目標と目的の違いとは? 企業の目的、目標と目的を間違えやすいポイントについて

日々の業務の中では、目的や目標といった言葉は付きものです。しかし、目的と目標は「目指すもの」という意味では同じですが、それぞれに違いがあり、この2つを間違って理解している人も多いとされています。

ここでは、それぞれの違いについて説明しながら、ビジネスシーンにおいて、企業が経営戦略を打ち立てていく中で、どのように「目的」と「目標」を設定していくのかを取り上げていきます。

1.目的と目標の違いとは?

「目的」と「目標」の違いは、

  • 目的:最終的に成し遂げようとする事柄であり、目指すべき到達点
  • 目標:目的を成し遂げようするために設けた具体的な手段

たとえば、ビジネスシーンにおいて、「目的」は「利益を上げたい」「事業を拡大したい」と抽象的であるのに対して、「目標」は「目的」のために業務内容をどのようにしていくのかと、より具体的な設定が求められます。

目的とは?

岩波書店の『広辞苑』によると、目的という言葉の定義は、「成し遂げようと目指す事柄」。つまり「最終的に目指す到達点」、すなわち「終点」を意味しています。

「成し遂げようと目指す」という文言に表れているように、ビジネスシーンでは、今後の企業をどのようにしていきたいのか、将来の経営戦略、企業ビジョンを指しているのです。

目標とは?

岩波書店の『広辞苑』によると、「目標」という言葉の定義は、「目的を達成するために設けためあて」。「目的を達成するために設けた手段」を意味しています。

「目標」は、「目的」を実現させるためにどのようにしていくのか、その過程を具体的に設定していくことであり、ビジネスシーンでは、業務内容そのものに関わってきます。

ゴールとは?

岩波書店の『広辞苑』によると、「ゴール」は「目的・目標に達すること」と定義されています。

そういったことから、

  • 競技の決勝戦、決勝点
  • ラグビー・サッカー・ホッケーなどで、ボールを入れると得点になる枠

スポーツの世界では上記のような意味を持ち、世間一般的に、努力を重ねて成し遂げる目標点や最終目的とされているのです。また、ゴールに達することで、成果が得られます。

方針とは?

岩波書店の『広辞苑』によると、「方針」のもともとの意味は、

  • 方位を指し示す磁石の針
  • 「目的」を目指すための方位磁石のようなもの

「目的」を達するに当たって、目標よりもさらに具体的に主体性を持って計画を立てていくことを指しているのです。ビジネスシーンでは、計画を実行する上で必要な原則やルールなどを設けていくことをいいます。

「目的」とは「目指すべき到達点」のこと、「目標」とは「目的を成し遂げようとするために設ける具体的な手段」のことを指しています

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2.企業が意識するべき目的とは?

企業が意識すべき「目的」とは、顧客により良い商品・サービスを提供することで社会そのものをより良くしていくこと。

利益を上げて事業を拡大していくことで、従業員たちの生活の安定と向上や地域社会への貢献といった、組織や環境にも影響を及ぼしていきます。企業がそういった「目的」を掲げることで、社会においての存在意義にもつながっていくのです。

ピーター・ドラッカー『マネジメント』によると

「マネジメント」を提唱し、日本でもさまざまな企業に影響を与えている経済学者ピーター・ドラッカーによると、企業の目的は「顧客の創造」だそうです。

そのためにも企業は、

  1. マーケティング:市場のリサーチをはじめ、製造・輸送・保管・販売・宣伝などの全過程にわたって行う販売戦略
  2. イノベーション:社会的意義のある新たな価値を創造して、社会的に大きな変化をもたらす幅の広い変革

2つの機能を持つことが重要だとされています。

顧客創造(create a customer)の意味

ドラッカーは、組織が果たす目的とは「顧客を創造すること」だと提唱しましたが、それを「顧客満足」だと誤解している人もいるかもしれません。

しかし、

  • 生き物が変化し続けるように、社会もまた変化していくものであり、先行きが分からない中で「顧客満足」だけを追求していても、企業は生き残れない
  • 企業は顧客の要求をマーケティングするだけではなく、それまでになかった新しい商品やサービスを開発して、未来を切り拓いていくことが求められる

という理由から、ドラッカーは「顧客創造」を「企業自らが市場を創り出すこと」だと定義しているのです。

企業の目的とは、「マーケティング」「イノベーション」の機能を用いて、新しい製品やサービスを開発して、自ら「顧客を創造」していくこと

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3.多くの企業が間違えやすいポイント、注意点

しかし、目標と目的を間違えてしまうことがあります。一体どんな点を間違えてしまうのか、またどんな点に注意すればよいのか、下記3つの点から見ていきましょう。

  1. 目標にすべきことを目的化する
  2. 目的のはっきりしない目標を追いかける
  3. 達成が容易な目標ばかり設定する

①目標にすべきことを目的化する

目標と目的を間違えてしまっては問題です。しかし、どのように問題なのか分かりにくい点もあるでしょう。実際に起こった事例をもとに説明します。

事例:東芝の不祥事

東芝は長年にわたって行われた粉飾決算が明るみになり、2016年3月期に7191億円もの過去最大の営業損失を出しました。また、経営陣が目標利益の達成のために、「チャレンジ」と称し、会社ぐるみで各部門に圧力をかけていたことも判明したのです。

  • インフラ事業:原価の過少計上や売上高の水増しで損失が先送りにされた
  • 映像事業:引当処理や経費計上時期の延期、仕入れ価格の操作が行われた
  • パソコン事業:「バイセル」として、製造委託先に通常よりも高い価格で部品が販売された

東芝は、短期間での利益追求のために、上記のような不正行為に手を染めてしまいました。歴代経営陣が目指した成果主義という企業体質によって引き起こされた、まさに「目標」が「目的」と化してしまった事例です。

②目的のはっきりしない目標を追いかける

  • 目的が定まらず、はっきりとしないうちから目標が設定されてしまう
  • 理念やビジョンがはっきりとしたかたちで提示されているが、目標が現実的ではない

といった状況では、目的と目標が結び付かず、現場の従業員たちもどのように業務を遂行していけばいいのか分からないままになってしまいます。

はっきりとした理念とビジョンを掲げ、その目的を達成するためには、具体的にどのような目標を設定すればいいのか、よく熟考する必要があるでしょう。

③達成が容易な目標ばかり設定する

高い目標を掲げると、何とか達成しようと現場の従業員たちのモチベーションが上がり、業務に対しても工夫して努力するようになります。

気を付けるべき点は、どのように目標を設定するか。「達成しやすい」「達成できない」目標では、従業員たちのモチベーションに影響を及ぼしてしまいます。

目標達成が容易な目標ばかりを設定してしまうと、それが当たり前となってしまい、現場や従業員のモチベーションの維持に支障をきたす恐れがあるでしょう。

また、達成できそうもない目標を設定してしまうと、評価制度と結び付いているため、従業員たちのモチベーションが失われる可能性があります。

本来「目標」であるはずの利益の追求や事業の拡大といったことが目的と化してしまうことも。企業は目的と目標の設定・実行に、気を付けなければなりません