静かな退職(クワイエット・クィッティング)とは、実際に辞めずに職務範囲の責任は果たしつつ、過度な残業や見えない追加業務を断る働き方を指します。
「やる気がない」だけで片づけられる問題ではなく、評価への不信・職場環境への不満・燃え尽きの予兆として表れる場合もあります。放置すれば、生産性の低下・業務負担の偏り・人材流出といったリスクを招く可能性があります。
この記事では、静かな退職の定義、早期に気づくためのサイン、生じる原因、そして企業が今日から実装できる対策までをわかりやすく解説します。部下の離職や意欲低下に課題を感じる方、組織のエンゲージメント向上に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 静かな退職(クワイエット・クィッティング)とは?

静かな退職(クワイエット・クィッティング)とは、実際に退職はせず、自分に与えられた業務範囲の責任は果たしつつ、過剰な残業や無報酬の追加業務を控える働き方を意味します。
仕事への熱意や意欲をあえて抑え、まるで退職が決まっているかのように淡々と業務をこなす様子から、このように呼ばれるようになりました。
この考え方は、アメリカのTikTokユーザーの投稿をきっかけに広まり、「Quiet Quitting」という言葉が日本語に直訳されて国内でも浸透しつつあります。
「やる気のない従業員」というわけではなく、ワークライフバランスを重視し、仕事に過度な期待をしないという新しい働き方の価値観として捉えることもできます。
サイレント退職との違い
静かな退職と似た言葉に「サイレント退職」があります。これは従業員が退職の意思を会社に伝えず、突然辞めてしまうことを指します。
一方で、静かな退職は職場を離れるわけではなく、必要最低限の業務にとどめながら現職に留まります。つまり、静かな退職は仕事を続ける姿勢を残しているのに対し、サイレント退職は実際に辞めるという行動に表れる点が大きな違いです。
サイレント退職は、職場への不満やストレスを抱えながらも、それを相談できずに最終的な手段として退職を選ぶケースが多く、企業にとってはより深刻な問題といえます。
ダウンシフト(DownShift)との違い
「ダウンシフト(DownShift)」とは、仕事中心の生活から一歩引き、趣味や家族との時間など仕事以外の豊かさを重視するライフスタイルを指します。
もともとは、自動車のギアを1段下げてスピードを落とすことを意味する言葉です。つまり、忙しさに追われる日々から少し離れ、自分の好きなことに時間を使い、心と体にゆとりを持って暮らす生き方を表しています。
静かな退職が仕事との向き合い方を見直す考え方であるのに対し、ダウンシフトは生活全体のバランスを見直す、より広い意味を持つ概念と言えるでしょう。
また、静かな退職は必ずしも収入の変化を伴いませんが、ダウンシフトはあえて収入や地位よりも、ゆとりのある生活を選ぶ点が特徴です。
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2. 静かな退職が広がっている背景
静かな退職という考え方が、なぜ今、これほどまでに広がりを見せているのでしょうか。その背景にある主な要因を3つ紹介します。
- 生産性が下がる
- 組織の活力が低下する
- 他の従業員の負担が増える
働き方に対する価値観の多様化
かつての日本では、終身雇用や年功序列が当たり前で、一つの会社で長く働くのが一般的でした。しかし近年は、転職を通じてキャリアアップを目指したり、副業や兼業で収入源を増やすなど、働き方に対する考え方が多様化しています。
さらに、プライベートの時間を大切にし、ワークライフバランスを重視する人が増えたことも、仕事中心の生き方から、必要な範囲で働きながら自分の時間を大切にする生き方へと変化している要因の一つです。
VUCA時代の不確実性
現代社会は「VUCAの時代」と呼ばれています。これは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、世の中の変化が激しく、将来を予測しにくい状況を表しています。
市場や業界の構造がめまぐるしく変化する中で、「企業がこの先も安定して続くとは限らない」と感じる人や、「自分のキャリアの道筋を描くのが難しい」と感じる人が増えているのです。
また、「転職しても必ずうまくいくとは限らない」という不安から、リスクを避けて今の職場にとどまる人も少なくありません。
こうした背景から、積極的にキャリアアップを目指すよりも、「今のまま無理せず働く」ことを選ぶ人が増えています。その結果、現状維持を優先する働き方が広がり、これが静かな退職の増加につながっているのです。
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組織への帰属意識の低下
働き方の多様化やリモートワークの普及は、組織への帰属意識を低下させる一因にもなっています。同僚や上司とのコミュニケーションが減少し、仕事上の関係が希薄になりがちです。
会社との物理的な距離が心理的な距離にもつながり、組織の一員であるという感覚が薄れてしまうのです。その結果、従業員は会社への貢献意欲を失い、与えられた役割以上の仕事には関心を示さなくなる傾向があります。
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3. 静かな退職が企業に与える悪影響
静かな退職は、一見すると従業員が仕事をサボっているわけではないため、すぐには問題として気づかれにくいかもしれません。しかし、実際には組織全体に及ぼす影響は大きく、放置すると深刻な問題につながる可能性があります。
ここでは、静かな退職が広がったときに企業が直面する主な悪影響について確認してみましょう。
生産性が下がる
静かな退職を選択した従業員は、与えられた業務はこなすものの、それ以上の成果を出そうという意欲に欠けています。業務改善の提案や、新しいプロジェクトへの挑戦といった創造的な活動には関心を示しません。
このような従業員が増えれば、組織全体の生産性が低下していくでしょう。特に、日本では管理職層である40代から50代にも静かな退職が広がっているという調査結果もあり、事業の中核を担う層の意欲低下は、経営にも深刻な影響を与えかねません。
組織の活力が低下する
仕事への意欲を失った従業員がいると、その影響は周囲にも広がります。会議で積極的に意見を出す人が減り、職場全体がどんよりとした雰囲気になってしまうのです。
活気のない職場では、新しいアイデアやイノベーションは生まれにくくなり、変化に対応できず競争力を失っていくでしょう。
他の従業員の負担が増える
静かな退職者が増えると、残りのメンバーがその分の役割・責任をカバーせざるを得ない状況が生まれます。
特定の従業員に業務負荷が集中すると、不公平感や疲労の蓄積がモチベーション低下を招き、さらに離職や静かな退職が波及するおそれがあります。
優秀な人材が流出する
意欲的に働きたい優秀な人材にとって、静かな退職が広がっている職場に魅力は感じられません。
成長のチャンスが少ないと感じたり、周囲のやる気のなさに影響を受けて、「もっとやりがいのある環境で働きたい」と転職を考える人も出てきます。
結果として、企業は貴重な人材を失い、組織全体の成長にも悪影響を及ぼすことになります。
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4. 静かな退職が起こる原因

静かな退職は、社会の変化や個人の価値観、そして職場環境など、さまざまな要素が重なり合って生じます。静かな退職を引き起こす7つの要因をみていきましょう。
- 選択肢の多様化
- ロールモデルの不在
- 世界的な危機的状況
- 価値観の変化
- 従業員と雇用者のつながりの希薄化
- 職場の労働環境の悪化
- 静かな解雇
選択肢の多様化
現代は、働き方の選択肢が大幅に増えました。転職がキャリアアップの一般的な手段となり、フリーランスや副業など、会社に縛られない働き方も珍しくありません。
自己実現の方法が多様化したことで、従業員は一つの会社にこだわる必要がなくなりました。その結果、企業に在籍しながらも、自ら積極的に行動する意欲を失う人が増えてきています。
ロールモデルの不在
変化の激しい現代において、従業員がキャリアの指針とできる「ロールモデル」を見つけることは難しくなっています。自身のキャリアや働き方のイメージを持てないと、成長意欲や積極性が低下しがちです。
かつてのように、上司や先輩の背中を見て自分の将来像を描くことが困難になり、自社での長期的なキャリアプランを具体的に描けない従業員が増えています。目標が見えなければ、成長意欲も湧きにくくなるでしょう。
ロールモデルとは? 意味やメリット、具体例、見つけ方を簡単に
ビジネスパーソンに欠かせないロールモデルをご存じでしょうか?ロールモデルの存在は、自分の現状認識と成長に役立つのです。
ロールモデルとは何か?
役割
効果や影響
どのような手法でロールモデルを利用す...
世界的な危機的状況
新型コロナウイルスの流行や国際紛争といった世界的な危機は、人々の価値観に大きな影響を与えました。
多くの人が「仕事よりも健康や家族との時間を優先したい」と考えるようになったのです。これにより、仕事に全力を注ぐよりも、心身を守るために頑張りすぎない選択を取る人が増えました。
危機的状況が続く現代では、このようなリスク回避的な働き方が「静かな退職」を後押ししているといえます。
価値観の変化
かつては「努力すれば報われる」「出世こそ成功」といった考え方が主流でしたが、今はさまざまな価値観が共存する時代です。
特に若手世代を中心に、「安定よりも自由」「評価よりも自分らしさ」を重視する傾向が強まっています。
リモートワークの普及により、仕事と私生活の境界が曖昧になったことも影響し、働く目的が「生活のため」から「自分の人生を充実させるため」へと変化しました。この意識の変化が、過度な業務への関与を避ける静かな退職につながっています。
従業員と雇用者のつながりの希薄化
リモートワークの広がりによって、従業員と企業(上司や経営層)との心理的なつながりが弱まっています。
上司との1on1や面談の機会が減り、キャリアの方向性や成長の機会について話す場が少なくなると、従業員は会社への信頼を失い、仕事へのモチベーションも下がってしまいます。
信頼関係が薄れることで、たとえ職場に在籍していても心が離れた状態になり、それが静かな退職という形で表れることが多いのです。
職場の労働環境の悪化
職場での人間関係の悪化や評価制度への不満、長時間労働といった労働環境の悪化は、従業員にとって大きなストレスです。
特に「改善を提案しても聞き入れられない」「成果を正しく評価してもらえない」といった経験が続くと、無力感や疎外感が強まり、静かな退職のきっかけになることがあります。
自分の努力ではどうにもできない問題に直面すると、やる気や仕事への期待を失い、会社への関心や愛着が低下していきます。その結果、従業員は次第に静かな退職の状態へと向かってしまうのです。
静かな解雇
「静かな解雇」とは、企業側が従業員を自主的に退職させるよう、意図的に仕向ける行為を指します。たとえば、長期間にわたって昇進・昇給させない、重要な業務から外す、研修の機会を与えないといった対応がこれにあたります。
このような扱いを受けた従業員は、自らの成長機会を奪われたと感じ、職場への信頼を失います。その結果、退職には至らなくても、業務への熱意を失い「静かな退職」状態に陥るのです。
つまり、企業の不適切なマネジメントが、意図せずやる気のない従業員を生み出してしまう原因となります。
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5. 静かな退職をする人の特徴
静かな退職を選択する従業員には、いくつかの共通した特徴が見られます。これらの特徴を理解することは、兆候を早期に発見し、対策を講じる上で役立ちます。
仕事への主体性や意欲が低い
静かな退職者に見られる最も分かりやすい特徴は、仕事への主体性や意欲の欠如です。与えられた業務はこなしますが、自ら進んで新しい仕事に挑戦したり、業務改善の提案をすることはほとんどありません。
また、会議でも発言が少なく、議論に積極的に関わろうとしない姿勢が目立ちます。
昇進やキャリアアップに興味がない
昇進やキャリアアップに対する関心が薄いことも、静かな退職者の特徴の一つです。
責任の重い役職に就くことや、管理職になることを望みません。組織内での地位向上よりも、プライベートな時間の確保や、精神的な安定を重視する傾向があります。
ワークライフバランスを重視する
静かな退職者は、仕事と私生活のバランスを重視します。定時退社を徹底し、時間外労働や休日出勤は極力避けます。
仕事はあくまで生活のための手段と割り切り、プライベートな時間を充実させることに価値を見出しているのです。
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6. 静かな退職のサイン

静かな退職は、本人が意思を示さないまま進むため、早い段階で気づくのが難しい場合があります。ここでは、管理職や人事担当者が見逃してはいけない、静かな退職の代表的なサインを紹介します。
- 業務への取り組みが消極的になる
- コミュニケーションが減少する
- 仕事への不満が増える
- 成長意欲が欠如する
業務への取り組みが消極的になる
以前は積極的に取り組んでいた業務に対して、明らかに消極的な態度を見せるようになります。
最低限のタスクしかこなさなくなったり、新しい仕事や役割を避けるようになったりする場合は要注意です。
定時になるとすぐに退社する日が続くのもサインの一つ。もちろん、定時退社自体が悪いわけではありませんが、以前の働きぶりと比較して変化が見られる場合は注意が必要です。
コミュニケーションが減少する
静かな退職の状態にある従業員は、コミュニケーションが目に見えて減少するもの。朝の挨拶や雑談が減る、会議での発言がなくなる、チームの飲み会やイベントに参加しなくなるなど、同僚との関わりを避ける傾向が見られます。
もともと活発だった人が急に静かになるときは、心の距離が生まれている可能性があります。背景には、上司への不信感や職場への失望感などが潜んでいることがあるでしょう。対話の頻度や反応の変化に敏感に気づくことが、早期発見につながります。
仕事への不満が増える
仕事や会社への不満や愚痴が増えるのも、注意すべきサインです。「会社の方針が納得できない」「評価が不公平だ」といった言葉は、単なる愚痴ではなく、職場への信頼やモチベーション低下の証拠かもしれません。
以前は前向きに意見を言っていた人が皮肉っぽくなったり、無関心な態度を取るようになった場合は要注意です。その裏には「どうせ頑張っても変わらない」というあきらめの気持ちが隠れており、放っておくと静かな退職につながるおそれがあります。
ただし、なかには不満を口にせず、黙って意欲を失っていく人もいるため、表面的な言動だけで判断しないことが大切です。
成長意欲が欠如する
新しいスキルを身につけたい、キャリアアップを目指したいという意欲が見られなくなり、現状に満足してしまうのも静かな退職のサインです。
研修やキャリア面談への関心が薄れたり、昇進の話に消極的な反応を見せたりする場合は注意が必要です。
これは、将来への期待を失い、職場での成長に価値を感じなくなっている可能性があります。表面上は落ち着いて見えても、内心では「今の環境に居続けても意味がない」と感じていることが多く、そのままにしておくと離職につながるリスクがあります。
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静かな退職は、個人の問題だけでなく、組織全体で取り組むべき課題です。従業員のエンゲージメントを高め、活気ある職場を取り戻すために、企業はどのような対策を講じることができるのでしょうか。
ここでは、企業が取るべき具体的な防止策を解説します。
- 職場環境を整備する
- 多様な働き方を導入する
- 裁量を与える
- 評価基準や制度を見直す
- メンター制度を導入する
- キャリア開発を支援する
- コミュニケーションを促進する
- 健康経営を促進する
- 従業員エンゲージメント調査を実施する
- 業務効率化ツールを導入する
職場環境を整備する
静かな退職の多くは、職場への不満や心理的疲労が原因です。働きやすい環境を整えることで、従業員の心身の安定を促進できます。
長時間労働の是正や、有給休暇の取得促進はもちろん、ハラスメントのない公正な職場風土を醸成することが重要です。無料の健康診断やカウンセリングを受けられる窓口の設置など、従業員のメンタルヘルスをサポートする制度も有効です。
快適で安心できる環境があれば、従業員は再び仕事に前向きな姿勢を取り戻せるでしょう。
多様な働き方を導入する
従業員一人ひとりのライフスタイルや価値観に合わせた、多様な働き方を認めることも大切です。
リモートワークやフレックスタイム制度、時短勤務、副業制度など、従業員が仕事とプライベートを両立しやすい選択肢を提供することで、会社への満足度やエンゲージメントの向上が期待できます。
特に育児や介護と両立する従業員には、柔軟な対応が必要です。多様な働き方を導入する企業は、従業員からの信頼を得やすく、長期的な定着にも効果があります。
裁量を与える
上司の指示を待つだけでなく、自分で考えて行動できる環境をつくることは、静かな退職を防ぐうえで効果的です。リーダーやメンバーに一定の裁量を与えることで、責任感や達成感が生まれ、仕事に対する意欲も高まります。
自分の判断で意思決定に関われる機会が増えるほど、従業員は仕事を「自分ごと」として捉えやすくなるものです。こうした自主性を尊重する企業文化が、モチベーション向上の鍵となります。
評価基準や制度を見直す
従業員が自分の努力や成果を正しく評価されていると感じられる仕組みをつくることが、モチベーションを保つうえで重要です。
評価基準を明確にし、成果だけでなくプロセスや挑戦も評価の対象に含めるなど、公平で透明性のある人事制度を運用しましょう。特に、フィードバックが不足すると意欲の低下につながるため、定期的な面談を通じて成長を実感できる機会を設けることが大切です。
さらに、従業員の頑張りを認める表彰制度などを導入することで、承認欲求が満たされ、仕事への意欲や組織へのエンゲージメントが高まります。
人事評価制度はどう見直す? 見直しの目的やポイント、手順を解説
人事評価制度は、適切なタイミングで見直しが必要です。なぜなら、人事評価制度は企業と従業員の双方に大きく影響する重要なツールであるためです。
人事評価制度が古かったり、機能していないと感じる場合、従業員...
メンター制度を導入する
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キャリア開発を支援する
従業員が自社での長期的なキャリアを築けるように、会社として支援することも重要です。
定期的な1on1ミーティングで、本人のキャリアプランや希望をヒアリングし、それに合った研修の機会や新しい挑戦の場を提供しましょう。たとえば、資格取得の支援やリスキリング(学び直し)、社内公募制度など、従業員が自発的にチャレンジできる仕組みを整えることができます。
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コミュニケーションを促進する
職場での人間関係が良好であることは、従業員のモチベーションに大きな影響を与えます。特にリモートワークが増えた今は、意識的にコミュニケーションの場をつくることが欠かせません。
定期的なチームミーティングや、気軽に雑談できるオンライン交流、部署を越えたイベントなどを企画し、従業員が孤立しないよう工夫しましょう。風通しの良い職場では信頼関係が深まり、チーム全体の雰囲気も前向きになります。
健康経営を促進する
従業員の健康を経営的な視点で捉え、戦略的に投資する「健康経営」も静かな退職の防止に有効です。定期的な健康診断やメンタルケアの提供、産業医との連携を強化するなど、企業ができる取り組みは多岐にわたります。
ストレスを放置すると生産性が下がるだけでなく、静かな退職へとつながりやすくなります。健康経営の推進は、従業員の生産性や企業全体のパフォーマンス向上にもつながる重要な投資です。
健康経営とは? 取り組むメリット、導入方法をわかりやすく
健康経営とは、企業が従業員の健康維持、促進を戦略的に進めることです。ここでは、健康経営について解説します。
1.健康経営とは?
健康経営とは、従業員の健康を個人の問題と片づけず、経営的視点からとらえ...
従業員エンゲージメント調査を実施する
従業員の満足度や職場への関与度を数値化するエンゲージメント調査は、静かな退職の早期発見に有効です。
半年に一度の実施を目安に、エンゲージメント調査などを実施し、組織の課題を可視化することで、的確な対策を講じることができます。得られたデータをもとに課題を分析し、改善に向けたアクションプランを実行していくことが大切です。
エンゲージメント調査と改善を継続的におこなうことで、従業員が「声を聞いてもらえている」と実感し、信頼感が醸成されます。
従業員エンゲージメントとは? 目的や調査方法、調査の効果、調査を行う際の注意点
従業員エンゲージメントとは、従業員が会社に対して愛着(帰属意識)を持っている状態のことです。もともとは1990年代のアメリカ企業で生まれた考え方で、今や世界中に定着しています。
1.従業員エンゲージ...
業務効率化ツールを導入する
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8. 静かな退職に関するよくある質問
静かな退職に関して、多くの人が抱く疑問を4つ解説します。
- Q1.静かな退職は何が悪いのでしょうか?
- Q2.静かな退職はどの世代に多いですか?
- Q3.静かな退職は今後のキャリアに影響しますか?
- Q4.静かな退職を防ぐために、個人でできることはありますか?
Q1.静かな退職は何が悪いのでしょうか?
一見すると業務は滞りなく進んでいるように見えますが、実際には改善の提案や学び、新しい挑戦が止まり、組織の成長力や変化への対応力が弱まってしまいます。
たとえば、特定の人しかできない業務(属人化)の見直しや、自動化の取り組みが進まないことで、効率化のチャンスを逃すことが増えていきます。また、一部の人に負担が偏ったり、不公平感が広がったりすることで、意欲的な人材のモチベーション低下にもつながります。
つまり、短期的には平穏に見えても、長期的には組織の競争力を損なう点が大きな問題なのです。
Q2. 静かな退職はどの世代に多いですか?
若い世代に多いと言われがちですが、実際にはどの年代でも起こり得ます。
キャリアの初期では「評価されない」「将来が見えない」といった不安がきっかけになりやすく、中堅層以降では「昇進の限界」や「自分に合わない役割への不満」などが原因になることが多いです。
働き方の選択肢が増えた今、無理に頑張らず現状維持でいいと考える人が増えやすくなっています。そのため、企業には世代ごとの課題や期待に合わせて職場環境を整える取り組みが求められます。
Q3. 静かな退職は今後のキャリアに影響しますか?
静かな退職は、短期的には気楽に見えても、長期的にはキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。
業務への積極性を失うと評価が下がり、昇進や昇給の機会が減少します。また、チームとの関係が希薄になり、重要な役割を任されにくくなることで、やりがいの低下や孤立を招くこともあるでしょう。
さらに、貢献度が低いと見なされると、人員削減時に不利な立場になるリスクもあります。短期の休息は必要でも、将来の安定や成長のチャンスを自ら狭めます。
Q4. 静かな退職を防ぐために、個人でできることはありますか?
まずは自身のキャリアプランについて考え、上司や信頼できる同僚に相談してみることが大切です。
会社に期待するだけでなく、自ら学びの機会を見つけたりプライベートな時間を充実させることで、仕事への向き合い方が変わることもあります。
現状に不満がある場合は、異動希望を出す、あるいは転職を検討するのも1つの選択肢です。
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9. まとめ|静かな退職のサインに気づいて早期に対処しよう
静かな退職は、単なる従業員の意欲低下の問題ではなく、働き方や組織のあり方そのものを見直すきっかけでもあります。放置すれば、生産性の低下や人材流出につながり、企業の競争力を大きく損なうおそれがあります。
大切なのは、従業員一人ひとりの声にしっかり耳を傾け、エンゲージメントを高める環境を整えることです。
公平な評価制度の整備、柔軟な働き方の推進、キャリア支援、そして風通しのよいコミュニケーションーーこれらを実践することで、従業員は会社への信頼を取り戻し、自発的に力を発揮できるようになります。
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