ、中途採用をする必要があるのか」という疑問に対する説明を社内全体に行います。これにより、中途採用者を快く受け入れる体制を作るのです。

社内会議やプロジェクトミーティング、社内広報などを通じて中途採用の意図をPRしておくことも有効な手段でしょう。

多くの企業において、採用は人事部が担当します。その際、採用の目的などを各部署や社内全体に周知させることが必要です