退職とは? 必要な手続き、退職者がやっておくべきことについて

退職とは勤務していた会社や職務から退くこと。ここでは、退職に必要な手続きや退職者がやっておくべきことについて解説します。

1.退職とは?

退職とは勤めている職を辞めるつまり会社を辞めることで、人事用語としては、会社と従業員の雇用契約が終了することを指します。会社側が一方的に雇用契約を終わらせる場合は解雇といい、それ以外を退職と呼ぶのです。

退職には、定年退職や契約期間の満了、従業員の希望による任意退職などがあります。通常、企業では就業規則に退職について規定されており、退職を希望する場合、就業規則に則って退職届を提出するのです。

法律では、退職希望日の2週間前に退職の意思を伝えればいいことになっています。

退職とは会社を辞めることです。定年退職や契約期間の満了、任意退職などのさまざまなケースがあります

【在宅勤務下でも自宅で評価入力できる人材システム】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能
自宅からでも評価入力ができる

カオナビの資料を見てみたい

2.退職を決めたらまず行うこと

退職を決めたら何をすればよいのでしょうか。まだ退職の意思を会社に伝えていない場合、いつ誰にどう伝えればいいのか悩んでしまう場合もあるでしょう。ここでは、退職を決めてから行うべきことを順序立てて説明します。

  1. 勤務先に退職を伝える
  2. 退職を伝えるタイミング
  3. 退職を伝える人

①勤務先に退職を伝える

まずは就業規則に記載されている内容を確認し、人事調整や引き継ぎが完了すると思われる期間を目処に退職の意思を会社に伝えます。まれに、「業務に支障が出る」「今は繁忙期だから」などと退職を会社側が拒むケースもあるでしょう。

しかし従業員には会社を辞める権利がありますので、会社から拒まれたとしても辞めることは可能です。とはいえ人事調整や引き継ぎのことなども考慮した上で退職の意思を伝えるほうがよいといえるでしょう。

②退職を伝えるタイミング

多くの会社では、退職希望日の1~2カ月前までに退職の意思を申し出ることと就業規則で規定しています。ただし法律上では、退職を希望する日の2週間前までに伝えれば問題ないことになっているのです。

しかし2週間前では、人員補充や引き継ぎの期間に余裕がなくなる場合も考えられます。会社のことを考え、円滑に退職するためにも余裕を持って退職の意思を伝えましょう。

繁忙期や就業規則を確認し、退職しやすい時期をしっかりと見極め、退職までのスケジュールを調整することが大切です。

③退職を伝える人

一般的に退職の意思は、直属の上司に申し出ます。直属ではないものの、お世話になった上司などに最初に伝えたいと思うかもしれませんが、まずは人員配置などの権限がある上長に伝えるようにしましょう。

たとえば事務所が課で分かれている場合は課長、工場であれば工場長に伝えます。また退職願・退職届は上司に直接手渡す場合がほとんど。口頭で意思を伝えた後に、その旨の書面を用意します。

いつ退職願・退職届を提出したかを明確にするためにも、一部コピーを手元に残すとよいでしょう。

退職の意思は人員補充や引き継ぎなどの期間も考慮し、余裕を持って1~2カ月前に伝えましょう。できるだけ直属の上司に申し出たほうがよいとされています

3.退職をスムーズに行うためのポイント

職場環境が悪いなどの理由で退職する際も、マナーを守って退職の準備をしていく必要があります。準備を怠り、行き当たりばったりで退職してしまうと後々弊害が出てきてしまいます。

さらには退職時、希望どおりのスケジュールで進まないなどトラブルに見舞われる場合もあるでしょう。ここからは、退職をスムーズに行うための4つのポイントをご紹介します。

  1. 引き継ぎをきちんと行う
  2. 挨拶と私物整理はしっかり済ませる
  3. 残っている有給は取っておく
  4. 書類手続きの内容と期日を確認

①引き継ぎをきちんと行う

退職が決まったら、自分の仕事の引き継ぎを行いましょう。後任の手配をするのは会社の役目ですが、後任の人が決まったら、効率的かつスピーディに引き継ぎを行います。

後任のために、「引き継ぎノート」を作成し、業務を教えつつ形に残すとより親切でしょう。引き継ぎは義務ではありません。しかししっかり行うと、他の社員の業務が滞るのを防ぐだけでなく、会社に損失を与えることなく退職できます。

②挨拶と私物整理はしっかり済ませる

退職時、お世話になった人たちに挨拶を済ませるのは社会人としてのマナーです。担当していた取引先・顧客にもきちんと挨拶をしましょう。会社がどのような環境だったとしても、給与をもらい、仕事を教えてもらったはずです。

また会社に置いてある私物の整理もしっかりとしましょう。法律上、会社は私物を処理できません。後でトラブルにならないためにも、自身のデスク周りやロッカーなどをきちんと片付け、会社の備品は返却しましょう。

③残っている有給は取っておく

引き継ぎはなるべく早い段階で終わらせ、退職前に残っている有給をきちんと消化できるようにしましょう。有給を転職活動や休養などどのように使うかは個人の自由ですが、自身にとって有意義なものとするほうがよいといえます。

退職日以降、有給は消滅してしまいますので、退職日は有給消化を前提として設定しましょう。有給をきちんと消化して退職するためにも、退職届に有給消化日を明記し、退職日を記載するとよいでしょう。

④書類手続きの内容と期日を確認

退職時にはさまざまな手続きが生じます。退職に伴う公的手続き(税金・年金・健康保険・雇用保険など)は、退職を決めた時点から概要を確認しておきましょう。

失業保険など失業中の金銭的補助をしてくれる制度もありますので、きちんとした知識を習得し、有効活用することが大切です。

退職後に求職活動をする際は、会社が行っていた手続きを自らが行うことになります。提出物の有無や提出期限、管轄先について事前に把握しておきましょう。

退職前に、引き継ぎや挨拶、私物整理や各種手続きの確認をしっかりと行い、残っている有給も消化しましょう

4.退職に伴う必要な手続き

在職中は給与から自動的に天引きされていた税金も、退職後は自分で支払いことになります。つい後回しにしてしまいがちな各種手続きですが、非常に重要ですので早めに済ませましょう。ここからは、住民税と所得税の納税方法について、詳しく説明します。

住民税

住民税は、1月から12月までの1年間の所得に対して課税されたものを翌年の6月から翌々年の5月までに「後払い」で納める仕組みとなっています。

住民税は在職中、基本的に給与から天引きされているため、住民税を納めているという意識があまりないかもしれません。しかし退職後は支払いの区切りである5月までの残額を自分で納付することになるのです。

納税方法は、6月から12月に退職した場合と1月から5月に退職した場合で異なります。

6~12月に退職した場合

6月から12月に退職した場合、前年の所得に対して課税されたもののうち、翌年5月までに納めるべき残額を、退職時に一括で支払うか分割で支払うかを選択して、会社に伝えます。

  • 一括で納める場合:最終月の給与や退職金から住民税の納税額が天引きされる
  • 分割で納める場合:後日役所から送られてくる納税通知書を使い、自分で納付

退職金が多く退職後の収入が減少する場合、翌年の納税が金銭的負担になる場合もあります。納付のためにお金を準備しておきましょう。

1~5月に退職した場合

1月から5月に退職した場合、前々年の所得に対して課税されたもののうち、5月までに納めるべき残額を退職時に一括で支払います。

最終月の給与や退職金が住民税よりも少ない場合や生活費などに支障が出る場合は、納税通知書を使い、自分で後日納付することも可能です。

また6月1日付で再就職している場合、前年分の住民税は転職先企業で給与から天引きしてもらうこともできますが、再就職していない場合は自分で納付します。

所得税

所得税は、1月から12月までの1年間の所得に対してかかる税金で、退職後でも、その年の1月から12月までに所得が発生していれば納税する必要があります。

在職中、所得税は、1年間の総収入を想定し、月割りにした金額を源泉徴収されているため、退職後に1ヶ月以上の給与所得がない期間などがある場合、所得税を余分に納めている状況になるのです。

余分に納付した所得税は還付対象となりますが、そのための手続きは年内に再就職したかどうかで異なります。

年内に再就職した場合

年内に再就職した場合、再就職先の会社で年末調整を行い、年間の給与所得から所得控除となる金額を差し引き、本来の年間所得を計算します。算出した本来の年間所得が源泉徴収税額より少ない場合、還付金として税金が戻ってくるのです。

年末調整を再就職先で行う場合は、生命保険・医療費などの各種控除証明書と以前勤めていた会社の源泉徴収票を準備しておきましょう。12月に再就職したなどで年末調整に間に合わなかった場合、自分で確定申告を行います。

年内に再就職しなかった場合

年内に再就職しなかった場合、翌年の確定申告の時期に居住地を管轄している税務署で確定申告を行います。その際、勤めていた会社の源泉徴収票と各種控除証明書、印鑑が必要となるので覚えておきましょう。

年末調整で控除できなかった項目は、年末調整を行った年の翌5年以内であれば確定申告できます。しかし年末調整や確定申告のデータは住民税の計算に反映されるため、確定申告の期限内である3月15日までに行ったほうがよいでしょう。

住民税は退職時期によって支払い方法が異なり、所得税は年内に再就職しなかった場合には確定申告が必要となります

5.退職後~再就職までにしておくこと

在職中にはさまざまな保険が会社で掛けられており、退職する際は、雇用保険や健康保険の手続きと年金保険の切り替えといった各種保険の変更手続きが必要です。

それぞれの手続きには期限が設けられているため、退職を決めた段階から準備や確認をしなければいけません。ここからは各種保険の手続きについて紹介しましょう。

雇用保険受給手続き

失業保険は、過去2年間で合計12カ月以上雇用保険に加入しており、かつ求職活動をしているなどの働く意思があれば受け取れるもので、受給期間は原則、退職日の翌日から1年間となります。

失業保険受給の手続きは職業安定所(ハローワーク)で行い、離職票や雇用保険被保険者証、身分証明書、印鑑、証明写真、本人名義の通帳が必要です。支給額は年齢や収入、勤続年数などで異なりますが、1日で5~6千円が目安で、90~120日分となります。

健康保険の手続きを行う

一般的に退職すると国民健康保険に加入しますが、健康保険の任意継続もできます。国民健康保険に加入する場合は退職日の翌日から14日以内、任意継続の場合は20日以内に手続きが必要です。

任意継続の場合、それまで会社が保険料を約半分負担してくれていたため保険料が下がります。また配偶者・子供・親に社会保険の健康保険加入者がいる場合、その保険の被扶養者として加入することも可能です。

何の手続きもしない場合、自動的に国民健康保険に切り替わります。

年金保険の切り替えを行う

在職中の厚生年金は、退職後、国民年金へと切り替わります。こちらも配偶者・子供・親に厚生年金に加入している人がいて年収130万円以下の場合、本人負担はありません。

国民年金に加入する場合は、退職日の翌日から14日以内に自治体の年金窓口で手続きをします。手続きには、年金手帳と離職票、身分証明書、印鑑が必要です。年金には健康保険と違って任意継続はなく、何の手続きもしない場合、国民年金に切り替わります。

各種保険の変更手続きの確認などを退職前からしっかり行うと、余裕を持って転職活動が進められるでしょう