【目標の数値化】のメリットや方法とは?【数値化できない業務】

多くの企業や組織では、自分たちが掲げる目標の数値化を実践しています。しかし、目標の数値化にどのような意味があるのかについて、考えたことはあるでしょうか?

ここでは、

  • 目標を数値化するメリット
  • 目標を数値化する方法
  • 数値化が難しい業務はどのように数値化すればよいのか

などについて説明します。

1.目標の数値化とは?

目標の数値化とは目標達成の基準となる数字の指標を設定すること。チームや部門、企業全体の目標を具体化するための手段として、広く用いられています。

目標の数値化では、

  • 売り上げを伸ばそう
  • 顧客を増やそう

といった漠然とした目標ではなく、

  • 1年で売り上げ2億円を目指そう
  • 今年中に新規顧客を20社増やそう

といった数字による指標を用います。

そのため、

  • 目標達成のための実際の行動計画を立案しやすい
  • 目標に対しての進捗や達成度を把握しやすい
  • 行動に対する結果を評価しやすい

というメリットが生じるのです。ただし業務内容や外部環境などによっては、目標の数値化が困難な場合も。目標の数値化には何らかの工夫が必要でしょう。

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2.目標を数値化するメリット

目標を数値化することのメリットは3つあると考えられています。3つのメリットについて説明しましょう。

  1. 行動計画の立案が容易
  2. 進捗/達成度が分かりやすい
  3. 結果を評価しやすい

①行動計画の立案が容易

1つ目は、行動計画の立案が容易になるということ。

数値化された目標は逆算しやすい性質を持つので、今、取り組むべき事柄を目標から逆算すれば、行動計画は容易に立案できます。

たとえば「1年間に中途採用で10名の社員を採用」という数値化された目標を設定したとしましょう。

  • 応募者の内定率を約5%と設定した場合、最低でも200名の応募者を要する
  • 200名の応募者を集めるため求人サイト3つに掲載、2社の人材紹介会社へ依頼する
  • 自社のホームページは応募率20%なので、50名程度応募者を確保するため250名が来訪できるよう採用フォームを改良

といったように、どの数字を目標にするかはっきりしてくると、行動計画の内容だけでなくその数や量までが具体化できます。

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②進捗/達成度が分かりやすい

2つ目は、目標に対する進捗や達成度が分かりやすくなること。

数値化された目標と数値目標に対する行動計画が揃っていれば、道のり半ばでも途中経過の進捗度や達成見込みの度合いが分かります。

「1年間に中途採用で10名の社員を採用」という先ほどの事例で考えてみましょう。1年で10名という数字から逆算すれば、

  • 半年で5名の採用
  • 2カ月で2名程度の採用

といった進捗の目安ができます。

6カ月経過した時点で採用実績が4名の場合、このままでは達成できない可能性が高いです。すると、

  • 現在の行動計画を見直す
  • 新たな行動計画を追加立案

などを実行することになるでしょう。このように途中で進捗や達成度を正確に把握できるため、修正可能となるのです。これは大きなメリットといえます。

③結果を評価しやすい

3つ目は結果を評価しやすくなること。

「1年間に中途採用で10名の社員を採用」という目標に対して、

  • 入社が10名以上だった場合、目標達成
  • 入社が10名未満だった場合、目標未達

と評価できるからです。もちろん、達成率以外にもどのような人材を採用したかといった採用内容で評価の差異は発生します。しかし、数字目標に関しての評価はシンプルになるため、理解しやすいです。

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3.管理部門が目標を数値化するには?

管理部は、その業務内容から、営業職などに比べると目標の数値化が難しいといわれています。こうした部門の目標を数値化するにはどうしたらよいのでしょう。

数値化が難しい理由

管理部門の目標数値化が難しい原因は、業務フローにあると考えられます。管理部門の業務フローは、

  • 施策や行動といったインプット・プロセス
  • 行動の結果というアウトプット
  • 成果であるアウトカム

という流れで構成されています。

一方、営業職の場合は、

  • アポイント獲得
  • 商談、受注
  • 売り上げ、利益

という業務フローが一般的でしょう。

営業職の場合、目標に当たる「3.売り上げ、利益」が数値化できます。しかし、管理部門の「成果」は、簡単に数値化できない場合が多くあるのです。

たとえば、

  • 企業理念の浸透
  • 行動規範の理解

など。そのため「管理部門の目標は数値化できないケースがある」といわれるのです。

数値化の方法

目標を数値化するために、押さえておきたいポイントを説明します。

①目標を定義する

目標の数値化には、目標の定義を設定する必要があります。チームや企業が目標を達成した際、

  • 達成後にどのような状況になっているのか
  • 数値が上昇している指標は何か
  • 下落している指標は何か

といったものを定義するのです。

このとき、考え方に工夫を凝らせば、

  • 企業理念の浸透
  • 行動規範の理解

といった管理部門の目標も、現在と目標達成時とを比較して何が変化したかを検討すると、目標を数値化できる可能性が高まります。

たとえば、

  • 企業理念の理解度チェックテストで70点以上
  • 人事評価で行動規範の5項目の中で3項目以上の合格者が全社員の8割以上

といった数値を絡ませて考えるのです。目標の定義に対する考え方や見方を変えることで、数値化に向かない部門でも目標の数値化は可能となるでしょう。

②プロセスやアウトプットを目標とする

目標の数値化には、プロセスやアウトプットを目標とする場合もあります。たとえば、

  • 最終的成果を数値化することが困難
  • 目標の定義が正しいものなのか不安を感じる

といった場合、身近なプロセスやアウトプットを用いて目標を設定すると数値化できるのです。

たとえば、

  • 行動量
  • 試行回数
  • 制作物

など。こうしたプロセスやアウトプットを目標として定義、設定します。

  • 企業理念の浸透
  • 行動規範の理解

を例に考えてみましょう。

  • 社員向けのメルマガを毎月1回以上送る
  • 企業理念に関する研修会を半年に1回、開催する
  • 行動規範が具体的にイメージできる評価項目を設定した人事評価制度を再構築する

このようにプロセスやアウトプットを目標に設定すれば、意外と簡単に数値化できます

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目標 数値化のQ&A

営業職の人材には、売り上げや利益といった数値化しやすい目標が、すでに企業から提示されていることが多いでしょう。一方で管理部門など、成果を数値化しにくい業務も組織のなかには数多く存在します。 そのような業務に従事する場合、目標設定に工夫が求められます。目標の意味を再定義したり、業務プロセスの数値を目標化したりすることで、目標設定してみましょう。
あいまいな目標を立てると、行動計画の進捗を、だれも追うことができなくなるでしょう。プロセスの達成度がわからなければ、客観的な評価も困難になります。人事評価やマネジメントにも影響を及ぼす可能性があります。 数字に対して嫌悪感のある人は、思いのほか多くいます。しかし残念ですが、組織活動の世界では、諦めましょう。
数値を用いて具体的な目標を立てるには、まず目標達成の基準となる指標を設定する必要があります。チームや部門で掲げる全体目標から、個人目標に数値を落とし込みましょう。 ただし業務内容や外部環境によっては、目標の数値化が困難になるケースもあります。その際には、プロセスKPIを用いるなどして、工夫を凝らして目標設定することが求められます。