ポートフォリオとは?【意味をわかりやすく】作り方、投資

ポートフォリオとは、投資家が持っている金融商品の内容や組み合わせのこと。ポートフォリオの意味や重要性、人材ポートフォリオのメリットや作るメリットについて解説します。

1.ポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、投資家が運用を目的として保有している、金融商品(現金や預金、株式や債券、不動産など)の内容や組み合わせのこと。なお「ポートフォリオを組む」とはどのような金融商品をどれくらいの割合で持つかを検討することです。またクリエイターが実績をアピールするための作品集という意味もあります。

もともとイタリア語の「Portafogolio(ポルタフォリオ)」を語源としています。そして紙ばさみや折りかばん、書類を運ぶケースなどから転じて、現在の意味になりました。

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2.業界によって違うポートフォリオの使い方

ポートフォリオという言葉は業界によっては異なる意味を持つため、使用する際は注意が必要です。ここではほかの業界におけるポートフォリオの使い方を説明します。

教育用語

レポートやテスト用紙、活動を撮影したものをファイルにまとめたもの、もしくはそれを生徒たちの評価ツールとすること。

「パーソナルポートフォリオ」とも呼ばれ、テストの点数では測れない「生徒の質」を評価する方法として、学校教育や自己啓発などに広く取り入れられてきました。

従来、教師が一方的に生徒を評価してきましたが、パーソナルポートフォリオでは生徒も評価にたずさわり、教師とともにステップアップを目指します。

クリエイティブ用語

クリエイターの実績や強み、能力の程度を表す作品集のこと。画家や写真家、建築家、作曲家、デザイナー、プランナーなどが、就職や転職、フリーランスにおける営業資料に用います。

またタレント業界におけるポートフォリオとは、プロモデルや俳優の名前、連絡先、サイズなどともに、魅力をアピールするための写真をまとめたものです。

従来、紙での提示が主流でしたが昨今、インターネット上で「ポートフォリオサイト」を提示するのも増えています。

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3.ポートフォリオの重要性

金融業界にてポートフォリオが重要とされるのはなぜでしょうか。それはリスクが分散されて安定したリターンを得られるようになるからです。

金融商品とひとまとめにされているものの現金や預金、株式や債券、不動産のリスクはそれぞれ異なります。特定の金融商品だけを持っていては、情勢の変化による暴落を招きかねません。

異なる金融商品を組み合わせる、あるいは同じ金融商品であっても銘柄をわけると、情勢の変化に左右されず安定したリターンを得やすくなるのです。

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4.ポートフォリオの組み立て方

ポートフォリオの組み合わせは、投資初心者であっても考えなければならないことのひとつ。ここではポートフォリオの組み立て方について説明します。

積立の予算と目標の決定

目標が定まっていなければ、ポートフォリオを組み立てられません。目標とは、「資産運用でどの程度のリターンを目標とするか」です。ポートフォリオを組み立てるには、自分が「いつまでにどのくらいの」リターンを得たいのか、明らかにする必要があります。

目標が決まったら「最初の投資額」「毎月の積立額」「必要な運用利回り」を考えていきましょう。運用利回りを高く想定すれば、全体の投資額は少なくすみます。

しかし運用利回りの高い金融商品には、そのぶんリスクがあるのを忘れてはなりません。「どの程度のリスクなら気にならないか」を常に頭に置き、場合によっては目標を再検討するのも必要です。

分散投資の検討

予算と目標、それに必要な運用利回りが明らかになったら、実際に金融商品を選んでいきます。この際に必ず検討しておきたいのが、分散投資です。

そもそもポートフォリオを組む主な目的は、リスクの分散とそれによるリターンの安定化。予算や運用利回りといった条件を満たしていても、同じ性質の金融商品ばかりを集めては意味がありません。

リスクやリターン、特徴などは金融商品によってさまざまなので各金融商品の性質を知ったうえでリスクを分散させた投資形態を目指しましょう。分散投資に成功したポートフォリオは、情勢に変化に左右されない安定したリターンが期待できます。

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5.ポートフォリオを作るポイント

ポートフォリオを作るときにポイントとなるのが「銘柄の動き」「ロボアドバイザー」「見直し」です。ここではそれぞれのポイントについて説明します。

  1. 動きが異なる銘柄にしぼる
  2. ロボアドバイザーを活用する
  3. 定期的に見直す

①動きが異なる銘柄にしぼる

単に金融商品を分散させるだけにとどまりません。動きの異なる銘柄にしぼって取り入れると、より変化に強い安定したポートフォリオが実現できます。

似たような動きをする銘柄を取り入れてしまうと、情勢によってポートフォリオ全体のリターンが下がる恐れもあるのです。動きが異なる銘柄を取り入れておけば、情勢にあわせて各銘柄が自然と補い合い、結果として安定したリターンが期待できます。

②ロボアドバイザーを活用する

投資の知識に自信がなくても、ロボアドバイザーを活用すればかんたんにポートフォリオを組めます。

ロボアドバイザーとは、投資のアドバイスや運用の手助けをするコンピュータシステムのこと。質問に答えるとポートフォリオを提案する「アドバイス型」以外にも、運用まで任せられる「投資一任型」があります。

手数料をかけたくない場合はアドバイス型を、手間をかけずに任せたい場合は投資一任型をそれぞれ選ぶのがおすすめです。

③定期的に見直す

かつては理想的だったポートフォリオが、ときを経て崩れていくことは珍しくありません。ポートフォリオは組み立てるだけでなく、定期的な見直しが重要です。

ポートフォリオを見直す際は、時流による情勢の変化はもちろん、ライフスタイルの変化や資産の状況を考慮しましょう。

たとえば若いうちに組んだリスクのあるポートフォリオを、老後が迫った年代にそのまま持ち越すのはおすすめできません。若いうちは多少の不利益が出ても回復を待つ時間があるものの、老後が迫った年代にはその余裕がないからです。

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6.人材ポートフォリオとは?

事業戦略の達成に必要な人材の質や数、必要となるタイミングなどを分析したもの。適材適所を実現するためのもので、以下4つを検討し明らかにします。

  • どのような人材が必要か(職種や技術、能力、適性、性格、志向など)
  • どれだけの人数が必要か
  • どこに配置するか(部門や役職など)
  • いつ配置するか

採用や配置はもちろん人材の開発や評価、モチベーションやリタイアマネジメントなど、中長期的な人事の活動に広く活用できます。

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7.人材ポートフォリオのメリット

ここでは人材ポートフォリオのメリットについて説明します。

  1. 多様なキャリアパスの実現
  2. 人材マネジメントが可能
  3. 生産性とモチベーションの向上
  4. 人件費の削減

①多様なキャリアパスの実現

人材ポートフォリオで社員それぞれの志向や要望、目的などを把握しておくと、それぞれに合った多様なキャリアパスを実現するきっかけとなります。

働き方改革によりさまざまな選択が認められるようになってきた昨今、上の役職を目指すことばかりが社員の目的ではありません。「専門性を極める」「ワークライフバランスを大切にする」など、社員の数だけ目的があるのです。

人材ポートフォリオを作成しておくと、社員の目的を達成できる人材育成を施せるようになるうえ、能力をいかんなく発揮できる配置ができるのです。

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②人材マネジメントが可能

人材ポートフォリオと人材マネジメントは、「事業戦略を達成するために人材を有効に活用する」という目的を共有しています。人材ポートフォリオの作成は、そのまま効果的な人事マネジメントにもつながるといえるでしょう。

人材マネジメントは事業戦略を達成するために人材を活用する仕組みのことで、適切な教育や評価、配置や人材の過不足の解消などを指します。しかし必要な人材の質や数が明らかでなければ、適切な人材マネジメントは実現できません。

人材ポートフォリオでは、「どのような人材がどのくらい必要なのか」を明らかにできるため、人材マネジメントにとって非常に有用なのです。

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③生産性とモチベーションの向上

人材ポートフォリオを作成する主な目的は、適材適所の実現。これは生産性だけでなく、社員それぞれのモチベーションの向上にもつながるのです。

人材ポートフォリオを通して能力や技術、適正にあった配置を行うと、業務効率化や生産性向上が見込めます。

これらは社員のモチベーションやワークライフバランスの向上につながるため、これまで以上に仕事に打ち込めるのです。事業戦略の効率的な達成はもちろん、離職率の低下も期待できるでしょう。

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④人件費の削減

人材ポートフォリオの作成は人事活動の効率化や適正化につながると同時に、限られた人材の有効活用という側面から、人件費の削減も期待できるのです。

人材ポートフォリオを作成すれば、自社にどういった人材が不足しているか、また逆に余剰となっているか、どのレベルの人材が必要なのかが明らかになります。

採用や配置、教育などの人事活動は、自然と事業戦略にあった効率的なものになっていくでしょう。一時的に必要となる人手を外注すれば、恒常的な人件費の削減にもつながります。

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8.人材ポートフォリオのデメリット

生産性とモチベーションの向上、人件費の削減などメリットの多い人材ポートフォリオですが、デメリットはないのでしょうか。ここでは人材ポートフォリオのデメリットについて説明します。

  1. 設計にかかる労力
  2. 社員の不満

①設計にかかる労力

人材ポートフォリオの運用を軌道に乗せるまで、ある程度の時間と労力を投じる必要があります。

人材ポートフォリオは経営や事業の戦略に直接的にかかわり、企業の行く末を左右しうるもの。基盤となる軸を良くするには、経営陣を巻き込んだ話し合いが必要です。そうした場を設定し、そのうえで意見をまとめ上げるには、相応の時間と労力がかかります。

また人材ポートフォリオが出来上がってからも、それにあわせて人事や教育の制度を見直していかなければなりません。人事部はもちろん、一般社員から経営陣まで、広く負荷がかかることを覚悟しておく必要があります。

②社員の不満

人材ポートフォリオの良し悪しにかかわらず、不適切な運用は社員の不満につながります。

制度説明などで社員の理解を得たうえで、シミュレーションを重ねてスムーズな運用を目指しましょう。社員の希望を無視して昇格や異動を断行したり、運用がもたついて無駄な負荷がかかったりすると、生産性やモチベーションの低下を招きかねません。

また人材ポートフォリオの分析そのものにミスがあると、社員の不満や無駄な人件費を産み出します。人材ポートフォリオ作成でもとくに人材分類の過程は、時間をかけて慎重に行いましょう。

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9.人材ポートフォリオの作り方

人材ポートフォリオの作成は、どのような手順で進めればよいのでしょうか。ここでは人材ポートフォリオの作り方を説明します。

STEP.1
基準となる2軸の決定
人材ポートフォリオを作るにあたってまずすべきは、人材分類の基準となる2軸の決定です。汎用性が高い軸の例としては、「創造と運用」や「組織と個人」が挙げられます。

最初に決める2軸は人材ポートフォリオの良し悪しを左右するもので、最も重要といっても過言ではありません。経営陣を巻き込んで、企業戦略や事業戦略にもとづいた2軸を設定しましょう。

STEP.2
人材の分類
基準となる2軸で分けられた4つの領域に、自社の人材を分類していきます。担当者の主観が入ってしまっては、正確な人材の分類はできません。ここでは客観的なデータにもとづいて、適切な人材の分類を行いましょう。

客観的なデータの例としては、SPI3やeF-1Gなどの適性検査が挙げられます。全社員に実施してスコアにもとづいた分類を行えば、誰もが納得できる客観的かつ科学的な結果になるでしょう。

STEP.3
人材の構成比の検討
人材の分類を完成させたら、人材の構成比を検討します。理想の構成比と比べてどこに過不足があるのかに注目し、自社の問題を観察しましょう。

人材の構成比を検討する際は、現状だけでなく未来について考えます。高年齢者に偏った分類があれば、現状は足りていても将来的に足りなくなるでしょう。人材構成比の検討は、現在から未来までの人材の過不足を明らかにし、今後の人事指標を産み出します。

STEP.4
人材の適切な配置や評価の検討
人材の分類にもとづき、人材の配置や評価方法を見直します。適した人材を適した場所に異動させ、領域にごとに適切な評価を行えているか、確認しましょう。

異動でまかなえない過不足は退出や解雇、採用などで補うことになります。早期退職の募集や役員定年制度の導入、非正規雇用も含めた採用など、目的に合わせた人事活動が必要です。

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10.人材ポートフォリオを作るポイント

有効な人材ポートフォリオを作るためには、対象者や用途などに注意が必要です。ここでは人材ポートフォリオを作るポイントについて、説明します。

  1. 全社員を対象とする
  2. 順位付けや優遇に利用しない
  3. 経営戦略を踏まえる
  4. 作成に時間がかかる点を理解する
  5. 社員の希望を反映する

①全社員を対象とする

人材ポートフォリオにおける人材の分類を行う際パートやアルバイト、派遣社員も含めた全社員を対象にしなければなりません。

正社員に限った分類をせず、パートやアルバイト、派遣社員で足りている人材の現状が不明なままでは、不正確な分析結果となってしまうからです。偏った分析は、かえって社員の不満や無駄な人件費を生む恐れがあるでしょう。

②順位付けや優遇に利用しない

人材ポートフォリオにおける人材の分類は、お互いが補い合う関係にあり、どちらが上というものではありません。誤って順位付けや優遇に利用してしまうと、社員の不満やその結果としての離職につながる恐れもあります。

あくまで適材適所を目指すものだと心得て、社員のモチベーションを上げるために活用しましょう。

③経営戦略を踏まえる

人材ポートフォリオの最終的なゴールは、事業目標の達成。経営戦略や事業戦略を踏まえた人材ポートフォリオであれば、正しいゴールにより近づきます。企業としての一貫性も保たれるため、導入にあたって大きな混乱も起こりません。

とくに重要とされているのが、人材を分類するための基準となる2軸の決定です。経営層をまきこみながら、現在企業に必要な要素を選びましょう。

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④作成に時間がかかる点を理解する

人材ポートフォリオの作成には、ある程度の時間が必要です。運用を開始したい時期から逆算して、早めに作成を始めましょう。

また人材ポートフォリオを優れたものにするには、「経営陣を巻き込んだ軸の決定」や「客観的かつ正確な人材の分類」が欠かせません。作成に時間や手間がかかると広く周知しておけば、必要時に社員の協力を得やすくなります。

⑤社員の希望を反映する

社員が分類とは異なるキャリアパスを描いている場合、それを無視した異動はかえって生産性やモチベーションの低下を招きます。全員の希望を反映するのは難しくとも、できるだけ多くの希望を反映できるよう調整しましょう。