労務管理とは? 労務管理の運用ポイントと課題、システム導入について

活気のないオフィス、閑古鳥の求人、相次ぐ退職…といった悩みを抱える会社は、企業の根幹をなす「人」の管理が適正でないことが多いといいます。そこで今回は、労務管理の運用とシステム導入のポイントについて解説します。

労務管理とは?

社員がその能力を最大限発揮するために必要な環境を整えるには、いくつかの管理が必要になります。労務管理では、労働者と使用者・経営者との間で結ばれる多様な約束事、労働時間や休日・休暇、福利厚生はもちろん、賃金や賞与、手当てといった「労働条件」にまつわる施策や制度を取り扱います。

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具体的には、求人・採用から始まり、配置や異動、人材育成、人事評価、賃金および労働時間の管理といった、企業が社員に対して行うすべての管理の総称です。通常は人事部の仕事ですが、総務部が一括して担う会社もあります。

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労務管理の運営ポイント|労務管理システムの導入も視野に入れる

1.法改正や時代に合わせたメンテナンスが必要な「就業規則」

近年は法改正が頻繁となっています。28年度までも、雇用保険法の改正案、育児介護休業法、男女雇用機会均等法の改正案、300人超の会社では女性活躍推進法における行動計画の提出から実践、改正労働契約法における無期転換制度が多くの会社で残り2年に迫るなど、夥しい変化がありました。就業規則はとくに注意を要しますが、労働基準法のみならず労働安全衛生法なども含まれるため、幅広い対応が必要です。

2.時代の変化やライフスタイルに対応した労務管理の変更

女性の活躍や雇用の国際化、少子高齢化社会への移行。法改正のタイミングのみならず、価値観の多様化やライフスタイルの変化に合わせた対応もしていかなければなりません。若い世代に合った規則や規定にしていくことで、より働きやすい環境を作り出し、優秀な人材の確保と定着を目指します。

3.ITリスクの観点からも見直しが必要

IT化の進展の裏側で、企業が抱えるITリスクは増大しています。大きな企業イメージダウンにつながりかねないリスクを回避するため、個人情報漏洩やセキュリティ対策も含めた規則や規定作りを進めましょう。

4.組織としての人事・労務管理機能の充実

内部管理体制強化のための人事機能の充実や人事の育成は必要不可欠。人事を組織化することで、人材の採用、教育、人の活性化、定着化へとつながります。さらに、併せてそれらを実践・実行するマネジメント体制や運営体制も整備することで、会社全体の経営に影響を与え、企業発展に貢献できるようになります。

このように、限られた人員だけでカバーするには、あまりにも業務が煩雑かつ膨大な労務管理ですが、給与計算、社会保険、労働保険などが連携する「労務管理システム」を導入することで、度重なる法改正にシステムがスピーディに対応し、労務管理業務の負荷軽減につながることでしょう。

労務管理の課題と時代背景|企業戦略を成功させる地盤作りの役割

かつて団塊の世代を中心とした時代では、「終身雇用制」「年功序列制」「労働組合活動」を3本柱に行われていた労務管理。会社を“親”とし、社員である“子”を養うために万全な労働環境を整備することを目的としていましたが、時代の変化にともない転換期を迎えました。

「リストラ」「早期退職制」「成果主義の導入」など、 “子”を突き放さなければ生き残れない過酷なビジネス環境の中、その手法および概念自体が大きく変化しつつあり、トラブルも増加しています。

さらに労務上のトラブルは年々「個別化・多様化」しており、関連法規も頻繁に改正しています。企業戦略遂行に追われ、労務管理の改正や修正が遅れたがゆえに労務トラブルにつながり、企業イメージを下げる会社が後を絶ちません。日本では、約82万件もの都道府県労働局および労働基準監督署への労務相談があり、うち16万件が個別労働紛争です。

トラブルを避けるためのみならず、就業規則のメンテナンス、労務管理見直し、マネジメント体制と運営体制の整備が実現できて初めて、組織の活性化と優秀な人材の採用および定着が可能となるもの。企業戦略は目立つ重要なミッションですが、一見地味な労務管理をしっかり行っていくことが会社の地盤となり、結果として大きな労力の削減と戦略の成功、そして人の定着につながるのです。