自己肯定感とは?【意味をわかりやすく】低い原因、高める方法

自己肯定感とは、類似する言葉、高い人・低い人の特徴、高め方、理解を進めるための書籍などについて紹介します。

1.自己肯定感とは?

自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定する感覚のことです。他人と比べることなく、自分をかけがえのない存在として肯定する、誰かに好意的に受け止められることで生まれます。自己肯定感が高いことは、前に進むための原動力となり、仕事を進める上でも重要な感覚です。

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2.自己肯定感と自己効力感との違い

自己肯定感とよく似た言葉に自己効力感があります。自己肯定感はありのままの自分を認める感覚ですが、自己効力感は自分の可能性を認知していることです。似ているようでまったく異なる意味を持ちます。詳しく解説します。

自己効力感とは?

自己効力感とは、ある状況下において、物事を遂行できると自分の可能性を信じる力を認めていること

この概念は、アメリカの心理学者であるアルバート・バンデューラが提唱しました。「自己効力感が強いほど、人は実際に行動できる傾向にある」と述べています。自己効力感を通して物事にチャンレジできるのです。

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自己効力感との違い

自己肯定感は「ありのままの自分を認め受け入れる感覚」のことで、自分の存在そのものに対する評価のことをいいます。一方自己効力感は、課題に直面したとき「自分がその行動をとれるのかどうか」という能力に対する自己評価のことをいいます。

自分自身の存在そのものに対する評価なのか、自分自身の能力に対する評価なのかで、両者の意味はまったく異なるのです。

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3.自己肯定感の高い人に見られる特徴

ものごとに対して前向きで、努力を堪能できるなど自己肯定感の高い人に見られる特徴を詳しく解説していきましょう。

ものごとや感情を受け入れ、自らをコントロールできる

他人から嫌なことをされたり、理不尽なことが起きた時も感情のコントロールをできます。しかし自分が感じた楽しさや悲しさ、悔しさなどを素直に受け入れられるのも自己肯定感の高い人の特徴です。

人から褒められれば素直に「ありがとう」と受け入れ、失敗したら素直に自分のミスを受け入れます。

ものごとを前向きに肯定的に捉える

自分のあり方に肯定的で、物事をポジティブに考えられます。ありのままの自分に満足しているため、不得意なことがあったとしても、それが理由で自分が劣っていると考えることはありません

他人に対しても常にプラスの面を見る習慣があるため、相手の悪い面を探すのではなく、良い面を見つけ出し、相手の意志を尊重します。

努力を継続できる

常に意欲に満ち、前向きな気持ちで努力を続けられるため、夢や目標を実現しやすいです。自分のできないことを素直に受け入れ、できなくても良いけど、もしできるようになったら、もっと嬉しいと考えます。

できなくても良いという自分を肯定している安心感があるので、苦手なことでも苦痛を感じることなく意欲的に努力を継続できます。

他者に優しく、他者と良好な関係を構築できる

ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定しているので、他人も同じように、かけがえのない大切な存在として認識できます。そのため他人にも優しくなれるのです。

仕事でも家庭でも、ピンチになった時にこそ相手に寄り添えます。そのためコミュニケーションを取るのがうまく、良好な人間関係を築けます。

主体的に行動できる

自分の価値を他人からの評価で決めないので、他人に振り回されたり周囲の目を気にしすぎたりせず、仕事でもプライベートでも自ら積極的に行動しようとします。

「自分はここに行きたい」「自分はこうしたい」というはっきりとした意思を持って主体的に行動できます。人に認められたいといった欲求に流されないのが特徴です。

失敗やミスを恐れず、人のせいにもしない

何か物事をはじめるとき、自分が成功した時のことを想像できるので、失敗を恐れずに実行できます。「失敗したらどうしよう」などと考えず、何事にもポジティブに取り組めます。

もし自分が失敗、ミスをしたとしても、人のせいには決してしません。自分を信じているので、自分が選んだ物事について責任が取れるのです。

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4.自己肯定感の低い人に見られる特徴

トラウマを持っている、他者に依存するなど自己肯定感の低い人に見られる特徴を詳しく解説していきましょう。

劣等感が強い

自分の劣っているところを探して、自己否定する特徴があります。頑張って業績を上げても、常に同僚と比べてしまい「あの人の方が顧客とうまくコミュニケーションがとれている」などと自己評価を下げてしまいます。

「自分が成功するわけがない」「自分なんて」といった嫉妬心や劣等感から、常に感情をすり減らしているのです。

精神的不安に陥りやすい

ありのままの自分をかけがえのない存在として受け入れられないので、自分を信頼できず、精神的不安に陥りやすいでしょう。自分に自信がもてないので、いつも本来の自分をさらけ出せず気を張っています。

優秀な自分を演じているのです。精神的に不安定なので、少しの失敗やミスを起こしただけで深く落ち込んだりします。

他者からの承認欲求が強い

自分に自信が持てないので、自分に価値があることを他人に認めさせようと必死です。他社に認められたい承認欲求が強く、一方的に過去の自慢話を語り、時にはウソまでつき、人に賞賛されるような行動をとります。

また流行のファッションや高級ブランド品を身に付けるのも、他人に高く評価されたいための行動の現れでしょう。

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トラウマを持っている

過去へのトラウマがあるのが特徴です。トラウマになる要因は次のようなものがあります。

  • 親から褒められた記憶がない
  • 大きな失敗をしたことがある
  • 親から愛情を感じたことがない

このような環境で育ち、また過去の失敗経験が自尊心を傷つけられたことが原因で、自己肯定感を持てないという人も少なくありません。

他者に依存する

自分に自信が持てないため、自分で意思決定ができず、主体性がないという特徴があります。そのため他人に依存した行動をとるようになってしまうのです。

家庭や会社であれ、自分で意思決定しなければいけない場面では、いかに人から否定されないかを考えて選択します。失敗しても責任は自分にはないと他人のせいにしがちです。

他人のために継続した努力ができない

自分には価値がないので、誰の役に立っていないとネガティブに考えているため、人のために頑張れません。集団の中で生活する上で、誰かの役に立っているという実感を持てることで、少々大変なことでも人は頑張れるものです。

しかし自己肯定感が低いと、そうしたことを実感する機会もなく継続した努力もできないのです。

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5.自己肯定感が低い原因と対策

自己肯定感はなぜ低くなってしまうのでしょうか? 原因を知ることで対策も可能になります。主な原因と対策をそれぞれ確認していきましょう。

否定的な評価やフィードバック

両親や上司、友人などから繰り返し否定的な評価やフィードバックを受け続けると、自分を肯定することが難しくなり、自己肯定感を損なう恐れがあります。

対策としては、否定的な言葉を投げかけてくる人たちから距離を置くこと。また自分の成功や良いところに注目し、否定的な自己イメージをポジティブなものに変えていくことです。

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失敗・挫折経験

失敗や挫折も自己肯定感が低くなる原因です。失敗経験が続くと「自分は何をやってもうまくいかない」という思考パターンが出来上がってしまうために、新しいことに挑戦し成功する経験も乏しくなり、さらに自己肯定感を下げてしまいます。

この場合、失敗は避けられないものであり、また学びの機会であると捉え方を変えていくことが重要です。失敗を次に進む力に変え、自己肯定感を向上させるのです。

他者との過剰な比較

他者と自分を比較し、その優劣を意識し過ぎてしまうことも、自己肯定感を低くする原因です。会社での同僚の活躍や待遇といったものだけでなく、SNS上の顔も知らない他人が発信する成功体験との比較でさえ、自己肯定感を損なう可能性があるのです。

比較からくる劣等感を抑えるためには、他者との違いを受け入れ、自分自身の成功や強みを客観的に行程することが重要です。

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6.自己肯定感を高める方法

厚生労働省の「生活習慣病予防のための健康情報サイト」などから、セルフ・エフィカシーを高めるポイントを紹介していきます。

参考 セルフ・エフィカシーを高めるポイント生活習慣病予防のための健康情報サイト

成功体験を積み重ねる

成功経験とは、実際に自分が行ってみて、うまくできたという経験のことです。少し頑張れば達成できそうな目標を立て、その目標をクリアしその成功経験が自信を高めていきます。その後少しずつ目標を上げていくことも可能です。

成功体験を積み重ねる方法

成功体験を積み重ねる方法を紹介します。

  • 毎日やることをリストアップしてみよう…思った以上に頑張っている自分が発見できます
  • 苦手なことを毎日ひとつやってみよう…苦手意識をなくして自分に自信を持たせられます
  • 人助けをしよう…見返りを持たずやることが大切
  • 体力をつけよう…健康は自分が意識して作り出せます

代理体験を積み重ねる

代理経験とは、性や年齢、健康状態や生活状況などにおいて、自分と似ていると思われる「モデル」となる人が、ある行動をうまく行っているのを見たり聞いたりすることで、「自分にもうまくできそうだ」と思うことです。

代理体験を積み重ねる方法

代理体験を積み重ねる方法を紹介します。

  • 歩き方をまねる
    誰かの後ろについて、その人と同じように歩いてみます。その人が体験している感覚が感じられます
  • 動画をまねる
    理想となるモデルの動きをまねて、内的な情報を感じてみましょう
  • もし〇〇だったら、どうするだろう?と質問してみる
    理想とする人の名前を入れて自分に質問します。可能性を開き、選択肢を見つけるきっかけづくりになります

リフレーミングを活用する

リフレーミングとは、できごとの枠組みを変えることを指します。リフレーミングをすることで、状況や環境などといった枠組みが変われば、人の短所も長所として捉えられる、いわば長所と短所が表裏一体であることです。

例えば、頑固は意志が固い、優柔不断は慎重、心配性は責任感が強い、などと短所こそが長所になりえるのです。

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7.自己肯定感への理解を進めるための書籍

自己肯定感への理解を進めるための書籍はたくさんあります。その中から読みやすいと人気のある2冊を紹介しましょう。

何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書

自己肯定感の第一人者であり、心理カウンセラーでもある中島輝氏の書籍。イラストや図形とともに現在の自己肯定感がどのような状態なのかを判断するチェックシート、エビデンスに基づく自己肯定感の高め方などが掲載されています。

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