タレントマネジメントとは? 意味、目的と実践方法、システム選び

人事、人材の分野で、ここ数年の間によく聞かれるようになった「タレントマネジメント」。アメリカで生まれた考え方で、日本の企業でも注目されていますが、「どういった取り組みなのか」についてはよくわらからない方も多いようです。

今回は「タレントマネジメント」について、企業の人事に関わる方(経営者、マネージャー、人事部)に向けて、できるだけわかりやすく紹介いたします。

ここでは、

  • タレントマネジメントの意味、定義、目的
  • タレントマネジメントが注目される背景
  • タレントマネジメントでは何をすればいいか
  • タレントマネジメントを効率化させるツール・システムの選び方

について解説していきます。

目次

1.タレントマネジメントの意味とは?

▲タレントマネジメントのイメージ

▲タレントマネジメントのイメージ

一言で言えば、タレントマネジメントとは企業に優秀な人材を増やし、その人材に成果を出しやすくしてもらうための、企業全体での仕組みや取り組みのことです。特に優秀人材のみを対象として行うケースを指すことが多いです。

経営戦略を実現するために必要で、人材に関わる領域であれば、評価、処遇、採用、育成(教育)などの人事イベントすべてがタレントマネジメントに関係しているため、「タレントマネジメント≒人事戦略そのもの」ともいえます。

そして人事戦略は、目指すべき目標や人事課題によって企業ごとに異なります。そのため、企業ごとにタレントマネジメントの実践内容は異なるのが一般的です。

どんな企業でも具体的にこれさえやればタレントマネジメントをやったことになる、という内容はありません。

タレントとは誰・何のこと?

“talent(タレント)”「才能・素質」という能力を指す場合と、「才能がある人」という人を指す意味の2つがあります。

タレントマネジメントの概念をいち早く世に提唱した書籍”THE WAR FOR TALENT”では、『タレント』とはマネジメント人材を指し、あらゆるレベルで会社の目標達成と業績向上を推し進める、有能なリーダーとマネジャーを意味する(Michaels et al. 2001=2002)」としています。

2.事例でわかるタレントマネジメント

具体的に事例を見ていただくとわかりやすいかと思います。

日清食品ホールディングス(以下、日清食品HD)では、以下のように経営目標を人事上の目標にブレイクダウンし、タレントマネジメントを行っています。(※数値等は2015年時点のもの)

  • 経営目標:2020年に時価総額1兆円
  • 人事目標(KGI):経営人材を増やす(+6名)
  • KPI:経営人材プール(優秀人材のグループ)を200名にする
  • (主な)アクション:①グローバル経営人材の採用 ②現地幹部社員の育成 ③経営人材のグローバル力強化

経営目標

まずは経営目標として「2020年に時価総額1兆円」があり、それが日清食品HDがタレントマネジメントを行う上での根幹となっています。

人事戦略上の目標(KGI)

事業戦略上、2020年までにキーとなる重要ポジションが新たに6つ増えている予定なので、そのポジションに合致する人材を用意することを人事戦略上の目標としています。

KPI(Key Performance Indicator)

目標(6名の経営人材調達)達成には経営人材プール(≒選抜された経営人材候補のグループ)に合計200名の人材をストックしておくことが必要、とKPIを置いています。

KPIとは? 意味、設定方法、OKRとの違い、コツ、例、人事のKPI例について【KGI・KFSとKPIの関係とは?】
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アクション

さらに、KPI達成のためのアクションとして、

①グローバル経営人材の採用
②現地幹部社員の育成
③経営人材のグローバル力強化

などを設定し、実際の行動計画にまで落とし込んでいます

このアクションが日清食品HDでのタレントマネジメントの具体的実践内容、ということになります。

ここまで明確に(しかも大規模に)タレントマネジメントを進めていくというのはむずかしいかもしれません。しかし、タレントマネジメントが「どういうものなのか」「何をすることなのか」を端的に理解するにあたって、非常にわかりやすい事例です。

導入・実践の際にはこちらの事例を参考にするとよいでしょう。

参考 グローバル経営人材を一瞬で可視化!? 時価総額1兆円を目指す日清食品HDが実践する『カオナビ活用術』一挙公開!!!カオナビ

3.タレントマネジメントの定義

タレントマネジメントに共通化された定義は存在しませんが、各研究機関によって独自の定義が発表されています。

ここでは、アメリカの2つの人材マネジメント組織(SHRM、ASTD)による定義、また日本のリクルートホールディングスの研究機関であるリクルートワークス研究所によるものも併せてご紹介いたします。

SHRMによる定義(2006年発表)

1948年創設のSHRM(Society for Human Resource Management:全米人材マネジメント協会)は、現在、約165カ国、約29万人の会員数を誇ります。2006年にSHRMはタレントマネジメントを以下のように定義しました。

“人材の採用、選抜、適切な配置、リーダーの育成・開発、評価、報酬、後継者養成等の各種の取り組みを通して、職場の生産性を改善し、必要なスキルを持つ人材の意欲を増進させ、その適性を有効活用し、成果に結び付ける効果的なプロセスを確立することで、企業の継続的な発展を目指すこと”

ASTDによる定義(2009年発表)

ASTD(American Society for Training & Development:米国人材開発機構)※は1994年に設立された非営利団体で、約100カ国、約4万人の会員を持っています。ASTDは2009年に「タレントマネジメント」を以下のように定義づけしました。※ASTDは2014年、ATD(Association for Talent Development:人材開発機構)に名称変更しています。

“仕事の目標達成に必要な人材の採用、人材開発、適材適所を実現し、仕事をスムーズに進めるため、職場風土(Culture)、仕事に対する真剣な取り組み(Engagement)、能力開発(Capability)、人材補強/支援部隊の強化(Capacity)の4つの視点から、実現しようとする短期的/長期的、ホリスティックな取り組み(多層的なものを有機的に統合する取り組み)である(訳引用 株式会社スマートビジョン『タレント・マネジメントとは?』)”

リクルートワークス研究所による定義(2013年発表)

2013年、リクルートワークス研究所の石原直子人事研究センター長による「タレントマネジメント」の定義は以下のとおり。

”タレントマネジメントとは、組織における個人ひとりひとりの能力とリーダーシップを最速で開花させることによって、組織内のリーダーシップの総量を極大化させ、より高いビジネスゴールを達成することを目的とした、上司・本人・人事による成長促進のためのプロセスである”

4.タレントマネジメントを行う目的

タレントマネジメントの概要はつかんでいただいたかと思います。

それでは、タレントマネジメントを行う目的は何なのでしょうか? 何のために実践していくのかについて解説していきます。

最大の目的は経営目標の実現

タレントマネジメントの最大の目的は、「売上・利益を上げる」「事業を拡大する」といった企業の経営目標を、人事戦略の視点から実現していくことです。

この視点を忘れてしまうと、「タレントマネジメントをするためにタレントマネジメントをする」というような手段の目的化が起こりがちですので注意が必要です。

4つの中間目的

最大の目的の「経営目標の実現」だけでは、「タレントマネジメントは何をすることか?」が見えてこないため、その間にある4つの中間目的を見ていきます。

  1. 人材の調達
  2. 人材の育成
  3. 適材適所による成果の最大化
  4. 人材の定着

①人材の調達

1つ目は人材の調達です。経営目標を達成する上で必要になるであろう人材を揃えることが必要になります。

方法としては、組織の外からの採用、組織内に埋もれている人材の発掘、などがあります。

  • 採用
  • 人材発掘

②人材の育成

2つ目は人材の育成

まずは企業が求める人材像と現状とのギャップを見いだします。その差を埋めるために業務の経験を積ませ、必要に応じて別途教育を施します。

  • ストレッチアサインメント(「修羅場」経験)
  • 研修などの能力開発プログラム

③適材適所による成果(パフォーマンス)の最大化

3つ目は適材適所による成果(パフォーマンス)の最大化です。最大の目的は経営目標の実現なので、各人材に大いに活躍してもらわなければなりません。

「人材」と「能力を発揮できるポジション」のマッチングによって、個人と組織の成果を最大にしていきます。

  • 各人材の能力・スキル・経験などの見える化
  • 明確な評価基準の設定
  • キャリア志向、プランの見える化
  • 成果や評価、キャリア志向をもとにした配置の検討

④人材の定着、リテンション

4つ目は人材の定着です。

調達・育成した人材にできるだけ長く、辞めずに活躍し続けてもらうというのもタレントマネジメントの役割です。

やりがいの創出、モチベーションの維持、キャリア開発などが必要になります。

  • キャリア志向と会社の方向性のすり合わせ
  • 能力に見合ったポジション、報酬の提供

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5.タレントマネジメントが日本で注目される背景

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そもそもタレントマネジメントが日本で注目されるようになったのは、どうしてなのでしょうか?

大きくわけて4つの背景があります。

  1. 少子高齢化に伴う労働力人口の減少
  2. グローバル競争
  3. 働き方改革推進
  4. 技術革新

それぞれについて見ていきましょう。

①少子高齢化に伴う労働力人口・生産年齢人口の減少

いままでのように多くの社員を新卒で採り続ける、というのがむずかしい時代になりました。

日本では急速な少子高齢化が進んでいて、2010年をピークに人口全体がゆるやかに下降線をたどっています。

そして生産年齢人口(15~64歳の人口)、労働力人口(15歳以上で労働の能力と意思を持つ者の人口)も減少傾向にあります。

そのような背景もあり、「人を増やして成果を増やす」から「いまいる社員でより多くの成果を出す」という意識にシフトしつつあります

②グローバル競争

タレントマネジメントが注目されることになる2つ目の背景は、グローバル競争です。世界規模で企業間競争が繰り広げられている現代社会では、世界中どこにもない製品、世界中の誰も思いつかないアイデアなどを生み出していくことが求められます。

人材の流動化が進んだ日本でも、ガラパゴス化している雇用慣行、例えば新卒一括採用や年功序列といった固定された人事制度が企業の競争力を弱めているケースが多々見られます。

世界と競争し、競り勝つ力を持った社員をいかに育成するかが、急務となっているため、場合によってはいままでの雇用慣行を切り捨て、「タレント」に着目して戦略を考えていく必要が生じてきたわけです。

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③働き方改革推進

政府主導で進められている「働き方改革」もタレントマネジメントを後押ししています。

働き方改革の中でも特に注目されている「長時間労働の是正」。この実現には一人ひとりの社員の生産性向上が鍵となります

その方法としてタレントマネジメントを検討する企業が増えています。

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④技術革新

技術革新によって、タレントマネジメントが実施しやすくなったこともひとつの理由です。

長年、人材に関わることは可視化や数値化がむずかしく、多くの企業で主観を頼りに扱われてきましたが、人事分野での技術(いわゆる「HRテクノロジー」)革新が進んだことでそれらも容易になりました。

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6.タレントとは誰を指すのか?

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タレントマネジメントの定義や生まれた背景、その目的などを見てきましたが、次に、タレントマネジメントそのものについて掘り下げて見ていきたいと思います。

そもそも、タレントマネジメントの「タレント」とは、企業の中での誰を指しているのでしょう。実は、「タレント」のターゲットは、包括的と排他的の2つのパターンの想定を可能としています。具体的に見ていきましょう。

参考 『日本企業におけるタレントマネジメントの展開と現状』リクルートワークス研究所

包含的(≒全社員)アプローチ

「タレント」のターゲットを包含的にとらえる、それはすなわち、タレントマネジメントを全社員対象に行うことを意味しています。新入社員から幹部クラスの社員まで、マネジメントの対象を広くとらえた考え方です。

時に、パート社員やアルバイトまで、その門戸を広げてマネジメントを行う企業もあります。包含的アプローチは、どのような効果を生み出すのでしょうか。これは、適材適所に社員を配置するのに大きな役割を果たします。

職場の中で日々繰り広げられる社員一人ひとりの経験や知識の蓄積をシステマチックに把握し、個々のスキルだけでなく意識、意欲までを高めるマネジメントを一人ひとりに提供することで、社員パフォーマンスの向上が図れます。

一定の基準に達すれば、配置転換などで新しい技術や知識を活かしたポジションを全社員に的確に提示できます。これは、企業の持つポテンシャルの底上げにつながります。

排他的(≒幹部候補、特定のプロ人材)アプローチ

一方、「タレント」のターゲットを排他的にとらえるというのは、どのような意味を持つのでしょうか。

排他的、すなわち、マネジメントの対象を幹部候補の社員や特定のプロ人材に絞ったアプローチでは、リーダーシップ論に基づいた戦略的な人材活用が実現できます。高い専門性や知識、キャリアを持った人材のさらなるキャリア開発を最優先すれば、企業として進むべき方向性が明確化、具現化されやすくなります。

一部のハイリターンの社員を、さらなる高業績を上げる社員に育成することは、雇い主としての使命でもあるでしょう。

どちらが正しいということではない

それでは、包含的アプローチと排他的アプローチのどちらが正しいのでしょうか。実は、包含的アプローチも排他的アプローチも、どちらが正しいという問題ではないのです。

確かに、年功序列が企業風土を制圧していた時代、企業は幹部候補のエリートを徹底的にマネジメントすることで、確固とした企業戦略を推進していくことができたでしょう。しかし、現代社会はグローバリズムの台頭や労働市場の流動化、予測不可能な技術革新といったさまざまな波が押し寄せる大海原です。

そんな中、船長だけの能力を突出させれば、毎回安全に舵がきれるとは限りません。全社員を取り込んだ包含的なアプローチで、それぞれの持ち場で自分の持つ力を最大限発揮する社員をシステマチックに育成することも、時には必要不可欠になってきます。

つまり、どちらのアプローチかを選ぶのではなく、個々の企業戦略や企業の置かれている環境に応じて、最適なタレントマネジメントを採用していくことこそが、真の人的資源活用を実現可能とするのです。

7.タレントマネジメントは何をすればいいか?

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何をすれば、タレントマネジメントを可能とするのでしょうか。ここからは、具体的なマネジメントステップとともに、そのシステムをひも解いてみましょう。

初めてのタレントマネジメントには、6つのステップが用意されています。そのステップを着実に進んでいった先には、磨かれたタレント集団を率いる新しい企業像が誕生するでしょう。

ただ、ステップに進む前の前提として、確認しておきたいことがあります。それはタレントマネジメントの目的、目標です。

目的・目標(経営戦略と人材戦略のひもづけ)

何を目的にタレントを増やすのか、どのくらいタレントを増やすのか、タレントマネジメントを採用することによってどんなタレントを持った社員を率いる企業を目指すのかなど、目的、目標が明確でなければタレントマネジメントは始められません

5~10年というスパンの経営戦略(事業戦略)をもとに、どういったタレントが必要か、そのポジションがどれくらいの数かなど、人材戦略をあらかじめ明確にしておく必要があります。

この目的、目標が明確化されるほどマネジメントの持つポテンシャルを高められます。事前にしっかり経営戦略と人事戦略のひもづけを行いましょう。

ステップ1~6

タレントマネジメントの6つのステップです。ステップごとに行動指針や注意すべき点があるので、見ていきましょう。

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ステップ1.【現状分析①】人材情報の見える化・可視化

まず、人材情報を集約し、可視化します

氏名、学歴、経歴、資格、配属、評価結果などの人材情報の集約を行いましょう。これら人事データがなければ、会社の現状がわかりません。

現状がわからなければ、対策すべき課題も見えてきません

ステップ2.【現状分析②】「タレント」の特定、タレントプールの作成

人材データを集約したあとはタレントの特定です。
条件をもとに「タレント人材」「タレント人材候補」を抽出します。

企業規模が大きくなればなるほど、一人ひとりのタレントを個別に把握しておくことが困難になります。タレントごとにある特定のグループを組んでおき、必要に応じてタレントプールごとに育成できるようにすることは、システムの効率的な運用に一役買うでしょう。

ステップ3.【課題抽出・対策立案】採用・育成計画書の作成(P)

ステップ2でグルーピングしたタレントプールごとに育成計画を立てます。そのとき、人員が足りなくなりそうなタレントプールがあれば新規の採用の計画を立てることも必要です。また、余剰人員がでそうなタレントプールからは、配置転換の計画を進めるなど、フレキシブルな計画を立てましょう。

この計画は、タレントマネジメントの心臓部に当たります。もちろん、運用中の修正はあっても、ある程度の精度をもって実行に移せるように、綿密に採用・育成計画書を作成していきます。

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ステップ4.人材の採用・配置(D)

ステップ3で練った計画に応じた採用や配置を行います。社員にも、経営戦略と人事戦略のひもづけを意識してもらえるような採用、配置ができれば、マネジメントのさらなる効果が期待できます。

ステップ5.人事評価、レビュー(C)

採用や配置転換などで職場が一新したあとの成果を評価します。企業業績と個々の貢献度の照らし合わせはもちろんのこと、キャリアの志向や仕事上での考えなどもきめ細かに、例えば上司と部下による面談(1on1)などで確認します。

ステップ6.異動、能力開発など(A)

業務での成長で能力が不十分なところがあれば、速やかに研修プログラムなどの能力開発でフォローアップします。(ストレッチアサインメント的な意味で)さらに能力を伸ばせるよう、異動などでモチベーションを高めます。

3~6のPDCAを回し続ける

以上がタレントマネジメントの6ステップです。ただし、これで終わりではありません。ステップ3~6のPDCAを繰り返し回し続けること、これこそが、スパイラル式にタレントマネジメントをより高みに押し上げます。一度きりのマネジメントで満足することなく、PDCAを回し続ける「継続性」が必要になってきます。

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8.タレントマネジメントを実践するにあたって気をつけるべき3つのこと

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タレントマネジメントのステップがわかったので、早速導入、実行に移したくなった方も多いのではないでしょうか。実践にあたっては、気をつけなければならない点がいくつかあります。ここでは、3つに絞って解説していきましょう。

手段の目的化を避ける:「タレントマネジメントがしたい」ではうまくいかない

タレントマネジメントを成功に結びつけるためのポイントは、「なんのためにタレントマネジメントを行うか」という目的を持つことです。真の目的を全社員で共通認識をし、単なる手段の目的化に終わらない意識を持つことが重要になります。

日本的雇用慣行からの脱却:「順番を待つ」では育たない

日本に古くから定着し、いまも深い根を張る制度のもとでは、タレントマネジメントは正常に機能しにくい点も忘れてはなりません。

「順番さえ待っていれば、一定のポジションにありつける」といった日本的雇用慣行の脱却を図ることは、タレントマネジメントの運営上、必要不可欠な課題といえるでしょう。

育成することへのコミットメント:育つかどうかは上司(マネージャー)次第

もうひとつ、タレントマネジメントの運営上、考慮する必要があるのは、上司(マネージャー)の存在です。現場社員の育成はマネージャーの仕事。つまり、マネージャーの力量によって、部下の力を発揮できるかできないかも決まってしまいます。部下の成長を阻害するような上司がいる場合は配置の転換などの対策を検討すべきでしょう。

人事が事業戦略を理解する必要があるのと同様に、事業サイドも人材戦略を理解し、人事の行うマネジメントに柔軟に対応できる組織風土が必要です

9.タレントマネジメントシステムの選び方

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タレントマネジメントを実践するにあたっての注意点までを理解したら、いよいよマネジメントシステムの導入を具体的に考える段階になってきますね。タレントマネジメントが日本で広まると同時に、多くの企業がマネジメントシステムを開発してきました。自社にはどのシステムが合うのか、タレントマネジメントシステムの選別に戸惑うこともあるのではないでしょうか。タレントマネジメントシステムの選び方のポイントをいくつか紹介しましょう。

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システムを比較する4つのポイント

タレントマネジメントシステムを開発、提供している企業はたくさんあります。その中で、自社に最適なシステムはどう選別していけばいいのでしょうか。ここでは、システムを比較検討するべきチェックポイントを4つ紹介します。

  1. ①目的:システムでなにをしたいのか
  2. ②使いやすさ:誰でも使えるUIか
  3. ③価格:導入しやすい価格帯か
  4. ④実績:信頼できる実績か、評判はいいか

①目的:システムでなにをしたいのか

タレントマネジメントシステムには、目的に応じてソフトの開発が行われています。

その目的は、組織の活性化を図るもの、社員のモチベーション管理しながら適材適所を狙うもの、人材開発に主眼を置くもの、社員の目標管理や成果の見える化に特化したものなどさまざまです。システム導入で自社は何を果たしたいのか、その目的からマネジメントシステムを比較検討することが大切です。

②使いやすさ:誰でも使えるUIか(経営層、マネジメント層が使えなければ意味がない)

次に考えておきたいのは、ソフトの使いやすさです。人事部といった一部の人間、もしくはシステム管理者のみが使えるソフトでは問題があります。

タレントマネジメントを基軸にした人材戦略が、経営戦略と密接にひもづけられているのは前述のとおりです。経営層やマネジメント層までが使いこなせるソフトでないと、せっかくのシステムが単なる人事管理ソフトのひとつとして、日常業務の中に埋没してしまいます。

また、マネジメント層も取り込めるソフトであることは、運営上、経営判断が必要になった場合、スムーズに話を進めることができます。みんなが使いやすいシステムであることは、すなわち、みんなで一致団結してPDCAを回すことができる理想的なシステムなのです。

③価格:導入しやすい価格帯か

さらに押さえておきたい点は、価格です。せっかく投資をしても金額に見合う効果が得られなくては、システムを導入する意味はありません。費用対効果が得られるかどうかは、外せないポイントであることは覚えておきましょう。

④実績:信頼できる実績か、評判はいいか

最後に、導入しようと考えているタレントマネジメントシステムは、信頼に値する実績があるかどうか、評判はどうか、といったことも徹底調査しましょう。実績の多いシステムは、それだけ多くの事例をシステムに反映できるので、システム自体の完成度も高くなります。また、実際のユーザーが使用した際の評判も確認すれば、自社で導入した際の具体的イメージもわくでしょう。

やみくもにタレントマネジメントシステムを導入するのではなく、各社のタレントマネジメントシステムを比較検討したうえで、自社が賢く使いこなせるシステムを導入してください。

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