経営管理とは?【仕事内容をかんたんに】システム、経営企画

経営管理とは、目標達成へと導くための社内リソースの管理・調整やモニタリングすることです。経営資源を最大限活用して目標達成を実現する仕組みづくりを目的に、経営に必要なあらゆるリソースを管理するのです。

今回は経営管理とは何かをふまえて、経営管理の役割や仕事内容、経営管理の種類や求められる能力などを詳しく解説します。

1.経営管理とは

経営管理とは、企業の目標を達成するため社内リソースの管理・調整やモニタリング・評価、総括を行うこと。具体的にいえば、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」といったリソースを組織単位または事業部単位で管理します。

また、企業の成長にともなって複雑化した内部業務を効率化・円滑化するための施策立案や評価、改善を行うのも経営管理でやるべきことのひとつ。

目標達成から企業発展を目指し、効率的かつ円滑な組織運営が実現するようあらゆるリソースを管理・活用する役割を持ちます。

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2.経営管理の目的

経営管理の根本的な目的は、戦略や事業計画を達成すること、そして企業の持つリソースを最大限活用して目標達成するための仕組みをつくることです。

そのためには、計画的かつ効率的に経営資源を管理したうえで、事業計画にもとづいたKPIを設定し、進捗を定期的に確認します。

社内のリソースを必要に応じて調整するには、事業の流れや経営活動の動きを見える化し、各部門のリソースを把握することが重要です。もし、計画どおりに進んでいない場合は原因を究明し、問題を早期に特定して軌道修正を図ることが求められます。

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3.経営管理の役割・仕事内容

経営管理は、業務や事業が適切に動いているかを見極め、経営陣が正し経営判断を下すためのサポート役を担います。

また、目標達成と企業の発展のため、経営戦略にもとづいて立案した計画を実行・実現するために、経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を適切に分配・活用するのです。下記で、経営管理に必要な具体的な機能と業務例をご紹介します。

  1. マーケティング機能
  2. イノベーション機能
  3. 経営管理的機能
  4. 利益に関する機能

①マーケティング機能

マーケティングとは、顧客理解を深め、顧客のニーズにマッチする商品やサービスを開発し、おのずから売れる仕組みをつくること。マーケティング機能を発揮するには、顧客のニーズを競合より早く、そしてつねに最新の状態で把握した分析が求められます。

そのうえで、自社で注力すべき分野を見定め、優位性が確保できるポジションを確立するために緻密なマーケティング戦略を立案するのです。

②イノベーション機能

イノベーションとは、企業が成長を続けるための意識的な改革のこと。新たな価値の創出や新たな技術革新だけでなく、すでに存在する技術を再構築して新たな価値を創出するための工夫もイノベーション機能のひとつです。

顧客の新たなニーズに応えるにはイノベーションが重要であり、マーケティング機能を最大限生かすためにもイノベーション機能は欠かせません。

③経営管理機能

経営管理機能とは、管理会計の明確化やKPIの設定、組織ビジョンの明確化などを行い、生産性を向上させていくための機能です。経営管理機能が充実すると、経営資源が適切に管理・分配でき、経営の進捗状況をリアルタイムに把握できます。

④利益に関する機能

マーケティング機能・イノベーション機能・経営管理的機能が適切に働いたかを測定し、フィードバックするために利益は必要な項目となります。

具体的には、業績管理や予算管理、原価・収益管理や一般会計、債務管理や債権管理など。経営していくうえでかかわるあらゆるお金についての管理業務が当てはまります。

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4.経営管理と経営企画の違い

経営管理と経営企画の主な違いは、目的です。経営管理は経営状況を把握することが目的であるのに対し、経営企画は目標やビジョンを達成するための取り組みを具体化することが目的となります。

経営管理は経営企画が策定した計画・戦略に沿って、経営資源の分配・管理やモニタリングなど進捗管理を行っていくのです。

経営企画

経営企画とは、企業が進むべき方向性を示す経営方針やあるべき姿を策定し、実現のために必要な具体的な戦略を立てることが主な役割であり、仕事内容です。

現在だけでなく、中長期的な視点を持って、プランの立案や計画の策定を行います。企業の未来を見据えて動いていくため、全体に大きな影響をもたらす責任重大な役割を担うポジションです。

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5.経営管理の種類

経営管理は、業務範囲に応じて下記5種類に分類されます。経営管理の種類を詳しくみていきましょう。

  1. 生産管理
  2. 労務管理
  3. 人事管理
  4. 財務管理
  5. 販売管理

①生産管理

生産管理の主な役割は、企業活動を続けていく上での生産活動を効率化すること。具体的には、経営目標にもとづく販売計画の策定や需要・供給のバランス調整、それらをふまえた在庫管理などを行います。

そのほか、品質管理や生産に必要なリソースの確保なども生産管理に該当する業務です。

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②労務管理

労務管理の主な役割は、従業員の労働環境の管理です。労務管理で定める労働条件や福利厚生などの働く条件は、従業員のモチベーションや生産性に大きく影響します。

モチベーションや生産性を高めながら従業員が働ける環境を整えつつ、就業規則の作成・運用や各種社会保険手続き、勤怠管理なども行うのです。

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③人事管理

人事管理の主な役割は、事業を回す主体となる人材を確保・育成・活用すること。労務管理と同じく「ヒト」に関わる業務であるものの、人事管理では人材確保や育成、配置といったリソースの確保・活用が主な業務範囲です。

具体的には、採用活動や人事評価、人材育成や人材配置を行います。

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④財務管理

財務管理の主な役割は、企業が適切かつ健全に経営を続けていくための資金・資産の管理です。適切な財務管理が行われていれば黒字倒産を防げるだけでなく、無駄な出費を抑えるためコスト・利益の最適化が図れます。

また、財務状況の把握・管理は、経営者の意思決定をサポートするためにも欠かせません。具体的な業務は、入金・支払い管理や経費精算、財務状況の分析などです。

⑤販売管理

販売管理の主な役割は、企業活動におけるヒトとモノの流れの管理です。販売管理が適切に行われていればマーケティング機能が最大化され、市場ニーズを把握したうえで顧客が求める商品やサービスが適切に提供できるようになります。

具体的な業務として挙げられるのは、見積書の作成や受注・売上管理、在庫管理や購買管理などです。

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6.経営管理で求められる能力・資格

経営管理で求められる能力は、経営資源の管理・調整能力です。下記で、具体的な能力や資格をご紹介します。

  1. 思考力や分析力
  2. リソースの把握と分配力
  3. 業務領域に関する専門的スキル
  4. 各部署を巻き込む柔軟力
  5. コミュニケーション能力
  6. 経営管理に関連する資格

①思考力や分析力

生産管理を行ううえで、思考力や分析力は欠かせません。生産や販売など、経営活動における実績をデータ化して分析し、そこから気づきを得てこそ経営管理に生かせます。また、組織全体の状況を把握して適切に管理する際にも、思考力や分析力が必要です。

②リソースの把握と分配力

経営管理では、リソースを把握したうえで分配する能力が必須です。現状のリソースや将来予測ができるデータが見える化する仕組みを構築するほか、効率的かつ最大限のパフォーマンスを発揮するための適切なリソース分配が求められます。

ただ、把握・分配するだけでなく、そのうえでどうすべきか、考える能力も必要でしょう。

③業務領域に関する専門スキル

各部署のリソースを調整する際、関係者と同じ目線で議論できるほどの専門知識・スキルが求められます。もちろん、すべての領域で現場レベルの同等の専門スキルを有するのは難しいものの、同じ土俵に立てるほどある程度の知識・スキルが必要でしょう。

このように経営管理を行ううえでは、高いビジネススキルが求められるとわかります。

④各部署を巻き込む柔軟力

企業全体の業績アップには各部署の連携が重要であり、そのためには経営管理が主体となって各部署を巻き込む能力が求められます。経営管理が各部署を巻き込めれば、従業員も目的意識を持って行動でき、期待どおりの成果を挙げられる可能性が高まるでしょう。

そのためにも、連携したなかで柔軟に対応できるかも重要なポイントです。

⑤コミュニケーション能力

経営管理には横断的な業務も多く、各部署の責任者や担当者とコミュニケーションを取らないことには業務も進められません。また、部門間・社員間を調整する役割も担うため、高いコミュニケーション能力が求められます。

⑥経営管理に関連する資格

経営管理を行ううえで必ずしも資格は必要ありません。しかし資格によって得た知識を活用すると経営管理の質も向上します。経営管理に関連する資格は、下記のとおりです。

  • 中小企業診断士
  • 経営士
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 企業経営アドバイザー
  • 日商簿記検定
  • ビジネス実務法務検定

そのほか、MBA取得や大学院進学で経営を専攻するなど、時間はかかるものの本格的に経営管理能力を身につける方法もあります。

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7.経営管理のポイント

効率的な経営管理には、現状の把握が求められます。下記で、経営管理のポイントを具体的にみていきましょう。

  1. 従業員との意思疎通
  2. データの可視化とKPIの定義
  3. ITシステムの導入と活用

①従業員との意思疎通

経営管理において、従業員との意思疎通は重要な要素です。経営管理は単に経営資源を管理するだけでなく、組織の一体感を構築することも役割のひとつ。そのため、従業員の状態を把握し、何かあればすぐに対応できる体制を整えることが求められます。

また、従業員が働きやすい環境を構築するためにも従業員の不満は早期に把握し、必要な対応をしていくこともこれからの経営管理に求められる姿勢です。

②データの可視化とKPIの定義

適切な経営管理を行ううえでは、まず組織のビジョンや戦略に沿った管理項目の可視化とKPIの定義が重要です。これらが可視化・定義されていないと、組織が一体となって同じ方向へ進めず、目標の達成度やパフォーマンスの計測も難しくなってしまいます。

KPIの設定は全体最適の視点を持ち、過度な管理とならないよう必要最小限の管理項目に抑えることがポイントです。

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③ITシステムの導入と活用

システムの活用によってより効率的、かつ正確な経営管理が可能です。そのためには適切なツール選定と運用体制の整備が必要でしょう。

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8.経営管理で役立つシステム・ツール

ここでは、経営管理に役立つシステム・ツールの具体例をご紹介します。

  1. ERPシステム
  2. RPAツール
  3. BIツール
  4. タレントマネジメントシステム

①ERPシステム

「企業資源計画」とも呼ばれるERP(Enterprise Resource Planning)システムとは、組織の業務プロセスやリソースを一元的に管理するシステムです。

一般的には、販売管理や購買管理、人事・給与管理や生産管理などの基幹業務をサポートする役割を持ちます。経営管理に必要なデータを一括収集・管理でき、スピーディーな経営判断をサポートしてくれるのです。

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②RPAツール

RPA(Robotic Process Automation)ツールとは、定型業務を模倣して自動化するツールのこと。主に総務や経理、人事といったバックオフィス業務の効率化をサポートします。ミスやコストの削減、業務プロセスの改善も可能にし、業務の質向上にも役立つのです。

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③BIツール

BI(Business Intelligence)ツールとは、経営上の意思決定をサポートするツールのこと。意思決定に必要となるデータを収集・分析・加工し、経営層や管理職、従業員に対してタイムリーにデータを提供します。

人の手で収集・分析・加工しては時間がかかるデータを即座にわかりやすい形にまとめてくれるため、スピーディーな経営判断に活用できるのです。

④タレントマネジメントシステム

タレントマネジメントとは、能力や才能、資質などの従業員のタレントやスキルを一元管理し、人材配置や育成にまで活用すること。

タレントマネジメントシステムでは、従業員のタレント・スキル情報などを一元管理・共有し、効果的な人材施策への活用までをサポートします。

具体的には、データベースの構築から人材情報の管理、そのほか採用管理や後継者管理、要員計画や報酬管理など、ツールによってさまざまなデータの管理・活用が可能です。

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