「最近、部下の仕事への熱意が感じられない」「もっと意欲的に取り組んでほしいが、どう指導すればいいのかわからない」。
こうした悩みを抱える管理職や人事担当者は少なくありません。組織の成長には社員一人ひとりの意欲が不可欠ですが、どのようにしてその「意欲」を引き出せばよいのでしょうか。
この記事では、意欲的の意味や積極的・主体的・自発的といった似た言葉との違い、意欲的な人の特徴、企業と本人それぞれにとってのメリットまで詳しく解説します。
さらに、社員が意欲的に働ける環境づくりや、企業が実践できる具体的な工夫についても紹介します。
1. 意欲的とは

「意欲的」とは、目標達成や課題解決に向けて、情熱と強い意志を持ち、自ら進んで行動する状態を指します。単なる「やる気」や「前向きさ」とは異なり、次のような内面的な動機づけがそろっている点が特徴です。
- 目的の理解:何のために取り組むかを明確に認識している
- 意志の強度:やり切る覚悟がある
- 自律性:指示待ちではなく、自分で考え、判断し、行動する
「意欲的」であることは、個人の成長はもちろん、組織全体のパフォーマンス向上にもつながる重要な要素です。
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2. 意欲的と積極的、主体的、自発的との違い
「意欲的」は「積極的」「主体的」「自発的」といった言葉と混同されがちですが、それぞれニュアンスが異なります。ここでは、その違いを詳しく解説します。
意欲的と積極的との違い
「積極的」とは、物事に前向きに関わり、自ら進んで取り組む姿勢を表す言葉です。待ちの姿勢ではなく、自ら考えて行動に移し、困難な状況でも挑戦したり、新しい提案を率先して行ったりする態度を指します。
一方で「意欲的」は、その行動の背景にある強い動機や情熱を指します。たとえば、会議で挙手して発言するのが「積極的」な行動だとすれば、その発言の裏に「このプロジェクトを絶対に成功させたい」という強い思いがある状態が「意欲的」と言えるでしょう。
積極性は行動の表れ、意欲はその源泉となる気持ちと捉えると分かりやすいです。
意欲的と主体的との違い
「主体的」とは、自分の意志や判断にもとづいて、責任を持って行動することを意味します。
誰かに指示されるのではなく、自分が当事者であるという意識で物事を進める姿勢です。
これに対し「意欲的」は、その主体的な行動を支える熱意や情熱の度合いを示します。主体的に行動していても、そこに「もっと成果を出したい」という強い熱意がなければ「意欲的」とはいえないかもしれません。
主体性は行動のあり方を、意欲は行動の熱量を表す、と区別できます。
意欲的と自発的との違い
「自発的」とは、他者からの指示や強制ではなく、自ら進んで行動することを指し「主体的」と似た意味を持ちます。
行動の「きっかけ」に重点を置く言葉です。一方で「意欲的」は、前向きな意思と具体的な目的を持って行動しようとする「姿勢」を含む表現です。
両者とも自主的な行動を示しますが、自発性が行動の「始まり」に焦点を当てるのに対し、意欲的は行動の「質」や「動機」に重きを置きます。
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「意欲的」の反対の意味を持つ言葉としては「消極的」や「無気力」が挙げられます。
- 消極的:自ら進んで物事に取り組もうとせず、受け身の姿勢を取る状態。新しい挑戦を避け、現状維持を望む傾向が見られる。
- 無気力:何かをしようとする意欲そのものが湧かず、仕事や物事に対して一切の関心や興味を失ってしまっている状態。メンタルヘルスの観点からも注意が必要なサインと言える。
これらの状態は、個人の成長や組織の活力を妨げる要因となるため、早期の気づきと適切なサポートが重要になります。
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4. 意欲的に挑戦する姿勢とは
ビジネスシーンで高く評価される「意欲的に挑戦する姿勢」は、具体的な行動として現れます。ここでは、意欲的な人に共通する5つの特性を見ていきましょう。
- 新しいことに率先して取り組む
- スキル向上のための努力を継続できる
- アイデアを積極的に提案する
- 困難な課題に対して解決策を模索する
- 失敗を前向きに捉え、成長に変える
新しいことに率先して取り組む
意欲的な人に共通する特徴として挙げられるのが「新しいことへの挑戦を恐れない姿勢」です。
変化の激しいビジネス環境では、従来のやり方にとらわれず、新しい知識や方法を積極的に取り入れる行動が組織の成長につながります。
重要なのは知識や関心を持つだけでなく、実際に行動に移せるかどうかです。誰も手を挙げない新規プロジェクトや未経験の業務でも「成長の機会」と前向きに捉え、自ら挑戦する。
こうした態度こそ、現状に満足せず、常に自身を成長させようとする強い意志の表れといえるでしょう。
スキル向上のための努力を継続できる
意欲的な人は、スキル向上のための努力をいとわず続けられます。そのため、現在の業務に必要なスキルはもちろん、将来のキャリアを見据えた学びにも積極的です。
業務時間外のセミナー参加や、資格取得の勉強と、自らの価値を高めるための努力を自発的に、そして継続的に行えるのです。
アイデアを積極的に提案する
意欲的な人は、業務や組織をより良くするためのアイデアを積極的に提案します。非効率な業務フローに気づいたときに「こう改善してはどうか」と提案したり、チームの雰囲気を良くするための取り組みを考えます。
規模の大小にかかわらず、自ら考えて発信するスタンスが大切です。さらに、意見を述べるだけでなく、具体的な改善策や実行方法まで示す点が、意欲的な人の特徴といえるでしょう。
困難な課題に対して解決策を模索する
多くの人が「できない理由」を探してしまうような困難な課題に直面しても、意欲的な人は「どうすれば実現できるか」という視点で物事を考えます。
困難を言い訳にせず、乗り越えるべき課題として捉え、粘り強く解決策を探るのです。そして周囲を巻き込みながら行動し続ける力を持っています。
失敗を前向きに捉え、成長に変える
挑戦には失敗がつきものです。しかし、意欲的な人は失敗をネガティブに捉えません。むしろ「なぜ失敗したのか」を徹底的に分析し、次に活かせる学びを見つけます。失敗を成長の糧とすることで、より大きな成果につなげていくのです。
この、失敗から立ち直る力(レジリエンス)の高さも、意欲的な人の大きな特徴といえるでしょう。
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意欲的な人は、仕事に前向きな姿勢を示すだけでなく、その行動や考え方にも特有のパターンが見られます。ここでは、意欲的に取り組める人に共通する5つのポイントを紹介します。
- 自ら目標を設定し行動できる
- 自己成長に対する意識が高い
- チームや会社への貢献意識が強い
- フィードバックを素直に受け止める
- 周囲を巻き込みながら前に進める
自ら目標を設定し行動できる
意欲的な人は、自ら目標を設定し、その達成に向けて主体的に行動できる力を持っています。与えられた目標をこなすだけでなく、自分で課題を見つけ、具体的な計画を立て、責任を持って実行に移します。
このような社員は結果だけでなくプロセスにも責任を持つため、上司やチームからの信頼を得やすいでしょう。
自己成長に対する意識が高い
意欲的な人は、常に「今より成長したい」という意識を持ち続けています。こうした成長へのモチベーションは、業務の成果を高めるだけでなく、新しい課題に対して柔軟に対応するための土台にもなります。
研修や勉強会にも指示されて参加するのではなく、自ら学びに行こうとする取り組み方が重要です。自身のキャリアや人生で「どうなりたいか」という具体的なビジョンを描き、その実現に向けて学び続ける姿勢が、日々の業務を前向きに取り組む原動力になります。
チームや会社への貢献意識が強い
意欲的な人は、自分の成長だけでなく、所属するチームや会社全体の成果にも強い関心を持っています。
自分の仕事が組織全体にどう貢献するかを理解し、その達成に向けて行動します。
たとえば、仲間の業務負荷が大きいときに自分のタスクを調整してフォローに入ったり、チームの成果を高めるための改善案を積極的に提案する姿勢が見られます。
フィードバックを素直に受け止める
上司や同僚からのフィードバックは、自分を成長させるための貴重な学びの機会です。意欲的な人はその価値を理解しており、耳が痛い指摘でも感情的に拒まず、前向きに受け止めます。
改善のために行動を改めるだけでなく「どうすればさらに良くできるか」と助言を求める姿も見られ、この前向きな取り組みこそが意欲的な態度といえるでしょう。
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周囲を巻き込みながら前に進める
優れた成果は、一人の力だけで生み出せるものではありません。意欲的な人は周囲を巻き込み、協力を引き出しながら物事を前に進める力を持っています。
たとえば、新しいプロジェクトが始まったときには、仲間の意見を引き出し、役割を明確にしたうえで自ら率先して行動します。こうした姿勢は単なる業務遂行にとどまらず、組織全体の推進力となります。
さらに、自分の考えや情熱を繰り返し伝えることで周囲のモチベーションを高め、チームとして大きな成果を生み出すリーダーシップを発揮するのです。
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6. 意欲的に働くメリット
社員が意欲的に働くことは、本人にとっても企業にとっても大きなメリットがあります。ここでは、その効果を「社員本人の視点」と「企業の視点」に分けて解説します。
本人側のメリット
意欲的に働くことで、本人には以下のようなメリットがあります。
- 成長スピードが早くなる
- 上司や同僚からの信頼を得やすい
- キャリアアップや昇進につながる
- 自己肯定感が高まる
成長スピードが早くなる
意欲的な人は、どんな業務も学びのチャンスと考え、積極的に知識やスキルを吸収します。
実践を通じて身につけた力を成長につなげられるため、経験の蓄積が速く、受け身で仕事をする人に比べて成長スピードは格段に速くなります。
この差は数年後には大きな成果の違いとして現れるでしょう。
上司や同僚からの信頼を得やすい
前向きで責任感ある取り組みは周囲に伝わりやすく、自然と信頼を得られます。「この人に任せれば安心だ」と評価されれば、より重要でやりがいのある仕事を任される機会も増えていくでしょう。
同僚からも「一緒に働きたい」と思われやすく、協力を得やすい点も大きな強みです。信頼が厚くなるほど、キャリアや人間関係の広がりにもつながります。
キャリアアップや昇進につながる
意欲的に働く社員は、行動力と成果の両面で評価されやすいため、キャリアアップや昇進のチャンスを得やすくなります。
環境の変化に柔軟に対応し、結果を出せる人材は企業にとって欠かせない存在であり、自然とリーダーやマネージャー候補として期待されるでしょう。
このような姿勢は、自分の評価や市場価値を高め、理想のキャリアを実現する大きな後押しになります。
自己肯定感が高まる
意欲的に働く人は、自ら目標を立てて努力するため成果を実感しやすく、自己肯定感が高まります。小さな成功体験を積み重ねることで「自分はできる」という感覚が強まり、次の挑戦への原動力となります。
この積み重ねが好循環を生み、より大きな成果へとつながっていくのです。
たとえば、研修で学んだ内容を実務に活かして改善提案が受け入れられた経験や、スキルアップの努力が評価された瞬間は、大きな自信につながります。
さらに、周囲からの承認や成果が目に見える形で示されることも、自己肯定感を強める要因です。こうした経験を積んだ人は、困難に直面しても前向きに取り組みやすくなります。
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企業側のメリット
社員が意欲的に働くことで企業側が得られるメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- 生産性や業績アップにつながる
- チーム全体にポジティブな影響が波及する
- 教育コストが減る
- イノベーションが生まれやすくなる
- 定着率が向上する
- 採用やブランド力に良い影響を与える
生産性や業績アップにつながる
意欲的な社員は常に効率化を意識して行動するため、生産性が高まります。たとえば、無駄な工程を減らすために新しいツールの導入を提案したり、新しいスキルを身につけて業務の幅を広げたりと、取り組みは多岐にわたります。
こうした改善の積み重ねがチームや部門全体のパフォーマンスを高め、製品やサービスの品質向上、納期や開発期間の短縮、さらにはコスト削減につながるのです。最終的には顧客満足度を高め、企業の売上や利益といった業績につながります。
チーム全体にポジティブな影響が波及する
意欲的に働く人の姿勢は、周囲の社員にも良い刺激を与えます。
困難に挑戦し、前向きに取り組む姿を見ることで同僚のやる気を引き出し、チーム全体の雰囲気を活性化。職場の空気は社員一人ひとりのモチベーションに直結するため、意欲的な社員の存在は組織文化をより前向きに変えていく力を持っています。
たとえば、会議で建設的な意見を積極的に発言する人がいれば、他のメンバーも発言しやすくなり、議論の質が高まります。
また、新しい取り組みに挑戦する姿を見て「自分もやってみよう」と感じる社員が増えることもあるでしょう。こうした波及効果が重なり、チーム全体の成長スピードを加速させます。
教育コストが減る
自ら考えて行動できる社員が増えると、上司や管理職が細かく指示を出したり進捗を逐一確認する必要がなくなり、教育コストの削減につながります。
その結果、管理職はマイクロマネジメントから解放され、より付加価値の高い戦略的な業務に時間を割けるようになるでしょう。
たとえば、新規事業計画の策定、中長期的な組織戦略の検討、部下のキャリア開発支援といった、将来を見据えた取り組みに集中できるのです。これは管理職自身の生産性を高めるだけでなく、組織全体の効率化にもつながります。
イノベーションが生まれやすくなる
イノベーションは、現状に疑問を持つことから始まります。
意欲的な社員は、現状維持に満足せず、常に「もっと良い方法はないか」と考えるため、革新のきっかけを見つけやすいのです。変化を恐れない社員が多い組織ほど、新しい価値を生み出しやすくなるでしょう。
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定着率が向上する
社員が離職する大きな理由の一つに「成長を感じられない」「仕事にやりがいを見いだせない」といった不満があります。
意欲的に働ける環境は、社員に日々の成長ややりがいを実感させ、仕事へのエンゲージメントを高めます。能力を存分に発揮でき、挑戦が奨励され、成果が正しく評価される職場であれば、優秀な人材は「この会社で働き続けたい」と思うでしょう。
さらに、上司や同僚との信頼関係が築かれ、安心して働ける環境では人間関係によるストレスも減少します。その結果、定着率が向上し、採用や再教育にかかるコスト削減にもつながります。
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採用やブランド力に良い影響を与える
社員がいきいきと意欲的に働く姿は、何よりも強力な採用広報になります。友人や知人に自社を勧める「リファラル採用」が促進されるだけでなく、SNSや口コミを通じて「働きがいのある会社」という評判が自然と広がっていきます。
こうしたポジティブな情報は、求職者にとって信頼性の高い判断材料となり、優秀な人材を惹きつける魅力となるでしょう。さらに、顧客や取引先からも「あの会社の社員は楽しそうだ」という好印象を持たれ、企業ブランドの向上も期待できます。
社員の意欲は、組織を内側から強くするだけでなく、外に向けても良い影響をもたらすのです。
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7. 従業員が意欲的に働けるようになるきっかけ
社員が意欲的に働くようになるには、性格や資質だけでなく、職場環境やこれまでの経験が大きく影響します。やる気やモチベーションは、ちょっとした「きっかけ」で高まり、その後の行動に変化をもたらします。
企業や上司がそのきっかけを与えることで、社員一人ひとりの力を引き出しやすくなるのです。ここでは、社員が意欲的に働けるようになる主な要因を見ていきましょう。
- 自分の仕事に意味や目的を見いだす
- 上司や同僚から褒められる
- 成果を正しく評価される
- スキルアップの機会を与えられる
- チャレンジできる環境がある
自分の仕事に意味や目的を見いだす
人は、自分の仕事が「誰の役に立っているのか」「会社や社会にどう貢献しているのか」を理解したときに強いモチベーションを感じます。
そのため、自社のビジョンやミッションと業務を結びつけて示すことが重要です。上司が目的や成果の意義を具体的に伝え続ければ、社員は自分の役割に誇りを持ち、意欲的に働けるようになります。
たとえば、営業職なら「契約を取る」だけでなく「顧客の課題解決を通じて成長を支援している」と捉えると取り組み方が変わります。バックオフィスでも「社員が安心して働ける環境を整えている」と理解できれば、大きなやりがいにつながるでしょう。
上司や同僚から褒められる
人は誰でも他者に認められたいという「承認欲求」を持っています。上司や同僚からの評価は「自分の行動に価値がある」と自信をもつきっかけとなり、働く意欲を高めます。
特に結果だけでなく、工夫や努力の過程を見逃さずに褒めることで「自分のことを見てくれている」という信頼感が生まれ、前向きな行動につながります。
たとえば業務改善の提案が採用された際に「助かった」と声をかけるだけでも効果的です。また、会議の場で努力を言葉にして評価すれば、他の社員にも良い刺激となるでしょう。
褒められた経験はさらなる挑戦を後押しし、組織全体の成長を促すサイクルを生み出します。
成果を正しく評価される
努力や成果が、昇給や昇進、インセンティブといった形で正当に評価されることは、意欲を維持・向上させる上で不可欠です。
いくら努力しても適切に認められなければ、モチベーションは低下し「やっても意味がない」という気持ちが生まれてしまいます。逆に、成果が正当に評価されれば「もっと頑張ろう」と前向きになれるでしょう。
スキルアップの機会を与えられる
新しいスキルを習得し、できることが増えていく実感は、大きな喜びと自信につながります。
企業が研修や資格取得支援制度などを通じて、社員のスキルアップを積極的に後押しすることで「自分は会社から期待されている」と感じ、学習意欲が高まります。
日常業務の中でも新しい役割を任せることで、実践的にスキルを伸ばせるチャンスを与えることが可能です。
このような環境があると、社員は「会社が自分の成長を応援してくれている」と感じ、より前向きに取り組むようになります。
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8. 意欲的に仕事をしてもらうためのポイント
社員が意欲的に働き続けるためには、個人の努力だけでなく、企業側のサポートや仕組みが欠かせません。
いくら社員にやる気があっても、それを発揮できる環境が整っていなければ、モチベーションは長続きしないのです。ここでは、意欲的に仕事をしてもらうために企業が取り組むべき5つのポイントを紹介します。
- 目標を一緒に決める
- 強みを活かせる仕事にアサインする
- キャリアパスや成長機会を提示する
- 成果や努力を評価する
- 挑戦しやすい職場環境を整える
目標を一緒に決める
社員に意欲的に働いてもらうには、対話を通じて納得感のある目標を一緒に設定することが大切です。本人のキャリア志向や得意分野を踏まえ、「なぜこの目標に取り組むのか」という意味を共有することで、目標は「やらされ感」から「自分事」へと変わります。
たとえば、上司が一方的に「今期は売上を○%伸ばせ」と伝えるのではなく、「どの分野で成果を出したいか」「どんなスキルを伸ばしたいか」をヒアリングしながら、数値や行動目標を一緒に決めていきます。
このプロセスを経ることで、社員は責任感を持ち、主体的に取り組めるようになります。
強みを活かせる仕事にアサインする
苦手なことよりも得意なこと、つまり「強み」を活かせる仕事をしているときにこそ、高いパフォーマンスを発揮し、やりがいを感じやすくなります。
日頃から社員一人ひとりの強みを見極め、その力が最大限発揮される業務を任せる「適材適所」の配置は、意欲を高めるうえで効果的です。
また、企業としては適性検査やタレントマネジメントシステムを活用することで、社員のスキルや性格の可視化が有効です。強みを踏まえて配置を工夫すれば、個人の成長と組織の成果を同時に高め、より社員の意欲を引き出せるでしょう。
キャリアパスや成長機会を提示する
社員が意欲的に働き続けるためには、将来のキャリアや成長の道筋を示すことが不可欠です。先が見えないと「努力しても報われないのでは」という不安が生まれ、モチベーションが下がってしまいます。
逆に、将来の姿が明確であれば挑戦しやすくなるでしょう。たとえば「3年後にはマネジメントを任せたい」「このスキルを活かして専門職として活躍できる」といった具体的なキャリアパスを提示すれば、社員は目標を持ちやすくなります。
さらに、研修や資格取得の支援、外部セミナーへの参加、オンライン学習などの学習機会を提供することで成長を促せます。
大切なのは制度を整えるだけでなく、上司や人事が対話を重ねながら将来像を共有すること。未来に希望を持てる環境があれば、意欲的な働き方は自然と継続していきます。
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キャリアパスを設定するには、タレントマネジメントが必須です!
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成果や努力を評価する
意欲的に働く社員を増やすには、成果だけでなく努力や過程を適切に評価しましょう。結果だけを重視すると、挑戦して失敗した人が報われず、新しいことへの意欲が薄れてしまいます。
努力も認められる環境であれば、「挑戦しても大丈夫だ」と安心でき、前向きな行動につながります。
評価制度の整備に加えて、日々のコミュニケーションの中で小さな工夫を褒めたり、その場で感謝を伝えるだけでも効果的です。努力が正しく評価される職場では、社員が安心して次の一歩を踏み出せるようになり、意欲的な働き方が自然と根づいていきます。
人事評価制度はどう見直す? 見直しの目的やポイント、手順を解説
人事評価制度は、適切なタイミングで見直しが必要です。なぜなら、人事評価制度は企業と従業員の双方に大きく影響する重要なツールであるためです。
人事評価制度が古かったり、機能していないと感じる場合、従業員...
挑戦しやすい職場環境を整える
社員が安心して新しいことに取り組むには、挑戦を歓迎する環境づくりが必要です。チャレンジングな目標設定、心理的安全性を高める1on1面談、自由にアイデアを発信できる場の提供などが有効です。
「失敗しても学びがある」と感じられる雰囲気があれば、社員は萎縮せずにチャレンジできます。さらに、上司や経営層が挑戦する姿勢を称賛して示すことで、挑戦そのものを肯定的に捉える文化が育ちます。
その結果、社員は自信を持って行動でき、組織全体の活力も高まっていきます。
Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。 タレントマネジメントシステム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決! ⇒【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード9. 意欲的な状態を維持するための工夫
一度高まったモチベーションも、何もしなければ時間とともに低下してしまうことがあります。意欲的な状態を継続させるためには、組織的な仕組みと継続的な働きかけが欠かせません。ここでは、意欲的な状態を維持するためのポイントを5つ紹介します。
- 上司が日頃から積極的に声をかける
- チャレンジを称賛する仕組みを取り入れる
- 自主性を尊重し裁量を与える
- 長期的な視点でサポートする
- タレントマネジメントツールを導入する
上司が日頃から積極的に声をかける
リモートワークの普及により、意識的なコミュニケーションの重要性は一段と高まっています。業務連絡だけでなく「最近どう?」「困ったことはない?」といった気軽な声かけが、社員の孤立を防ぎ、モチベーションの変化に早く気づくきっかけになります。
上司から関心を向けられていると感じられることは、大きな安心感にもつながるものです。
さらに、週1回や月1回など定期的に1on1ミーティングを行い、業務だけでなくキャリアやプライベートも相談できる場をつくることで、社員の状況をより深く理解できます。
こうした対話を続けることによって、意欲低下の兆しを早めに察知し、適切にサポートすることが可能です。
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ヤフーが導入したことでも注目され、現在では多くの企業が導入する...
チャレンジを称賛する仕組みを取り入れる
成功したかどうかに関わらず、新しいことに挑戦した姿勢そのものを評価し、称賛する文化や仕組みを作りましょう。
たとえば「チャレンジ賞」のような表彰制度の設置や、社内報で挑戦事例の共有によって「この会社では挑戦することが歓迎される」というメッセージを全社に発信し、さらなる挑戦を促します。
自主性を尊重し裁量を与える
マイクロマネジメントは、社員の意欲を奪う大きな要因です。業務の進め方について、ある程度の裁量を与え、自主性を尊重することが大切です。
たとえば、プロジェクトの進め方を任せる、タスクの優先順位を自分で決めさせる、提案したアイデアを実際に実行させるといった方法があります。
自ら考え工夫しながら仕事を進める経験は、当事者意識や責任感を育てるだけでなく、仕事の面白さを実感させ、やる気の維持にもつながります。
長期的な視点でサポートする
人の意欲を引き出し成長につなげるには、時間をかけて取り組む必要があります。大切なのは、社員一人ひとりのキャリアに寄り添い、長期的にサポートすることです。
時には失敗やモチベーションの低下が見られても、見放さず関わり続けることで信頼関係が築かれ、持続的な成長につながります。
たとえば、半年後や1年後を見据えたキャリアプランを共有し、その達成に向けた段階的な支援を行います。さらに研修や異動を通じて多様な経験を積ませることも効果的です。
将来の成長に投資されていると実感できれば、社員は安心感を持ち、組織へのエンゲージメントも強まるでしょう。
タレントマネジメントシステムを活用する
意欲的な状態を維持するためには、個人の強みや成長過程を可視化し、組織全体で適切に活用できる仕組みが必要です。その有効な手段の一つがタレントマネジメントシステムの活用です。
社員一人ひとりのスキルやキャリア志向を把握し、最適な配置や育成計画に反映することで、モチベーションの向上が期待できます。
「カオナビ」のようなツールを使えば、顔写真付きで人材情報を一元管理でき、成長や意欲を客観的に評価することができます。また、組織図シミュレーションで適材適所の配置やリーダー候補の発掘も可能です。
社員は強みが正しく評価されていると感じ、管理職も公平な判断ができるため、意欲的な組織づくりにつながります。
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意欲的に働く姿勢は、個人の成長を後押しするだけでなく、生産性や業績の向上、さらに組織全体の雰囲気改善やエンゲージメント強化にもつながります。
社員のモチベーションは生まれ持った資質だけで決まるものではなく、明確な目標設定、公正な評価制度、挑戦を歓迎する風土、そして丁寧なマネジメントといった企業の継続的な取り組みで育まれるものです。
まずは自社の現状を振り返り、実践できる取り組みから始めることが大切です。
タレントマネジメントシステム「カオナビ」を活用すれば、社員のスキルや経験、キャリア志向を可視化できるので、最適な配置や育成プランを設計することが可能になります。
これにより、勘や経験に頼らない戦略的な人材育成を実現し、組織全体の意欲を高められ、持続的な成長に貢献できるでしょう。
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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて など

