エンゲージメントは生産性や定着率の向上、そして業績にも影響する重要な指標です。エンゲージメントが高い状態では従業員が貢献意欲を持って意欲的に業務に取り組むようになります。
今回はエンゲージメントが重要視される理由や向上するメリットなどをふまえ、エンゲージメント向上のための具体的な施策や企業事例などを詳しくご紹介します。
従業員エンゲージメントの向上を目指している方は、ぜひ参考にして下さい。
目次
エンゲージメントの向上とは?
エンゲージメントについての基本概念について解説します。
エンゲージメントを知るためには、以下のポイントが重要です。
- エンゲージメントの正確な定義と企業への影響
- エンゲージメントが高い従業員の具体的な行動特徴
- モチベーションや従業員満足度との明確な違い
それぞれ解説していきますので、エンゲージメントについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
エンゲージメントの定義とは?
エンゲージメントとは、従業員が企業の目標や価値観に対して感情的・知的にコミットし、自発的に貢献しようとする意欲の状態を表す言葉です。
単なる仕事に対する満足度とは違い、従業員が組織との信頼関係を築き、企業理念への共感と貢献意欲を持つ状態を指します。
エンゲージメントの高い状態では、企業と従業員の間に信頼関係が生まれ、双方向的な結びつきが生まれます。
エンゲージメントが高い状態とは?
エンゲージメントが高い従業員は、自主的に行動し、会社の成功を自分ごととして捉え、継続的に改善提案や創造的な活動をおこないます。
組織の一員としての誇りを持ち、個人的な責任感と当事者意識を発揮するのが特徴です。自律的な行動が生まれるため、イノベーションの創出や顧客満足度の向上に直結します。
具体的な行動として、以下が挙げられます。
- 期待を上回る成果の達成
- 新しいアイデアや改善案の積極的な提案
- 同僚との協力的な関係構築
- 困難な状況でも粘り強く取り組む姿勢 など
また、エンゲージメントの高い従業員は離職する可能性が87%低いという調査結果もあり、優秀な人材の定着にも大きく貢献します。
出典:Impact of Engagement|Culture Amp
モチベーションとの違い
エンゲージメントは組織への深い結びつきを示すのに対し、モチベーションは個人の一時的な意欲や動機を表します。
モチベーションは、給与や昇進と言った外的要因によって左右される短期的な外発的な動機付けですが、エンゲージメントは内発的な動機に基づく持続的な組織コミットメントです。
モチベーションがやる気であるならば、エンゲージメントはやりがいと誇りを伴った深い関与状態といえます。たとえば、ボーナス支給でモチベーションが一時的に上がった従業員でも、会社の価値観に共感していなければエンゲージメントは低いままです。
逆に、給与が平均的でも企業理念に強く共感し、仕事に意義を感じている従業員はエンゲージメントが高く、長期的に優秀な成果を上げ続けます。
モチベーションとエンゲージメントの違いを理解することで、一時的な施策ではなく、持続的な組織改善に取り組めるでしょう。
従業員満足度との違い
従業員満足度は現在の待遇や環境への満足を示すのに対し、エンゲージメントは積極的な貢献意欲と組織への愛着を表します。
従業員満足度は受動的な評価指標であり、待遇や労働環境に対する現状への満足度を測定します。
一方、エンゲージメントは能動的な関与を示し、満足を超えて「この会社のために頑張りたい」という前向きな感情と行動を含みます。
満足している従業員が必ずしも高いパフォーマンスを発揮するとは限らない店には注意が必要です。
エンゲージメントとは?
エンゲージメントとは、「誓約」「約束」「契約」の意味をもつ言葉です。
人事用語としては、「従業員がもつ会社への貢献意欲」や「会社への愛着」のことを指し、「愛社精神」「愛着心」とも言い換えられます。
ビジネスにおいては、企業と従業員の関係性や自社と顧客の関係性を表す際に用いられる言葉です。
従業員のエンゲージメントが高い状態になると、企業への貢献意欲が高くなり、パフォーマンスや生産性の向上が期待できます。

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ロイヤリティとの違い
エンゲージメントは企業と従業員の双方向的なつながりであるのに対し、ロイヤリティは従業員から企業への一方向的な忠誠心を意味します。
ロイヤリティは上下関係が前提となる点でもエンゲージメントとは意味合いが異なります。

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エンゲージメントの向上が重要視される理由
エンゲージメント向上が重要視される理由は、主に以下2つです。
- 人材の流動化が進んでいるため
- 多様な働き方に対応するため
人材の流動化が進んでいるため
終身雇用制度は実質崩壊し、キャリア形成の過程で転職をおこなうことが一般化しています。人材は企業力を形成する重要な要素のため、人材確保が困難な現代では、いかに人材を確保・定着させるかが重要視されています。
優秀な人材ほど見切りをつけるのが早く、すぐに転職してしまいます。企業にとって優秀な人材が離れることは戦力の低下につながり、競合他社へ流れてしまった場合、競争力を失うことになります。
優秀な人材を確保し、今いる人材を定着させるには企業との強い結びつきである、エンゲージメントが重要となるのです。
多様な働き方に対応するため
コロナ禍を経てリモートワークなど多様な働き方の導入が進み、コミュニケーションの非対面化も進んでいます。
従業員間のコミュニケーションが促されにくい状態では、組織とのつながりが希薄化し、エンゲージメントが低下しやすくなるでしょう。
流動化が進んでいる現代では、従業員をいかに定着させるかが重視されているため、多様な働き方をするなかでも、エンゲージメントを高めることが重要となっているのです。
エンゲージメントが向上するメリット
エンゲージメントの向上は、労働環境の変化に伴って必要性が高まっているだけでなく、企業に多くのメリットをもたらすのです。
具体的には、エンゲージメントの向上には、以下のメリットがあります。
- 生産性の向上
- 離職率の低下
- 顧客満足度の向上
それぞれのメリットを深掘りしていきますので、社内のエンゲージメントの向上を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
生産性の向上
従業員のエンゲージメント向上が生産性の向上につながることは、各所の調査からも結果が出ています。
株式会社リンクアンドモチベーションと慶應義塾大学の研究では、従業員エンゲージメントの向上が営業利益率・労働生産性にプラスの影響を与えると判明しています。企業への貢献意欲が高い状態では、利益や業務に良い影響を与えやすいのです。
これまでエンゲージメントの指標とされることが多かった福利厚生や労働環境は従業員満足度を高める点では有効であるものの、必ずしも利益に結びつくとは限りません。しかし貢献意欲が高まるエンゲージメントなら業績に直接影響します。
参考 慶應義塾大学との研究結果を公開~エンゲージメントスコアの向上は営業利益率・労働生産性にプラスの影響~株式会社リンクアンドモチベーション
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離職率の低下
労働人口の減少により、近年は人材確保も困難になりつつあります。今いる従業員を定着させることが重要となる一方、終身雇用の崩壊や転職の一般化などにより、人材の流動化が進んでいる状況です。
エンゲージメントが高い従業員は企業への貢献意欲が高く、結びつきが強い状態にあるため、離職につながりにくく、意欲的に業務に取り組んでもらうことが可能です。
採用にかかるコストも決して安くはないため、離職率の低下はコスト面でもメリットとなります。

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顧客満足度の向上
エンゲージメントが高い従業員は、仕事に対して意欲的なため、自社や商品への愛着も高く、顧客に良いものを提供しようという意識が高まります。
提供する商品やサービスの品質が高まりやすくなり、顧客満足度の向上につながるのです。顧客満足度が高いと売り上げにも良い影響を与え、企業への信頼度が高まる効果も期待できます。
エンゲージメント低下がもたらすデメリット
エンゲージメント低下がもたらすデメリットは、以下のとおりです。
- 生産性の低下
- 離職率の向上
- 顧客満足度の低下 など
エンゲージメントが低いと企業への貢献意欲が低く、生産性や顧客満足度が低下し、業績にも悪影響をおよぼしてしまいます。
また、企業への愛着が低いため、仕事へのモチベーションが感じられなかったり、企業に不満や不信感を抱えたりしていると離職につながる可能性が高まります。
優秀な人材が次々と離職してしまっては企業力や競争力が低下し、企業の成長には期待できなくなるでしょう。
エンゲージメント低下が改善されない状況が続けば、最悪の場合、赤字や倒産にまで追い込まれる可能性も否定できません。
エンゲージメント向上を妨げる原因
エンゲージメントは外部要因によってコントロールされるものです。ここでは、エンゲージメント向上の妨げとなる主な原因をみていきましょう。
主なエンゲージメントの向上を妨げる原因は以下のとおりです。
- 時代に合わない制度や風土
- トップダウン型の管理方式
- 強みが生かされない人材配置
- リーダーの能力不足
それぞれの原因について解説していきますので、自社の状況と照らし合わせてみてください。
時代に合わない制度や風土
以下のような、時代に合わない制度や風土はエンゲージメント低下の要因となります。
- 年功序列の給与体系
- 多様な働き方の未導入
- 生産性のない会議
- 長時間労働の強要 など
必ずしも今の企業の制度や風土がエンゲージメント低下の要因となっているとは限りません。しかし、時代に合わせて制度や風土の改善に取り組まない企業は従業員のニーズと徐々に乖離が発生します。
たとえば、年功序列の給与体系を取り入れている企業では、向上心の高い優秀な若手の成長意欲を阻害してしまい、優秀人材の離職を進めてしまう恐れもあるのです。
トップダウン型の管理方式
トップダウン型の管理方式はスムーズな意思決定が可能となるメリットがある一方、従業員の自律性が促されません。
そのため、トップの決定に納得感が得られない状態ではエンゲージメント向上を妨げる要因となり得ます。
また、上からの指示待ち状態が常態化すれば、仕事へのモチベーションも持ちにくく、従業員のエンゲージメントも向上しにくくなります。

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1.トップダウンとは?
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強みが生かされない人材配置
日本企業で主流となる「職能型人事制度」は、ゼネラリストの育成が目的です。従業員個々の強みやキャリア、希望に合わない配置となる可能性があるためやりがいを感じにくく、モチベーションが向上しにくい場合もあります。
エンゲージメント向上には、従業員の役割や使命が明確であり、かつ本人の希望やキャリア思考を考慮した納得感のある配置が有効です。
リーダーの能力不足
リーダーが適切な役割を発揮できていない環境は、エンゲージメントの向上を妨げる要因となります。上司が部下に適切なサポートを提供しない、ビジョンや目標を明確に伝えないなどの状態が、リーダーが役割を発揮できていない一例です。
上司との信頼関係は心理的安全性の面でも重要な要素となります。よって上司にサポートを求めにくい環境ではストレスや不安が蓄積され、エンゲージメントとともにパフォーマンスも低下してしまうのです。
エンゲージメント向上させる施策一覧
エンゲージメントを向上させる施策を一覧でご紹介します。エンゲージメント向上施策は、闇雲に実施すればよいわけではありません。自社のエンゲージメント向上を妨げる要因を分析し、適切な施策を実施することがポイントです。
- 企業理念・ビジョンの浸透
- 社内コミュニケーション活性化
- 評価制度の整備
- 従業員の成長支援
- キャリア形成支援
- 報酬・福利厚生の整備
- ワークライフバランスの確保
- エンゲージメントサーベイの実施
- 適材適所の人員配置
- 尊重・称賛文化の醸成
- DX・デジタルツールの活用
- ハイブリッドワーク環境の整備
①企業理念・ビジョンの浸透
企業理念やビジョンを理解し、共感しているほど企業への貢献意欲が高まります。そのため、企業理念・ビジョンを明確にし、従業員に浸透させる「インナーブランディング」が必要です。
インナーブランディングには研修や講演会、ブランドブックの制作などさまざまな施策があります。自社の理念の浸透度に合わせて、最適な施策を検討しましょう。

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②社内コミュニケーション活性化
社内コミュニケーションが活性化している職場は風通しがよく、従業員の心理的安全性も高まります。従業員同士で話しやすい環境であれば、上司や先輩に気軽に悩みを相談できるでしょう。
社内コミュニケーションの活性化には、以下の施策がおすすめです。
- 社内SNS
- チャットツールの導入
- 1on1 など
部内だけでなく、社内全体でつながりを広げるためにも社内イベントの開催も有効な施策といえます。

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③評価制度の整備
評価への不満はエンゲージメントを低下させ、最終的に離職に発展する恐れがあるほど影響力があるものです。従業員が納得感を得られる評価制度を整備することも重要な施策といえます。
結果だけでなくプロセスも評価するなど、不公平感のない評価制度が有効です。360度評価など、客観性の高い評価方法を導入するのもよいでしょう。
現状の自社の評価制度に対する満足度を調査し、課題に合わせて整備することがポイントです。

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④従業員の成長支援
従業員の自己成長を支援する環境もエンゲージメントを高める要素です。今いる組織のなかで自分の理想とする方向に成長できれば、エンゲージメントが高まるだけでなく定着率の向上にも期待できます。
従業員の成長支援ができる施策として挙げられるのは、以下のとおりです。
- 豊富な研修・外部研修
- 勉強会への参加費補助
- 資格取得支援制度
- 書籍購入費用の補助 など
企業が自分の成長を支援してくれると実感できることで、エンゲージメントが向上し、企業に貢献したいと感じられるようになります。
⑤キャリア形成支援
今いる組織でのキャリアイメージがわかない、キャリアアップの機会が少ない状態ではエンゲージメントが向上しにくいです。
企業が従業員のキャリア形成を支援することは、会社への貢献意欲が高まり定着率の向上にも期待できます。
そのためには、以下がおすすめです。
- キャリアパスの明確化・明示
- キャリアデザイン研修・階層別研修の実施
- 社内公募制度の導入 などが
従業員が理想のキャリアをイメージでき、主体的に必要なスキルを身につけられる環境を整えましょう。
⑥報酬・福利厚生の整備
報酬や福利厚生は、外発的動機づけとなる要素です。
インセンティブや賞与など目標達成に応じて報酬が得られる環境では、エンゲージメントも向上しやすくなります。
また、福利厚生を充実させるのも有効な施策です。競合他社と比較したり従業員のニーズを調査したりして、内容を整備してみましょう。

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⑦ワークライフバランスの確保
近年、ワークライフバランスを重視する従業員が増えています。
長時間労働や過度な残業、膨大な業務量はエンゲージメントを低下させるだけでなく、従業員の健康にも影響をおよぼしかねません。
健康で文化的な働き方ができる職場では、従業員の心身の健康も確保され、エンゲージメントも向上しやすくなります。
ノー残業デーの導入、チーム単位での業務割り振りをおこなうなど、ワークライフバランスが確保できる仕組みを整えましょう。

ワークライフバランスとは? メリット、取り組み事例などを紹介
少子高齢化に伴う労働力不足を目前とする今、ワークライフバランスの実現に多くの企業が積極的に取り組み始めています。一体、ワークライフバランスとは何でしょうか?
ワークライフバランスの意味
ワークライフ...
⑧エンゲージメントサーベイの実施
エンゲージメントサーベイとは、従業員のエンゲージメントを測定・可視化するシステムのこと。エンゲージメントサーベイの結果を分析すると、エンゲージメント向上のための適切な施策が検討できる、さらに実施した施策の効果検証にも活用できます。
施策の検討・実施とエンゲージメントサーベイはセットで活用することがポイントです。

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⑨適材適所の人員配置
適材適所の人員配置では、従業員が自身の能力を生かして成果を上げやすくなります。
適材適所を実現するには従業員の能力や適性の正しい把握が必要なため、タレントマネジメントシステムを活用するとよいでしょう。
適材適所の配置を検討する際、従業員の希望を考慮するのもポイントです。希望のキャリア形成につながるかどうかも加味したうえで、適材適所を検討しましょう。

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⑩尊重・称賛文化の醸成
個人が尊重される環境では、それに報いようと貢献意欲が高まります。上司が部下の意見を尊重してできる限り承認することでエンゲージメント向上につながります。
また、サンクスカードの導入など、周りを称賛し合う文化も大切です。従業員の自尊心を高めることは、貢献意欲を高めることにつながります。表彰制度や表彰式など定期的な表彰の場を設けることで意欲も高めやすくなるでしょう。
⑪DX・デジタルツールの活用
デジタル技術を活用したエンゲージメント向上施策は、効率的かつ効果的な組織運営を実現します。
とくにリモートワークが浸透した現代において、デジタルツールによる従業員体験の向上は重要な要素です。具体的には、チャットボットによる人事問い合わせ対応の自動化は、従業員の利便性向上とともに人事部門の業務効率化にもつながります。
デジタルツールの導入により、従業員は必要な情報にスムーズにアクセスでき、学習機会も拡大します。結果として、自己成長を実感しやすくなり、企業への貢献意欲も高まるでしょう。
ただし、ツール導入の際は従業員のデジタルリテラシーを考慮し、適切な研修やサポート体制を整備することが重要です。
⑫ハイブリッドワーク環境の整備
ハイブリッドワークとは、オフィス勤務とリモートワークを組み合わせた働き方のことです。コロナ禍を経て多くの企業で定着したこの働き方において、エンゲージメントを維持・向上させる環境整備が重要となっています。
ハイブリッドワーク環境でのエンゲージメント向上には、オンライン・オフライン両方でのコミュニケーション機会の創出が効果的です。
定期的なオンラインミーティングやバーチャルランチ会、オフィス出社日における集中的なコラボレーション時間の設定などが挙げられます。また、在宅勤務時の孤独感を軽減するため、オンライン雑談ルームの設置や、チーム内での進捗共有ツールの活用も有効です。
さらに、ハイブリッドワークでは成果重視の評価制度への転換も重要です。勤務場所に関係なく公平に評価される仕組みを整備することで、従業員の安心感と貢献意欲の向上につながるでしょう。
エンゲージメント向上に成功した企業事例
エンゲージメント向上に成功した企業事例を以下の3社からご紹介します。
- 株式会社小松製作所
- 株式会社LIXIL
- Google合同会社
株式会社小松製作所
小松製作所では、エンゲージメント向上のため、以下のようなさまざまな取り組みを実施しました。
- エンゲージメントサーベイの実施
- 公正・適正な評価/社員の能力・業績を正しく評価した人事制度
- 自律的なキャリア形成の支援
- 多様な能力開発機会の提供
定期的・継続的なサーベイ実施により、浮かび上がった課題は部門ごとにアクションプランを策定し改善に取り組みました。社員の意志や意欲にも着目し、自発的・自律的なチャレンジを拡充する施策へと反映しています。
2021年度に実施したサーベイでは、企業に対する好意的な回答の割合はグローバルで79、国内で69と半数以上が好意的である結果となりました。
2023年度では、グローバルで80、国内で69という結果で、海外スコアが+1ポイントという結果になっています。
株式会社LIXIL
エンゲージメントを高めることを目的に「従業員エクスペリエンス」に注力した取り組みを実施。従業員エクスペリエンスとは、従業員が組織の中で体験するあらゆる価値経験のことです。
従業員が会社を好きになる、働きがいを感じるプロセスや経験を把握するために従業員の声に耳を傾ける「Employee Listening」戦略を展開。
全従業員を対象とした意識調査を2021年3月期に刷新し、新ツール「LIXIL Voice」を導入しました。このツールによって特定従業員を対象とした深堀調査も実施し、従業員エクスペリエンスの向上に努めています。
2022年6月に実施した調査で87%だった回答率が、2024年3月の調査で89%、2025年3月で90%の回答率と毎年上昇する結果となっています。
適切なエンゲージメント向上施策を実施するためには、質の高いエンゲージメントサーベイが実施できるか、高い回答率を得られるかも重要です。
Google合同会社
Google合同会社は、エンゲージメントが生まれやすいオフィス設計を取り入れていることで有名です。たとえば、各フロアには簡易キッチンが用意されており、それぞれさまざまな種類のお菓子や飲み物を用意しています。
目的のものを取るために他部署のフロアに行くことになるため、自然とコミュニケーションやかかわりが生まれます。対話しやすい環境はエンゲージメント向上に欠かせない要素であり、オフィス設計を工夫することで自然とコミュニケーションが生まれる仕組みを構築しているのです。
また、採用でもGoogleの独自カルチャー「グーグリー」をぶれない軸として持ち、カルチャーに共感しているかを採用基準の1つとしてカルチャーフィットを取り入れています。カルチャーが社員に浸透していることもエンゲージメントを高める重要な要因です。
カオナビを活用したエンゲージメント向上の企業事例
ここからは、実際にカオナビを導入してエンゲージメント向上を実現した企業の事例について、以下の2社をご紹介します。
- 日清食品ホールディングス株式会社
- 富士屋ホテル株式会社
日清食品ホールディングス株式会社
日清食品ホールディングスでは、2015年からカオナビを導入し、人材の強化・育成に活用しています。
同社がとくに注力したのは、社員の「びっくり退職」の防止でした。
有能な人材が突然退職を申し出るケースが発生していた同社で、退職者への聞き取り調査をおこなったところ、多くの社員が一人で悩んでいることが判明しました。
上司や人事が社員の悩みをキャッチできていなかったという課題があったのです。
この問題を解決するため、同社では以下の取り組みを実施しました。
- 1on1ミーティングの制度化
- 隔月アンケートによる効果測定
- PULSE SURVEYの活用
PULSE SURVEYでは、仕事の満足度や人間関係、健康状態の基本3問に加え、1on1ミーティングに関する6問を追加設定したところ、9設問のボリュームにも関わらず、回答率は9割を超える高い結果を記録しています。
率直な意見を収集できたことで、従業員の退職防止に成功しています。
以下のページで、日清食品ホールディングスの事例を詳しく解説していますので、同社の施策を知りたい方はぜひご覧ください。
社員とのエンゲージメント向上を目指す。日清食品HDのPULSE SURVEY活用方法
富士屋ホテル株式会社
1878年創業の老舗ホテル、富士屋ホテルでは、宿泊業界特有の課題に対応するためカオナビを導入しました。
宿泊業界は土日勤務や深夜勤務による不規則な勤務形態のため、離職率が高くなる傾向があります。加えて、インバウンド需要の高まりによってホテル自体が増加し、人材獲得が困難な状況でした。
同社では「いかに社員の心に寄り添い、働きやすい環境を整え、エンゲージメントを高めるか」を重要課題として捉え、以下の取り組みを実施しました。
- VOICE NOTE機能による、アンケート回収の手間の大幅削減
- PROFILE BOOK機能による、社員情報の一元管理
- 面談記録のデジタル化による、支配人との面談内容の共有
とくに宿泊業では、ホテル業務、レストラン、ウェディング業務など、さまざまな部署を経験することがキャリアアップにつながるため、異動希望をタイミング良く把握することが離職防止の鍵となります。
カオナビの導入により、社員のキャリア希望を迅速に把握し、適切な対応を行えるようになりました。
以下のページで、富士屋ホテル株式会社の事例を詳しく解説しています。同社の施策について興味のある方はぜひご覧ください。
社員とのエンゲージメントを高めて離職を防ぐ、富士屋ホテルの「カオナビ」活用法とは?
エンゲージメントの向上にはカオナビがおすすめ
カオナビは、エンゲージメント向上を目指す企業にとって参考にできるツールです。
パルスサーベイ機能では仕事の満足度、健康状態、人間関係を初期設定で調査でき、業種に合わせた設問のカスタマイズも専門知識なしで自由に行えます。
また、VOICE NOTE機能により定性・定量データを収集し、全従業員の状況を一覧で把握することが可能です。
さらに、パルスサーベイ結果と評価を組み合わせたマトリクス分析により、従業員のパフォーマンス状況とそれぞれの原因の相関関係を可視化できます。
エニアグラム性格診断の活用で個々の社員に適した職務やコミュニケーション方法も見えてくるため、従来の画一的なマネジメントから、データに基づいた戦略的な人材マネジメントへの転換が可能になります。
カオナビのさまざまな機能を用いて、従業員のエンゲージメントの向上を目指してみましょう。
以下からカオナビを無料でお試しいただけますので、ご興味のある方はぜひお試しください。
まとめ
エンゲージメント向上は、現代企業の競争力を左右する重要な要素です。
従業員が企業の目標や価値観に感情的・知的にコミットし、自発的に貢献しようとする状態であるエンゲージメントは、単なる満足度を超えた組織との深い結びつきを表します。
人材の流動化が進み、多様な働き方が求められる現代において、エンゲージメントの向上は重要な経営戦略のひとつといえるでしょう。
カオナビを導入すると、組織全体のエンゲージメント向上と持続的な成長を実現できる基盤を構築できます。
エンゲージメント向上に課題を抱える企業はぜひ導入を検討してみてください。
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OKR、MBO、360度評価などテンプレートも用意!
●作成:ドラッグ&ドロップ評価シートを手軽に作れる
●配布:システム上で配るので、配布ミスや漏れをなくせる
●集約:評価の提出、差戻はワンクリック。進捗も一覧でわかる
●管理:過去の結果も社員ごとにデータ化し、パッと検索できる