マネジメントスキルとは?【必要なスキル一覧】向上の方法

マネジメントスキルとは、対象物を管理するためのスキルです。ここでは、マネジメントスキルについて詳しく解説します。

1.マネジメントスキルとは?

マネジメントスキルとは、対象物を管理するためのスキルです。対象物には「モノ」「時間」「ヒト」「事業全体」「組織」などがあります。ポイントは「対象物をいかに管理して利益を最大化するか」です。

マネジメントとは?

マネジメントには、取り扱いや処置、管理や経営という意味があります。ビジネス用語として用いられる場合、マネジメントの対象物はヒト・モノ・カネの3つに限定され、日常の企業活動を支えていくのです。

そして企業はマネジメントを通して、業績の向上や目標の達成を目指します。

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マネジメントする人を英語でなんというか

英語でマネジメントの動詞はmanageで、「経営する」「管理する」「運営する」という意味を持ちます。

manageの名詞形はmanagerで、意味は「経営に携わる者」「管理する人」「運営する人」です。managerを日本語で訳すと、部長や課長といったクラスになります。

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マネージャーの必要性

マネージャーの必要性は、マネージャーがプレイヤーとマネージャーとしての役割をこなせる点にあります。

企業は、自分の業務をこなしたり組織を管理したりするマネージャーの存在によって、目標の達成や後輩の指導、組織運営といったさまざまな場面で活躍が期待できるからです。

マネジメントスキルとは、対象物を管理するためのスキルを意味します。マネジメントには、マネージャーの存在が重要です。

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2.マネージャーの仕事

マネージャーの仕事は、大きく4つあります。ここではマネージャーの仕事について、下記4つに関するポイントを詳しく解説します。

  1. 職場環境の創造
  2. 目標設定
  3. メンバーの評価
  4. 改善策の提示

①職場環境の創造

マネージャーは、管理職として組織を管理する立場にあるため、部下が仕事をしやすい職場環境の創造は、マネージャーにとって重要な仕事のひとつとなるのです。

具体的には、部下が意欲を引き出せる環境やチームとして同調性を示し積極的に仕事に取り組める環境を整えます。

②目標設定

業務の質は、部下に仕事を割り振るだけでは向上しません。「部下の能力をどの方向に伸ばすか」「部下の能力を伸ばしながら、業務をどういった結果に導くか」といった部下の育成目標を設定します。

そうすれば部下はマネージャーが設定した目標に向かって、業務を進められるのです。

③メンバーの評価

メンバーの評価は、「成果」「能力」「情意」3つの観点から行います。

評価は、部下のモチベーションにも関わる問題ですので、「公正な評価」「定量的・定数的な指標をもとにした分かりやすい評価」など、評価項目や評価方法にもマネージャーとしての工夫が求められるのです。

④改善策の提示

マネージャーは、部下と共に業務内容や実績を振り返ったり定期的に進捗を確認し、改善点などをフィードバックしたりして、部下に対し改善策を提示します。管理職が部下と意思疎通して課題を共有し合うと、部下の成長につながるのです。

マネージャーの仕事は、「職場環境の創造」「目標設定」「メンバーの評価」「改善策の提示」の4つです。

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3.マネジメントに必要なスキルとは

マネジメントには、必要となるスキルがあります。ここでは、マネジメントに必要なスキルである下記5つを解説します。

  1. 具体的なビジョンを持つ
  2. 人とのコミュニケーションを円滑に
  3. 部下の特徴をつかむ
  4. 部下を引っ張る力
  5. 経営の知識

①具体的なビジョンを持つ

マネジメント中に、判断を迫られる場面も多いです。そんなとき判断の基準があれば、ブレない決断や一貫したアクションが可能となるでしょう。

ブレない判断を行うのに必要な判断基準は、価値観と理念です。判断基準にもとづき、具体的なビジョンを示すと、ブレの少ない判断ができます。

②人とのコミュニケーションを円滑に

マネージャーは、部下や取引先などにさまざまな情報を発信します。このとき、発信する側の主張ばかりを押し付けるのは厳禁です。話の受け手が置かれている状況を理解して円滑なコミュニケーションを図ると、業務もスムーズに進みます。

③部下の特徴をつかむ

部下の特徴とは、技術的な特技や保有資格、職務経験など、業務に関する事柄だけでなく、性格や価値観などを含む広義での特徴のこと。部下を表面的ではなく「個性ある人材」と捉えることは、マネジメントに不可欠です。

④部下を引っ張る力

マネジメントに強力なリーダーシップは、欠かせません。特に、経営や組織を管理する管理職には、「自ら高いレベルのビジョンを持つ」「高いビジョンによって物事を判断し、部下を統率していく」といったリーダーシップが求められます。

自己鍛錬や部下の統率は、必要なスキルなのです。

⑤経営の知識

自らがプレイヤーに徹するのであれば、経営に関する知識はさほど必要ないでしょう。しかしマネジメントは、経営や管理という意味を持つ言葉。その意味のとおり、マネジメントを行うのであれば、経営に関する知識も持ち合わせていなければなりません。

マネジメントに必要なスキルは、「具体的なビジョンを持つ」「人とのコミュニケーションを円滑に」「部下の特徴をつかむ」「部下を引っ張る力」「経営の知識」の5つです

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4.カッツモデルとマネジメント

カッツモデルとは、マネジメント育成に対するフレームワークのこと。ここでは、マネジメントスキルをより深く理解するために、カッツモデルとマネジメントスキルの関係性について、詳しく解説します。

カッツモデルとは

カッツモデルとは、マネジメント育成に対するフレームワークで、米国の経営学者ロバート・L・カッツが1950年に提唱しました。

カッツモデルでは、マネジメントを実践するマネージャーに求められるスキルを下記3つに分類しています。カッツモデルは、役職に応じて3つのスキルバランスを変えるもので、人材育成や組織開発、研修などの設計で広く用いられているのです。

  1. テクニカルスキル
  2. ヒューマンスキル
  3. コンセプチュアルスキル

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①テクニカルスキル〈業務遂行能力〉

テクニカルスキルとは、業務遂行能力のことで、職務を完遂するために欠かせない、知識・技術・技術の熟練度といった実践的な能力を意味します。

テクニカルスキルは現場監督のように、専門業務に特化した遂行能力が必要な人材や現場で働く人材に不可欠な能力です。ロワーマネジメントと呼ばれる実際に業務を遂行し、結果を生み出すことが求められるリーダー層で、より多く必要となります。

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②ヒューマンスキル〈対人関係能力〉

ヒューマンスキルとは、対人関係能力のこと。自分以外の他者とスムーズなコミュニケーションを取るなど良好な人間関係を築き、その関係を維持していくために必要な能力です。

社内プロジェクトの多くは、チーム単位で行いますし、クライアントなど対外的な関係構築はビジネスにとって不可避な課題といえます。チームやクライアントとストレスフリーで付き合うために非常に重要なスキルだと、考えられるでしょう。

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③コンセプチュアルスキル〈概念化能力〉

コンセプチュアルスキルとは、同じカテゴリーとしてまとめられる複数の対象物に関して、共通項を洗い出したり共通概念を見極めたりする能力のこと。いわゆる物事の本質が何かを見極めるという力です。

「プロジェクトの方向性を定める」「問題発生時に適切な対処方法を探る」といったケースで求められるため、トップマネジメントと言われる経営層に近づくほど、重要なスキルになります。

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マネジメントする上で重視するべきは?

マネジメントを行う際に重視すべき点は、カッツモデルを構成する3つのスキルの中でも、ヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルの2つです。

マネジメントとは、管理・経営のこと。社内外と良好な関係を築き、組織をより本質的な企業活動に導くためにも、2つのスキルは重要なのです。

カッツモデルにある3つのスキルのうち、「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」は、マネジメントに欠かせません

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5.マネジメント力向上の方法

マネジメント力を高めることは、多くの企業にとって重要な課題です。マネジメント力を高めるためには、いくつかの方法があります。ここでは、マネジメントを高めるための方法として、注目を集める方法を紹介しましょう。

  1. ディズニーストラテジー
  2. ポジションチェンジの活用
  3. リーダーシップと意思決定力の向上
  4. コーチング力を高める

①ディズニーストラテジー

分析力や問題発見力、問題解決力の向上を図れるとして注目を集めているのが、ディズニーストラテジーです。ウォルト・ディズニーがアニメーションに対する熱い夢を持っていたとき、意識によって夢を実現したことからその名が付きました。

そんなディズニーストラテジーには、3つのポジションがあります。

1つめのポジション:ドリーマー

ドリーマーとは、将来や未来の姿を見据え、広い視点に立ち、長期的な戦略を考えながら周囲の人に夢を語ること。現実では考えられないような視点を交えながら、夢を語ることに主眼を置く、つまり物事を豊かな発想で考えることを意味します。

2つめのポジション:リアリスト

リアリストとは、豊かな想像力により誕生した夢の実現には何が必要なのかを、具体的な方法や現実的な計画を交えて考える人のこと。

非現実的な夢を放置すれは、実現性はゼロです。それを回避するため、夢と現実、両者の乖離をどう埋めていくのか、実現性を視点に考えていきます。

3つめのポジション:クリティック

夢を実現させるために考えた、具体的な方法や現実的な計画に対する問題点やリスクを洗い出します。このとき、批判や非難、評論を脇に置き、夢実現のための精度を高めるため、建設的なリスクの発見に努めることが重要なのです。

②ポジションチェンジの活用

マネジメント力を高める方法として、ポジションチェンジの活用があります。ポジションチェンジとは、自らの視点だけでなく顧客など他者の視点に立つと、優先すべき事項や本質的な事項が見えてくること。

視点を置く場所を変えると見え方も違ってくるため、今まで気が付かなかった新しい情報を手にできます。

③リーダーシップと意思決定力の向上

マネジメント力を高める方法として、リーダーシップと意思決定力の向上があります。プロジェクトの推進に、想定外のミスやアクシデントはつきもの。ピンチのときこそ、マネジメントする立場にある人間には、意思決定力が求められます。

そのためには、半歩先を予測しながらチームを統率し、最善の意思決定を都度行うことが必要となるのです。

④コーチング力を高める

コーチング力も鍵になります。コーチング力とは、相手と対等な立場に立ち、相手の能力や自主性、行動力を引き出しながら、相手の目標達成に必要となる答えを共に探していくという力のことです。

ペーシング

ペーシングとは、話のスピードや声のトーン、発する言葉や共通の話題などを相手に合わせるコミュニケーションスキルのこと。これにより相手の緊張感を和らげながら、意思疎通をよりスムーズに進められます。

ノンバーバル・コミュニケーション

コミュニケーションには、下記2種類があります。

  • 言葉で伝えるバーバル・コミュニケーション
  • 言葉以外で伝えるノンバーバル・コミュニケーション

ノンバーバル・コミュニケーションとは、ボディランゲージといわれる身振りや手振り
を重視したものです。

アクノレッジメント

アクノレッジメントとは、「相手の存在を認める」「相手の成長、変化に気付く」ことを実際に相手に言葉として伝える方法のこと。相手は、自分の存在や成長が認められた安心感や満足感により心を開くため、相互の意思疎通がスムーズになります。

マネジメント力を高める方法には、「ディズニーストラテジー」「ポジションチェンジ」「リーダーシップと意思決定力の向上」「コーチングを高める」の4つです

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6.マネジメントする上で心掛けること

ここでは、マネジメントで心掛けるべき2点について、解説します。

  1. マネジメントは「ヒト」
  2. 部下とともに最大限パフォーマンスを発揮する

①マネジメントは「ヒト」

マネジメントには企業の経営や管理以外に、下記人間学にクローズアップした側面があります。

  • 人がどのように幸せになれるか
  • 強みを生かし成長できるか
  • 社会貢献できる創造的な存在になれるか

つまりヒトの成長や存在感を意識し、強みを生かした組織の創造が重要なのです。

②部下とともに最大限パフォーマンスを発揮する

企業を取り巻く環境は日々大きく変化しますが、変化に対して柔軟な対応が必要といえます。自らがマネジメントする組織の目標達成に向かって、部下とともに最大限パフォーマンスを発揮することが、マネジメントの成功につながるからです。

マネジメントでは、「マネジメントの鍵はヒトだと意識する」「部下とともに最大限パフォーマンスを発揮する」ことを心掛けます