シングルレートとは?【わかりやすく解説】レンジレートとの違い

シングルレートとは、1つの等級・ポジションにつき1つの賃金額を設定する賃金制度のことです。一方で、1つの等級・ポジションにつき複数の賃金額を設定する賃金制度はレンジレートと呼ばれます。
シングルレートを導入するメリットは、シンプルな設計ならではのわかりやすさ等があげられます。

1.シングルレートとは?

基本給は等級と呼ばれるものを段階的に定め、決められます。その際に、一つの等級に対して一つの基本給が決められる方式がシングルレートです。一方、一つの等級内で金額の幅を持たせ、範囲を定める方法がレンジレートとなります。

一般的には、年齢、勤続年数の他、職種や技能などを基準とした基本給が採用されます。賃金は、この基本給と各種手当てが合わさったものとなります。

社員の賃金制度の設定方法は、企業毎に異なります。賃金制度の改定を行う場合、企業の外部環境、事業の将来性、雇用や労働環境などの要素を考慮した上で、社員が納得できる形で示すことが大切です。

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?

・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる

効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから


【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.基本給の種類はシングルレートを含む4種類

年齢や学歴、経験の他、能力や地位によって算定される基本給は、会社から受け取る賃金の中で根本的な部分です。
基本給には、代表的な4つの種類があります。

  1. シングルレート
  2. レンジレート
  3. 評価替方式
  4. スライド方式

①シングルレート

シングルレート

基本給の1つ目は、今回ご紹介しているシングルレートです。
シングルレートのメリットとして、基本給のわかりやすさが挙げられます。等級ごとの基本給がいくらなのか、等級が上がることでどの程度基本給がアップするのかといったことを社員が把握しやすい方式です。
また、シングルレートの下では昇格することでしか基本給が上がらないため、成果に対する動機づけを強められるのもメリットです。

しかし、等級が変更になるまで基本給が変わらないということは、裏を返すと、能力のある若手社員のやる気を下げてしまうリスクもあるということです。基本給を元に賞与が算出されることも、やる気を下げる原因となり得ます。
会社の文化や人材によって、向き不向きはあるでしょう。

②レンジレート(等級号棒方式)

レンジレート(等級号棒方式)

レンジレートは、一つの等級内に「号俸」という区切りを持たせて基本給に幅を持たせる方式です。年齢や勤務年数以外の要素を反映した昇給を容易にします。
毎年号棒がアップし、昇級要件を満たした時に等級がアップします。

等級ごとの幅の設定方法において、ある等級と一つ上の等級の上限と下限をどう設定するかにより、2つの等級間で基本給の重なる部分があるのかないのか、全く異なる範囲となるのかといった条件が変わります。企業ごとの職種の性質などにより、適正に設定することが大切です。

③評価替方式

評価替方式

評価替方式とは、毎年の人事評価によって等級・号俸が上下する方式です。基本給が都度洗い替えされます。

レンジレートに似ていますが、違いは以下の通りです。

  • 基本給が上昇するとは限らず、下落する可能性もある。
  • 過去の実績とは無関係に基本給が決定される。

レンジレートのような定期昇給ではないので、従業員ごとの努力と成果が反映されやすくなっています。その分、成果主義に対する強い動機づけやモチベーション管理に向いています。

④スライド方式

スライド方式

スライド方式は、毎年の人事評価によって昇給も減給もあるタイプの方式です。「過去の実績をベースに昇給・減給が決まる」点が評価替方式との違いです。

設計方法は、まず同一等級内を複数のエリア(またはゾーン)に分けます。エリア毎に、評価に応じた更改額を定めます。
例えば、1等級のエリア1は、A評価なら+5,000円、B評価なら+3,000円、C評価なら+0円といった形です。
現状の基本給を起点にいくら増額・減額するかを決められるので、大幅な人件費の増減が起きにくい設計になっています。

過去の実績がベースになることと、基本給が下落する可能性があることから、レンジレートと評価替方式の中間的な方式とも言えます。

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

3.職務給の導入について

企業において、中途採用者の賃金の決め方が難しいケースがあります。年齢や職歴など、各社員の条件が異なるためです。新卒者とのバランスの取り方が難しいことを理由に、別の賃金体系を設定するのも大変な作業となります。

【中途採用Q&A】入社者の給与の決め方どうする?
成果や年齢などの評価基準を設けるか、試用期間に給与を決めるようにしましょう。 中途採用は企業側が出す条件と転職者側の条件を折衝して折り合いがつくことで成立します。お互いの関心ごととなるのが給与や労働条...

そこで注目を浴びているのが、職務給です。職能給や年功給とは違い、客観的な判断がより容易となる同一価値労働同一賃金の考えにのっとった体系となります。

職務給は職務内容の重要性や価値で決める方式のため、導入前に企業内の職務内容それぞれの重要性と価値を測定する評価表などを作成すると良いでしょう。また、どう評価するかの評価制度を整備する必要もあります。

職務給の導入方法として、職能給や年功給と組み合わせる方法もあります。職務給だけの方式ではシングルレートが採用されますが、職能給と組み合わせた場合は習熟度、年功給と合わせた場合は加齢、といった条件ごとの自動昇級を実現するレンジレートを採用することが可能です。

職務等級制度とは?【職能資格制度・役割等級制度との違い】
組織の状態の見える化で、職務等級制度の構築・見直しをラクに。 人事評価システム「カオナビ」なら、時間がかかる人事業務を解決! ⇒ 【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてP...