目標が未達になる原因とは?【報告に使える要因例】

目標未達とは、「個人やチームで目標を設定してアクションプランを実行したものの、目標を達成することはできなかった」というもので、企業内で頻繁に起こる現象です。

こうした目標未達になってしまった際、上司は部下に対してどのようなフィードバックを行うとよいのでしょう?目標未達とフィードバックの関係について説明します。

1.なぜ目標未達は問題なのか?

なぜ目標未達は問題とされるのでしょうか。そこには下記3つの問題点が存在します。

  1. 社員が成長できない
  2. 達成感を得られずモチベーションが低下する
  3. 会社の業績が悪化する

①社員が成長できない

1つ目は、社員が自信と成長機会を喪失する可能性が高いという点。設定した目標に向かって一定期間取り組んだにもかかわらず成果が出なければ、社員は自分の力不足を実感するでしょう。

すると、社員は業務に対して自信を喪失。次のチャレンジに対して二の足を踏むことにもなるでしょう。未達という失敗から学べる点は多いのですが、自信喪失によって成長のチャンスを失ってしまうのです。

②達成感を得られずモチベーションが低下する

2つ目は、社員のモチベーションが低下しやすい点。せっかく目標を設定して実現と達成に向けて努力をしても、結果が伴わなければ、モチベーションは下がります。

また、

  • そもそも実現不可能な目標を設定した
  • 目標を達成できるだけの材料を会社からもらっていない

など、業務や会社に対してもネガティブな思考を抱いてしまうのです。目標未達によって否定的な感情が芽生えやすい、ともいえるでしょう。

③会社の業績が悪化する

3つ目は、会社の業績が悪化する点。

  • 予定していた売り上げが得られない
  • 計画通りにプロジェクトが進まない

というのは、個人やチームの目標が達成できていない状態。小さな単位の目標が未達なのですから、会社全体の目標も未達といえるでしょう。

つまり目標の未達は、個人やチームの問題にとどまらず、業績不振といった会社の将来を左右しかねない原因にもなり得るのです。

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2.目標未達の原因・理由例

目標未達の原因を、

  • 個人の要因
  • チームの要因
  • 上司・マネージャーの要因
  • 経営層の要因

に分類して具体的な要因を説明します。

個人の要因

まず、個人の要因です。

  1. 仕事量や努力が不足している
  2. 知識やスキル、経験が不足している
  3. 目標への理解が不足している

①仕事量や努力が不足している

個人の目標が未達の際、

  • 単なる仕事量の不足
  • 単なる努力不足

の2つが考えられます。

自分では「目標を達成するのに十分な仕事量だ」と思っていても、実際には絶対量が足りなかったという事例は意外と多いです。同じように、「この程度頑張れば達成できるだろう」と見積もっていたものの、それ以上の努力が必要だったというケースも。

経験や情報不足などが、このような見当違いを産みだしてしまうのです。

②知識やスキル、経験が不足している

個人の目標未達として考えられる要因に、

  • 知識の不足
  • スキルの不足
  • 経験の不足

の3つがあります。目標に向けて努力しても、経験やスキル、知識が不足している場合、目標の未達が起こってしまうのです。

  • どんな知識やスキルが必要か
  • どんな経験が求められるか

といった観点から考えておくことも必要でしょう。

③目標への理解が不足している

目標そのものへの理解不足が原因になることもあります。

  • 上司からの説明不足
  • 社員自身の意欲減退
  • 社員の能力不足

などが原因となって、社員自身が事業目標・チーム目標と、業務との関連性・連動性を感じられないケースです。

目標への理解不足は、社員のモチベーションの低下といった原因にもなりかねません。目標未達の原因が、目標への理解不足であると分かったら、早急に改善しましょう。

チームの要因

続いて、チームの要因です。

  1. チーム内のコミュニケーションが不足している
  2. 助け合う関係性がない
  3. 会議・ミーティングが有意義ではない

①チーム内のコミュニケーションが不足している

チーム内のコミュニケーション不足が、チームの目標未達の要因となることも多いです。
チーム目標は個人目標と違い、規模から考えても一人で達成することができない場合がほとんど。

そこで、上司と部下、メンバー同士などの連携や情報伝達をうまく機能させる必要があるのです。

  • メンバー同士で情報共有
  • 共有した情報をもとに相互補完

といったプロセスがなければ、大きな目標を達成することはできません。

②助け合う関係性がない

互いを助け合う関係性が構築されていない状況が見られるチームは、目標未達が多いです。

  • メンバー同士が不仲
  • 私情が業務に影響を及ぼしている
  • チームの雰囲気が悪い

といったケースが該当します。

一般的に、チーム目標はチームが一丸となることで達成できるレベルに設定されています。高い目標を掲げたにもかかわらずチームがバラバラでは、目標未達は当然でしょう。この問題を解決するには、チームの在り方から検討する必要があります。

③会議・ミーティングが有意義ではない

チームの目標未達の要因として、有意義でない会議・ミーティングが挙げられます。

  • 時間ばかり長くかかり、内容が薄い
  • 机上の空論に終始している
  • 発言が少なく、建設的な会議にならない
  • 上司の顔色ばかり窺って、本音を語る人が少ない
  • 会議のための資料づくりなど準備に時間がかかる

このような会議やミーティングをいくら行っても、時間が経過するだけで得るものはありません。設定したチームの目標が未達に終わることは言うまでもないでしょう。

上司・マネージャーの要因

3つ目は、上司・マネージャーの要因です。

  1. 部下との信頼関係がない
  2. 上司・マネージャーが人材育成をしていない
  3. 上司・マネージャーが結果重視でプロセスを見ない

①部下との信頼関係がない

  • 部下から信頼されていないため、相談が上がってこない
  • 部下との信頼関係がないため、部下のサポートを行うことがない

のように、部下との信頼関係がないゆえに生じることが積み重なれば、

  • チームとして解決しなければならない問題解決が困難になる
  • チームとして互いの力を借りることができない

という負の連鎖が生じます。目標を設定しても、達成には程遠くなることが予想できるでしょう。

②上司・マネージャーが人材育成をしていない

目標は、現状よりもワンランク高いものに設定するのが一般的。現在のチームが保持しているスキルや能力だけでは未達になってしまう目標もあるでしょう。

そのためには上司が、

  • メンバーのスキルアップ
  • メンバーの能力開発

といった人材育成にも力を注がなくてはなりません。

しかし、

  • 上司が人材育成の視点そのものを持っていない
  • 上司と部下の関係性が希薄なため人材育成が実行されない

といった場合、チームとしての力不足から目標未達という結果で終わってしまうでしょう。

③上司・マネージャーが結果重視でプロセスを見ない

目標未達は、上司やマネージャーが結果にしか目を向けない場合にも起こります。確かに結果は大切でしょう。しかし、結果を生み出すプロセスにも目を向けなければ、持続的な結果を生み出すチームづくりはできません。

上司やマネージャーの、

  • プロセスに対する意識が希薄
  • 結果偏重

といった姿勢は、部下からの信頼を損なう原因にも。チームワークの良さをフルに生かして目標を達成するためにも、部下の日々の業務やプロセスに目を配りましょう。

経営層の要因

最後は、経営層の要因です。

  1. 実現不可能な目標を設定している
  2. 市場に対する理解が不足している

①実現不可能な目標を設定している

実現不可能な目標を設定してしまうケースに、

  • 現場の声を丁寧に吸い上げなかったため、非現実な目標を設定してしまった
  • 企業の将来像を考えるあまり、大きな目標を設定してしまった
  • 競合他社の動きをけん制するあまり、自社の能力を大幅に上回る目標を設定してしまった

などがあります。このような目標設定を続けると、社員からの信頼がなくなっていくことも考えられ、非常に危険です。

②市場に対する理解が不足している

企業目標には、

  • 経済状況や市場といった外部要因
  • 社員やチームの働きなどの内部要因

の2つが大きく影響します。たとえば社員やチーム自体は健全に機能しているのに目標未達で終わった場合、その原因として下記のようなことが考えられるのです。

  • 経済状況や市場に関する情報収集の不足
  • 経済状況や市場の先読みの誤り
  • 経済状況や市場の急激な変調

グローバルな企業活動の場合、やむを得ないこともあります。それでもできるだけ、外部要因による目標未達が起こらないよう取り組みましょう。

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3.目標未達の部下への効果的なフィードバック方法

どうすれば目標未達になってしまった部下に、効果的なフィードバックができるのでしょう?そのポイントは、いくつかあります。

①目標に結び付けて

まず本人が取った行動と目標との関係性が理解できていたかどうか確認します。行動の先にある目標を理解しない限り、本人は自身の行動の良し悪しを判断できないからです。

逆にいえば、目標と関係のない事柄であれば、フィードバックは不必要といえます。

②具体的に

  • どんな計画、行動が、どのような成果を生み出したのか
  • どんな計画、行動が、どのような悪影響を与えたのか
  • 今後、どのような行動をすべきか

といった点を具体的に指摘しましょう。しかしこれは、部下のことをしっかり理解していなければできないこと。日頃のコミュニケーションは重要でしょう。

  • 「先日のプレゼンは良かったね」
  • 「先日のプレゼンは、的確な資料のもと問題点がよくまとめられているだけでなく、解決策も複数提案してくれたから納得できたよ」

どちらのフィードバックが具体的かは明らかです。

③行動可能な

目標未達の一因として外部環境についての指摘を行っても意味はありません。また、実現可能性が低いことを要求するのも、フィードバックには不向きです。

たとえば、

  • 「雨が降っても来場者数を減らすな」
  • 「営業残り日数3日で、1カ月分の売り上げを取ってこい」

など。また、このような無理難題なフィードバックが続くと、部下のモチベーションは著しく低下します。フィードバックの意味を成さないどころか、フィードバックをしないほうがよかったということにもなりかねません。

  • 過去の実績や経験から考えて、成果が上がりそうな施策
  • まだ実行していないが、成果の上がりそうな施策
  • 現実的に見て目標の達成につながりそうな施策
  • 計画が実際の行動に移せそうな施策

など目標達成に結び付く具体的な改善案を部下にフィードバックしましょう。

④タイムリーに

また、フィードバックは速やかに行いましょう。そうすることで、フィードバックの効果が高くなります。

未達の結果が出てから1年後に改善点を指摘されるより、未達の結果が分かった翌日など、記憶が鮮明なうちに指摘を受けたほうが、頭に残りやすいです。

記憶に残れば、反省を次のチャンスに生かすこともできます。意味のあるものとするためにも、フィードバックは時間を置かず速やかに行いましょう。