なぜ優秀な人は突然辞めるのか? 理由と対策、兆候やリスクを解説

優秀な人の離職は、企業にとって大きな損失です。しかし、優秀な人は需要が高く転職しやすいため、問題が改善されないと早期に辞める傾向にあります。

優秀な人が突然辞めることが多い企業は、その根本的な問題を解決しなければいけません。

今回は優秀な人が辞めてしまう会社の特徴や退職理由、その兆候や対策などを詳しく解説します。

1.優秀な人が辞める会社の特徴とは?

優秀な人がすぐに辞める会社には、一定の特徴がみられます。企業側にその特徴がある自覚がない場合もあるでしょう。

以下の特徴がある会社は、優秀な人が辞める可能性が高いため、注意が必要です。

  • 労働環境に問題がある
  • 職場環境が整っていない
  • 成長機会が少ない
  • 評価制度が機能していない
  • 組織全体の熱量が低い
  • 職場の人間関係が良くない

労働環境に問題がある

具体例

  • 長時間労働やサービス残業が常態化している
  • 休暇が取りにくい、または取得を推奨しない雰囲気がある
  • ハラスメント(パワハラ、セクハラなど)が横行している
  • 安全衛生管理が不十分
  • 優秀な人に業務が集中している

労働環境に問題がある会社は、優秀な人に限らず、従業員の離職率が高い傾向にあります。特に、優秀な人は効率や生産性を重視する特徴があるため、メリハリをつけて仕事したいと考える人が多いです。

休む時に休めなかったり、仕事ができない人の分まで余分に業務を回されたりする環境では、高いパフォーマンスが発揮できず、離職のリスクが高まります。

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職場環境が整っていない

具体例

  • オフィスが狭く、設備も老朽化している
  • 必要なツールやシステムが整備されていない
  • リモートワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方ができない
  • 社員の意見が反映されにくい

職場環境は仕事のパフォーマンスや生産性に大きく関係する要素です。以下の要素から成り立っています。

物理的な環境 ・オフィスのレイアウト
・設備の快適性(デスク、チェア、照明、空調など)
・騒音レベル
人間関係 ・周囲との良好な関係性
・コミュニケーションの取りやすさ
仕事の負荷 ・適切な業務量
・適切な配置
労働条件 ・業務量や責任に見合った給料
・適切な労働時間
・福利厚生の充実性
・働きやすさ

職場環境が整っていないと、ストレスや不満が溜まり、本来のパフォーマンスを発揮できない場合も多いでしょう。優秀な人は自分にとってマイナスな環境には、早い段階で見切りをつける傾向があります。

また、時代の変化に適応していない職場環境も、優秀な人にとってはマイナス要素です。

リモートワークが導入されていない、年功序列を重視している、会社の飲み会に強制参加など、時代に合っていない環境も優秀な人が辞める要因になります。

成長機会が少ない

具体例

  • 新しいスキルや知識を習得する機会がない
  • キャリアアップの道筋が不明確である
  • 挑戦的な仕事や責任のある仕事を任せてもらえない
  • 上司や先輩からの指導、フィードバックが少ない

優秀な人は常に成長を求めています。スキルアップの機会がなかったり、キャリア形成の道筋が見えなかったりする環境では、停滞感を覚え、やりがいを感じにくいでしょう。

そのため、自分の市場価値を高められる環境や自分のスキルを活かせる環境に身を置くために、転職を選んでしまうのです。

評価制度が機能していない

具体例

  • 評価基準が曖昧で、納得感がない
  • 成果に見合った評価や報酬が得られない
  • 年功序列や社内政治が優先される
  • フィードバックが少なく、改善点が見えない

評価制度が機能していないと、企業から求められることや自分の評価の根拠が理解できません。さらに、努力の方向性が見えず、スキルアップやキャリア形成にも活かせないでしょう。

優秀な人はどこにいっても評価されるため、適切な評価が受けられる環境を求めて辞めてしまうのです。

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組織全体の熱量が低い

具体例

  • 経営陣のビジョンや目標が不明確
  • 新しいことに挑戦する意欲が低い
  • 従業員の主体性やモチベーションが低い

優秀な人は仕事への熱量も高く、それゆえ主体的に動けます。だからこそ、周囲の熱量やモチベーションに差があると、ストレスを感じてしまいます。

組織全体が現状維持を好む姿勢では、常に成長を求める優秀な人との熱量にますます差が開きます。優秀な人はその環境にやりがいを感じられなくなり、結果的に離職につながります。

職場の人間関係が良くない

具体例

  • 上司と部下の関係が悪い
  • 組織全体のコミュニケーションが少ない
  • 派閥や対立がある
  • 協力し合う文化がない

人間関係の悪さは、ストレスの原因となり、仕事のパフォーマンスを低下させます。また、円滑に業務を進めるためには、コミュニケーションが不可欠です。

人間関係が良くないとコミュニケーションにも支障が出るため、思うように仕事が進められず、優秀な人ほどストレスを感じるでしょう。

優秀な人が辞めたことを皮切りに、他の従業員が連鎖的に離職するリスクもあります

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2.優秀な人が突然辞める理由

優秀な人はどこへ行っても活躍でき、より良い条件を求めるため、見切りをつけるのが早い傾向にあります。そのため、優秀な人ほど突然辞めるケースが少なくありません。

優秀な人が突然辞める理由として、以下の事柄が考えられます。

  • 正当に評価されず待遇に不満があるから
  • やりがいや成長を感じられないから
  • 会社の将来に不安を感じるから
  • 業務過多の状態が改善されないから
  • 好待遇の会社からオファーがあったから

正当に評価されず待遇に不満があるから

優秀な人は、自身の能力や貢献度を客観的に把握しており、それに見合った評価や待遇を求めます。

評価結果は給与や昇進に影響する重要なものです。そのため、評価制度が曖昧であったり、年功序列や社内政治が優先されたりする場合、正当な評価が得られず不満が募ります。

自分の成果や能力が認められない、努力しても報われないと感じると、今の職場にいることに疑問を感じ、転職を検討するでしょう。

やりがいや成長を感じられないから

優秀な人は、常に新しいことに挑戦し、自己成長を続けたい欲求を持っています。ルーティンワークばかりでスキルアップの機会がない環境では、やりがいや成長を実感できません。その結果、将来への焦りを感じることもあるでしょう。

今の会社に「期待していたキャリアが実現できない」「もう学ぶことはない」と思ったら、やりがいや成長を求めて転職する人も多くいます。

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会社の将来に不安を感じるから

優秀な人は、会社の業績や将来性に対しても敏感です。経営陣のビジョンや戦略が不明確であったり、業績が悪化していたりする場合、会社の将来に不安を感じます。

また、時代の変化に適応できていないと、将来性のある企業に転職を検討する場合もあるでしょう。

さらに、優秀な人は「従業員が大切にされているか」という観点からも将来性を見ています。従業員を大切にしていない会社は業績も上がりにくいため、その状況が改善されない限りは辞めるのがベストだと判断されてしまいます。

業務過多の状態が改善されないから

優秀な人は生産性が高く、効率的に仕事を処理できるため、多くの業務を任せられます。しかし、優秀な人だけが苦労し、他の従業員が楽している環境では、ストレスが増大します。

肉体的な疲労も大きく、心身の健康を損なう可能性もあるでしょう。

ストレスや疲労から仕事への意欲も低下し、より働きやすい環境を求めて転職を考えるのは自然なことです

好待遇の会社からオファーがあったから

たとえ辞めたいと感じていても、転職活動を始めるにはエネルギーや時間が必要なため、すぐに行動に移せない人も多いでしょう。

しかし、優秀な人は市場価値が高く、ヘッドハンティングやスカウトで、好待遇の会社からオファーを受けることも少なくありません。

会社に不満がある場合なら尚更、より良い待遇やポジションを提示されると、転職を検討するきっかけになるでしょう。

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3.優秀な人が辞める会社のリスク

優秀な人材が会社を辞めることは、企業にとって大きな損失です。優秀な人が辞めるリスクを詳しくみていきましょう。

仕事の質・生産性が低下する

優秀な人は生産性が高く、一人で二人分の業務量をこなしたり、その能力の高さから質の高い仕事を提供できたりします。そのような人材が辞めれば、仕事の質や生産性が低下し、顧客満足度や業績に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。

優秀な人が担っていた役割は残った従業員が引き継がなければいけません。しかし、優秀な人が担当した役割の重要度が高ければ高いほど、現場の負担も大きくなります。

チーム全体が業務過多の状態に陥るとさらに生産性が低下し、労働環境の悪化により、新たな離職にもつながります。

従業員の士気やモチベーションが下がる

優秀な人は周囲からも信頼が厚い存在です。現場は、優秀な人のおかげで問題なく業務を進行できる安心感もあるでしょう。そんな人が突然辞めてしまうと、会社に問題があることが懸念され、従業員の不安が増大します。

「優秀な人が辞めたということは、この会社には将来性がないのか」と捉えられる可能性もあります。従業員のモチベーションや士気が下がり、結果として組織全体の生産性低下につながりかねません。

連鎖的に辞める人が出てくる

従業員の士気やモチベーションの低下によって、連鎖的に退職者が増えたり、他の優秀な人の退職を誘発したりする可能性があります。

例えば、優秀な人が退職したことで業務負担が増えた、ネガティブな憶測から会社に居続けることが不安になったなど、その要因はさまざまです。

連鎖的に退職者が増えると、組織全体が深刻な人手不足に陥り、経営・業績にも悪影響を及ぼすおそれがあります。

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4.優秀な人が辞める兆候

優秀な人が辞める前は、以下の兆候がみられる場合があります。

  • 仕事への積極性が低くなる
  • コミュニケーションが少なくなる
  • 有給休暇の取得が増えた
  • 身の回りを整理し始めた

周囲に当てはまる従業員がいる場合、離職を回避するために早期に対処しましょう。

仕事への積極性が低くなる

以前は積極的に会議で発言したり、新しいプロジェクトに意欲的に取り組んでいたりした人が、急に消極的になった場合には注意が必要です。

また、指示されたことや最低限の業務にしか取り組まないといった姿勢が見られる場合も気をつけましょう。

仕事に前向きな姿勢が見られなくなった場合、会社への不満や悩みが増大している可能性が高いです。優秀な人ほど、普段の業務姿勢との差が大きいため、わかりやすい兆候といえます

コミュニケーションが少なくなる

退職をすでに決断している場合、それを悟られないように、周囲とのコミュニケーションを避ける場合があります。

例えば、いつもは参加していたランチや飲み会を断るようになったり、最低限のコミュニケーションしかとらなくなったりする様子が見られるでしょう。

優秀な人はコミュニケーションも活発なため、いつもと様子が変わっていれば、辞める兆候である可能性が高いです。

有給休暇の取得が増えた

有給休暇は従業員の権利であるため、取得自体は問題ではありません。しかし、その頻度が変化した場合には、退職を意識している気配がうかがえます。

突然、有給休暇を取得する頻度が増えた場合、退職に向けて有休を消化している、もしくは平日に転職活動を行っている可能性が考えられるでしょう。

身の回りを整理し始めた

デスクや荷物を整理し始めるのも、辞める兆候の1つです。すでに転職先が決まっており、あとは上司に退職を伝えるだけの段階かもしれません。

普段は放置していた不必要なものを処分したり、業務資料やファイルを整理したりする行動も見られるでしょう。また、スムーズに辞めるため、業務内で少しずつ引き継ぎを始めているケースもあります。

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5.優秀な人が辞めるのを止める方法

優秀な人が辞めてしまうと、企業にとって大きな損失になります。しかし、優秀な人が抱える不安や悩みにすばやく対処することで、退職を未然に防げます。

退職の理由にあわせて、適切な方法を講じましょう。

人事評価制度と待遇を見直す

人事評価制度の公平性・透明性を高めることは、優秀な人の退職を回避する有効な方法です。

ポイントは、評価基準と項目の明確化にあります。どのような成果・行動に対して、どう評価し、従業員にどう報いるかを明確にさせることが重要です。

そのうえで、成果や能力を正しく評価し、待遇に反映させます。必要に応じて、給料の見直しを提案したり、能力に見合ったポジションや仕事を任せたりしましょう。

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会社のビジョンを明確にする

会社のビジョンが不明瞭な状態では、今後の方向性がわからず、優秀な人が企業の将来に不安を感じます。会社が目指す方向性が明確でないと、自分の役割が把握できず、仕事へのモチベーションが低下しかねません。

明確にしたビジョンは、従業員に正しく共有し、浸透させることが大切です。ビジョンの達成につながる行動を、目標や業務に落とし込むことで、従業員は自分の役割やその重要性を理解しやすくなります。

また、業務を自分ごととして捉えられるようになり、帰属意識が高まります。その結果、離職防止にもつながるでしょう。

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業務内容・量を調整する

優秀な人に依存しすぎている場合には、業務量の調整が必要です。従業員それぞれの業務内容や業務量を見直し、優秀な人に偏りがある場合には調整しましょう。

新しい業務が増えていくと、そのバランスが徐々に崩れてしまうため、定期的な見直しが必要です。

業務内容についても、優秀な人がスキルや経験を十分に発揮できるかどうかを考えて割り振ります。仕事を通じて成長できる環境を提供することも、優秀な人の退職防止に不可欠です。

また、裁量権を与え、仕事の自由度を高めることも有効です。年齢やポジションにこだわりすぎず、若い人材でも優秀であれば大きな役割を任せてみましょう。

コミュニケーションを活性化させる

コミュニケーションが活性化している環境では、心理的安全性が高まり、業務も円滑に進みます。良い職場環境にするためにも、コミュニケーションの活性化は重要なポイントです。

また、上司は部下が優秀だからと、任せきりにしないことも大切です。定期的に1on1ミーティングを行い、現況や悩み、今後のビジョンなどを確認する機会を持ちましょう。

優秀な人の現況を知ることで、必要な対処ができ、離職を防げます。

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成長機会を与える

優秀な人は、成長意欲が高い傾向にあります。しかし、日常的な業務だけでは、成長度合いにも限りがあるでしょう。

企業側が積極的に成長できる機会を与えることも離職防止に有効です。

具体的には、以下の機会が成長に効果的です。

  • 資格取得の支援
  • 外部セミナーや研修の参加費用の負担
  • 積極的にプロジェクトを任せる
  • 裁量権を与える など

企業からの成長支援を実感できれば、エンゲージメント向上にもつながります。

キャリア形成を支援する

今の会社でキャリアを築くことがイメージできないと、将来性に不安を感じ、退職するおそれがあります。

それを防ぐためには、以下のポイントから優秀な人のキャリア形成を支援します。

  • 明確なキャリアパスの提示
  • キャリアデザイン研修や階層別研修の実施
  • キャリア相談窓口の設置
  • 挑戦できる環境、制度の提供 など

キャリアをイメージでき、そのための支援が充実している環境では、目標に向かって前向きに取り組めるため、離職を防止できます。

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パルスサーベイを活用する

企業が先回りして、退職しそうな人に対して適切なフォローを講じることも大切です。パルスサーベイでは、従業員のストレスやメンタルヘルスをチェックでき、離職兆候を察知できます。

優秀な人のメンタル不調を早期発見できれば、必要なフォローを速やかにおこなえます。

人それぞれ、悩みや不調の原因は異なります。その人に合った適切なフォローを講じるためにも、従業員一人ひとりのデータを可視化・収集できるシステムを導入しましょう。

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6.優秀な人が辞めてしまった際の対処法

優秀な人が辞めてしまった際、そのままにするのではなく、以下の対処法が必要です。

  • 退職者面談・アンケートを実施する
  • 再発防止策を検討する
  • 人員配置・業務配分を見直す

連鎖的に辞める人が発生しないよう、しっかりと対処しましょう。

退職者面談・アンケートを実施する

退職者面談やアンケートを実施し、優秀な人が辞めた理由を把握することも必要です。優秀な人が辞めた理由は、企業の課題ともいえます。

さまざまな離職防止策を講じたとしても、原因に対するアプローチができていないと、本質的な解決には至りません。

退職者面談・アンケートの結果は現場の声として、非常に貴重です。本音を引き出すためにも、組織改善に生かす目的で実施していると予め伝えておきましょう。

引き留めに合う懸念があると、建前の理由しか聞き出せない場合があるため、注意が必要です。

再発防止策を検討する

優秀な人の離職は大きな損失ですが、その結果を無駄にしないために、今後の取り組みに活かす姿勢が求められます。退職者面談・アンケートの結果から、優秀な人の離職の原因がわかります。

この原因は優秀な人だけでなく、従業員全般に当てはまる可能性があります。結果を分析し、原因に対する有効な策を講じましょう。

例えば、評価への不満が退職理由であれば、人事評価制度の見直しが有効です。残っている従業員にもアンケートを実施し、今の課題や不安、悩みを把握したうえで、それに対するすばやい対処が必要です。

人員配置・業務配分を見直す

優秀な人の離職によって、業務負担が増大するため、残された従業員に過剰な負担がかからないよう、人員配置や業務配分を見直すことも必要です。

適切に見直せれば、生産性や質の低下を回避でき、優秀な人に依存する体制を見直す機会にもなります。

社内リソースだけで補うのが難しい場合には、アウトソーシングも一つの手です。新規採用なども視野に入れ、必要な人員を補いましょう。

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