【事例あり】人事考課(評価)ソフトとは? 導入メリット

人事考課ソフトとは、人事考課に必要な情報を一元管理できるソフトのことです。人事考課の概要や目的、重要性や導入事例などについて説明します。

1.人事考課ソフトとは?

人事考課ソフトとは、従業員の評価や賃金など待遇に関わる実績や目標など、人事考課に必要な情報を一元管理できるソフトのこと。複雑な項目やフローの運用をサポートし、膨大な作業を自動化して、人事担当者の負荷を軽減します。

人事考課とは何か?

人事考課とは、経営者や管理職などが従業員の業務成果や活動、業績、スキル、能力、意欲、会社への貢献度など、さまざまな判断材料を一定の基準をもとに公平に査定する仕組みのこと。個人の主観や感情などを交えず、適切に査定します。

そして査定結果をもとに、給与や賞与、昇格、昇進、役職などの人事に反映するのです。

人事考課とは?【制度の意味・目的を簡単に解説】
Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。 人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決! ⇒ 【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセス...

人事考課の目的とは?

人事考課の目的は、下記のとおりです。

  • 従業員のモチベーションアップと維持
  • 能力やスキルの向上
  • 会社への貢献と評価の可視化
  • 会社の業績アップや利益拡大
  • 社内のコミュニケーションの活性化

間違えやすい!人事考課と人事評価の違い

人事考課と似た言葉に、人事評価があります。この2つの言葉には大きな違いはなく、同じ意味として使われている場合がほとんどです。厳密にいうと、2つの違いは下記のようになります。

  • 人事考課:給与や賞与、昇格、昇進、役職などの人事処遇が目的
  • 人事評価:従業員の育成や業績についての良し悪しを判断することが目的

従業員の業務成果やスキル、意欲など一定の基準をもとに公平に査定する人事考課の作業を一元管理するのが、人事考課ソフトです

人事評価と人事考課の違いとは?【わかりやすく解説】
人事評価とは一体何でしょう。また人事考課との違いはどこにあるのでしょうか。目的や知っておきたいそれぞれの制度、システムについて深く掘り下げます。 1.人事評価と人事考課の違いとは? 人事評価は、会社...

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?

・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる

効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから


【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.人事考課ソフト導入前に確認したい人事考課の重要性

人事考課を会社が設ける重要性には、従業員の待遇決定だけでなく、従業員のモチベーションアップや会社が目指す方向性の浸透なども含まれます。人事考課の必要性を、その方法とともに紹介しましょう。

人事考課がなぜ必要なのか

人事考課制度を導入すると、会社が目指している方向性や従業員に求めているものを分かりやすく示せます。その結果、従業員が目標を定めやすくなり、個々に必要なスキルや資格も明確になるため、達成感や使命感を持てるのです。

人事考課の基準

人事考課は、下記の3つの基準をもとに評価します。

  1. 業績考課:どの程度目標を達成できたかを、数値の達成度で評価
  2. 能力考課:仕事を通じて従業員が身に付けたスキルや知識などの能力を評価。「未然にミスを防いだ」「裏方でチームに貢献した」など、数値化できない能力を査定
  3. 情意考課:従業員の業務態度や行動を査定

人事考課手法

人事考課の手法のうち、代表的なものは下記の3つです。

  1. コンピテンシー評価:社内で高い業績を上げている従業員に共通する行動特性を基準として評価を行う方法
  2. 360度評価:上司や同僚、部下や他部署など複数の評価者が評価する方法
  3. 目的管理評価:従業員が自主的に目標を設定して、会社と認識を共有し自ら目標を管理していく方法

人事考課で得られる効果とは?

人事考課制度の導入で得られる最も大きな効果は、会社の理念やビジョンが従業員に浸透し、組織としてうまく回るようになること。

会社と従業員がともに目指す方向性を確かめられるため、従業員は「評価されるためにはどのような結果を出すべきか」考え方を確認しながら活動できます。また適材適所の人員配置により、従業員が能力を発揮できるため業績アップも見込めるのです。

人事考課で押さえておきたい3つのポイント

人事考課で押さえておきたいポイントは、下記の通りです。

  1. 評価対象は労働時間内のことのみ。人命救助など社会的に良いことならびに悪いことをしても、評価の対象外
  2. 評価期間を定め、期間内の活動のみを評価。過去の成功や業務ミスはいずれも評価の対象外
  3. 評価者個人の感情や主観での評価は人事考課に該当しない。会社のルールに則って評価する

人事考課は、従業員の給料や昇進などを決めるだけではなく、従業員のモチベーションアップや会社の理念を浸透させるという重要な目的があります

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

3.人事考課ソフトのメリットなど検討時に確認したいこと

人事考課ソフトは、人事考課に必要な複雑な業務を自動化して情報を一元管理するため、業務効率化など多くのメリットが得られるのです。人事考課ソフトを導入する際の手順やメリット、ソフト選びのポイント、注意点などを紹介しましょう。

人事考課ソフトの導入は必要なのか?

人事考課では、客観的で公平な評価になるかどうかが重要です。しかし評価するのは感情を持った人間のため、個人の主観や感情が影響する可能性も高いでしょう。

人事考課ソフトは、評価の公平性を科学的判断により解決し、評価する際の手間や時間も削減します。合理的かつ客観的な判断で、従業員が納得できる評価にできるのが人事考課ソフトなのです。

人事考課ソフトの導入手順とは?

人事考課ソフトを導入手順は、下記のとおりです。

  • 自社の人事考課制度と運用方法を改めて確認。誰が見ても分かるように一覧にしておくとよい
  • 一覧の現状から課題を洗い出す。達成目標や考課制度を変更するべきかも検討
  • 自社の課題を解決できる最適な人事考課ソフトを予算も考慮して選ぶ
  • 人事考課ソフトの導入チームを立ち上げる

導入のメリットを紹介

人事考課ソフト導入のメリットは、下記のとおりです。

  • 賃金アップにつながる評価を高めるために生産性が向上
  • 会社が求める人材が明確になり、人材育成と成長のサポートがしやすくなる
  • 従業員のスキルや課題を把握できるため、個々に合った目標設定や指示ができる
  • コミュニケーションの活性化により従業員のモチベーションがアップする

導入の注意点を紹介

人事考課ソフト導入のデメリットは、下記のとおりです。

  • 会社が定めた人事考課制度があいまいな場合、従業員が納得がせず不満をため込む
  • 明確な目標設定やソフト導入までの作業など手間がかかる。また人事担当者の人事考課ソフトのスキルは必須
  • 公平に評価しても、低く評価された人はモチベーションが低下する

人事考課ソフトを選ぶときのポイント5つ

人事考課ソフトを選ぶ際のポイントは、下記の5つです。

  1. 自社に見合った料金プランを選ぶ
  2. 自社の課題を解決できる機能があるかを確認
  3. 無料トライアルを試して、PCが苦手な人でも扱えるかなど操作性を確認
  4. トラブルが発生した際のサポート体制を確認
  5. セキュリティがしっかりしているソフトを選ぶ。人事情報が社外に漏れれば、信用を失う

人事考課ソフトは、合理的かつ客観的に判断するため、評価の公平性を実現します。従業員が納得できる評価になるでしょう

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

5.人事考課ソフト(システム)の導入事例

実際に、人事考課ソフト(システム)を導入した企業の事例を紹介します。ソフトの導入により課題がどのように変化したのか、人事業務の効率化や労働環境の変化などを見ていきましょう。

サトーホールディングス

タレントマネジメントに取り組むサトーホールディングスは、経営陣とマネージャー層の人事情報把握のために人事考課ソフトを導入。2,000名の従業員の人事情報を一元管理し、国内49拠点の部門に必要な人事情報をまとめています。

具体的には従業員の研修履歴や異動履歴、社宅の利用情報などで、人事で取得できる情報はすべてまとめているのです。

愛知日産自動車

愛知日産自動車では、評価の収集や資料作成の業務に1週間かかっていましたが、導入後は3日に短縮し、圧倒的な効率化を実現しました。人事情報を一元化し各店舗のマネジメント状況を可視化して、役員が現場マネジメントを見直すきっかけとなったのです。

マネジメントの課題を素早く発見し迅速に対応できたため、従業員の離職防止対策にもつながっています。

エコリング

買い取り専門店のエコリングは、組織としてのシナジーを高めるため、全社の従業員情報をより把握するべくソフトを導入しました。

従業員満足度から希望部署、趣味、特技、介護状況などを調査して詳細なデータベースを作成し、従業員一人ひとりにスポットを当て、成長やキャリアをサポート。その結果、離職率が大幅に減少したのです。

ダンクハーツ

ソーシャルゲーム開発企業のダンクハーツは、スタッフが気持ち良く働ける人間関係まで含めた環境づくりを目的に、ソフトを導入しました。

そしてメンバーの顔と名前、パーソナリティの一致を図れる従業員データベースを作成し、メンバー管理やスキル管理を効率化させたのです。スタッフの相性もイメージしやすく、新プロジェクトを立ち上げる際も適材適所のシミュレーションが容易になりました。

「評価業務の効率化」「働きやすい環境づくり」「適材適所の配置」「離職率の防止」など、人事考課ソフト導入によってさまざまな課題解決が期待できるでしょう