【初心者でもわかる】アセスメントとは? 意味や基礎知識を業界別にわかりやすく解説

ニュースや新聞、Webメディアなどで耳にすることがある「アセスメント」という言葉。「聞いたことはあるけど、詳しく知らない」という人も多いのではないでしょうか?

アセスメントは用途が広く、業界やシーンによって意味も異なるため、難しいと思われがちです。この記事ではアセスメントの定義や目的、プロセスなどをはじめての人でもわかりやすく解説します。用途については、私たちの仕事や生活に関わりの深い、人事や看護・福祉におけるアセスメントを中心に、業界やシーンごとに特徴やポイントをまとめました。ぜひご活用ください。

1.アセスメントとは?

アセスメントとは評価や査定を指す英語の「assessment」が語源で、「人やものごとを客観的に評価・分析すること」という意味です。

  • 看護や福祉の現場
  • 環境に影響のある大規模な建設プロジェクト
  • 人材マネジメント

などさまざまな業界やシーンで幅広く使われている言葉です。

アセスメントの目的は状況を正しく評価・分析することで、適切な対応をとることです。

①人材アセスメント

人材アセスメントとは組織の中で人材を適材適所に配置できるよう、その能力等を客観的に評価することです。外部機関や第三者などに依頼し、演習や面接、心理テストなどをとおして評価する方法が一般的で、ツールとして「適性検査」などを活用することもあります。

②看護におけるアセスメント

看護におけるアセスメントは看護過程のひとつで、看護計画を作成するために患者の状態を分析・評価することです。問診、観察、測定や検査の結果などの「客観的情報」と、患者が感じている痛みや不安・不調などの「主観的情報」をもとに進められます。

③福祉におけるアセスメント

福祉における介護アセスメントは、介護対象者やその家族との面談や聞き取りなどから、心身の状態や日常生活の状況といった情報を収集し、対象者の要望をくみ取ることです。その情報をもとにアセスメントシートを作成し、一人ひとりにあった介護計画書が作られます。

英語での使い方
英語での意味は評価、査定などです。self assessment(自己採点)やprice for tax assessment(税の査定)といった形で用いられます

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2.アセスメントのプロセスをわかりやすく紹介

アセスメントの目的は「人やものごとをきちんと評価・分析し、適切な対応をとること」です。たとえば、「遊園地で子どもが一人泣いている場面」に出くわしたとします。この場合、適切な対応をとるためには、どう考え、どう行動すればよいでしょうか? このケースを例に、アセスメントのプロセスをわかりやすく説明します。

アセスメントのプロセスは業界やシーンによって異なりますが、おおむね下記の4つのプロセスに分けられます。

  1. 情報収集
  2. 分析し仮説を立てる
  3. 実行計画の策定
  4. 計画への評価

①情報収集

アセスメントで最初に行うのは情報収集です。大切なのは表面的、部分的な情報にとらわれず、あらゆる角度から網羅的に情報収集を行うことです。先ほどのケースを例にします。

例)遊園地で子どもが一人で泣いている場にでくわした場合

情報収集

  • 本人に声をかけて直接、泣いている理由を聞く(対象へのヒアリング)
  • 体などに怪我がないか確認する(対象の観察)
  • まわりに親がいないか確認する(周囲の観察)
  • まわりの人に何が起こったのか、状況を聞いてみる(周囲へのヒアリング)
  • 親がどこにいるのか子どもに確認する(対象への再ヒアリング )

②分析し仮説を立てる

ヒアリングなどで収集した情報をもとに、相手のおかれた環境や心理状態を分析し、何が起こっているのかを推測します。

得られた情報

  • 子どもは「お母さん」と言いながら泣いている
  • 手足などに目立った外傷はない
  • 親は近くにいないがベビーカーと荷物はある
  • ついさっきまでお母さんと一緒だったという周囲からの証言があった

状況の分析と推測

  • 子どもは母親と離れてしまった可能性が高い
  • ベビーカーと荷物があることと周囲の証言から、母親は近くにいる可能性がある
  • 用事があり席を外した母親がなかなか帰ってこないため、不安になって泣いているのではないか

③実行計画の策定

ここまで準備できたら、立てた仮説をもとに実行計画を作成し、実行に移します。

実行計画

  • 親はそのうち戻ってくる可能性があるので、その場は離れず一緒に待ってあげる
  • 子どもの不安を軽減するため、声をかけてあげる。おもちゃなどで笑わせてあげる
  • 10分以上経っても戻ってこない場合は迷子センターに連れて行く

④計画への評価

アセスメントは計画を実行に移して終わりではなく、それを評価・共有して次のアセスメントに生かすことが重要です。用途にもよりますが、アセスメントは一度行って終わりにせず、継続的に行われるのが一般的です。

評価

  • 母親が戻ってくるまで一緒にいてあげたことで子どもの不安を和らげられた(評価)
  • 母親に子どもが一人で泣いていたこと、そのため自分がそばにいたことなどを説明した(母親への申し送り)

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3.アセスメントと氷山モデル

アセスメントを実施する際に参考としてよく用いられるのが「氷山モデル」です。

氷山モデルとは、見えていることはものごとのほんの一部であり、水面下に本質的な理由が隠れているという考え方です。下記の4つの階層で構成され、人の意識や無意識ができごとに影響していると考えることで、アセスメントもやりやすくなります。

  • できごと(実際に起きた事。表面に現れるので注目されやすい)
  • 行動パターン(できごとの前に、繰り返される行動などの傾向)
  • 構造(行動パターンに影響を及ぼす要因)
  • 意識、無意識の前提(構造の根底となるもの、信念や価値観、思い込み)

少しわかりやすくするために、身近な例で紹介します。

たとえばある日の夕食後、3歳になる子どもが突然おもちゃを床に投げつけました。どうしておもちゃを床に投げつけてしまったのでしょうか? 氷山モデルで分解してみましょう。

  1. できごと:子どもが突然おもちゃを床に投げつけた
  2. 行動パターン:過去にも何度かあり、夕食後に起きることが多い
  3. 構造:夕食は皆で食べるが、夕食後は親がドラマに夢中になり、子どもが一人になることが多かった
  4. 意識、無意識の前提:(子ども)一緒に遊んでほしい、さみしい

日常でよくあるシーンかもしれませんが、子どもは腹が立ったりいたずら心でおもちゃを投げたのではなく、その根底にあるのはさみしさだということが理解できます 。

 

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4.人材アセスメントとは?

人事評価の分野でも「アセスメント」という言葉はよく使われます。意味とアセスメントツールについてご紹介します。

①目的

人材アセスメントとは人材を適材適所に配置するために、その能力などを客観的に評価することです。自社で行う人事評価は、人材を適材適所に配置するために必要なのはもちろん、社員のモチベーションを高める効果も期待できます。

しかし評価をする際、感情や気持ちに左右されてしまうことや、公平に評価したつもりでも相手が不満を覚えることもあります。そういった問題を解消するための有効な手法が人材アセスメントです。

②特長やメリット

一般的に人材アセスメントは外部のアセッサーと呼ばれる評価者によって実施されます。第三者による客観的な評価なので、評価の際の判断材料として信憑性が高く、個人の主観によらないため、結果に対する従業員の納得感も高まります。

人材アセスメントの主なメリットは2つです。

(1)管理職として適正な人材を抜擢できる

人材アセスメントを活用することで、管理職としてより適正な人材を発掘できます。昇進や昇格の際、主観に頼った人事評価のみで抜擢するとミスマッチを生むリスクもあります。人材アセスメントを併用することで、より的確に昇進や昇格の意志決定ができるようになるでしょう。

(2)リーダーの育成に活用できる

人材アセスメントは将来のリーダー候補の育成にも活用できます。幅広い対象に人材アセスメントを実施することで、リーダーとしての適正や強み、弱みの把握が可能です。得られた結果は、人材開発や育成のためのプログラム開発にも生かせます。

③従来の人事評価と何が違うのか?

従来から使われてきた人事評価と人材アセスメントの大きな違いは、外部のアセッサーが実施する点です。人材アセスメントでは経験豊富なプロのアセッサーによる公正・公平かつ客観的な評価が得られるため、評価される側も結果を冷静に受け止め、納得しやすくなります

④企業向けの人材アセスメントツール

よく使われる企業向けの人材アセスメントツールをいくつかご紹介します。

(1)適性検査

人材アセスメントのために活用されるツールのひとつが適性検査です。適性検査は昇進試験や昇格試験の際などにテスト形式で行われます。対象者の知的能力や性格、興味や関心事などを測定します。リクルートマネジメントソリューションズ社のNMAT(管理者適性検査)や、JMAT(中堅社員適性検査)などが代表的です。

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(2)360度評価

360度評価は上司や同僚など、仕事上でつながりのある複数の社員が被評価者を評価する仕組みです。多面評価ともいわれ複数の視点から評価を行うため、自己評価と他者評価のギャップを把握できる利点があり、人材アセスメントに有効です。

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(3)エニアグラム

エニアグラムは人物の性格を9つのタイプに分けて診断する人材アセスメントツールです。対象者の思考や習慣のパターンを分析でき、職務への適正を判断するのに役立ちます

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5.人材アセスメントを実施する際のポイント

人材アセスメントをより効果的に実施するために、下記の3つに配慮するとよいでしょう。

①目的を明確にして受験者に伝える

人材アセスメントを行う際に目的を明確にすることで、適切な手段やツールを選べます。その目的を受験者はもちろん、非受験者にもしっかり説明しましょう。受験者は準備や心構えができますし、結果についての納得性が高まります。全員ではなく特定の従業員に受験させる場合は、非受験者に対するケアも大切です。

②アセスメント結果のフィードバック

アセスメントの結果を受験者に適切にフィードバックすることは重要です。第三者による客観的な評価は受験者が受け入れやすいだけではなく、明らかになった課題を新たな目標設定につなげるようにも促せます。

③継続的な学習と効果の測定

人材アセスメントは一度実施して終わりにせず、その結果をもとに継続学習し、効果を測定することが重要です。能力開発を目的とする場合は、アセスメントの結果にもとづき研修等を実施する企業も多く、研修などの取り組みを実施した後は「昇進・昇格試験」などの試験で効果を測定します。

人材アセスメントが登場した背景
人材アセスメントは、米軍OSS(戦略対策部)によるスパイの選抜・養成プログラムがもとになったとされています。出自や家柄などではなく、スパイのために求められる能力を定義し、客観的に評価して抜擢することが目的でした。その後産業用のアセスメントが開発され、バブル崩壊後の日本にも浸透していきました

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6.医療・看護におけるアセスメントとは?

医療や看護の分野でも「アセスメント」はよく耳にする言葉です。研究が進んでいる分野でもあり、さまざまな考え方がありますので、簡単にご紹介します。

①目的

看護アセスメントは、看護過程のひとつで、患者にあった看護計画を立てるために実施されます。患者の状態を分析・評価することで、患者の抱える問題点が明確になるため、治療や看護ケアの方向性を決める判断材料となります。

②プロセスや手法

看護アセスメントでよく使われるプロセスをご紹介します。

(1)SOAP

SOAPは看護過程を記載する看護記録の記入方法のひとつで、分析手法でもあります。以下の4項目に沿って記載していくことで、患者の抱える問題点や、治療・援助を展開していく指針が明確になるメリットがあります。

  • S(Subject=主観的情報):患者の話や訴えから得られた情報を記録
  • O(Object=客観的情報):身体診察・検査などから得られた情報を記録
  • A(Assessment=評価):分析・評価した内容を記録
  • P(Plan=計画):Aに基づいた治療方針や看護計画を記録

看護アセスメントは「S・O・A・P」の中で、重要な「A=評価」の部分に該当します。「A=評価」を効果的に実施するためには、S・Oの段階での十分な情報収集が重要です。

(2)ゴードンの11の健康機能パターン

看護アセスメントでは、患者の情報をあらゆる側面から正確に収集し、分析しなければなりません。その際には看護理論の枠組みが指標として用いられます。

ゴードンの11の健康機能パターンは、看護理論の枠組みのひとつです。それぞれのパターンは領域とも呼ばれ、患者の状態を網羅的に把握するための視点です。パターンごとに情報を集めることで、どこに問題があるのかがわかります。パターンには下記の11項目が挙げられています。

  1. 健康知覚-健康管理
  2. 栄養-代謝
  3. 排泄
  4. 活動-運動
  5. 睡眠-休息
  6. 認知-知覚
  7. 自己知覚-自己概念
  8. 役割-関係
  9. 性-生殖
  10. コーピング-ストレス耐性
  11. 価値-信念

(3)ヘンダーソンの14の基本的欲求

同様にヘンダーソンの14の基本的欲求も、患者を看護の視点でアセスメントするために考えられた看護理論の枠組みのひとつで、下記の14項目があります。

人間の基本的欲求が段階的に整理されていて、1から順に満たされていくことで、その人が心身ともに健康になっているといえます。

  1. 正常な呼吸
  2. 適切な飲食
  3. 老廃物の排泄
  4. 体の位置を動かし、姿勢を維持する
  5. 睡眠と休息
  6. 衣類の洗濯と着脱
  7. 正常な体温の保持
  8. 体の清潔さの保持と身だしなみ
  9. 環境内の危険因子を避ける
  10. 他者とのコミュニケーションによる自己表現
  11. 自己の信仰にもとづく生活
  12. 達成感のある仕事
  13. レクリエーション活動への参加
  14. 学習による発見と好奇心の充足

③医療・看護におけるアセスメントのポイント

医療・看護におけるアセスメントは、患者の異常を発見することでもあります。そのためには患者の正常な状態を把握しておくことが重要です。常日頃から患者の様子を観察することで、状態の変化を素早く察知し、必要な対処ができます。多くのアセスメントに共通することですが、対象を注意深く観察し、理解を深めることがポイントです。

参考 生活の援助と医師の指示について厚生労働省

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7.介護や福祉におけるアセスメントとは?

介護や福祉の分野でも「アセスメント」はよく使われます。ケアプランを作成する元となる「アセスメントシート」は介護に欠かせない重要な書類です。

①目的

介護や福祉におけるアセスメントは、対象者の状態や要望を把握し、適切なケアプランを作成するために実施されます。一般的にケアマネージャーが実施し、アセスメントシートとして書面化、現場スタッフなど関わるメンバー全員で共有して業務に生かします。

②プロセスや手法

アセスメントシートには複数の様式があり、厚生労働省が指定する『課題分析標準項目』の23項目を満たせば、独自に作成・運用できるとされています。

(1)厚生労働省の課題分析標準項目(23項目)

「課題分析」とは対象者の日常生活上の能力やすでに受けているサービス、介護者の状況などを評価することで、対象者が生活の質を維持・向上させていくための問題点を明らかにし、支援する上で解決すべき課題を特定することです。利用者の生活全般を十分把握できるよう、厚生労働省が23個の標準項目を設定しています。

  1. 基本情報(利用者の情報)
  2. 生活状況(利用者の現在の生活状況や生活歴)
  3. 利用者の被保険者情報
  4. 現在利用しているサービスの状況
  5. 障害高齢者の日常生活自立度
  6. 認知症高齢者日常生活自立度
  7. 主訴(利用者やご家族の主な希望、要望)
  8. 認定情報(利用者の要介護度区分など認定結果の情報)
  9. 課題分析(アセスメント)理由
  10. 健康状態
  11. ADL(日常生活動作)に関する項目
  12. IADL(手段的日常生活動作)に関する項目
  13. 認知能力の程度に関する項目
  14. コミュニケーション能力
  15. 社会との関わり
  16. 排尿・排便
  17. じょく瘡・皮膚の問題
  18. 口腔衛生
  19. 食事摂取
  20. 問題行動(暴言暴行、徘徊などの行動に関する項目)
  21. 介護力(介護者の有無や介護意思などの介護力に関する項目)
  22. 居住環境
  23. 特別な状況(介護者による虐待や終末期ケアに関する項目)

③介護や福祉におけるアセスメントのポイント

介護や福祉におけるアセスメントで重要なことは、一度実施して終わりではなく、新しい情報が出てきた際にはアセスメントシートを更新し、共有するという作業を繰り返すことです。対象者の身体的な状態はもちろん、家族との関係や社会環境は刻々と変化しますので、常に意識を配り、対象者を深く理解する必要があります。

参考 (主として介護支援専門員による)アセスメントについて厚生労働省

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8.環境アセスメントとは?

大規模な建設プロジェクトや公害問題が表面化した際などにニュースなどにも登場する「環境アセスメント」。「アセス」と略されることも多いです。自然環境を大切にする時代にあって重要性も増しつつあります。

①目的

環境アセスメントは環境影響評価ともいわれ、開発事業が環境に与える影響を評価するものです。道路や河川、発電所など大規模な開発事業を実施する際には自然破壊や公害を起こさないよう配慮する必要があります。

日本では1997年に環境評価法(通称アセス法)が制定され、環境アセスメントの手順等が規定されています。2020年4月からはメガソーラー事業においても環境アセスメントが義務づけられました。

②プロセスや手法

法令により、環境アセスメントの手続きは下記の5段階が定められています。

配慮書の手続き

方法書の手続き

準備書の手続き

評価書の手続き

報告書の手続き

地域の特性をよく知っている住民や地方公共団体などの意見を取り入れながら、事業者自らが調査・予測・評価を行うこととされています。

③環境アセスメントのポイント

環境アセスメントを行う際には、広く情報収集しつつ相互に協力し合うことが重要です。事業者側は事業者側の観点のみではなく、地域の一員としてその意見に耳を傾ける必要があり、地域住民は情報提供者として積極的に意見を述べ、話し合いの機会に参加することが求められます。相互の協力がなければ、環境アセスメントを適切に実施できません

参考 環境アセスメントガイド 環境アセスメントの手続環境省

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9.リスクアセスメントとは?

労務管理や職場環境改善といった分野では、「リスクアセスメント」という形で使われます。安全で快適な職場づくりのために活用されています。

①目的

リスクアセスメントとは主に職場における事故やトラブルなどの危険を事前に抽出・評価し、除去または低減させるためのものです。製造業や建設業をはじめ、さまざまな業界で行われています。リスクの「重篤度」や「発生頻度」を測定することで優先順位をつけ、効果的な対策を練るのがリスクアセスメントの目的です。

②プロセスや手法

リスクアセスメントの手順は次の5段階です。

  1. リスクの特定(職場における危険性や有害性を特定)
  2. リスクの見積もり(発生のおそれがあるリスクの重篤度と発生の可能性を組み合わせ評価)
  3. リスク低減措置の検討(除去または低減するリスクの優先度を決定)
  4. 優先度に対応した低減措置の実施(リスクを除去、低減するための手段を実施)
  5. 結果の記録

③リスクアセスメントのポイント

すべてのリスクを網羅して対応することは現実には不可能です。アセスメントによってリスクを見積もり、優先順位をつけ、適切に対応することが求められます。効率よくリスクを回避するポイントは、複数のメンバーで実施し、多角的にリスクを評価し、精度を高めることです。

参考 リスクアセスメント実施事例集厚生労働省

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10.保育におけるアセスメントとは?

保育の分野でのアセスメントは、「発達アセスメント」と呼ばれることも多いように、子どもの発達状況を全体的に把握するために行われます。

①目的

保育の現場におけるアセスメントの目的は、保護者や先生が子どもの発達の状況や課題を共有し、適切な支援を行えるようにすることです。主に「指導計画」や、3歳未満児の園児を対象とした「個別計画」の作成、発達状況を保育所や福祉事業所で共有し、支援方針を決める際、アセスメントシートを利用しながら実施するのが一般的です。

保育における指導計画と個別計画
「指導計画」は保育所保育指針において作成を義務付けられています。長期的なものと短期的なものがあります。

「個別計画」は「指導計画」のひとつ。3歳未満の時期は個人差が大きく、年齢で区切って対応を決められないため、保育所保育指針で一人ひとりの生育状況に応じた個別の指導計画を立てることが義務付けられています

②プロセスや手法

アセスメントシートにもとづき、必要事項を記入していきます。項目や書式は各自治体や施設等で異なります。例としては下記のような項目です。

  • 心理検査履歴
  • 在園、在学中の記録
  • 妊娠、出産の頃の記録
  • 乳幼児期の発達の記録
  • 保育所、幼稚園の個別指導計画
  • 就学時の引き継ぎ内容

③保育におけるアセスメントのポイント

保育におけるアセスメントの目的は子どもの様子を家庭や保育所、地域で共有し、適切な支援を行うことです。アセスメントシートを記入する際には、項目にないことも含め気になる点はすべて記入するのがポイントです。複数の視点から子どもを観察することで、より多くの気づきが得られます。

参考 アセスメントシート高知県

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11.ライフサイクルアセスメント(LCA)とは?

環境アセスメントに近い用語ですが、商品の環境負荷を評価する「ライフサイクルアセスメント」という言葉もあります。たとえば「水道管のライフサイクルアセスメント」といった使い方をします。

①目的

ライフサイクルアセスメントとはLCA(Life Cycle Assessment)とも呼ばれ、ある商品やサービスの原料調達から廃棄・リサイクルまで、ライフサイクル全体における環境負荷を評価するものです。ライフサイクルアセスメントで総合的な環境負荷を評価することで、より環境に配慮した商品を検討できます。

②プロセスや手法

ライフサイクルアセスメントのプロセスはISO(国際標準化機構)の規格で定められており、下記で構成されます。

  1. 目的および調査範囲の設定
  2. インベントリ分析
  3. 影響評価
  4. 解釈

プロセスでは商品ライフサイクルの中で消費される資源や、排出される物質などの種類と量を特定します。それによって最終的に商品がライフサイクル全体で与える環境負荷を算出できます。

③ライフサイクルアセスメントのポイント

SDGsをはじめ、企業の環境に対する社会的責任には、年々注目が高まっています。ライフサイクルアセスメントを適切に行うことで、新しい商品開発はもちろんのこと、既存商品の製造工程を見直し、環境への負荷をより軽減できます。ライフサイクルアセスメントは一度実施して終わりにせず、継続的に実施することも重要です。

参考 ライフサイクルアセスメント(LCA)国立環境研究所

アセスメントのQ&A

アセスメントとは、ある物事が周りの人やもの、環境に及ぼす影響について、事前に調査し、評価することを指します。たとえば人材アセスメントという場合、人材の性質・能力にあわせた人員配置を行うために、事前に人材を客観的に評価することをいいます。 介護、福祉、保育などの現場でも用いられる言葉で、その領域により厳密な意味は異なります。
人材アセスメントには、社内の人事評価にはない「客観性」が担保されます。 人材アセスメントを導入する場合、委託された外部のアセッサーによる公正・公平で客観的な評価が行われます。人事評価の評価者である上司も、第三者の視点から評価されることになります。
人材アセスメントが活用されるのは主に①人材の発掘、②採用、③管理職への昇格、といった場面です。 ①人材の発掘:たとえばマネージャー候補を発掘したいときに、管理職志向の低い技術職も含めた全社員のなかから、適性のある社員を発掘することができます。 ②採用:人材アセスメントを導入することでミスマッチングを抑えることができます。 ③管理職への昇格:人事評価にくわえて人材アセスメントも導入することで、客観的に管理能力を判断できます。