KPI管理とは? 具体的なやり方と手順、成功のポイントを簡単に

KPI管理とは、最終目標(KGI)達成に向けて設定した中間指標(KPI)の進捗をモニタリングし、分析・改善を繰り返すマネジメント手法です。指標定義の統一、データ取得方法の整備、PDCAサイクルの設計が成功のカギとなります。

本記事では、KPI管理の目的から管理体制の全体手順、設計準備の具体的なステップ、運用ルールの設定方法、補足的な検討項目まで体系的に解説します。

1.組織がKPIを管理する目的

KPI管理の目的とは、事業目標の達成度やプランの進捗を把握し、業績の将来変化を予測して目標達成の可否を見極めるために中間指標を継続的にモニタリングすることです。

KPI管理とは、最終目標(KGI)を達成するために設定した中間目標(KPI)の進捗や達成を管理することです。具体的には、KPIの設定や経過のモニタリング、分析、改善といったアクションを取ります。中間目標であるKPIを管理することで、目標達成までの計画立案や進捗確認、ボトルネック発見が容易になります。

KPIを管理する目的は2つ。

  1. 事業目標の達成度や、目標達成に向けたプランの進捗を把握する
  2. 業務や業績が将来どう変化するかを予測し、目標達成が可能かどうかを見極める

つまり現状を常に把握することで、経営判断や業務判断を下すのに役立てるのです。また、KPIマネジメントを運用する際、以下のことを決めておきましょう。

  • 誰がいつどのように進捗を把握して判断するか
  • KPIの進捗や達成度はどのように表記し提示するか
  • ツールは何を使うか
  • 判断、社内調整を進める方法はどうするか

KPIを設定し進捗を管理する目的は、事業目標の達成です。効率的にKPIマネジメントを運用しましょう

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2.KPIの管理体制のつくり方(全体手順)

KPIの管理体制のつくり方とは、管理設計の準備、運用ルールの策定、補足的な検討項目の確認という3ステップで体制を構築するプロセスのことです。

KPI管理体制構築の全体ステップ

ステップ 内容 主な作業
1. 管理設計の準備 KPIの基盤を整える 指標定義の統一、データ取得方法の確認、代替KPIの検討
2. ルールの設定 運用の仕組みをつくる PDCA設計、役割・体制の整理、表記ルールの決定、ツール導入
3. 補足的な検討 精度を高める 情報開示ルール、部門間調整方法、目標値見直しプロセスの策定

それでは各項目について詳しく見ていきましょう。

①管理設計するための準備

KPIを設定する際は以下のような事前準備が必要です。

まず指標定義を社内で統一します。指標に対する認識や算出方法が違っていれば、正しく判断することができません。齟齬がないように、指標定義を整理しましょう。

続いて指標のデータ取得方法を確認し、取得困難な場合は代替案を検討します。指標を抽出したら、データを取得できる指標かどうか見極めて、取得できる場合はその方法を確認するのです。できない場合は他の指標を代わりに使えないか検証します。

②管理におけるルールの設定

KPIマネジメントを運用するにあたり、以下のようなPDCAサイクルの回し方や運用ルールを決めましょう。

  • 「いつ」「だれが」「何を」「何のために」「どのように」管理するかを整理
  • どの部門がどんな役割や責任を担うかを決めて、体制を整える
  • 指標の「見える化」を図るため、KPIの達成度や完成度などの表記ルールを設定する
  • KPIの進捗を「見える化」できるツールや仕組みを導入し、組織全体で共有する
  • 1カ月、半年、1年などのサイクルで、KPIやKPIマネジメントの見直しを行うタイミングを設ける

③補足的な検討項目の確認

①、②のほかにも、検討しておきたいことがいくつかあります。

  • KPIの進捗についての開示方法や、情報共有のルール
  • 部門間などで役割や責任が被ったり調整が必要になったりしたときの対応方法
  • 事業目標やKPIを見直す手順
  • 外部の環境や内情が変化したときの対策
  • 個人の成果にKPIの進捗をどのように反映させ評価するか、そのルールを整備

補足的な検討項目といっても、KPIマネジメントを成功させるにはどれも欠かせません。きちんと検討して、万全に整えておきましょう。

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3.KPIの管理を設計するための準備(具体的手順)

KPI管理の設計準備とは、指標定義の統一・データ取得方法の確認・代替KPIの検討という3つの作業を事前に行い、管理基盤を整えることです。

では、管理設計にはどのような準備が必要なのか詳しく見ていきましょう。

指標の定義を確認・整理する

同じ組織内でも、部門ごとに指標定義がばらつく場合も。指標に対する認識が異なれば成果に影響が出ることも考えられます。

組織全体が目指す方向をひとつにするためにも、KPIを決めた後、主要な指標や整合性が取れていない指標を中心に定義の整理を行いましょう。その際、指標の定義をまとめた一覧表を作ると管理しやすいです。

指標を定義する際、部門間で認識を合わせることも欠かせません。コンセンサスを得られない場合は、運用しながら継続して検討を続けましょう。

データの取得方法を確認する

目標達成に向けて必要なKPIをリストアップしたら、それぞれの指標においてデータが取得できるか否かを確認しましょう。

データ取得が可能な場合は、その方法や手順についても検証しておく必要があります。データは実務の中で確認できることが大切。取得に手間や時間がかかりすぎる場合は再検討しましょう。

代替案のKPIを検討する

必要な指標なのにデータ取得が難しい場合は、KPIの代替案を考えなければなりません。そのときに大事なのは、目的を再確認すること。

目標達成のためになぜその指標が必要で、何を把握し進捗管理したかったのかを確認して、他のデータ取得可能な指標で代替できないかどうかを検討しましょう。

業務改善などによって将来的にデータ取得ができそうな指標がある場合、データ取得に必要な要望などをまとめておくとよいでしょう。

人事KPIは見える化するだけでは不十分です。施策内容とKPIの推移を照らし合わせ確認して、その結果を次につなげるPDCAサイクルを回すことが重要です。

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4.KPIの管理におけるルールの設定(具体的手順)

KPI管理のルール設定とは、運用方針・PDCAの回し方の決定からツール導入、組織内コンセンサスの形成まで、KPIを実際に動かすための仕組みをつくることです。

KPI運用ルールで決めるべき項目一覧

項目 内容
運用方針 「いつ」「だれが」「何を」「何のために」「どのように」管理するかを明確化
役割と体制 指標ごとに責任部門・共同責任部門・サポート部門を設定
表記ルール KPIの達成度・実行度・進捗状況の表記方法と評価基準を統一
可視化ツール KPIの進捗を共有するシステムやダッシュボードを導入
振り返りサイクル 1カ月・半年・1年など定期的なKPI見直しタイミングを設定

KPIの導入は次のような流れ(ルール)で進めます。まず運用方法やPDCAを回す手順を検討し、次に運用に必要なツール・仕組みの開発や導入を行います。最後にKPIの導入に関する説明をして組織内でコンセンサスを取るのです。

運用方針やPDCAサイクルについて検討する

KPIマネジメントを運用する際、「いつ」「だれが」「何を」「何のために」「どのように」進めるのかを明確にして、PDCAサイクルを回すためのプロセスを設計し、それを話し合う会議などの場を設定します。

部門や管理者の役割や責任を明確にする、表記ルールを決める、指標の見える化を徹底することなども重要です。

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KPIの運用における役割や体制などを整理する

KPIマネジメントを円滑に進めるにあたり、各部門や管理者の役割・責任を決めておくとスムーズに運用できるでしょう。

たとえば、指標の達成に責任を持つ部門、共同で責任を持つ部門、サポートする部門など、指標ごとにカテゴリーを設定して振り分けるのです。しかし、責任や役割を固定しすぎると柔軟に対応できなくなることも。

「管理しやすい」「部門間で共有や連携が取りやすい」などに気を配りましょう。

KPIの達成度や進捗、実行度を見える化する

KPIの目的は、業務の進捗をモニタリングして適宜改善しながら目標達成を目指すことですが、それにはデータの見える化が必要です。

見える化の際、KPIの達成度や実行度、進捗状況を表記する方法や、評価の判断基準、報告の手順などのルールを決めておくとスムーズに運用できます。モニタリング機能がうまく働けば、意思決定にも役立つでしょう。

見える化・共有化のためのツールを導入する

KPIの進捗を可視化して組織内で共有するにあたり、見える化を支援するシステムやツールを導入するとスムーズです。「ツール」を使えば、KPIの設定や更新作業、進捗確認などを簡単に行えるようになるでしょう。

管理者にとっては、一元管理によって全体を把握しやすくなるため、KPIに問題が起きた際も迅速に対応できます。

振り返りの場についてルールを設定する

KPIマネジメントの成功の秘訣は、1カ月、半年、1年などのサイクルで振り返り、柔軟に軌道修正していくこと。

KPIを効率的・効果的に運用するためにも「定期的にKPIを見直し、必要に応じて設定し直す」「目標達成までのプロセスを実態に合わせて改善する」など、ブラッシュアップに関するルールも設定しておきましょう。

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5.KPI管理における補足的な検討項目の確認(具体的手順)

KPI管理の補足的な検討項目とは、情報開示ルール・部門間調整・目標値の見直しプロセス・外部環境変化への対応・個人評価との紐づけなど、運用の精度を高めるために整理すべき事項のことです。

KPI管理の補足的な検討項目一覧

検討項目 内容
情報開示や情報共有のルール 誰にどこまでKPIの情報を開示するかを決める
調整事項や相対立する事項への対応方法 部門間の利害対立が生じた場合の調整方法を定める
KPIや目標値の見直しのプロセス 定期的な見直しのタイミングと手順を決める
外部環境など状況変化への対応 市場や規制の変化にどう対応するかを検討する
個人の目標管理や評価制度との関係 KPIと個人評価をどう連動させるかを整理する

補足的に検討しておきたい項目には、以下のようなものがあります。

情報開示・情報共有のルール

事業部や部門におけるKPIの達成度や実行度などを、組織内で積極的に共有する企業が増えています。見える化することでKPIに対する意識が高まったり、社員や部門間に良い刺激をもたらしたりして、KPIマネジメント活動が大いに盛り上がるからです。

KPIの進捗を組織全体に情報開示・情報共有する方法を定め、ルール化しておくと役立ちます。

調整事項・相対立する事項への対応方法

KPIマネジメントを運用する際、進捗状況によっては、管理者が調整や意思決定する場合もあります。たとえば目標達成に向けたプロセスに変更が必要な場合など。

さまざまな状況を想定して、調整を行う場をどう設定するか、調整・判断の手順をどうするかなどを整理しておくことが重要です。設定したルールは各部署に周知しましょう。

KPI・目標値の見直しのプロセス

KPIは、ビジネス環境の変化や組織目標の変更などに合わせて、柔軟に設定し直すことが重要です。

「KPIの指標が適切ではなかった」「進捗状況が想定と大きく異なった」「外部の状況が変わり目標値を変更せざるを得ない」など、再設定が必要になるのはどのような場面かをあらかじめ想定し、対応ルールやプロセスを決めておきましょう。

外部環境など状況変化への対応

外部の状況などが大きく変わったときの対応方法を、KPIを見直すための運用プロセスやルールに組み込む場合、何をすればよいでしょう。

その際行うのは、重要なKPIに与える外部要因にはどのようなものがあるのか、また変化の兆しをつかむための情報には何があるかを整理すること。タイムリーに環境の変化を読み取れるように準備することが大切です。

個人の目標管理や評価制度との関係

組織全体のKPIをベースに個人目標を設定して人事評価する場合、KPIの運用プロセスと個人目標の管理プロセスを照らし合わせ、それぞれの流れを把握しておくことが重要です。

また、KPIの達成度や実行度を個人の評価にどのように反映させるのか、ロジックをどう組み立てるのかなども整備します。


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6.KPI管理を成功させるステップ

以下のステップに沿って進めましょう。

STEP.1
指標定義を統一する
組織全体で使うKPIの定義・算出方法を整理し、一覧表にまとめる。部門間で認識のズレがないかを確認する
STEP.2
データ取得方法を確認する
各KPIに必要なデータが取得可能かを検証し、取得が困難な場合は代替指標を検討する。取得に手間がかかりすぎる指標は実用性の観点から再検討する
STEP.3
運用ルールとPDCAサイクルを設計する
「いつ」「だれが」「何を」管理するかを明確にし、役割分担・表記ルール・振り返りの頻度を決定する
STEP.4
可視化ツールを導入し組織全体で共有する
ダッシュボードやタレントマネジメントシステムを活用してKPIの進捗を見える化し、全部門でリアルタイムに共有する
STEP.5
定期的に見直し改善する
月次・四半期・年次のサイクルでKPIの妥当性を検証し、外部環境や事業方針の変化に応じて柔軟に修正する

7.関連する改善事例

以下では、本テーマに関連する企業の取り組み事例を紹介します。

【事例】株式会社良品計画

「無印良品」を展開し、国内外に多数の店舗を持つ大手小売企業の同社では、部門や店舗ごとの目標達成状況を一元的に管理する必要がありました。カオナビの導入により、社員一人ひとりのKPIを可視化し、進捗をリアルタイムで把握できる体制を整備しました。評価面談の場でもKPI達成度に基づいた建設的な対話が可能となり、納得感のある目標管理が実現しています。このような取り組みは、KPI管理の好事例といえます。

→事例の詳細を見る

【事例】リョービ株式会社

ダイカスト製品や印刷機器を手がける従業員5,000名超の大手製造企業です。従来は紙やExcelで業績目標を管理しており、集計・分析に多大な工数がかかっていました。カオナビの導入後は、目標設定から進捗確認・評価までを一つのプラットフォームで一元的に運用し、各部門のKPI達成状況を迅速に把握できる体制を構築しました。この仕組みは、KPI管理を推進するうえでの土台となっています。

→事例の詳細を見る

【事例】株式会社Faber Company

Webマーケティングツールを提供するIT企業で、社員数は約50名の少数精鋭組織です。個人目標と会社全体の方向性を連動させる仕組みづくりに注力し、カオナビを活用して各メンバーのKPIを設定・共有しています。定期的な1on1ミーティングで進捗を確認するサイクルを定着させ、少人数でも精度の高い目標管理を実現しました。少人数組織でのKPI管理に取り組む企業にとって示唆に富む事例です。

→事例の詳細を見る

よくある質問

KPI管理に最適なツールの選び方は?

KPI管理ツールは、ダッシュボードでリアルタイムに進捗を可視化できること、部門横断でデータを共有できること、アラートやリマインド機能で異常値を即座に通知できることの3点を基準に選びましょう。企業規模が大きくなるほど、Excel管理では限界が生じるため、タレントマネジメントシステムなどの専用ツールの導入が有効です。

KPIの見直しはどのくらいの頻度で行うべきですか?

一般的には月次でモニタリングし、四半期ごとにKPIの妥当性を検証、年次で抜本的な見直しを行うのが効果的です。ただし、外部環境の急変や事業方針の変更があった場合は、サイクルに関係なく即座に見直しを検討しましょう。

KPI管理で部門間の認識がずれるのを防ぐにはどうすればよいですか?

まず指標定義の一覧表を作成し、全部門で共有することが基本です。加えて、KPI設定時に関係部門とすり合わせの場を設ける、定期的な進捗共有会議で認識を揃える、KPIの算出ロジックや取得元をドキュメント化しておくといった施策が有効です。

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