【事例付き】タレントマネジメントを行う目的、メリットとは?

タレントマネジメントとは、社員の能力やスキルを把握し、企業成長に必要な人材育成や適切な配置などを組織的に行う取り組みのこと

最近耳にすることの多くなったタレントマネジメントですが、何を目的として、何を成すための取り組みなのでしょうか。

タレントマネジメントを実施するよくある目的と重要性について、事例を交えつつご紹介します。

1.タレントマネジメントの目的とは?

タレントマネジメントの最終的な目的は「企業の成長」すなわち「経営目標の達成」です。

その達成のために、次世代のリーダーや企業成長を担う優秀な人材の選抜と育成が主な目的とされていました。昨今の働き方改革の影響もあり、社員や従業員一人ひとりの能力の把握・活用が目的となりつつあります。

上記目的を達成するためにも、HRM(Human Resource Management)のフレームワークを参考にしつつ次のように目的を細かく分け、それぞれを達成することが最終目的の「企業の成長」につながります。どれかひとつではなく、サイクルを回すことが大切です。

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【採用】人材の確保

1つ目は、最終目的の企業成長に不可欠な人材の採用を成功させることです。

やみくもに優秀な人材を採用するのではなく、目的に必要不可欠な人材を採用しましょう。

そのためにも、

  1. 自社の社風や目的にマッチする人材か否かを判断する「指標」を明確にしておく
  2. 社内のパフォーマンスが優れた人材を分析し、どのようなスキルを保有しどのような経験を積み、どんな性格をしている人材が活躍しているのかを可視化

しておくことが重要となります。

ハイパフォーマーの共通点を見出すことで、採用すべき人物像が明確になり、目的にあう人材確保の成功に近づくでしょう。

【配置】適切な配置

2つ目に、適切な配置を行うことです。

タレントマネジメントの最終目的を達成し得る最適な配置は、

  1. 社員のあらゆる情報の可視化
  2. 各部署がどんな要望・課題を抱えているかを可視化

を行うことから始めます。

そうしておくことで、社員の経験・スキルや今後の可能性や希望と、部署の要望がマッチする適切な配置検討を効果的に行えるでしょう。

必要に応じた異動・配置転換は社員の成長にもつながります。

【能力開発】人材の育成

3つ目は、人材の育成です。

ただスキルを学ばせるだけではなく、企業の成長につながるような優秀な人材を育てましょう。

そのためにまず、

  1. 社員の現状のスキルや知識、経験などを可視化
  2. 社員の将来像をヒアリングし蓄積
  3. 会社の求める優秀な人材像を明確にする (1つ目の「人材の確保」と同様です)

を行います。

社員の現状と将来像とのギャップ、企業の求める人物像とのギャップを埋めるための育成が目的達成のカギとなります。

【評価】正当な評価

4つ目は、評価基準を明瞭にし、社員の働きに対して正当に評価することです。

明確な評価基準と、立てた目標に対しどう取り組んでどの程度の成果を出したか、照らし合わせられるかどうかが重要です。

正当な評価を行うためには、おおまかに下記のことを行いましょう。

  1. 社員にも納得されるよう、わかりやすい評価基準を設定する
  2. 評価基準に沿った目標設定をさせる
  3. 社員の「目標→取り組み→成果→評価」の情報を一元化し、どのように目標達成されたかを明確にする

明瞭な評価ができれば、社員も納得して次の成長へとつなげられるでしょう。

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2.タレントマネジメントの重要性

タレントマネジメントを重要視している企業が増えているのは何故なのでしょうか。

目的の次は、タレントマネジメントを行うメリットと、行わなかった場合の影響について解説します。

タレントマネジメントを行うメリット

採用の効率化

タレントマネジメントを行うと、ムダな選考をする必要がなくなり、採用活動を効率的に行えるでしょう。

採用が効率化できる理由として、タレントマネジメントにより下記のようなことが可能になるからです。

  • 在籍しているハイパフォーマーと似た人材を見極められる
  • 不足しているスキルをもつ人材をピンポイントで募集できる
  • 在籍者の入社理由も明確にできれば、自社の魅力を効率的にアピールできる

タレントマネジメントでは在籍する社員や従業員の情報をすべて可視化し分析するため、採用の効率化につながるのです。

社員の成長

伸ばすべきスキルや能力が把握でき、社員の育成と成長につながります

タレントマネジメントを行う際、社員の現状と社員自身の理想像、企業の求める力量とのギャップを明確にすることで、下記のようなメリットが生じます。

【企業側】

伸ばすべきポイントが明確になるため、育成計画が立てやすくなる

【社員側】

目標がわかりやすくなるため、モチベーションを維持しやすくなる

ただし、それを実現するためには、社員のもつ能力やスキルを見極めることと綿密なヒアリングが必要です。

1on1などを積み重ねて記録し、データを溜めていきましょう。

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人材の定着

タレントマネジメントにより、社員の離職防止、すなわち人材の定着が見込めます

  • 適切な配置、能力にあった育成、正当な評価と報酬でモチベーションを維持し、会社への不満を抑制
  • 綿密なヒアリングで、能力的な部分だけではなく、人間関係や業務との相性などの情報も蓄積

よくある離職理由のひとつとして、「職場の人間関係」があげられます。1on1などでヒアリングできれば、離職を回避する策が取れるかもしれません。

こうした取り組みひとつで優秀な人材の流出を、企業の成長にもつながるでしょう。

タレントマネジメントをしなかった場合の影響

では、タレントマネジメントを行わなかった場合どのような影響が出るのでしょうか。

以下のような現象が生じ、企業成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。

採用が非効率

タレントマネジメントの一環である社員情報の収集・一元化ができていないと、採用活動が非効率になると考えられます。

具体的な例

  • どんな人材が在籍していて、どんな人材が不足しているかわからない
  • どんな人材を採用したらよいかわからない
  • 応募してきた優秀そうな人をひたすら選考していて時間がかかる
  • やっと採用しても数ヶ月で辞めてしまう

このような事態を防ぐためにもタレントマネジメントを行い、優秀な人材を抽出・分析し、採用活動の効率を改善しましょう。

社員が成長しない

社員の能力やスキルが可視化できていないと、人材育成に影響を及ぼす恐れがあります。

具体的な例

  • 社内にどんなスキルをもった人材がどれくらい在籍しているかわからない
  • 社員に足りない能力やスキルがわからない
  • 社員の力量や理想像がわからず、育成計画が立てられない
  • 「人がいないから」など、スキルやキャリアプランを意識しない異動が増える

社員の成長なくして、企業の成長はありません。人材育成を成長させるためにも、社員のあらゆる情報を見える化しましょう。

離職が多くなる

タレントマネジメントを行っていないと、離職につながる問題が発生することがあります。

具体的な例

  • 評価基準や評価理由が曖昧で、正当に評価してもらえないと不満を抱える社員が増える
  • 面談不足などで問題を発見できず、人間関係に悩んだ末、辞めてしまう
  • キャリアプランを考慮してもらえず、不安と不満がたまる

離職が増える要因は多々ありますが、タレントマネジメントをすれば回避できる問題もあります。

「最近退職者が増えた」と感じる場合は、経営層・人事・現場のマネージャーで連携し、タレントマネジメントを推進しましょう。

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3.タレントマネジメントの成功事例3選

タレントマネジメントで成功した企業はどのような目的を持ち、どのような施策を行い、どのような成果を出しているのでしょうか。

目的を明確にした場合の成功例をご紹介します。

成功事例1:日産自動車

目的

グローバルな組織・人事・文化をベースに、グループ全体の人財を最適に配置・活用し、グループ全体のパフォーマンスを最大化する。日本人ビジネスリーダーの育成強化。

実施内容

  • 育成体系、プロセスを整備
  • 「人選」「アセスメント」「育成計画」「フォロースルー」を回した、育成を加速させる仕組みを採用

1. 新卒採用の強化
2. 入社3年目から、ビジネスリーダー候補を発掘
3. 入社5~7年目から、ビジネスリーダー候補選抜・育成
4. 40歳代でビジネスリーダーポストに着任できる人財の育成

成果

企業成長を担う人財の育成に成功。

成功事例2:サイバーエージェント

目的

芸術的な適材適所を実現する

実施内容

タレントマネジメントデータベースを作り、毎月3つの質問をして人材の定量情報を集約。

▼質問の内容

  1. 先月の目標
  2. 達成度合い
  3. 通常業務では見えない得意分野を発掘するような質問など(月替り)

定量情報+面談などによるヒアリングで、社内の人材ニーズとそれに合う社員をマッチング。

成果

目的となる「芸術的な適材適所」を実現。

成功事例3:伊藤忠商事

目的

グループ全世界ベースでの人材価値の最大化・全体最適を目指す (2007年度より世界視点での人材戦略を推進)

実施内容

  1. タレントマネジメントシステムを導入し、人材データの管理を一本化
  2. 優秀な人材の採用・育成・活用・登用を行う「タレントマネジメントプロセス」の仕組みを運用
  3. 伊藤忠商事の理念や価値観に沿った採用、育成をグローバルに実施。

成果

業務の効率化、各拠点とのスムーズな業務連携、有能な人材の育成など多岐にわたる成果をあげている。

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4.タレントマネジメントの失敗例

逆に、システムを導入することが目的となってしまい、何の効果も得られずに失敗してしまう企業も多々存在します。

目的を定めなかった場合、どのような状態に陥りやすいのでしょうか。

失敗例1:社員の協力が得られない

タレントマネジメントを何のために行うのか、自分たちにどんなメリットがあるのかがわからず、社員の共感・協力を得られずに立ち消えてしまう恐れがあります。

タレントマネジメントで失敗しないためには、必ず目的を明確に定めましょう。

失敗例2:何を行えばいいかわからない、ムダなことをしてしまう

目指すべきゴールが定まっていないためやるべきことが見えず、意味のない施策を行ってしまうことがあります。

ムダな施策に時間を割かれることで、社員からの不満や不信で社内の雰囲気も悪くなってしまいます。

企業成長とは逆の結果を招かないためにも、意味のある施策であることがわかるよう目的を明確にしましょう。

失敗例3:データをうまく活用できない

タレントマネジメントシステムに、人材データを登録したものの、活用につながらないケースも見受けられます。

どのデータを何に用いるか、目的を明らかにした上でデータベースを構築していかないと、ただDB化しただけで終わりになってしまいます。

「手間をかけたわりに、現場は何も変わっていない」など社内から不満が出る恐れもあります。

データの活用目的を定め、タレントマネジメントシステムを有効活用しましょう。

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5.【まとめ】タレントマネジメントの目的とその重要性

タレントマネジメントの最終目的は「企業成長」です。

そのための細分化した目的は、HRMのフレームワークに沿った以下の4つになります。

  1. 「人材確保」
  2. 「適切な配置」
  3. 「人材育成」
  4. 「正当な評価と報酬」

目的達成における共通のポイントは、社員のあらゆる情報を集積・可視化・分析することです。

タレントマネジメントシステムなどのツールを用いることで、効率的・効果的に実行できます。

また、タレントマネジメントを行う上で最も重要なことは「目的を明確に定めること」です。

目的を曖昧にせず、「何をどういう状態にするために行うのか」を全社で共有し、タレントマネジメントを成功させましょう。