「KPIとは」を簡単に説明すると? 設定、運用方法、事例、PDCAについて

KPIとは、重要業績評価指標のことで、目標の達成に向けた行動を評価するための指標として多くの企業で採用されています。

KPIをより実践的、効果的に運用するためにも、

  • KPIを活用している企業事例
  • KPIの設定方法の基本
  • KPIの運用方法の手順

といった事項について、改めて確認しておきましょう。

1.KPIとは?

KPIとは企業や組織の目標を達成するために行う日々の活動の具体的な行動指標のこと。「Key Performance Indicator」の頭文字を取った言葉で、重要業績評価指標のことを指します。

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KPIは、企業や組織の目標達成に向けたプロセスや行動を評価するための、具体的な指標のことです

2.企業事例に学ぶKPIの役割とは?

KPIにより企業や組織の目標管理に成功している企業の事例を見ていくことで、

  • KPIに対する考え方
  • KPIの運用方法

などを理解できます。KPIを活用している3社の例を紹介しましょう。

  1. 日本航空
  2. 丸井グループ
  3. 小林製薬

①日本航空

日本航空は、KPIを「最高のサービスを提供する」という企業目的のために活用しています。

最高のサービスとは、下記の4分野。

  • 安全性
  • 定時性
  • 快適性
  • 利便性

4分野の顧客満足度を高めるための指標としてKPIを活用しました。たとえば、定時性に着目した場合、「遅刻15分未満に到着した比率」を定時到着率としてKPIに設定したのです。

②丸井グループ

丸井グループは、

  • 女性社員が長く働き続けるための価値観や働き方の変革
  • 各種制度設計や整備
  • 女性活躍浸透度と女性上位職志向といった社員の意識

などをKPIに掲げています。これらのKPIに取り組んだ結果、厚生労働省の「子育て支援に積極的に取り組んでいる企業」などを受賞し、ブランド価値の向上も合わせて実現する結果となりました。

③小林製薬

小林製薬のブランドスローガンは、「あったらいいなをカタチにする」です。

そのスローガンのもと、

  • 市場の成熟化に抗う
  • 過去にあぐらをかかない
  • ライバルより早く需要を製品化する

といった姿勢をKPIに落とし込んでいます。結果、自社独自の製品開発によって次々とヒット製品を生み出すことができました。

KPIを使った目標管理に成功している企業例を参考にしながら、KPIをより実践的に理解していきましょう

3.簡単に解説! KPIの設定方法の基本とは?

KPIにロジックツリーと呼ばれているフレームワークを活用すると、企業や組織が抱えている問題をツリー状に分解、分析しながら問題の整理・解決が可能になります。

KPIツリーの作り方

KPIツリーは、KPIを設定するためのロジックツリーです。その構造はKGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標を頂点として、

  1. KGIの達成に必要となる主要成功要因であるKSF(Key Success Factor/重要成功要因)
  2. KSFを達成するための途中経過指標であるKPI

2つがトップダウン式に設定されています。これにより最終目標を達成するために取るべきアクションを筋道立てて定めることができるのです。

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具体例①営業の場合

一例として営業のKPIツリーを見てみましょう。

  • 最終目標であるKGI「売り上げ」達成を掲げる
  • KSFに「受注数」「平均受注額」を設定する
  • KSFを実現するためのKPIに「商談数」「受注率」を指標に設定する

といった手順になっています。

具体例②人材採用の場合

次に人材採用のKPIツリーを見てみましょう。

  • 最終目標であるKGIに「採用数」達成を掲げる
  • KSFに「内定者数」「内定受諾率」「求人応募数」などを設定する
  • KSFを実現するためのKPIに「求人サイトからの応募数」を指標に設定する

といった手順になっています。

KPIツリーは、KPIを設定するためのロジックツリーです。上手に活用して、目標達成を実現できるKPIを設定しましょう

4.簡単に解説!KPIの運用方法の基本とは?

KPIは、設定だけでなく運用方法の基本も押さえる必要があります。運用方法の基本を押さえることで、

  • KPIを有効活用して、実質的な成果を挙げられる
  • KPIの成果を継続する組織力を高められる

といったメリットを得られるからです。

KPIの運用設計の手順

KPIの運用設計の手順は下記の通りです。

  1. 設計の準備を整える
  2. 運用のルールやプロセスを設計する
  3. 補足的な検討事項を確認する

①設計の準備を整える

最初に、設計の準備を整えます。

運用設計の準備では、

  • 社内でKPIに対する認識を共有するため、指標の定義を確認・整理
  • KPIをスムーズに測定するため、データ取得方法を確認
  • KPIの運用をより柔軟性の高いものにするため、代替案となるKPIの検討

などを実施するのです。

②運用のルールやプロセスを設計する

次に、運用のルールやプロセスを設計します。

  • 誰がどのタイミングで何をするかといった、PDCAのプロセスと会議体の設計
  • 組織メンバー一人ひとりに運用時の役割を設計
  • KPIを可視化するためのルール、ツールといった仕組みの設定
  • KPIの結果を振り返るための場所や振り返り方法の設定

などを設計していきます。設計した内容は、組織内でしっかりと共有していきましょう。

③補足的な検討事項を確認する

最後に、補足的な検討事項を確認します。ルールやプロセスを設計しても、何らかの漏れが生じることはよくあるもの。そこで、補足的に検討すべき事項を確認するのです。

  • 社内外への情報開示に関する共通のルール
  • バッティングしたKPIへの対応方法
  • PDCAを活かした振り返りの結果、KPIや目標値を見直すプロセス
  • 外部環境といった状況変化への対応方法
  • 個人の目標管理・評価制度との関係

などについては、事前に検討しておく必要があります。

PDCAとは?

PDCAとは、Plan→Do→Check→Actionの順に回して、継続的に業務改善を行う方法のことで、セルフマネジメントメソッドの一つです。すでに多くの企業や組織で採用されており、比較的身近なマネジメントメソッドといえるでしょう。

PDCAは、

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(改善)

の頭文字を取ったものです。

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