KPIのデータの扱い方とは?【解説】正しいデータの収集方法

KPIを設定したら、KPIに関するデータ収集が欠かせません。しかし、データ収集の方法を誤ると、実効性の高いKPIの継続が困難になってしまう可能性もあるのです。

ここでは、

  • KPIのデータの扱い方
  • 正しいデータの収集方法
  • 誤差を小さくするポイント

などについてお伝えします。

1.KPIのデータ収集精度を向上させるには?

KPIのデータ収集精度を向上させる際、キーワードとなるのはKRI(Key Result Indicator:重要結果指標)です。

KRIは、

  • クレーム率など、数字として表れた事実であり直接カウントできるもの
  • 顧客満足度など、測定調査によって分かる「人の気持ち」を対象とするもの

といった性質があります。特に「人の気持ち」を対象とした指標は、KRIの象徴といってよいでしょう。

これらは一般的に、

  • インターネット調査
  • アンケート用紙などへの記入型調査

で容易に実施可能です。ただし、インサイト分析からストーリーを組んだ上で「問いの立て方」を適切に行わないと、中途半端なKPIに終始してしまいます。

KPIのデータ収集の精度を向上するには、問いの立て方を適切に行うことが重要です

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?

・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる

効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから


【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.正しくデータを収集するために不可欠なKPIの設定方法

ここでは、正しくデータを収集するために不可欠なKPIの設定方法についてご紹介しましょう。

  1. 解釈の幅が大きいものに注意
  2. スケールの取り方が曖昧なものに注意
  3. タイミングによってブレるものに注意

①解釈の幅が大きいものに注意

1つ目は、解釈の幅が大きいものに注意すること。

たとえば顧客満足度について「総合的にどの程度満足しているか?」と問いを立てた場合、「満足度」という言葉が意味する範囲が広いため解釈に差が生じます。何に満足しているのかを特定できず、ひとくくりに「満足度」を調査しても意味がありません。

  • 立地
  • 製品
  • サービス
  • アフターフォロー
  • 価格

など、「満足度」が意味するものを具体的に把握できるようにしましょう。

②スケールの取り方が曖昧なものに注意

2つ目は、スケールの取り方が曖昧なものに注意すること。KPIで用いられる問いに「商品をどの程度理解しているか?」というものがあり、その回答方法は単純な5段階評価などが多いようです。

しかし、理解の程度のランク付けには個人の意識差が生じるため、問いの立て方によっては理解度合いを正確に把握できない可能性が高まります。選択肢にあるスコアが意味するレベルを丁寧に説明して、

  • どのような製品を
  • どのくらい理解すれば
  • どのスコアに該当するのか

というスケールを明確にしましょう。

③タイミングによってブレるものに注意

3つ目は、タイミングによってブレるものに注意すること。

モチベーションや感情などは、日々刻々と変化します。このように、ヒアリングのタイミングによって回答にブレが生じる可能性があるものをKPIに用いる際は注意が必要です。

  • 仕事に対するモチベーションの程度は?
  • 社内の人間関係は良好ですか?

といった質問は、タイミングによっては真逆のデータが上がってくる可能性もあります。企業が収集すべきデータとして不適格なものになりがちですので、注意してください。

解釈の幅が大きいもの、スケール、タイミングに注意しながら正しくデータを収集してKPIを設定しましょう

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

3.誤差が生じやすいデータの収集方法とは?

下記のように、誤差が生じやすいデータの収集方法も知っておきましょう。

  1. 調査環境が回答結果を歪めてしまうもの
  2. 回答結果によって次に何が起こるか読めるもの
  3. すべての回答を完了するまでにストレスがかかるもの

①調査環境が回答結果を歪めてしまうもの

1つ目は、調査環境が回答結果を歪めてしまうもの。

道行く人の足を止めて、無理やりアンケートに答えてもらっている光景を目にしたことはありませんか?無理強いをして取ってデータでは、信憑性の側面から考えた場合に疑問符が残ります。

  • 調査環境
  • 人がどう感じるか

という点にまで想像力を働かせ、結果を歪ませない環境下でデータの収集をすべきです。歪んだ回答結果から得られる真実はありません。

②回答結果によって次に何が起こるか読めるもの

2つ目は、回答結果によって次に何が起こるか読めるもの。

たとえば、アンケートの回答で「YES」と答えた人だけにプレゼントが進呈されると分かっていた場合、プレゼントに魅力を感じる人は迷わず「YES」と回答するでしょう。

実効性を高めたいのであれば、このような回答結果を予測できるような設定でデータ収集を行うべきではありません。回答内容によって、事後の展開があらかじめ予測できる場合には、データ収集の意味そのものがなくなります。

③すべての回答を完了するまでにストレスがかかるもの

3つ目は、すべての回答を完了するまでにストレスがかかるもの。調査票に50項目、100項目も質問が並んでいたら、回答者はどう思うでしょうか。最後まで一定の気持ちで回答できるでしょうか。

回答完了までにストレスがかかるような状況も、収集したデータに歪みを生じさせる原因となります。1回で多くの情報を手に入れたい気持ちも分かりますが、回答者の立場に立ってデータ収集方法を検討しなければ、実効性の高いデータの収集は不可能です。

誤差が生じやすい3つの収集方法を頭の隅に置きながら、実効性の高い収集方法を検討していくことが重要です

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

4.KPIをグラフにしてデータを確認しよう

企業や組織がKPIを定めたら、それを可視化してみましょう。定めたKPIを作表ではなくあえてグラフ化すると、職場内にKPIを浸透させるきっかけが生まれます。

グラフ化することで、

  • 実績が分かりやすくなる
  • 取り組みへの意識改革ができる
  • 周囲に取り組みの見直しに関するアドバイスをしやすくなる

といったさまざまな効果が生じるからです。

KPIを定めたら、グラフで実績を分かりやすくすることが大切です。KPIの可視化に積極的に取り組んでみましょう